時短勤務を利用するには?対象条件やメリットなどを解説

時短勤務とは、育児や介護などを必要とする労働者が仕事の両立ができるよう、一日の勤務時間を短縮して働ける仕組みのことです。

しかし、なかには「どんな条件で使えるの?」「メリットは?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、時短勤務が適用される条件やメリット・デメリットなど、基本的な情報を紹介していきます。

育児と介護をしながら仕事を続けたい方におすすめの制度なので、働き方の一つとして参考にしてください。

家事や育児と両立したいなら時短勤務ができる派遣の仕事をチェック!
ライフスタイルに合わせた働き方ができる派遣社員であれば、時短勤務でも条件を考慮して希望する仕事を探すことができます。

ウィルオブでは、仕事の紹介だけでなくライフスタイルに合わせた働き方の提案も行っています。時短勤務で悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。 >>相談・登録はこちら

時短勤務とは

時短勤務(短時間勤務)はただ単純に勤務時間が短くなるだけでなく、しっかりとした目的があります。

ここでは時短勤務がどのような制度か、同じ短時間の勤務でもフレックスタイム制と何が違うかなどを紹介します。

時短勤務の制度

育児・介護休業法で定められていることで、育児や介護を行う労働者が仕事と両立できるように支援することを目的とした制度です。

条件を満たすことで制度が適用され、働き方の多様性を広げることにもつながるため法改正も進められています。

加えて、2025年4月からは3歳未満の子どもを育てる従業員に対して、企業に「テレワークの導入を検討する努力義務」が課されるようになりました。

これは、育児中でもより柔軟に働ける環境を整えるための施策であり、企業によっては在宅勤務やリモートワークなどの選択肢が広がっていくことが期待されます。

2025年(令和7年)4月1日からは段階的な法改正が始まっているので、くわしくは厚生労働省が発表している「育児・介護休業法改正ポイントのご案内」をご確認ください。

時短勤務の対象条件

ここでは、時短勤務の対象者の中でも育児と介護を目的とした方が当てはまる条件を紹介していきます。

これから時短勤務を検討されるのであれば、こちらの条件を確認して雇用元の会社にも相談をしてください。

ただし、いずれも労使協定の適用外となる場合は対象から外れてしまいます。

【育児目的の対象条件】

  • 3歳未満の子どもを育てている
  • 1日6時間の時短勤務が企業に義務付けられている
  • 雇用期間が1年以上見込まれる(現在は努力義務になっている)
  • 時短勤務制度の適用期間に労働していないこと
  • 労使協定によって適用除外とされていないこと

【介護目的の対象条件】

  • 日々雇用されていない労働者(正社員や契約社員など)
  • 要介護状態にある家族を介護している

※要介護とは、負傷や疾病、身体上または精神上の障害によって2週間以上の期間にわたって常時介護を必要とする状態のこと

【労使協定の適用除外になる条件】

  • 雇用期間が1年未満
  • 1週間の所定労働日数が2日以下
  • 短時間勤務制度の適用が困難とされる業務に携わっている

派遣社員も時短勤務はできる?

実は、派遣社員も条件を満たせば利用可能です。

育児・介護休業法では、小学校就学前の子供を育てている場合は派遣社員も短時間勤務制度の対象になると認められています。

ただし、法律で認められていても実際に制度を利用するには、雇用元である派遣会社の就業規則や契約内容に基づいた申請が必要です。

とくに、以下のようなケースでは利用が難しい場合があります。

  • 派遣契約の期間が非常に短い
  • 勤続日数が法律の条件を満たしていない
  • 派遣先の業務内容が時短勤務を認めることが難しい

なお、派遣社員の場合、勤務する派遣先が変わっていても同じ派遣元(派遣会社)と継続して雇用契約を結んでいれば通算した雇用期間として認められることがあります。

この点については、事前に派遣会社の担当者に相談をしておくと安心です。

ただ、派遣社員はライフスタイルに合わせた就業条件で働くことを目指せるので、どのような働き方が良いか派遣会社に相談してみるのもおすすめです。

ウィルオブへの相談はこちら

時短勤務とフレックスタイム制との違い

柔軟な働き方ができる制度としてフレックスタイム制もありますが、こちらと時短勤務とでは明確な違いがあるため混同しないように気を付けてください。

【時短勤務とフレックスタイム制の比較】

比較項目時短勤務フレックスタイム制
対象者子育て・介護中の人全社員
勤務時間所定労働時間を短縮月単位の労働時間を調整
法的義務一部企業に義務がある企業判断の任意

まず、勤務時間で大きな違いがあります。

時短勤務は1日の所定労働時間を短くするものですが、フレックスタイム制は1か月単位で総労働時間を調整するため1か月の所定労働時間は変わりません。

さらに、対象者も時短勤務は子育てや介護などの事情でフルタイム勤務が厳しい人に向けたもので、フレックスタイム制は企業によっては全社員に適用されている制度です。

このように、柔軟な働き方ができるといっても細かく見ていくと明確な違いがあるため、自分が適用されるものが何かを理解しておきましょう。

時短勤務のメリット・デメリット

これまで時短勤務について話をしてきましたが、実際どのような点で優れているかをメリット・デメリットで解説していきます。

メリットとデメリットをふまえて、自分に合った働き方かどうかを考えてみましょう。

メリット

時短勤務を適用する大きなメリットは、ライフワークのバランスを取りやすくなることです。

たとえ長めの期間のお休みをいただいていたとしても、キャリアを継続することができるので将来的な安心感もあります。

デメリット

気になるデメリットとしては、勤務時間が減ることにともなう収入の減少です。

また、短時間の勤務となるため社内交流の時間が減ったり、業務内容を調整することの影響でキャリアアップに支障がでてしまったりする可能性も少なからずあります。

ただ、このことを理由に昇進から除外することは違法行為になる可能性がありますが、長期の時短勤務が続くような適切な理由であれば正当とみなされます。

このあたりについては、企業によって規則や評価判断が異なるため、どのように変わるかを事前に確認しておくことで対策を取ることができますよ。

「2025年4月スタート」育児時短就業給付とは

2025年4月から、厚生労働省によって新たに育児時短就業給付の制度がスタートしました。

これは、2歳未満の子どもを育てながら時短勤務をする方に対して、雇用保険から一定の給付金が支給される仕組みです。

【対象者】

  • 2歳未満の子どもを育てながら時短勤務する正社員・契約社員など
  • 時短勤務で復帰、または育児時短就業開始日前2年間に、被保険者期間(※注1)が12か月あること

※参照:厚生労働省「2025年4月から「育児時短就業給付金」を創設します
※注1:賃金支払基礎日数が11日以上(ない場合は賃金の支払い基礎となる時間が80時間以上)完全月。

給与が減ることに不安を感じる方にとって、少しでも負担を軽減できる制度です。

導入されたばかりの制度のため、くわしい内容は勤務先やハローワークなどでご確認ください。

時短勤務の申請方法

はじめて時短勤務の適用を検討している方に向け、一般的な申請の流れを簡単に紹介していきます。

企業によっても変わるため、適用すると決めた際には申請を進める前に上司や企業への相談をしておくのが確実です。

【一般的な申請の流れ】

1.事前相談
2.申請書の提出
3.勤務先による確認・承認作業
4.通知書の受領
5.上司や企業に報告して適用開始

時短勤務に伴う相談をする際に、必要な書類や今後予定されていた業務に関する対応などについても話をし、業務に支障が出ないように対策を十分にとりましょう。

時短勤務による給与の変化

デメリット」でも少し話をしましたが、勤務時間が減ってしまうため収入も労働時間に応じて減らされます。

もし、フルタイム(8時間)で勤務していた場合、短時間勤務で6時間に変わるとなればこれまでの約75%まで減額されると予測されます。

たとえば、フルタイムで月給28万円の人が6時間勤務になると、その約75%である月給21万円まで下がる計算になります。

生活に影響が出る可能性があるので、時短勤務を検討される際はこの部分もしっかり考慮しておきましょう。

よくある質問

ここでは、時短勤務に関する質問を紹介していきます。

時短勤務って誰でも利用できますか?

もともとこの制度は育児や介護を必要とする労働者が仕事との両立ができることを目的としているため、誰でも申請が通るわけではありません。

雇用形態や適用外の条件など、育児と介護でそれぞれ満たさなくてはならない条件があるので自分が当てはまるか確認をしておきましょう。

くわしくはこちらの「時短勤務の対象条件」を参考にしてください。

また、こちらだけでなく企業によって就業規則で定めている条件もあるため、上司や企業の担当部署への確認も忘れずに行ってください。

フレックスタイム制と似ていますが何が違いますか?

大きく違うのは、勤務時間です。

時短勤務は1日の勤務時間を短縮する制度ですが、フレックスタイム制は勤務時間を調整するだけで1か月などの一定期間で定められた勤務時間を満たさなくてはなりません。

つまり、フレックスタイム制だと勤務時間が短縮されるのではなく、時間をずらすことができる制度だといえます。

こちらの「フレックスタイム制との違い」でも解説しているので、あわせてご覧ください。

まとめ

この記事では、時短勤務について解説をしてきました。

時短勤務は、そもそも育児や介護を必要とする労働者が仕事との両立を可能にするための制度であるため、雇用形態に関係なく一定条件を満たした方が利用できる制度です。

また、制度利用の条件を満たすだけでなく企業で定めている就業規則の確認も必要なので、事前に上司や企業の担当部署に相談をしておくようにしましょう。

ただ、時短勤務だと収入が減ってしまうデメリットがあるため、生活とのバランスを考えて時短勤務を利用するかを検討してください。

時短勤務の働き方も選択肢の一つとして視野に入れ、自分らしい働き方を見つけてくださいね。

時短勤務が気になるなら派遣会社にも相談してみませんか?
時短勤務だと収入が不安な方は、時給の高い派遣求人を選ぶことで無理なく働ける可能性もあります。派遣なら、あらかじめ短時間で働ける条件のお仕事を選びやすく、自分のペースを大切にできますよ。

ウィルオブでは、時短に向いた仕事の紹介はもちろん、将来を見据えた働き方の相談もできます。働き方でお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。 >>相談・登録はこちら