派遣社員が失業保険をもらう方法は?基礎知識や受給条件・注意点など解説

派遣社員でも失業給付金があることをご存知でしょうか?
失業給付金は他の雇用形態と同じく、派遣でも条件を満たしていればもらうことが可能です。

受給条件や注意点などを知り、損をすることなく給付金を受けられるようにすることで、次の仕事へ繋げることができます。

ここでは、派遣社員が失業保険をもらうために必要な知識を紹介します。

失業保険とは?

失業保険をもらうためにも、まずはどういったものか知ることが大切になります。

この失業保険とは、雇用保険での「失業等給付」のことを言います。この給付の目的は、失業した方が生活に不安を抱えずに次の就職先を見付けられるように支援する事です。

ですが、給付を受けるためにはハローワーク(公共職業安定所)での手続きが必要となるので、失業した際には給付を受けられるかの確認と、手続きを行いましょう。

くわしくは、こちらの「そもそも失業保険とは?」で解説していますので、あわせてご覧ください。

失業の理由が自己都合か会社都合か?


失業手当の支給開始は、失業の理由が自己都合か会社都合かによって変わってきます。派遣社員の失業におおいてそれぞれはどのように違うのでしょうか。

まずは、その違いを分かりやすくまとめてみましょう。

【契約期間の途中の場合】

会社都合 派遣先の都合で離職
自己都合 自分の都合で離職

【契約期間満了の場合】

会社都合 契約満了後、引き続き仕事をする意志があるが派遣会社から1ヶ月以上仕事が紹介されない
自己都合 契約満了後、次のお仕事を派遣会社から紹介されたが断った

続いて、どういった場合で自己都合や会社都合になるかを、くわしく解説していきます。

自己都合の支給日と具体例


自己都合とは、自分の都合によって退職したことをさします。この場合、受給資格決定日から始まる待機期間7日間と給付制限期間の3ヶ月を経て支給が開始されます。

次に、どういった退職理由が対象となるか、具体例を挙げていきます。

病気や心身の障害により働くのが困難

心の病や長期入院を余儀なくされて退職した場合には、自己都合とみなされる可能性があります。ただし、自己都合なのか会社都合なのか判断するのはハローワークです。

自身で退職をしたものの、その理由がやむおえないと判断された場合は、会社都合退職と同じ扱いになる特定受給資格者となる可能性もあります。

両親の介護や看護が必要になり退職

心の病や長期入院を余儀なくされて退職した場合には、自己都合とみなされる可能性があります。ただし、自己都合なのか会社都合なのか判断するのはハローワークです。

自身で退職をしたものの、その理由がやむおえないと判断された場合は、会社都合退職と同じ扱いになる特定受給資格者となる可能性もあります。

両親の介護や看護が必要になり退職

介護などにより長期間派遣社員で働くことを中断しなければならない場合です。

転居(結婚等)のため通勤が困難

現在登録している派遣会社の紹介する求人では勤務可能な職場や、勤務可能な求人で希望するものがない場合をイメージしてください。

会社都合の支給日と具体例

会社都合とは、経営困難を理由とした人員削減などの会社の都合によって退職することをさします。この場合、受給資格決定日から始まる待機期間7日間を経て支給が開始されます。

ただし、契約期間満了での退職で会社都合としたいのであれば、派遣会社から1ヶ月仕事を紹介してもらえないことが条件にあります。そのため収入が減る期間は、受給資格決定日までの1ヶ月も含めて考える必要があります。

続いて、どういった退職理由が対象となるか、具体例を挙げていきます。

倒産、解雇

派遣社員であろうとどのような雇用形態であっても倒産、解雇は会社都合の最も正当な理由です。

自己都合に見えても、やむをえず退職に追い込まれる下記のような事例も当てはまります。

派遣会社からの賃金の遅延や85%未満に低下した場合

派遣会社から賃金が振り込まれない、正当な理由のない賃金低下(85%未満)で困り、生活に支障が出てしまうなどのケースです。

派遣は会社都合になりにくいケースもある

上司からパワハラやセクハラを派遣先企業から受けたことにより仕事を辞めたとしても、雇用契約は派遣会社と結んでいるため会社都合の理由になりにくいだけでなく、現実では泣き寝入りして他の派遣先を探すというケースになりがちです。

正社員の場合は不当解雇の理由の1つになりますが、派遣社員の場合には当てはまりにくいことがあります。

このような事態に陥ったら、一度派遣会社の担当者に相談をしましょう。

会社都合は契約満了後も1ヶ月は待たなくてはならない

正社員が離職した場合は、雇用主は10日間以内に離職票を社員に渡さなければなりませが、派遣社員の場合、契約と契約の間の期間と離職とを区別するために、雇用契約が終了したら派遣会社は次の派遣先を探す期間として1ヶ月間待つよう厚生労働省に指導されています。

したがって離職票はその後の発行となり、雇用保険の申請も1ヶ月待ってからということになります。

ただし、会社都合や正当な理由による離職と認められた特定受給資格者は、すぐに離職票を発行されるはずです。それでも離職票を発行されない場合はハローワークに相談しましょう。派遣会社へ離職票を催促すると「自己都合」とされてしまうこともあるようなので注意しましょう。

受給するための条件


派遣社員は雇用保険に加入していることで、失業給付金を受け取ることができます。その前提として雇用保険に加入していることが条件ですが、失業した時に慌てないように派遣社員で働かれている方は事前に雇用保険がどのようになっているのか派遣会社に確認しておきましょう。

失業した際、給付金を受給するための主な条件は3つあります。

雇用保険に加入している

雇用保険への加入条件は、以下2点です。

  • 31日以上の雇用見込みがあること
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

このように、雇用保険に入るには「長期的な雇用」「安定的な労働時間」を確保していることが必要です。

特に注意が必要なのは短期の派遣で働いている方です。短期の派遣は最低31日以上勤務することが条件なので「31日以上の雇用見込みがあること」については問題ありませんが、1週間の労働が非常にフレキシブルで、1日4時間×週3日などの働き方もあります。

その場合1週間の労働時間20時間を満たしていないため当てはまりません。ご自身がこのような短期の派遣を続けられている場合は、失業保険のことを考慮にいれたいのであれば勤務時間を長くするなどの調整が必要でしょう。

また、自己都合と会社都合という2つの条件があり、自己都合での退職は失業給付金がすぐに適用されないため、契約期間が終了後1ヶ月を経過するのを待ちます。

その後派遣会社が離職票を発行し、派遣会社から離職票を発行して受け取れば失業給付金を受給できます。

働く意思があるのに働けない状態である

働く意思があり、働ける状態であるにも関わらず、働けない状態であることが条件にあります。
これは、失業保険が失業された方が生活に不安を抱えず、就職活動に専念できるようにという給付金だからです。

つまり、次の仕事を探している方のためにあるのです。

そのため、就職活動をする意思があることが重要になります。ハローワークでも、本人に働く意思があるかの確認などを行っていますので、しっかりと働く意思を示しましょう。

離職の日以前2年間に被保険者期間が通算1年以上ある

このことを前提条件として支給を受けることのできる期間が決まります。2年間の間に通算1年以上あれば、年齢・雇用保険の被保険者であった期間・離職理由などによって基本手当の支給日数が判断されます。受給できる日数は90日~360日の間です。

また、特定理由離職者や特定受給資格者に関しては、「被保険者期間が退職日以前の1年間に通算で6ヶ月以上あること」が条件となります。これは、派遣スタッフならではの離職理由である場合の特別措置です。

派遣切りでも条件を満たせば失業保険をもらえる

派遣切りという言葉を聞くと、突然「明日から来なくていいよ」と言われてしまう様な悪い印象あります。ですが、実際は「雇い止め」のことを言います。
この雇い止めとは、契約満了で更新されずに契約が終了し、さらに派遣会社からも次の仕事を紹介されずに解雇となる状況をさします。

毎回来る契約更新の時期に契約を更新するか終了するかの話をする際、更新せずに満期終了とするのであれば、違法にはなりません。もちろん、契約を更新しない理由が正当なものでなくてはならないし、契約を更新しない旨も30日前に通告しなければなりません。

突然言われた場合は違法となる可能性もあるので、派遣会社の担当者と話し合ってください。

ただし、派遣切り(雇い止め)でも失業保険をもらえると言っても、前項目でも説明したように、解雇が対象となる特定受給資格者の条件にある「雇用保険被保険者期間が6ヶ月以上」ないともらえません。

自分がどれだけ働き、失業保険を受ける対象となるかを退職するまでに確認しておきましょう。

受給手続きの流れ


受給手続きは下記のような流れが一般的です。事前にイメージしておきましょう。

派遣会社から離職票の交付

派遣社員の場合、契約と契約の間の期間と離職とを区別するために、雇用契約が終了したら派遣会社は次の派遣先を探す期間として1ヶ月間待つよう厚生労働省に指導されています。
そのため離職票はその後の発行となります。雇用保険の申請も1ヶ月待ってからということになります。

受給資格の決定

居住地の管轄であるハローワークに行き離職票などを提出して、求職の申し込みを行います。ハローワークで受給要件を確認後受給資格が決定されます。

受給説明会

説明会にて重要事項の説明がなされ、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書の2つが渡されます。

失業の認定

原則として、4週間に1度、失業の認定(失業状態にあることの確認)を行います。失業認定申告書に求職活動の状況等を記入し、雇用保険受給資格者証とともに提出します。

受給

失業の認定を行った日から通常5営業日で、指定した金融機関の預金口座に手当が振り込まれます。

派遣社員の失業給付金認定はややこしい?


ハローワークは派遣社員の失業給付金認定をどのようにして判断するのでしょうか。先述の「会社都合」「自己都合」の内容の繰り返しになる部分もありますが、より詳しく見てみましょう。ハローワーク側から見て判断はどのようにされるのか整理します。

ハローワークが会社都合であるとみなす場合

  • 派遣会社倒産した場合
  • 派遣会社から解雇された場合
  • 契約期間満了後、就労の意思があったにも関わらず、1ヶ月以上次の仕事の紹介がこなかった場合

派遣スタッフが就労したいという意思があるにも関わらず仕事を紹介してもらえない、正式に仕事に就くことができない場合は会社都合扱いです。3ヶ月の給付制限は課されずに、すぐに失業給付を受給することが可能です。

ハローワークが自己都合であるとみなす場合

  • 契約更新の機会があったにも関わらず、本人都合で契約更新を行わなかった場合
  • 契約期間終了後、1ヶ月以内に離職票を請求した場合
  • 派遣契約終了後、1ヶ月以内に来た求人紹介を断った場合

失業給付に認定されるには、「就職する意思および能力を有するにも関わらず、職業に就くことができない状態」であることが必要です。契約期間満了で退職したとしても、契約更新を行わなかったり、仕事の紹介を断ったりすれば自己都合扱いになってしまいます。

「働く意思がない」と見なされることが認定されない一番の理由です。契約期間満了後、1ヶ月以内に離職表を請求した場合も自己都合扱いとなります。次の仕事の紹介があるかもしれないのに、早々と離職表を請求するとそのように見られてしまうでしょう。会社都合扱いにしてもらうには最低でも1ヶ月は派遣会社から紹介を待っている状態であることが必要です。

契約期間満了で退職する際は、自己都合か会社都合かはハローワークの裁量に委ねられています。上記の説明は地域によって対応が変わりますので一概にこうだとは言えません。最も正確なのはあなたのお住まいのエリアを管轄しているハローワークに問い合わせてみることでしょう。

まとめ


派遣社員が実際に働く場所は派遣先ですが、派遣元との雇用契約を結んでおり、お給料の支払先、実際の就業に関する相談などを派遣会社が受けるなど少し複雑です。また、派遣社員は期間が定められている中で働くので雇用保険についてはどうなっているの?と分からないことが多いでしょう。

派遣社員でも条件を満たせば失業給付金を受給できるということがお分かりいただけたでしょうか。もしも失業してしまった場合は上記を踏まえながら派遣会社やハローワークに聞いてみるとより良いアドバイスがもらえるでしょう!

給付を申請する際は、何よりも「働く意思がある」と見せることが重要なのでその点に注意していきましょう。

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参考サイト
派遣社員が失業保険をもらうための2つの条件|パーソルテクノロジースタッフ
派遣の疑問|リクルートスタッフィング