保育士は何歳まで働ける？定年年齢や長く活躍するコツを解説

保育士として長くキャリアを積んでいくことは、子どもたちの成長に寄り添い続ける喜びがある一方で、体力面などでの不安を感じる方も多いです。

この記事では、実際のところ保育士として何歳まで働けるのか、また長く活躍し続けるためにはどのような働き方があるのかを解説していきます。

保育士の定年年齢

保育士の定年年齢は働く施設によって異なりますが、一般的な定年年齢の60歳以降も働き続けられる場合が多いです。

ここでは、公立・私立それぞれについて定年年齢の特徴を紹介します。

公立保育園の定年年齢

公立保育園の職員は公務員であり、定年年齢は地方公務員としての規定により、一般的に60歳と定められています。

しかし、定年後は定年前再任用短時間勤務制が適用され、希望すれば65歳まで再任用職員として短時間勤務が可能です。

また、総務省の「地方公務員法の一部を改正する法律について（地方公務員の定年引上げ関係）」2023年から段階的に定年年齢が引き上げられており、2031年には65歳定年となることが決まっています。

私立保育園の定年年齢

私立保育園の定年年齢は各園の規定によって異なりますが、多くの園では公立に準じて60歳前後の設定です。

なかには70代まで働けるような柔軟な対応をしている園もあり、経験豊富な保育士の知識や技術を活かせる場が広がっています。

定年後も嘱託やパートタイムとして働き続けるケースも増えており、体力や生活スタイルに合わせた働き方を選択できることが多いです。

保育士資格の年齢制限

ここでは、保育士資格の取得や継続に関する年齢制限について見ていきます。

資格取得に年齢制限はある？

一般社団法人全国保育士養成協議会の「受験資格詳細」では、保育士試験の受験資格に年齢制限はないとされ、おおむね高校卒業以上の学歴があれば何歳からでも取得することが可能です。

合格すれば正式な国家資格として認められ、生涯有効な資格として保持できます。

年齢に関係ない資格の魅力

保育士資格は一度取得すれば更新の必要がなく、いつでも保育の現場に戻れる可能性を持てます。

育児や介護などでいったん離職しても、状況が落ち着いてから再び保育の仕事に携われるため、人生のステージに合わせてキャリアを組み立てられる点が大きな魅力です。

保育士として長く活躍するコツ

保育の仕事を長く続けていくために、体調面での工夫や働き方を選ぶポイントを紹介します。

日々の体調管理をしっかり行う

保育士の仕事は体力的な負担が大きいため、まめに体調管理を行い健康第一で過ごしましょう。

子どもたちと接する際の姿勢に気をつけたり、休日のリフレッシュ方法を工夫したりと、自分に合った方法で体調維持に努めている人も多いです。

ライフスタイルや体力に応じた働き方を選ぶ

年齢とともに変化する体力や生活環境に合わせて、自分に合った柔軟に働き方を選択することで無理なく保育士を継続できます。

働き方は多様化しているため、フルタイムでの勤務が負担になってきたら他の選択肢も視野に入れてみましょう。

パートタイムや時短勤務へ切り替える・働く時間帯を選ぶ・派遣で働くなど、ライフスタイルや体力に合わせて働き方を見直すのがおすすめです。

ベテラン保育士の働き方

長年の経験を活かして、保育の現場で活躍し続けるための選択肢はさまざまです。

ここでは年齢を重ねても活かせる知識と経験を、どのように発展させていけるのか紹介します。

保育士としてのキャリアパスは多様

豊富な経験を持つベテラン保育士には、主任保育士や園長などの管理職への道が開かれています。

また、保育アドバイザーとして現役保育士の相談役になる、研修担当として後進の育成に携わるなど、直接的な保育業務以外でも重要な役割を担うことが可能です。

働きやすい雇用形態の例

体力面での負担を考慮しながら経験を活かせる働き方には、以下の例があります。

• 短時間勤務
• パートタイム
• 早番や遅番などのシフト制勤務

また、一時保育や企業内保育所など、比較的落ち着いた環境での勤務を選ぶことで、無理なく長く続けることも可能です。

活躍できる職場の探し方

経験豊富な保育士を求める職場は多く、とくに私立園では柔軟な働き方を提案してくれるところも増えています。

職場選びの際は、勤務時間や役割について細かく確認し、自分の希望する働き方ができるかを見極めましょう。

派遣会社の利用もおすすめ

保育士専門の人材サービスを利用することで、より細かな条件に合った職場を見つけやすくなります。

派遣会社では勤務時間や職場環境など希望する条件に合った求人を提案してくれるため、ライフスタイルに合った働き方を実現しやすいことが特徴です。

再就職や転職を考える際の注意点

保育の現場では豊富な経験を持つベテラン保育士が重宝されており、再就職や転職は比較的しやすいと言えます。

しかし、保育内容や制度は日々進化しているため、最新の保育事情について情報収集に努めるほか、必要に応じて研修受講も検討しておく必要があります。

また、職場選びでは園の保育方針や職員体制・サポート体制なども確認し、自分に合った環境か見極めることが長く働き続けるために大切です。

経験者の採用に積極的な園ならブランクがあっても温かくサポートしてくれることが多いので、求人情報や面接などでよく確認しましょう。

よくある質問

保育士の仕事を長く続けていく上でよくある質問を紹介します。

保育士の定年年齢は何歳ですか？

公立保育園では一般的に60歳が定年ですが、再任用制度により65歳まで働ける場合が多いです。

私立保育園では定年年齢は各園によって異なりますが、60歳が一般的で、70代まで働ける園もあります。

いっぽう保育士資格についての年齢制限はなく、一度取得すれば更新の必要がないため、保育に関わる可能性を持ち続けられます。

くわしくは「保育士の定年年齢」「保育士資格の年齢制限」で紹介しているので、あわせてご覧ください。

保育士として長く働くためのコツは何ですか？

日々の体調管理のほか、自分のライフスタイルや体力に応じた働き方を選ぶことも大切です。

また保育士のキャリアパスは多岐に渡り、主任保育士や園長などの管理職へのステップアップ、研修担当や保育アドバイザーとして後進の育成に携わる道もあります。

異なる役割やポジションを探すことで、体力的な負担を軽減しながらキャリアを続けることが可能です。

「保育士として長く活躍するコツ」も参考にしてください。

フルタイムのほかに保育士の働き方はありますか？

フルタイム勤務以外にも、時短勤務やパートタイム、早番や遅番などのシフト制勤務など、自分の体力や生活スタイルに合わせた働き方を選べます。

また派遣での勤務であれば、自分の希望する勤務条件を伝えて、それに合った職場を見つけることも可能です。

無理のない範囲で、自分に適した働き方を探してみましょう。

「働きやすい雇用形態の例」や「派遣会社の利用もおすすめ」もご覧ください。

まとめ

保育士資格に年齢制限はなく、公立・私立を問わず、多くの場合定年の60歳以降も働き続けることが可能です。

長く活躍するためには体調管理や働き方の工夫が欠かせませんが、経験豊富な保育士の存在は現場で貴重であり、管理職や指導者などさまざまなキャリアパスも広がっています。

保育士としてのキャリアを考える際は、まずは自分の希望する働き方を明確にし、それを実現できる環境を探すことをおすすめします。