プロンプトエンジニアリングとは?注目を集める理由と業務内容や必要なスキルを解説!

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この記事でわかること

  • 生成AIの台頭により、プロンプトエンジニアの需要が大きく見込まれる
  • プロンプトエンジニアになるためには、技術力のほかに英語力・文章力も欠かせない
  • プロンプトエンジニアからAIエンジニアやデータサイエンティストなどのキャリアも目指せる
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
上松 大輝

過去に4年ほど、SEとしてシステム開発やネットワーク構築業務に従事。その後、エンジニアの転職を支援するウィルオブテックで求職者さまのキャリア支援を担当。過去のエンジニア経験を活かし、現場感に沿った具体的なキャリアの提案が得意。

プロンプトエンジニアリングというキーワードに興味をお持ちのエンジニアの方も多いのではないでしょうか?今回は、プロンプトエンジニアリングとは何か?プロンプトエンジニアになるには何が必要か?などについて詳しく解説します。

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ChatGPTの登場で注目される「プロンプトエンジニアリング」とは?

まずは、プロンプトエンジニアリングの概要について解説します。

プロンプトとは「AIにユーザーが入力する命令・指示」のこと

プロンプトとは、AIから適切な解答を引き出すための命令や指示のことで、プロンプトエンジニアリングはメッセージやコマンドを構築したり運用したりすることを指します。

生成AIの進化で需要が急増!プロンプトエンジニアに注目が集まる理由

プロンプトエンジニアが注目を集める理由は、Chat-GPTをはじめとした生成AIの登場が深く関係しています。

Chat-GPTをはじめとした生成AIは、人間からのプロンプト(指示・命令)に対して解答を出してくれるのが特徴ですが、プロンプトが適切でなければ、なかなか求める回答を引き出すことができません。

生成AIは企業でも活用する機会が増えているものの、AIを扱う人材が不足しており、生成AIの価値を最大限に活かせていないのが現状です。そこで、求める回答を引き出すためのプロンプトを設計・構築するプロンプトエンジニアに注目が集まっているのです。

具体的な業務は?プロンプトエンジニアの業務内容を解説

プロンプトエンジニアは、AIから求める解答を引き出すための調教師のような仕事です。では、具体的にどのような業務を行うのかについて以下で解説します。

プロンプトの4要素とは?

まずは、プロンプトとは何を指すかをしっかり理解しておきましょう。プロンプトは以下の4つの要素で定義できます。

指示

指示は、AIに対する具体的な要求やタスクの内容を伝える部分です。これは、AIに何を行うべきかを明確に伝える命令や質問の形を取ります。

例えば、画像認識AIに「この画像に写っている物体を識別せよ」という指示を与えることが該当します。

文脈

文脈は、AIがタスクを理解し実行するために必要な背景情報のことです。タスクの目的・関連する情報・過去のやりとり・特定の状況や条件などが含まれます。

例えば、チャットボットに対して会話の流れを整理して指示を出したり、画像認識を要求する際に求める画像の背景情報などを伝えたりするといったことが該当します。

入力データ

入力データは、AIがタスクを実行するために必要な具体的な情報や素材のことです。具体的には、テキスト・画像・音声・数値データなどが該当します。入力データは、AIが処理し解析を行うための基本的な素材といえるでしょう。

出力形式/出力指示子

出力形式や出力指示子は、AIによって生成されるアウトプットの形式や方法を指示することです。結果を表示する方法・レポートの形式・応答するテキストの構造などを依頼することで、求める形式で解答をアウトプットできます。

例えば「データ分析結果を表形式で提示する」「特定のフォーマットのテキストで回答する」などの指示も含みます。

プロンプトエンジニアの主な業務内容

プロンプトは「指示・文脈・入力データ・出力形式/出力指示子」の4要素で定義されます。

この要素を組み合わせて、プロンプトを作成するのがプロンプトエンジニアの主な業務内容といえます。具体的には以下のようにまとめられます。

プロンプトの設計

プロンプトエンジニアは、AIがタスクを理解し実行するためのプロンプトの設計を行います。この段階では、タスクの目的や要件に基づいて、適切な指示・文脈・入力データ・出力形式を踏まえて、プロンプトの構造を決定します。

例えば、自然言語処理(NLP)システムに対する具体的な質問形式や、画像認識AIにおける入力画像の特性を考慮したプロンプトの形式を考えます。

プロンプトの開発

プロンプトエンジニアは、設計されたプロンプトを具体的に開発します。設計したプロンプトに合わせて、テキスト・プログラミング言語などを組み合わせて実際の指示を作成していく業務です。

AIモデルの傾向やパターンの分析

AIモデルがどのように反応し、どのような結果を生成するかを理解するために、AIモデルの傾向やパターンを分析します。AIモデルの傾向やパターンを分析することで、プロンプトの設計や開発の最適化や改善点の特定を期待できます。

プロンプトの分析・改善

開発したプロンプトでAIに指示を出し、AIのアウトプットの内容を分析・改善する業務です。求めるアウトプットであった場合は、何が要因だったのかをさらに掘り下げ、アウトプットの品質が低い場合は開発したプロンプトを修正・改善します。

意図するアウトプットを引き出せるように、プロンプトの設計・開発・分析・改善を繰り返し行います。

プロンプトエンジニアになるために欠かせないスキルとは?

プロンプトエンジニアになるのに欠かせないスキルは、下記をご参考ください。

AIモデルへの知識や理解

プロンプトエンジニアは、AIモデルの基本的な原理や動作方法に深い理解を持つ必要があります。

例えば、機械学習・ディープラーニング・ニューラルネットワークなどの知識が該当し、これらの技術がどのようにデータを処理・学習・出力を生成するかを理解することが重要です。

AIモデルに関する知識は、効果的なプロンプトを設計し、モデルの応答を最適化する際に不可欠です。

自然言語処理(NLP)の知識や理解

自然言語処理(NLP)は、テキストデータを解析し理解するAIの分野です。プロンプトエンジニアは、NLPの基本概念・アルゴリズム・ツールに精通している必要があります。

適切なアウトプットを引き出すプロンプトを作成するためには、これらの技術を理解し適用する能力が求められます。

プログラマーとしての知識・経験

PythonなどのAI開発に用いられるプログラミング言語についての知識・経験があれば、AIフレームワークの利用や自然言語処理の実装、データ分析などをよりスムーズに進めることができます。

また、生成AIは指示に合わせて、プログラムのコードをアウトプットすることもできます。AIを活用してシステムやプログラムを開発するためには、プロンプトエンジニアのプログラマーとしての経験が必須になります。

英語力や文章力などの言語スキル

Chat-GPTをはじめとする生成AIは英語圏で開発されたテクノロジーで、英語を中心にネット上の膨大な情報を学習してアウトプットしています。

そのため、日本語よりも英語で指示を出した方が、回答がより正確になる傾向があります。英語力はもちろん、AIに理解しやすいように最適化する文章力もプロンプトエンジニアに必要なスキルといえます。

プロンプトエンジニアになる方法と向いている人とは?

プロンプトエンジニアになるにはどうすればよいのでしょうか?また、どのような人がプロンプトエンジニアに向いているのでしょうか?以下で詳しく解説します。

プロンプトエンジニアになる方法

プロンプトエンジニアになる方法としては以下のような方法があります。

プロンプトエンジニアに必要なスキルを身に付ける

AIモデルへの理解、自然言語処理(NLP)の知識、プログラミングスキル、言語能力など、プロンプトエンジニアに必要な基本的なスキルを身に付けることが重要です。

AIや自然言語処理への理解があり、プログラミングに精通しているエンジニアは非常に有利といえます。

独学でプロンプトを開発してみる

実際にプロンプトを開発することで、理論的な知識を実践に移すことができます。

まずは個人で利用するためのプロンプトを作成してみて、慣れてきたらオープンソースプロジェクトへの参加を通じて、実際のAIモデルとの対話やプロンプト設計の経験を積むことも可能です。

AIに関わる資格を取得する

AIや機械学習に関連する資格を取得するのも良いでしょう。代表的な資格としては「TensorFlow Developer Certificate・Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate」などがあります。

これらの資格は、プロンプトエンジニアとしての専門性を証明するのに役立ちます。

ポートフォリオを作成し求人に応募する

自作したプロンプトをまとめたポートフォリオを作成し、求人に応募します。

ポートフォリオには、自作したプロンプトのほか、参加したオープンソースプロジェクトがある場合はその詳細、取得した資格がある場合はその内容などを含めて作成しましょう。

プロンプトエンジニアに向いている人とは?

プロンプトエンジニアは非常に新しい職種で、「自分に向いているかどうかわからない」とお悩みの方もいるかもしれません。

例えば、以下のような傾向がある方は、チャレンジしてみる価値があるでしょう。

最先端のテクノロジーに興味があり学ぶ意欲がある

プロンプトエンジニアには、AIや機械学習などの最先端テクノロジーに対する強い興味と、それを継続的に学び習得する意欲が必要です。

この分野は非常に速いペースで進化しており、プロンプトエンジニアとして活躍するためには、新しい知識や技術を追い続ける好奇心と学習意欲が求められます。

特定のビジネスの専門性や知識がある

ビジネスや産業における特定の専門知識は、大きなアドバンテージになります。特定分野の深い理解は、その分野に特化したAIモデルの開発やプロンプトのカスタマイズに活用できるからです。

例えば、金融・医療・法律など特定の分野の専門知識は、関連するAIアプリケーションの開発において非常に価値があります。

英語や文章が得意

生成AIの多くは、英語を中心にネット上の情報を学び、アウトプットします。

より正確なアウトプットを求めるには英語でプロンプトを作成するのが望ましく、そのため英語ができるプロンプトエンジニアは重宝されます。英文が得意な方は、プロンプトエンジニアに向いているといえるでしょう。

プロンプトエンジニアのキャリアパスは?

プロンプトエンジニアとしてのキャリアをスタートした場合、その後はどのようなキャリアパスが考えられるのでしょうか?ここでは、プロンプトエンジニアのキャリアパスについて解説します。

AIエンジニア

プロンプトエンジニアはAIモデルの知識を習得したり、分析を繰り返したりしながら、そのフィードバックを開発するプロンプトに反映させます。

そのため、プロンプトエンジニアとしての活動を通じて、自然にAIに対する理解が深まります。プロンプトエンジニアの次のステップとして、AIモデルのシステムを開発するAIエンジニアになるというキャリアパスが考えられます。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、大量のデータを分析し、その中から有益な洞察を引き出す職種です。

プロンプトエンジニアリングとして培ったデータ理解・分析能力、そしてAIモデルの知識はデータサイエンスの分野でも十分役立ちます。

生成AI技術の発展に伴いキャリアパスの可能性が拡がる

生成AI技術の急速な発展は、プロンプトエンジニアに新たなキャリアパスを提供しています。この分野では、AIによるテキスト・画像・音声などのコンテンツ生成が進んでおり、これらの技術を活用する新しい役割や分野が生まれています。

例えば、AIによるコンテンツ生成・AIアシスタントの開発・ユーザーインタラクションの改善など、プロンプトエンジニアとしてのキャリアがあれば、多様な業務領域で活躍できる可能性があるでしょう。

まとめ

プロンプトエンジニアとは、Chat-GPTをはじめとした生成AIから適切な解答を引き出すための指示や命令を設計・開発・分析・改善をする職種です。

生成AIは、ビジネスはもちろん私たちの生活にも深く浸透すると予測されており、プロンプトエンジニアの需要も飛躍的に拡大すると考えられます。エンジニアとしてキャリアプランを検討中の方は、選択肢の中にプロンプトエンジニアを入れてみても良いのではないでしょうか。

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