受託開発がやめとけと言われる5つの理由とエンジニアの未来

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この記事でわかること

  • 受託開発がやめとけと言われる理由5選
  • 受託開発のメリット・デメリットと向いている人の特徴
  • 受託開発のつらさを軽減する方法
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ウィルオブテック編集部

エンジニア転職に関するお役立ち情報を発信

ネットや知恵袋で「受託開発 やめとけ」という意見を目にし、今の働き方や将来のキャリアに不安を感じていませんか?

納期のプレッシャーや技術の停滞に、自身の市場価値が下がるのではと焦りを感じているのかもしれません。

さらに、長時間の残業や報酬面での不満も、この不安を加速させているでしょう。

本記事では「受託開発はやめとけ」と言われる本当の理由を深掘りし、自社開発との違いや、今後市場価値を高めるための具体的なスキルセットまで網羅的に解説します。

この記事を読めば、その不安の正体が明確になり、客観的な視点で自身のキャリアを見つめ直すきっかけが得られます。

漠然とした不安を解消し、自信を持って次のキャリアを選択できるようになるでしょう。

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受託開発はやめたほうがいいといわれる理由

受託開発に悩むエンジニア

ネット上でささやかれる「受託開発はやめとけ」という言葉には、現場のエンジニアが直面する構造的な問題が背景にあります。

この章では、なぜそのように言われるのか、主な理由を5つ紹介します。

  • 長時間労働になりやすい業界構造
  • クライアントに振り回されるリスク
  • 多重下請け構造による報酬の低下
  • 市場縮小による将来への不安
  • レガシーシステムによる最新技術習得の困難

理由(1)長時間労働になりやすい

受託開発で長時間労働が常態化しやすい根本原因は、個人の能力ではなく、成果物の完成責任を負う請負契約というビジネスモデルそのものに潜んでいます。

この契約では、あらかじめ定められた納期までに、仕様通りのシステムを納品する絶対的な義務が発生します。

そのため、プロジェクト進行中にクライアントから急な仕様変更を要求されたり、予期せぬ不具合が見つかったりしても、納期を動かすことは原則として許されません。

結果として、スケジュールの遅れを取り戻すための全負担が開発チームにのしかかり、労働時間が際限なく増えていくのです。

例えば、税制改正に伴うシステム改修は、法律の施行日が絶対的な納期です。

開発終盤にどれだけ重大な問題が発覚しようとも、リリースを遅らせる選択肢は存在しなません。

こうした状況下では、リリース直前の数ヶ月間にわたり月80時間を超える残業や休日出勤が続くといった事態も起こり得ます。

このように、エンジニア個人の努力ではコントロール不可能な構造が、心身をすり減らす長時間労働を生み出しており、これが「やめとけ」と言われる大きな理由の一つです。

理由(2)クライアントに振り回されるリスク

受託開発のプロジェクトでは、開発チームがクライアントの都合に振り回され、疲弊してしまうリスクが常に伴います。

これは、成果物の完成責任を負う請負契約の性質上、発注者であるクライアントが受注者である開発会社よりも強い立場に立ちやすい力関係から生じます。

プロジェクトの主導権をクライアントが握りやすいため、開発チームはクライアントからの一方的な要求を断ることが難しい状況に置かれがちです。

この力関係は、プロジェクトの進行中に様々な問題を引き起こします。

例えば、開発が中盤に差し掛かった段階で、クライアントが競合他社の動向を見て、当初の計画にはなかった機能の追加を強く求めてくるケースがあります。

この要求は、大幅な設計変更や追加の工数を必要としますが、開発側はそれを受け入れざるを得ないことが少なくありません。

また、納品後も契約不適合責任を負うため、クライアントとの関係は続きます。

その中で、保守契約の範囲を明らかに超えるような運用サポートや、度重なる修正依頼に無償で対応するよう求められることも頻繁に起こります。

こうしたクライアントの要求は、開発スケジュールの遅延や品質の低下を招くだけでなく、エンジニアのモチベーションを著しく削ぎ、やりがいを失わせる大きな要因となるのです。

理由(3)多重下請け構造で報酬が低くなる

受託開発で働くエンジニアの報酬が上がりにくいと言われる最大の理由は、IT業界に根強く残る多重下請け構造です。

これは、クライアントから案件を直接受注した元請け企業が、その業務の一部または全部を二次請け、三次請けといった下層の企業へ再委託していくピラミッド型の構造です。

この構造の問題点は、案件が下の階層へ流れていく過程で、各企業が自社の利益として中間マージンを差し引いてしまうことです。

一般的に、中間マージンは20%から30%程度と言われており、階層が一つ下がるごとに報酬が大幅に減少していきます。

例えば、元請け企業がクライアントから月単価100万円で受注した案件があるとします。

この案件が二次請け企業に渡る際には約70万円、さらに三次請け企業に渡る頃には約50万円まで単価が下がってしまうことも珍しくありません。

その結果、現場で実際に開発を担当する三次請け企業のエンジニア個人に支払われる給与は、元請けの単価の半分以下になることもあり得ます。

さらに深刻なのは、下流工程の業務はコーディングやテストといった限定的な作業に特化することが多く、上流工程の設計や要件定義に携わる機会が極端に少なくなる点です。

これにより、スキルアップの機会が制限され、昇進や昇給が難しくなり、低い報酬のままキャリアが停滞してしまうという悪循環に陥りやすくなります。

理由(4)市場縮小による将来への不安

受託開発の将来性に不安を感じるという声は、市場が縮小しているからではなく、市場で求められるニーズが大きく変化していることへの対応の遅れが原因です。

実際のデータを客観的に見ると、国内のITサービス市場は成長を続けています。

調査によれば、2024年に約7兆円の市場規模が、2029年には約9.6兆円まで拡大すると予測されており、需要そのものは非常に旺盛です。

問題は、その成長を牽引しているのが、企業のビジネスモデル変革を支援するDX推進、AIの業務活用、クラウド環境を前提としたシステム開発といった、より高度で付加価値の高い分野であるという点です。

これまで受託開発の主流であった、クライアントから渡された仕様書通りにシステムを構築するだけの従来型の開発案件は、相対的に需要が減少しつつあります。

また、ローコードやノーコードといった開発ツールの普及により、これまでエンジニアが行っていた単純な開発作業は、専門家でなくても行えるようになり始めています。

このような市場の変化に対応できず、旧来の開発手法やビジネスモデルに依存し続けている企業は、新しい需要の波に乗ることができません。

結果として、所属するエンジニアも時代遅れのスキルしか身につけられず、市場価値が低下していくことになります。

つまり、市場自体は拡大しているのに、その成長から取り残されてしまうという危機感が、将来への不安の正体なのです。

出典:IDC Japan「国内ITサービス市場予測を発表~AI活用の実践とユースケース拡大が市場成長を促進~」

理由(5)最新技術を習得しにくい

受託開発の現場、特に多重下請け構造の下流工程では、クライアントが長年利用しているレガシーシステムの保守案件に携わる機会が多く、最新技術を学ぶ機会が制限されやすいという課題があります。

これは、特に金融、製造、公共といった分野のクライアントが、安定稼働を最優先するあまり、既存システムの変更に極めて消極的であることが主な理由です。

1980年代や1990年代にCOBOLなどで開発された基幹システムが、今なお現役で稼働しているケースは少なくありません。

クライアントにとっては、多額のコストと業務停止のリスクを冒してまで、実績のない新技術を導入するメリットが感じられないのです。

その結果、受託開発企業は、そうしたレガシーシステムの機能追加や不具合修正といった、保守・運用案件を中心に受注することになります。

このようなプロジェクトに長期間従事すると、エンジニアはCOBOLや古いバージョンのJavaといった、特定の環境でしか通用しない技術を使い続けることになります。

その間、市場ではクラウド、マイクロサービス、AI関連の技術スキルを持つ人材の需要が急速に高まっています。

レガシー案件に縛られることで、こうしたモダンな技術に触れる機会が全く得られず、いざ転職しようとした時に、自分のスキルが市場のニーズと大きく乖離していることに気づくのです。

これが、エンジニアが自身の市場価値の低下に強い危機感を抱く、スキルが陳腐化する問題です。

受託開発で得られるメリットとは

受託開発で就業する男性

「やめとけ」という意見がある一方で、受託開発だからこそ得られる、キャリア形成において大きな強みとなるメリットも存在します。

主なメリットとして、以下の5点が挙げられます。

  • 多様な業界の知見が得られる
  • 安定した案件供給と収入
  • 幅広い技術経験が積める
  • 人脈を広げるチャンスが多い
  • 教育制度が整っている企業もある

メリット(1)多様な業界の知見が得られる

受託開発で働くことの大きな利点の一つは、多様な業界のプロジェクトに携わることで、特定の業務知識、いわゆるドメイン知識を深く習得できる点にあります。

一つの事業領域を深掘りする自社開発とは異なり、受託開発では金融、製造、物流、医療など、プロジェクトごとに全く異なる業界の課題に触れる機会があります。

例えば、金融システムの開発では業界特有の厳格な規制やセキュリティ要件を学び、製造業のシステムでは生産ラインの効率化や在庫管理のノウハウを実践的に習得できます。

このように、クライアントが変わるたびに新しい知識を吸収し、その業界のビジネスルールや業務フローを深く理解することは、技術力だけでは得られない貴重な経験です。

要件定義の段階で顧客のビジネス課題をヒアリングし、それを技術的な解決策に落とし込むプロセスを繰り返すことで、単なるプログラミング能力を超えた、本質的な課題解決能力が養われます。

こうした経験を通じて得られる深いドメイン知識と課題解決能力は、将来的にITコンサルタントやプロダクトマネージャーといった、より上流の職種を目指す際に他者との明確な差別化要因となり、自身のキャリアの可能性を大きく広げることにつながります。

メリット(2)安定した案件供給と収入

受託開発企業、特に大手SIerなどは経営が安定しており、エンジニアが腰を据えて働きやすい環境が整っている傾向です。

企業のDX推進や既存システムの刷新といったIT投資は継続的に行われており、受託開発の需要は安定しています。

特に、官公庁や大企業を主要な顧客に持つ企業は、数年にわたる長期的な契約を結んでいることが多く、案件が途切れる心配が少ないのが特徴です。

この安定性は、成果物の完成と引き換えに報酬が確定する請負契約というビジネスモデルに支えられています。

一つの自社サービスの成否に経営が大きく左右される可能性があるスタートアップなどと比較して、複数の顧客と多様なプロジェクトを抱える受託開発は事業的なリスクが分散されています。

そのため、エンジニアは会社の業績に一喜一憂することなく、目の前の業務に集中し、着実にスキルを磨いていくことが可能です。

景気の変動に比較的強く、安定した収入と雇用が確保されやすい点は、長期的な視点でキャリアを構築したいと考えるエンジニアにとって、非常に大きな安心材料となるでしょう。

安定した環境で着実に実力をつけたい人にとって、受託開発は有力な選択肢の一つです。

メリット(3)幅広い技術経験が積める

受託開発の現場では、プロジェクトごとに異なる技術スタックに触れる機会が豊富にあり、特定の技術に偏らない幅広いスキルセットを身につけることが可能です。

自社開発では、一度採用した技術を長期間使い続けることが多く、エンジニアが触れる技術の範囲も限定されます。

それに対して受託開発では、クライアントの要望やシステムの特性に応じて、常に最適な技術を選ばなければなりません。

例えば、あるプロジェクトでは金融機関の基幹システムでCOBOLやJavaを使い、次のプロジェクトでは最新のWebサービス開発でReactやGo言語を採用し、インフラにはAWSやAzureを活用するといった多様な経験を積むことができます。

このように、レガシーな技術からモダンな技術まで、アプリケーション開発からインフラ構築まで、多岐にわたる技術に触れることで、技術的な対応力が格段に向上します。

様々な技術を経験し、それぞれの長所や短所を深く理解し、技術選定の際に論理的な判断を下す能力も養われるのです。

この幅広い能力は、特定の技術の流行り廃りにキャリアが左右されるリスクを低減させ、将来の転職活動においても選択肢を大きく広げることにつながります。

メリット(4)人脈を広げるチャンスが多い

受託開発の業務を通じて、多様な業界のクライアントや協力会社の担当者と関わる機会が多く、社内だけでは得られない広範な人脈を構築できることがメリットです。

プロジェクトごとにチーム編成が変わり、異なる企業のエンジニアや専門家と協力して仕事を進めることが日常的です。

このような環境では、自然な形で他社の優秀なエンジニアやプロジェクトマネージャーとのネットワークが形成されていきます。

また、要件定義や顧客折衝の場面では、クライアント企業のIT部門担当者だけでなく、事業部門の責任者や時には経営層と直接コミュニケーションを取る機会もあります。

例えば、大手製造業のシステム開発プロジェクトに参加すれば、IT関連の担当者に加え、製造ラインや品質管理、経営企画といった様々な部門の人々と関係を築くことができます。

こうした業務を通じて築いた人脈は、単なる名刺交換に留まらない、信頼に基づいた貴重な財産です。

将来的にそのクライアント企業へ転職するきっかけになったり、共に仕事をした他社のエンジニアから新しい仕事の紹介を受けたりと、キャリアの可能性を大きく広げることにつながるでしょう。

メリット(5)教育制度が整っている企業もある

大手SIerをはじめとする多くの受託開発企業では、エンジニアの継続的な成長を支援するため、体系的な教育制度や資格取得支援制度が充実しています。

受託開発ビジネスにおいて、エンジニアの技術力は企業の競争力そのものであり、受注できる案件の単価やレベルに直結します。

そのため、企業は人材育成を重要な経営戦略と位置づけ、教育への投資を積極的に行っているのです。

以下のようにキャリアの段階に応じたプログラムが用意され、受験料の補助や合格時の報奨金制度を設けている企業も少なくありません。

  • 新入社員向けの数ヶ月にわたるプログラミングやビジネスマナーの研修
  • 中堅社員やリーダー層向けのプロジェクトマネジメント研修
  • 特定の技術領域を深く学ぶ専門研修
  • AWS認定資格やPMPといった市場価値の高い専門資格の取得

社内での技術勉強会や外部セミナーへの参加費補助なども活発に行われており、エンジニアが自己投資しやすい環境が整っています。

会社としてスキルアップを制度的に後押ししてくれるため、計画的に自身の専門性を高めていきたいと考えるエンジニアにとって、受託開発企業は非常に恵まれた環境です。

受託開発で働くデメリットとは

デメリットに悩むエンジニア

受託開発にはメリットがある一方で、キャリアを考える上で知っておくべきデメリットも存在します。

ここでは、受託開発で働く際に直面しやすい5つの課題を紹介します。

  • 客先常駐が求められることもある
  • 納期プレッシャーが強い
  • 仕様変更が頻発しやすい
  • 情報伝達に時間がかかる
  • 自社サービス開発の経験が積みにくい

デメリット(1)客先常駐が求められることもある

受託開発のプロジェクトでは、クライアント企業のオフィスで業務を行う客先常駐という働き方が求められる場合があります。

これは、特に機密情報を厳格に管理する必要がある金融機関や官公庁の案件、あるいは工場の生産ラインなど現場のシステムと密接に連携する必要がある案件で多く見られます。

セキュリティポリシー上、外部からのシステムアクセスが厳しく制限されていたり、開発に必要な実機が社外に持ち出せなかったりするため、物理的にクライアントの施設内で作業することが契約の必須条件となるのです。

客先常駐になった場合、自社のオフィスとは異なる勤務ルールや文化、人間関係の中で働くことになります。

通勤時間や場所が変わるだけでなく、使用できるツールやインターネットアクセスが制限されるなど、開発環境の自由度が低くなることも少なくありません。

自社の同僚と離れて一人または少人数で常駐することもあり、孤独感や疎外感を覚える人もいます。

働く場所や環境の自由度を重視するエンジニアにとっては、大きなデメリットです。

デメリット(2)納期プレッシャーが強い

受託開発は請負契約に基づいており、定められた納期までに成果物を完成させる義務を負うため、自社開発に比べて納期に対するプレッシャーが非常に強くなります。

納期に遅れが生じると、クライアントの事業計画に直接的な影響を与えてしまうだけでなく、契約違反として違約金の支払いが発生したり、企業の信用を大きく損なったりするでしょう。

そのため、開発チームは常に納期を最優先に考え、何としても間に合わせなければならないという強いプレッシャーにさらされます。

特に、法改正への対応や、大規模なイベントに合わせたシステムのリリースなど、納期が絶対に動かせないプロジェクトでは、そのプレッシャーは計り知れません。

開発の過程で予期せぬ技術的な問題が発生したり、クライアントからの仕様変更が重なったりすると、残された時間で品質を確保しつつ完成させなければならず、精神的に大きな負担です。

この強いプレッシャーが、プロジェクト終盤における極端な長時間労働や休日出勤の直接的な原因となることも少なくありません。

自分でスケジュールをコントロールしたい、精神的な余裕を持って開発に取り組みたいと考える人にとって、この納期に対する強いプレッシャーは、受託開発の最も厳しい側面の一つです。

デメリット(3)仕様変更が頻発しやすい

受託開発のプロジェクトでは、開発の進行中にクライアントから仕様変更の要望が入り、予期せぬ手戻り作業が発生しやすいでしょう。

クライアントは必ずしもシステムの専門家ではないため、実際に動作する画面を見て初めて「イメージと違う」と感じたり、ビジネスの状況変化に応じて新しい機能を追加したくなったりすることは頻繁に起こります。

発注者であるクライアントの要望を無下にはできず、開発チームは変更に対応せざるを得ない場合が多くあります。

例えば、画面デザインがほぼ完成した段階で、クライアントの担当者が「競合他社の新しいサイトを見たので、同じような機能を追加してほしい」と要求してくるケースです。

このような大幅な仕様変更は、すでに行なった設計や実装を根本から覆すことになり、多大な手戻り工数を発生させるでしょう。その結果、当初の計画は大きく狂い、スケジュールが圧迫され、他の作業にしわ寄せがいくことになります。

頻繁な手戻りは、単に作業量を増やすだけでなく、開発チームのモチベーションを大きく低下させる要因にもなります。一度完成させたものを何度も作り直す作業は精神的な疲労感が大きく、品質の低下にもつながりかねません。

こうしたクライアントの都合による仕様変更に振り回されやすい点は、受託開発の大きなデメリットの一つです。

デメリット(4)情報伝達に時間がかかる

受託開発、特に規模の大きなプロジェクトでは、クライアント、元請け、二次請け、三次請けといった複数の企業が関わる多層的な構造になります。

その結果として情報伝達に時間がかかり、意思決定のスピードが著しく遅くなることが問題です。

現場で開発を担当するエンジニアが、仕様に関する疑問点や技術的な確認事項をクライアントに問い合わせたい場合、その質問は自社のプロジェクトマネージャー、元請けの担当者、そしてクライアントの担当者というように、複数の階層を経由して伝えられます。

回答が返ってくる際も同じルートを辿るため、簡単な確認であっても数日から一週間以上の時間を要することが珍しくありません。

この伝言ゲームのようなプロセスでは、情報が正確に伝わらないリスクも高まります。

各階層の担当者が情報を伝達する際に、質問の意図や背景にある技術的な文脈が抜け落ちてしまい、結果として的外れな回答が返ってくることもあるでしょう。

そうなると、再度質問をやり直す必要があり、さらに時間が浪費されてしまいます。

このような情報伝達の遅延は、開発のボトルネックとなり、プロジェクト全体の生産性を大きく低下させます。

本来であればすぐに解決できるはずの問題が、組織間の壁によって長期間放置されることで、エンジニアはフラストレーションを感じ、効率的な開発を阻害されることになるのです。

デメリット(5)自社サービス開発の経験が積みにくい

受託開発の主な業務は、クライアントの要求仕様に基づいてシステムを「作る」ことであり、自社のプロダクトを長期的に「育てる」という経験を積む機会が限定的です。

自社開発企業では、エンジニアもプロダクトの企画段階から関わり、ユーザーのフィードバックを分析して改善を繰り返したり、マーケティングや収益化といったビジネス的な視点を持って開発に取り組んだりすることが求められます。

A/Bテストを実施して効果を測定したり、データに基づいて次の施策を考えたりといった、サービスを成長させるためのPDCAサイクルを回す経験は、プロダクト開発の醍醐味の一つです。

しかし、受託開発では、こうした業務は基本的にクライアントの役割であり、開発チームが関わることはほとんどありません。

納品が完了すればプロジェクトは終了となり、その後の運用や改善はクライアントに委ねられます。

そのため、将来的に自社開発企業への転職を考えた際に、この「プロダクトをグロースさせた経験」や「事業的な視点での開発経験」の不足が、自身のキャリアにおいて不利に働く可能性があります。

技術力はあっても、ユーザーの課題を解決し、ビジネスを成長させるという視点での経験が乏しいと評価されてしまうのです。

この経験の質的な違いは、受託開発から自社開発へのキャリアチェンジを目指す際の大きな壁となることがあります。

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受託開発と自社開発・SESの違いを比較

受託開発と自社開発・SESの違いについて話し合うエンジニア

受託開発以外の働き方としてよく挙げられるのが「自社開発」と「SES」です。

ここでは、キャリア選択の重要な判断材料となる以下の3つの違いを比較し、特徴を整理します。

  • 給与・昇進のスピード感
  • 労働環境と働き方の違い
  • 学べる技術とキャリアの方向性

比較(1)給与・昇進のスピード感

給与水準は、企業の利益構造とエンジニアの需要に大きく影響されるため、働き方によって明確な傾向が見られます。

給与水準と昇進のスピード感は以下のように違いがあります。

項目自社開発受託開発
昇給スピード速い (成果が反映されやすい)中程度 (プロジェクト成果重視)
昇進の可能性多い (役職へのキャリアパスあり)ある (プロジェクトリーダー等)
給与水準比較的高い中程度

まず昇給スピードについては、個人の成果がどれだけ評価に直結するかが大きく影響します。

自社開発では、サービスの成長への貢献が会社の利益に繋がりやすいため、成果を出したエンジニアの昇給スピードは速い傾向にあります。

一方、受託開発はプロジェクト単位での評価が中心となり、個人の活躍が必ずしもすぐに給与に反映されるとは限りません。

SESは契約単価が給与の基準となるため、契約内容が変わらない限り大幅な昇給は難しく、最も昇給スピードが遅くなる可能性があります。

給与水準ですが、これは企業のビジネスモデルに起因します。

自社開発は利益率が高く、優秀な人材への投資として高い給与を提示できます。

受託開発は元請けか下請けかで大きく変わりますが、全体としては中程度の水準です。

SESは中間マージンが発生するため、3つの働き方の中では給与水準が最も低くなる傾向が見られます。

これらの違いを理解し、自分がキャリアにおいて何を重視するのかを考えることが、納得のいく選択につながります。

比較(2)労働環境と働き方の違い

労働環境や働き方の自由度は、ビジネスモデルや契約形態によって大きく左右されます。

自社でスケジュールを管理できる自社開発が最も自由度が高いでしょう。自社のプロダクトやサービスの成長が最優先事項であるため、エンジニアが最も生産性を発揮できる環境を重視します。

そのため、フレックスタイム制やフルリモートワークといった柔軟な働き方を積極的に導入しており、残業時間よりも成果や効率が評価される文化が根付いています。

一方、SESは準委任契約に基づき、契約で定められた時間働くことが基本です。

契約時間を超える稼働は追加料金が発生するため、クライアント側も残業を抑制するインセンティブが働き、結果的に労働時間は管理されやすいです。

ただし、勤務地や開発ルールは常駐先のクライアントに準じるため、働き方の自由度は低いです。

受託開発は、この両者の中間に位置します。

自社オフィスで働くか客先常駐かは案件次第ですが、いずれの場合も請負契約による「納期」という絶対的な制約が存在します。

プロジェクトの進行が順調な時期は比較的落ち着いていますが、納期が近づくと、トラブル対応や仕様変更の吸収のために労働時間が急増するかもしれません。

このように、労働環境は働き方によって一長一短があり、何を重視するかで選択が変わってきます。

比較(3)学べる技術とキャリアの方向性

どのような技術を身につけ、どんなエンジニアになりたいのかによって、選ぶべき働き方は大きく異なります。

技術的なスキルの「幅」を広げることを重視するなら、受託開発が有力な選択肢となるでしょう。

クライアントやプロジェクトが変わるたびに、異なる業界のドメイン知識はもちろん、レガシーからモダンまで多種多様な技術スタックに触れる機会が生まれます。

この経験は、特定の技術に依存しない幅広い対応力と問題解決能力を養うことにつながるのです。

結果として、様々な技術を俯瞰的に理解する必要があるITアーキテクトやコンサルタントといったキャリアパスが見えてきます。

対照的に、一つの技術を深く追求し「深さ」を求めるなら、自社開発が最適です。

そこでは、一つのプロダクトに長期間深く関わることができ、サービスの成長のために最新技術を導入したり、大規模なトラフィックに耐えるアーキテクチャ設計を改善したりと、高度な専門性を磨くことが可能です。

この専門性は、特定分野のスペシャリストやテックリードとしてキャリアを築く上で、非常に有利に働くことは間違いありません。

SESの場合は、これら二つとは全く異なる性質を持っています。

参画するプロジェクトによって経験できる技術が大きく左右されるため、計画的なキャリア形成が難しいという側面は否定できません。

運よく最新技術を扱う案件に携われることもあれば、長期間レガシーシステムの保守運用のみを担当することもあり、俗に「現場ガチャ」と言われる不安定さがつきまといます。

このように、それぞれの働き方で得られる経験は全く異なります。

自分が将来どのようなエンジニアになりたいのかを明確にし、それに合った経験が積める環境を選ぶことが、後悔のないキャリアを築く上で何よりも重要になるのです。

受託開発に向いている人の特徴

エンジニアの男性

「やめとけ」という意見もありますが、受託開発は特定の強みを持つ人にとって、大きなやりがいと成長を実感できる環境にもなり得ます。

ここでは、どのような人が受託開発で輝けるのか、その特徴を4つのポイントに絞って解説します。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 納期や品質への責任感が強い
  • 幅広い技術に関心がある
  • 顧客対応に苦手意識がない

特徴(1)コミュニケーション能力が高い

受託開発では、クライアントとの対話を通じて、真の課題を引き出し、それを技術で解決へと導くナビゲーターのような役割を担います。

そのため、コミュニケーション能力が高く、人と話すことや、複雑な状況を整理することにやりがいを感じる人にとって、受託開発は非常に向いている環境です。

プロジェクトの初期段階では、クライアントの曖昧な要望や漠然としたアイデアを、具体的なシステム要件に落とし込むためのヒアリング能力が求められます。

クライアントが本当に解決したいことは何なのか、その背景にあるビジネス上の課題は何かを深く理解し、言語化する作業は、プロジェクトの成否を左右します。

また、開発の過程で発生した技術的な制約や課題について、専門家ではないクライアントにも理解できるよう、平易な言葉で分かりやすく説明する能力も不可欠です。

多様な立場の人々の間に立ち、それぞれの意見を調整しながらプロジェクトを円滑に進めていくプロセスは、まさにコミュニケーション能力そのものです。

こうした対話を通じてクライアントとの信頼関係を築き、一体となって課題解決に取り組むことに喜びを感じられる人は、受託開発で大きな価値を発揮できるでしょう。

この経験は、将来的にプロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指す上でも、非常に重要なスキルとなります。

特徴(2)納期や品質への責任感が強い

受託開発は、クライアントからプロジェクトを託され、決められた納期と品質を守って成果物を納品するという、明確な責任を伴う仕事です。

そのため、一度引き受けた仕事は「自分が必ずやり遂げる」という強い当事者意識と責任感を持つ人が求められます。

自社開発であれば、ビジネスの状況に応じてリリース日を調整することも可能ですが、受託開発における納期は、クライアントの事業計画に直結する絶対的な約束です。

納期が遅れれば、クライアントに多大な損害を与え、自社の信用を根本から揺るがす事態にもなりかねません。

このような強いプレッシャーの中で、品質に一切妥協せず、細部にまでこだわってプロダクトを完成させることに誇りを持てるかどうかが重要になります。

プロジェクトの終盤には、予期せぬトラブルや困難な課題に直面することも少なくありません。

そうした困難な状況でも決して投げ出すことなく、チームを鼓舞し、解決策を見つけ出し、プロジェクトを成功へと導く力が必要です。

このプロセスは精神的にも肉体的にも厳しいものですが、それを乗り越えてクライアントから感謝された時の達成感は、何物にも代えがたい大きなやりがいとなります。

厳しい制約の中で最高のパフォーマンスを発揮し、物事を最後までやり遂げることに喜びを感じる人にとって、受託開発は自身の真価を発揮できる舞台となるでしょう。

特徴(3)幅広い技術に関心がある

受託開発は、プロジェクトごとに全く異なる技術や業界知識に触れる機会が豊富にあるため、知的好奇心が旺盛で、常に新しいことを学ぶのが好きな人にとって、最高の学習環境です。

一つの技術を深く追求するよりも、様々な技術に触れて自身のスキルセットを広げていきたいと考える人には、おすすめの働き方です。

受託開発の現場では、案件が変わるたびに、新しいプログラミング言語、フレームワーク、データベース、クラウドサービスなどを学ぶことが求められます。

今日は金融業界の勘定系システムに携わり、明日は製造業のIoTプラットフォームを構築するといったように、関わる領域が目まぐるしく変化します。

この変化の多い環境を「常に新しいことを学ばなければならず大変だ」と捉えるか、「新しい知識やスキルを習得できる絶好の機会だ」とポジティブに捉えるかが、適性を見極める大きな分かれ道となります。

常にアンテナを高く張り、新しい技術トレンドを追いかけ、それを実際のプロジェクトで試してみることに喜びを感じるタイプの人であれば、受託開発の仕事を通じて日々自身の成長を実感できるはずです。

特定の技術に固執せず、幅広い知識を吸収して技術的な引き出しを増やしていくことは、変化の激しいIT業界で長期的に活躍するための重要な素養です。

この学習意欲こそが、受託開発で成功するための原動力となります。

特徴(4)顧客対応に苦手意識がない

受託開発の本質は、技術を通じてクライアントのビジネス課題を解決し、その成功に貢献することにあります。

そのため、純粋な技術的探求心だけでなく、顧客のビジネスそのものに関心を持ち、その成功を自らの喜びと感じられる人が向いています。

自分の作ったシステムが、クライアントの業務効率を劇的に改善したり、新しいサービスの立ち上げを成功させたりと、具体的なビジネスインパクトを生み出す瞬間に立ち会えることは、受託開発ならではの醍醐味です。

このやりがいを感じるためには、開発の初期段階から、クライアントがどのようなビジネスを行っており、どのような課題を抱えているのかを深く理解しようと努める姿勢が重要です。

ただ言われた通りの仕様でシステムを作るのではなく、「なぜこの機能が必要なのか」「どうすればもっと顧客のビジネスに貢献できるか」という視点を持ち、時にはクライアントの要望を超える提案を行うことも求められます。

例えば、製造業のクライアントに対して、生産管理システムを開発するだけでなく、データ分析機能を追加して将来の需要予測に役立てることを提案するなど、一歩踏み込んだ関わり方ができると、クライアントからの信頼は格段に高まります。

技術はあくまで課題解決のための手段であると捉え、顧客の成功を第一に考えられる人にとって、受託開発は大きな満足感を得られる仕事となるでしょう。

受託開発のつらさを軽減する方法

転職活動を検討し企業研究をする男性エンジニア

受託開発の課題は、決して個人ではどうにもならない問題ばかりではありません。

環境選びや自身の行動次第で、働きやすさを大きく改善し、主体的にキャリアを築くことが可能です。

ここでは、そのための具体的な4つのアクションプランを提案します。

  • 優良企業を見極める力をつける
  • スキルアップで市場価値を上げる
  • クライアントとの信頼関係を築く
  • 自社開発企業への転職も視野に入れる

アクション(1)元請け比率の高い優良企業へ移る

受託開発における労働環境や待遇、経験できる業務内容は、所属する企業が多重下請け構造のどの階層に位置するかで大きく左右されます。

「やめとけ」と言われるような厳しい労働環境の多くは、三次請けや四次請けといったピラミッドの下流工程に集中しているのが実情です。

したがって、現状を改善するための最も直接的で効果的な方法は、クライアントから直接案件を受注する元請け、あるいはそれに近い二次請けの比率が高い優良企業へ転職することです。

元請け企業はクライアントと直接対話するため、要件定義やプロジェクト管理といった上流工程に携わる機会が多く、エンジニアとしてのスキルアップに繋がりやすいです。

また、中間マージンが発生しないため、下請け企業に比べて報酬水準も高い傾向にあります。

優良企業を見極めるためには、求人情報だけでなく、企業の公式サイトを注意深く確認することが重要です。

例えば、「プライム案件100%」を公言している、事業内容として「DXコンサルティング」や「ビジネス課題解決」を強調している、技術ブログや勉強会レポートなどで積極的に情報発信を行っているといった点は、企業が技術力と上流工程を重視している良い兆候です。

転職活動の面接では、具体的な案件における自社の役割や開発体制について質問し、ミスマッチが起こらないよう慎重に企業を選ぶことが、働きやすい環境を手に入れるための鍵となります。

アクション(2)レガシーとモダンの両方を理解する市場価値の高い人材を目指す

現在の職場でレガシー技術にしか触れる機会がないとしても、それを悲観的に捉える必要はありません。むしろ、その経験は、自身の市場価値を飛躍的に高めるための貴重な資産になり得ます。

重要な戦略は、そのレガシーシステムの知識と、自主的に学習した最新のクラウド技術などを掛け合わせることです。

両方の技術を深く理解し、両者をつなぐことができる「ブリッジ人材」は、現代のIT市場において非常に希少で価値の高い存在です。

経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」問題に象徴されるように、多くの企業が基幹システムのレガシー化という深刻な課題に直面しています。

これらの企業は、既存システムを延命させつつ、クラウドなどのモダンな環境へ移行させることを喫緊の課題としており、その橋渡し役を担えるエンジニアを強く求めています。

例えば、金融機関の基幹システムでCOBOLの開発経験を持つエンジニアが、AWSやAzureといったクラウドプラットフォームの知識を習得すれば、レガシーシステムからクラウドへの大規模な移行プロジェクトで、アーキテクトやリーダーとして活躍できるでしょう。

こうした役割は高い専門性が求められるため、報酬の大幅な向上も期待できます。

現在の業務と並行して、オンライン講座の受講や資格取得、個人開発などを通じてモダンな技術を学び、その成果をGitHubや技術ブログで継続的に発信していくことが、自身の価値を高めるための具体的な行動です。

参考:経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」

アクション(3)クライアントとの対等なパートナーシップを築く

受託開発における多くのストレスは、クライアントとの力関係が不均衡であることに起因します。

無理な仕様変更や納期短縮の要求を減らし、より円滑にプロジェクトを進めるためには、技術的な専門家としてクライアントと対等なパートナーシップを築くことが不可欠です。

クライアントはビジネスの専門家ですが、必ずしもITの専門家ではありません。

そのため、開発側が単なる「作業者」として受け身の姿勢でいると、クライアントの言いなりになってしまいます。

重要なのは、クライアントのビジネスを深く理解した上で、技術的な観点から積極的に提案を行うことです。

例えば、クライアントからある機能の実装を依頼された際に、ただ言われた通りに作るのではなく、「その機能で本当にビジネス課題は解決できるのか」「もっと費用対効果の高い別の実現方法はないか」といった視点で考え、代替案を提示します。

技術的な実現可能性だけでなく、その選択がビジネスに与える影響やリスクまで含めて説明することで、クライアントはあなたを単なる開発者ではなく、信頼できる相談相手として認識するようになるでしょう。

このような関係性を構築できれば、クライアントは開発チームの意見を尊重するようになり、無茶な要求は自然と減少していきます。

日々のコミュニケーションを通じて専門性を示し、誠実に対応を積み重ねることが、ストレスの少ない健全なプロジェクト環境を作り上げるための最善の方法です。

アクション(4)受託開発の経験を活かし、自社開発企業への転職を準備する

受託開発で働き続けることに限界を感じた場合、そこで得た経験を次のキャリアに活かし、自社開発企業へ転職するという選択肢も常に持っておきましょう。

受託開発の経験は、決して無駄になるものではなく、むしろ転職市場において強力なアピールポイントです。

特に、多様な業界のクライアントと対話し、そのビジネス課題を解決してきた経験は、高く評価されます。

この顧客折衝能力や課題解決能力は、BtoB向けの自社サービスを開発している企業などで非常に重宝されます。

なぜなら、そうした企業では、顧客企業の業務を深く理解し、そのニーズを的確にプロダクトに反映させる能力が求められるからです。

また、様々な技術スタックや開発プロセスを経験してきたことは、技術的な視野の広さや対応力の高さの証明となります。

実際に、受託開発で金融システムの開発に携わっていたエンジニアが、そのドメイン知識を活かしてフィンテックのスタートアップに転職し、年収を大幅に向上させると同時に、より柔軟な働き方を手に入れたという事例も少なくありません。

すぐに転職するつもりがなくても、受託開発の仕事を続けながら、個人開発でポートフォリオを充実させたり、転職エージェントに登録して市場の動向を把握したりと、いつでも行動に移せる準備をしておくことが重要です。

受託開発での経験は、キャリアの終着点ではなく、より良い未来へ進むための価値あるステップと捉えられます。

まとめ

本記事では、「受託開発はやめとけ」と言われる理由を深掘りしつつ、メリットや自社開発・SESとの違いを解説しました。

ネガティブな意見に惑わされるのではなく、それぞれの働き方の実態を客観的に知ることが何より重要です。

受託開発には特有の厳しさがある一方、そこでしか得られないスキルや経験も確かに存在します。

大切なのは、給与や労働環境、学べる技術といった観点から、自分に最適な環境を見極める力を持つことです。

自分一人での判断に迷う場合は、転職エージェントのような専門家に相談するのも有効です。

この記事で得た知識が、あなたのキャリアへの不安を解消し、自信を持って次の一歩を踏み出すための助けとなれば幸いです。

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