人材不足が深刻化するIT業界で、現在注目を集めているのがローコード開発と呼ばれる手法です。ローコード開発とはどのような技術なのでしょうか?
今回はローコード開発の将来性やメリット・デメリットの他、開発に必要なスキル・知識についてご紹介します。
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ローコード開発とは?将来性とエンジニアへの影響

まずは、ローコード開発の概要や将来性の他、エンジニアへの影響についてご紹介します。
ローコード開発はできるだけコードを書かずにシステム・ソフトウェアを開発する手法
ローコード開発は、「GUI(Graphical User Interface/グラフィカルユーザインタフェース)」と呼ばれる、わかりやすくビジュアライズされた画面を用いて開発する手法のことです。
マウスを使って、ドラッグ&ドロップでシステムを組み立てることができ、非常に簡単かつ素早くシステムやソフトウェア、アプリケーションを作ることができます。
従来型のシステム・ソフトウェア開発やノーコード開発との違いは?
ここでは、従来型のシステム・ソフトウェア開発・ノーコード開発と、ローコード開発の違いについて解説します。
従来型のシステム・ソフトウェア開発との違い
従来では、プログラマーがイチからソースコードを記述してシステム・ソフトウェアを開発していました。
一方ローコード開発では、GUI上でシステムやソフトウェアの部品を組み合わせて開発し、プログラムは自動生成されます。
ノーコード開発との違い
ノーコード開発とは、スタートからゴールまで一切ソースコードを書かずに開発する手法のことです。対して、ローコード開発はソースコードを記述して内容を微調整できます。
GUI上で開発するという部分は同じですが、ソースコードを一切書かないのがノーコード開発、一部ソースコードで調整できるのがローコード開発です。
市場が拡大中!ローコード開発の将来性とエンジニアへの影響は?
「ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2024」によると、2022年度のローコード/ノーコード開発市場の売上金額は、前年度比16.0%増の709億4,000万円です。
今後も市場規模は拡大が見込まれており、2025年には1,000億円を超えると予想されています。ローコード開発はシステム・ソフトウェア開発の主流のひとつになっていくといえるでしょう。
この現状を踏まえ、「ローコード/ノーコード開発が主流になるとエンジニアの仕事が淘汰されてしまうのでは……?」と心配している方もいるかもしれません。
しかいし、ローコード/ノーコード開発ができることはまだ限界があります。特に、難易度の高い処理が必要な大規模な開発プロジェクトでは、状況に合わせてコードを調整したり最適化したりできるエンジニアのスキルが欠かせません。
今後は、「シンプルで簡単な作業をローコード・ノーコード開発に任せて、エンジニアはよりクリエイティブな業務に集中する」といったすみわけが進んでいくでしょう。
※出典:ITR「ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2024」:調査ハイライト
ローコード開発が注目される理由は?メリット・デメリットを解説

ここからは、ローコード開発のメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
ローコード開発のメリット
まずは、ローコード開発のメリットをひとつずつ確認していきましょう。
短時間でシステム・ソフトウェア・アプリケーションが開発できる
システム・ソフトウェア・アプリケーションに必要な部品をドラッグ&ドロップで組み立てていくローコード開発では、イチからソースコードを記述する必要がありません。
そのため、開発にかかる時間を大幅に短縮できます。
開発にかかる人員・コストを削減できる
イチからソースコードを記述する必要がなく、短時間で開発を完了させることができるため、開発プロジェクトの人員やコストも大幅に削減できます。
エンジニアの差が生まれにくく品質が安定しやすい
すでに用意されている部品をパズルのように組み立てて開発できるため、ローコード開発は誰が作っても品質が安定しやすい手法です。
セキュリティ対策の負担を軽減できる
ローコード開発では、プラットフォーム側で用意されたセキュリティを使用できます。イチからセキュリティシステムを構築する必要がないため、セキュリティ対策の負担を軽減できます。
ローコード開発のデメリット
一方、ローコード開発にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
開発の自由度や従来型に比べると低い
ソースコードを記述して、部分的に機能を追加したり拡張性したりすることができますが、プラットフォーム側の提供サービスを超える機能の追加や拡張はできません。
そのため、イチからソースコードを記述する従来型の開発手法に比べると自由度が落ちてしまいます。
一定のプログラミング経験がある人材が必要
プログラムが正常に動くかどうかをチェックしたり、機能を調整・追加・拡張したりするためには、一定のプログラミングスキルが必要です。
ローコード開発といえども、完全未経験のメンバーだけでは対応できないという点に注意しましょう。
ローコード開発をどのように有効活用できる?成功事例は?

ローコード開発はどのようなシーンで活用できるのでしょうか?ここでは、活用シーンや実際の事例についてご紹介します。
ローコード開発の活用シーン
ローコード開発の主な活用シーンは以下のとおりです。
小規模なシステム・ソフトウェア・アプリケーション開発
小規模なシステム・ソフトウェア・アプリケーションの開発プロジェクトで、人員・コスト・納期などが限られているシーンで有効活用できます。
コスト・人員を抑えつつ、必要な機能を備えたシステム・ソフトウェア・アプリケーションを開発できます。
外部システムとの結合が必要な開発プロジェクト
ローコード開発は、外部システムとの連携が可能な開発手法です。
データベースとの連携が必要な企業の基幹システムやCRMシステムなど、外部システムとの連携を前提としたプロジェクトでも有効活用できます。
機能の追加・拡張をしつつコストを抑えたいとき
ローコード開発は、ソースコードによる機能の追加・拡張がある程度可能な開発手法です。
そのため、イチからソースコードを記述して開発するほどの時間・コストはないが、一部は柔軟に機能を追加・拡張したいというときに有効活用できます。
ローコード開発の成功事例は?
ここまでご紹介したローコード開発は、すでにさまざまな業界で活用され、多くの成果を上げています。実際の成功事例としては、以下のようなものがあります。
- ローコードで開発した病院内の情報共有システムをiPhoneに連携。情報共有の効率化に成功
- 食品工場の生産管理システムをローコード開発で内製化。最低限のコストでのシステム構築に成功
- 必要十分な機能とセキュリティを備えた行政の給付金申請システムを短時間で構築
- ローコード開発で紙での押印の電子化システムを構築。素早くペーパレス化を実現
これらは成功事例のほんの一部です。低コスト・短時間・省人材で、システム・ソフトウェア・アプリケーションを開発できるローコード開発は、さまざまな場所で有効活用されています。
ローコード開発を担当するのに必要なスキル・知識とは?

最後に、ローコード開発に必要なスキルや知識についてご紹介します。
ローコード開発サービスに関する知識・経験
ローコード開発のサービスにはさまざまな種類があり、それぞれ「できること・できないこと」が異なります。
やみくもにサービスを選ぶと、システムの作り直しなどのトラブルにつながる可能性があるため、サービスの種類を調査し、できること・できないことを理解しておく必要があります。
データベース設計・データベースモデリングの知識・経験
データベースから、効率的かつ見やすくデータをシステムに表示させるためには、データベース設計やデータベースモデリングに関する最低限の知識・経験が必要です。
データベースとシステムの連携が不適切だと、バグが発生しやすくなったり、保守にコストがかかったりする可能性があるので注意しましょう。
プログラミングの基礎的な知識・経験
機能を追加・拡張したり、バグが発生したときの原因を特定して修正したりするためには、最低限のプログラミング知識・経験が不可欠です。
ローコード開発でも、よりよい開発・運用のためにはプログラミングができるエンジニアをメンバーに加えた方がよいでしょう。
まとめ
ローコード開発は、ビジュアライズされたGUI上で、必要な機能や部品をドラッグ&ドロップしながらシステム・ソフトウェア・アプリケーションを開発する手法を指します。
限られた人員・コスト・納期の中でも、必要十分な機能を備えたシステムを開発でき、人手不足が深刻化するIT業界において、近年急成長を果たしました。
今後、ローコードによる開発依頼などが増えていく可能性があるため、エンジニアとして対応できるように準備を進めておいた方がよいかもしれません。
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