「運用保守は底辺」というネットの評判に、将来への不安を感じていませんか。
夜勤で生活リズムが崩れ、手順書どおりの作業ばかりでスキルが伸びない。
そんな現状に焦りを覚えるのは当然です。
しかし、運用保守の経験は決して無駄ではありません。
システム全体を理解し、障害対応力を磨ける貴重な土台でもあるのです。
本記事では、底辺と呼ばれる構造的な理由から、損切りすべき現場の見極め方、設計・構築やSREへキャリアアップして年収を上げる具体的な手順まで解説します。
この記事を読み終える頃には、漠然とした不安が消え、次に取るべき行動が明確になっているはずです。
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運用保守が底辺と呼ばれる5つの理由

IT業界で「運用保守は底辺」という厳しい言葉が使われるのには、個人の能力とは無関係な構造的な原因があります。
社会インフラを支える重要な仕事であるにもかかわらず、現場のエンジニアが低い評価や待遇に苦しむ背景には、業界特有の仕組みが存在しているのです。
ここでは、多くのエンジニアが直面している5つの現実的な課題について、その理由をわかりやすく解説します。
理由(1)夜勤やシフト制で生活リズムが崩れる
運用保守の現場、特に監視業務で負担となるのは、24時間365日の稼働を支えるための不規則な労働環境です。
システムは夜間も休まず動き続けるため、エンジニアは交代制のシフト勤務や夜勤を避けることができません。
世間が活動している昼間に眠り、静まり返った夜中に働く昼夜逆転の生活は、自律神経の乱れを引き起こし、心身の健康を損なう原因となります。
私が取材した現場でも、太陽の光を浴びない生活が続くことで精神的なバランスを崩し、休職に追い込まれるエンジニアが少なくありませんでした。
このように、人間らしい生活リズムを維持できない過酷な環境こそが、仕事への肯定感を奪い去る大きな要因となっているのです。
理由(2)手順書どおりの作業が多くスキルが伸びにくい
監視オペレーターの業務は、あらかじめ決められた手順書に従ってランプの点灯を確認したり、決まった文章を連絡したりする作業が大半を占めます。
システムが安定しているときは「何もすることがない待機時間」となりますが、この時間は新しい技術を学ぶ機会にはなりません。
この状態が長く続くと、エンジニアとして致命的な「スキルの空洞化」という現象が発生します。
これは、日々の業務をこなしているにもかかわらず、市場で評価される実践的な技術力がまったく身につかない状態を指します。
トラブル対応や設定変更といった高度な操作権限を与えられず、ただ手順をなぞるだけのロボットのような働き方を強いられることになります。
結果として、年齢だけを重ねて実力が伴わない人材となり、将来的なキャリア形成の選択肢を狭めてしまうのです。
理由(3)給料が低く昇給ペースも遅い傾向
運用保守エンジニア、特に監視オペレーターの給料が上がりにくい最大の理由は、SESという業界の構造にあります。
発注元の企業から案件が降りてくる過程で、一次請け、二次請けと商流を経るたびに仲介手数料が引かれ、末端のエンジニアに届く報酬が目減りする仕組みだからです。
どれほど個人の努力で業務効率を改善しても、この構造の中にいる限り大幅な年収アップは望めません。
一般的に、インフラエンジニアの世界では、手順書通りに動く「監視オペレーター」と、システムを設計・構築したり、コードで自動化を行ったりする「SREエンジニア」などの上位職種との間には、明確な年収格差が存在します。
商流の下流でマージンを抜かれ続けるポジションに留まることは、経済的な豊かさを手放しているのと同義でしょう。
この歴然とした格差は、個人のスキル不足以前に、身を置く場所選びが年収を決定づけている残酷な事実を示しています。
理由(4)トラブル対応のプレッシャーが大きい
運用保守の現場は、システムが正常に動いて当たり前、何かあれば怒られるという「減点方式」です。
安定稼働を維持しても称賛されることは稀で、ひとたび障害が発生すれば厳しい追及を受けることになります。
トラブル発生時には、原因が不明確な状況下でも迅速な復旧が求められ、顧客や上司からの強いプレッシャーに晒され続けるのです。
例えば、深夜に突然のアラートが鳴り響き、寝ぼけ眼で対応に当たらなければならない心理的負担は計り知れません。
復旧作業に手間取れば、数分単位で損害が拡大していく恐怖と戦う必要があります。
一方で、迅速に問題を解決したとしても「直って当然」という扱いで処理され、その労力が正当に評価されることは少ないのが現実です。
このように、精神的な負荷と得られる評価のバランスが著しく崩れている点が、多くのエンジニアのモチベーションを低下させる原因となっています。
理由(5)開発職に比べて成果が見えにくい
Webデザイナーやプログラマーが目に見えるアプリや画面を作るのに対し、インフラエンジニアの成果は「安定稼働」です。
このため、職務経歴書に書ける具体的な実績が乏しくなりがちで、他人に自分の仕事の価値を説明しにくいという悩みがあります。
開発職であれば「〇〇というアプリをリリースした」と明確に語れますが、運用保守では「〇〇システムを1年間監視した」という受動的な表現になります。
他人に自分の仕事の価値を説明しようとしても、「要するに何をしたの?」と問われて返答に窮する経験をした方もいるかもしれません。
自分自身の貢献度が見えにくく、周囲からも理解されにくいというジレンマは、プロフェッショナルとしての自尊心を傷つける要因です。
「自分は誰にでもできる仕事しかしていないのではないか」という漠然とした劣等感は、こうした成果の不明瞭さから生まれているのです。
運用保守の経験が評価されるメリット

「運用保守は底辺」という言葉ばかりが目につきますが、実際には将来のキャリアを作るための重要な仕事です。
AI時代になっても、システムがどう動き、どこで壊れるかを知っている人材の価値はなくなりません。
ここでは、次のステップへ進むために役立つ、現場でしか得られない5つの強みについて解説します。
メリット(1)システム全体の仕組みを理解できる
現場では、一つのアプリが動くために、裏側でサーバーやネットワークがどう連携しているかを肌感覚で理解できます。
一つのWebサービスが動く裏側で、サーバー、ネットワーク、データベースがどのように連携し、データをやり取りしているかという「システム全体の地図」を学べます。
この体験をしていることは、プログラムを書くだけの開発者にはない、極めて希少な強みです。
例えば、将来的に設計や構築を行う上流工程へ進んだ際、「ここに負荷が集中しやすい」「この構成だと障害時に復旧が遅れる」といったリスクを直感的に予見できるようになります。
机上の空論ではない、現場のリアリティに基づいた設計ができるエンジニアとして重宝されるはずです。
ただし、ただ漫然と画面を眺めているだけでは、この知識は定着しません。
日々の業務の中で、「今のアラートはどのサーバーのどの機能が原因なのか」を常に意識し、頭の中で構成図を描く習慣をつければ成長につながるでしょう。
メリット(2)障害対応力と原因特定力がつく
システムトラブルが発生した際の緊迫感や、限られた時間の中で原因を特定し復旧させる経験は、どんなに優れた教科書を読んでも得られない実戦の賜物です。
現場では、膨大なログの中から異常を示す一行を見つけ出し、ネットワークの問題なのか、アプリケーションのバグなのかを瞬時に切り分ける判断力が求められます。
この「トラブルシューティング能力」こそが、エンジニアとしての嗅覚を鋭く磨き上げます。
面接の場においても、「〇〇という障害が発生した際、ログから原因を特定し、〇〇という手順で30分以内に復旧させた」というエピソードは、あなたの実務能力を証明する強力な証拠となるでしょう。
しかし、マニュアル通りに復旧コマンドを叩いて終わりにしてはいけません。
「なぜその障害が起きたのか」「どうすれば再発を防げるか」まで深掘りして考える思考プロセスを持って初めて、市場価値の高いエンジニアへと進化できるのです。
メリット(3)サーバーやネットワークの基礎が学べる
専門的な調査データを見ても、高年収を得ているエンジニアは共通してLinuxやネットワークの深い知識を持っています。
運用保守の現場は、これらの基礎技術に毎日触れられる貴重な環境です。
以下は、現場で頻繁に使用され、将来役に立つLinuxコマンドの一例です。
| コマンド名 | 何をするためのものか | 実務での活用シーン |
| grep | 文字を検索する | 膨大な記録(ログ)から「Error」の文字だけを探し出す |
| top / free | 負荷を確認する | サーバーが重い時、メモリやCPUの使用率を調べる |
| ssh | 遠隔操作する | 自分のパソコンから離れた場所にあるサーバーに入って作業する |
これらは、クラウドやAIといった最新技術を扱うための「基礎体力」となる重要なスキルです。
漫然と作業するだけでは身につきませんが、業務中に触れるコマンドの意味を一つずつ調べる姿勢があれば、着実に成長できます。
メリット(4)正確に作業を遂行する力を証明できる
現場では、たった一つの操作ミスがシステム全体を止めてしまうため、手順書を遵守する極めて高い正確性が求められます。
そのため、手順書を遵守し、確認を徹底するという「正確性」は、エンジニアとして最も基本的かつ重要な資質とされています。
この厳しい環境で業務を遂行してきた実績は、あなたがリスクを正しく理解し、安全にシステムを扱える人物であるという「信頼の証」そのものです。
どの企業も、技術力はあるが雑な仕事をするエンジニアより、基本に忠実で信頼できるエンジニアを採用したいと考えるものです。
特に、金融系や公共インフラ系のシステム開発では、この堅実さが何よりのアピールポイントになります。
ただし、言われた通りに動くだけの指示待ち人間になってはいけません。
「手順書のこの記述は誤解を招く可能性がある」と気づき、改善を提案するなどの主体性を発揮することで、あなたの評価はさらに高まるでしょう。
メリット(5)顧客折衝や報告業務で対人力向上
障害発生時、状況が見えずに不安を感じている顧客に対し、冷静に事実を伝え、安心させることも運用保守エンジニアの重要な使命です。
専門的な技術用語を並べ立てるのではなく、相手のITリテラシーに合わせて「何が起きているか」「いつ直るか」を分かりやすく翻訳して伝える能力が求められます。
この「伝える力」は、将来リーダーやマネージャーとしてチームを率いる立場になった際、技術力以上に必要とされるスキルです。
実際に私が採用に関わった際も、技術的な質問には完璧に答えられても、コミュニケーションが一方通行な候補者は見送られる傾向にありました。
逆に、運用保守の経験を通じて「相手の立場に立った報告」ができる人材は、どの現場でも即戦力として歓迎されます。
日々の電話対応やメール報告を単なる事務作業と思わず、対人折衝のトレーニングだと捉え直してみてください。
その意識の差が、数年後のキャリアに決定的な違いを生むことになるのです。
損切りすべき現場と成長できる現場の違い

運用保守の現場には、スキルが全く身につかない「搾取構造の現場」と、確実にキャリアアップにつながる「成長環境の現場」の二つが明確に存在します。
この見極めを誤って時間を浪費してしまうことは、エンジニア人生において取り返しのつかない損失になります。
ここでは、自分が所属している現場が「損切りすべきハズレ」なのか、それとも「成長できるアタリ」なのかを判断するための3つの違いについて解説します。
違い(1)監視のみで手順書厳守ならハズレ
もし現在の業務が、モニターのランプの色を確認して電話をかけるだけで、サーバーへの直接的なコマンド入力を一切禁止されているなら、即座に危機感を持つべきです。
エンジニアとして最も重要な「自分で考えて手を動かす機会」が構造的に奪われており、市場価値のあるスキルが何一つ身につかない環境だからです。
これは、実質的にエンジニアではなく「監視オペレーター」という別職種として扱われている状態です。
具体的な兆候として、手順書から1ミリでも外れることが許されず、少しでも疑問を持って質問すると「余計なことをするな」と叱責されるような現場は危険信号です。
そこに何年いても、職務経歴書に書ける実績は「電話連絡の速さ」以外に増えることはありません。
あなたの貴重な若さを安く買い叩かれているだけの可能性が高いため、早急に転職を検討することをおすすめします。
違い(2)改善提案や障害対応可ならアタリ
マニュアルの不備を指摘したり、簡単なスクリプトを書いて作業を自動化したりする「改善提案」が歓迎される現場は、非常に恵まれた環境です。
これは、あなたが単なる作業員ではなく、システムをより良くするエンジニアとして主体性が認められている証拠だからです。
トラブル対応においても、一次対応だけでなく原因調査や再発防止策の立案まで任されるなら、そこは知識の宝庫と言えるでしょう。
このような現場で得られる経験は、SREなどの上位職種へステップアップするための強力なパスポートになります。
もし今の職場で少しでも創意工夫の余地があるなら、それは「アタリ」の現場です。
すぐに辞めるのではなく、その環境を使い倒して、自動化ツールの作成経験や障害対応の実績を十分に積んでから次のステージへ進むようにしましょう。
違い(3)ロースキルの先輩ばかりなら要注意
職場の未来を占う最も確実な方法は、そこで10年以上働いている先輩社員の姿を観察することです。
もし彼らが、新しい技術への関心を失い、何年も同じ監視業務だけを繰り返しているなら、それは数年後のあなた自身の姿かもしれません。
技術の進化が速いIT業界において、現状維持を目的としている組織に長く留まることは、周囲から取り残されていくことを意味します。
逆に、設計や構築の部署へ異動したり、SREとして活躍しているロールモデルとなる先輩がいるなら、その会社には成長のエコシステムが存在します。
以下の表を使って、あなたの現場がどちらに近いか、冷静にチェックしてみてください。
| チェック項目 | 損切りすべき現場(ハズレ) | 成長できる現場(アタリ) |
| 業務の裁量 | 手順書厳守で、コマンド入力などの操作が禁止されている | マニュアルの改善や、作業の自動化提案が歓迎される |
| スキル向上 | 思考停止のルーチンワークのみで、新しい技術に触れない | 障害対応や原因調査を通じて、実践的な技術力がつく |
| 職場の先輩 | 長年同じ監視業務を続けているロースキルの先輩ばかり | 設計や構築、SREなどの上位職へステップアップした人がいる |
もし周囲に、設計や構築へステップアップしたロールモデルが一人もいないなら、早めに見切りをつけて環境を変える決断も必要です。
運用保守のまま留まることのリスク

運用保守の仕事は、一度業務に慣れてしまうと精神的に楽な側面があり、つい「このままでも生活できているし、まあいいか」という現状維持バイアスに陥りがちです。
しかし、その楽な環境に安住し続けることは、エンジニアとしてのキャリアにとって致命的なリスクになります。
気づいた時には年齢だけを重ね、転職市場での価値がなくなっていたという事態を避けるために、ここでは4つのリスクを解説します。
リスク(1)30代を超えると転職難易度が急上昇
現場では「30代になった途端、未経験枠での書類選考が通らなくなった」という厳しい現実が待っています。
20代のうちは「将来性」で採用されますが、30代を超えると「即戦力としての実績」が求められるようになるからです。
実際に監視業務の経験しかないまま歳を重ねると、選択肢は極端に狭まります。
具体的なイメージを持っていただくために、未経験職種への転職難易度を年代別に整理しました。
| 年代 | 未経験転職の難易度 | 企業から求められるもの |
| 20代 | 易しい〜普通 | 成長意欲、基礎知識(資格など)、コミュニケーション能力 |
| 30代前半 | 普通〜やや難 | リーダー経験、後輩育成の実績、関連する実務スキル |
| 35歳以上 | 極めて困難 | プロジェクトマネジメント能力、高度な専門技術、即戦力性 |
監視業務の経験しかないまま30代を迎えると、実務スキルがないため即戦力採用の土俵には上がれず、かといってポテンシャル採用の枠も年齢制限で閉じられているという「詰み」の状態に陥ります。
もし危機感があるなら、1歳でも若いうちに次のステップへ踏み出す準備を始めましょう。
リスク(2)自動化ツールやAIに仕事を奪われる可能性がある
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIや、運用レスを実現するNoOpsを実現する自動化ツールの進化は目覚ましく、定型業務の自動化は加速の一途を辿っています。
調査報告によると、ログ監視やアラートのTier 1と呼ばれる一次対応といったマニュアル通りの業務は、AIへの置き換えが最も進みやすい領域とされています。
つまり、人間がわざわざ夜勤をしてまで行う必要性が、急速に失われつつあるのです。
「マニュアル通りに動くことしかできないオペレーター」の仕事は、将来的には消滅するか、あるいは極端な低賃金労働になる可能性が高いでしょう。
しかし、悲観する必要はありません。
AIは「定型作業」は得意ですが、「なぜそのトラブルが起きたのか」を文脈に沿って考えたり、顧客の感情に配慮した対応をしたりすることは苦手です。
AIに使われる側ではなく、AIを管理・運用する側のエンジニアへと進化することで、逆にあなたの市場価値を高める好機にもなり得るのです。
リスク(3)スキル不足で市場価値が上がらない
多くの現場で見受けられるのが、勤続年数は長いのに「手順書に書いてあること以外は何もわからない」というベテラン作業員の姿です。
これは、トラブル対応や設定変更の権限を与えられず、ただ画面を見るだけの受動的な業務を何年も繰り返すことで起きる「スキルの腐敗」と呼ばれる現象です。
筋肉を使わなければ衰えるのと同じように、技術力も新しい刺激に触れなければ、現状維持どころか退化していきます。
「時間が経てば勝手に成長できるだろう」という考えは、運用保守の世界では通用しません。
会社が教育してくれない環境であれば、自分自身で業務外の時間を使ってLinuxなどの技術を学び、手を動かす経験を積む以外に道はないのです。
受け身でいては、いつまで経っても市場価値の低い「作業員」の枠から抜け出すことはできません。
この状況を打破できるのは、会社でも上司でもなく、あなた自身の行動だけなのです。
リスク(4)給与の上限が低く収入が頭打ちになる
「どれだけ頑張っても給料が上がらない」という悩みは、決してあなたの努力不足が原因ではありません。
前述した通り、監視オペレーターという職種自体が、多重下請け構造の末端に位置しており、給与相場の上限が構造的に決まってしまっているからです。
どんなに優れたオペレーターであっても、その職域に留まる限り、年収1000万円を目指すことは現実的に不可能に近いでしょう。
今の会社でわずかな昇給を待つよりも、職種そのものを「サーバーエンジニア」や「SRE」へと変える方が、年収アップへの道は遥かに短く確実です。
構造的な問題に対して個人の努力で抗うのは得策ではありません。
自分の市場価値を正当に評価してくれる土俵へと移動することこそが、経済的な不安を解消する最短ルートなのです。
運用保守から脱出して年収を上げる手順

今の環境に危機感を持ったとしても、具体的に何から始めればいいかわからず、足踏みしてしまう人は少なくありません。
しかし、運用保守からの脱出ルートは確立されており、正しい手順を踏めば誰でも現状を打破できます。
ここでは、年収アップとキャリアチェンジを確実に実現するための、5つの具体的なステップを順番に解説します。
手順(1)今の職場でリーダーや改善業務に手を挙げる
転職活動において、採用担当者が最も注目するのは「指示待ち人間ではないか」という点です。
そのため、まずは今の現場で「自分から働きかけて環境を変えた」という小さな実績を作ることから始めましょう。
何も大規模なプロジェクトを率いる必要はありません。
例えば、頻繁に更新される手順書のミスを修正してチームに共有したり、新人の教育係に立候補したりするだけでも十分なアピール材料になります。
「誰もやりたがらないシフト作成を引き受けた」というエピソードでさえ、リーダーシップの証明として機能するのです。
与えられた仕事をこなすだけでなく、「自分なりに工夫して貢献した」という事実を職務経歴書に一行でも多く書き加えるために、まずは手を挙げる勇気を持ってください。
その一歩が、あなたの市場価値を確実に押し上げます。
手順(2)CCNAやLinuC等の資格を取得
未経験から設計・構築やクラウドエンジニアへのキャリアアップを目指す場合、知識レベルを客観的に証明できる「資格」は、最強のパスポートとなります。
特に、実務経験が浅いうちは、資格の有無が書類選考の通過率を左右する決定的なファクターになり得ます。
まずは、以下の2大基礎資格の取得を目指してみましょう。
- CCNA(Cisco Certified Network Associate)
- LinuC(Linux技術者認定試験)またはLPIC
CCNAはネットワークエンジニアの登竜門的資格であり、IPアドレスの仕組みやルーターの設定など、インフラの共通言語を理解している証明になります。
LinuCは、サーバーOSとしてデファクトスタンダードであるLinuxの操作スキルを認定するもので、コマンドラインでの操作に慣れていることを示せるため、即戦力候補として見られやすくなります。
これらの資格学習を通じて得た知識は、面接での技術的な質問に対する回答の精度を高める助けにもなるはずです。
資格はあくまでスタートラインですが、持っているだけで「学習意欲の高い人材」というポジティブな評価を得られることは間違いありません。
手順(3) AWSなどクラウドスキルを独学で習得する
現代のシステム開発において、物理サーバーを使わずにインターネット経由でインフラを利用する「クラウド技術」の習得は避けて通れません。
特にAWS(Amazon Web Services)は世界中で圧倒的なシェアを誇り、このスキルがあるだけで選択できる企業の幅は劇的に広がります。
「実務経験がないと学べない」と思い込んでいる方もいますが、それは大きな誤解です。
AWSには「無料利用枠」が用意されており、個人でもクレジットカード一枚あれば、企業と同じ環境を構築して実験することができます。
例えば、自分でWebサーバーを立ててWordPressを動かしてみたり、データベースと連携させてみたりする経験は、座学の何倍もの価値があります。
独学でエラーと格闘しながらシステムを動かした経験は、面接官の心を動かす強力なアピール材料となるでしょう。
手順(4)転職エージェントで構築案件を探す
スキルや資格という弾薬が揃ったら、いよいよ戦場を変えるための転職活動を開始します。
ここで重要なのは、転職サイトから自力で探すのではなく、インフラエンジニアに特化した転職エージェントを賢く利用することです。
自分一人では見つけられない非公開求人や、企業の内部事情(研修体制や残業の実態など)を知ることができるからです。
エージェントには、「運用保守から設計・構築へキャリアチェンジしたい」という希望を明確に伝えてください。
ただし、ここで一つ注意が必要です。
中には「未経験歓迎」と謳いながら、実際にはコールセンター業務や家電量販店での販売応援をさせるような悪質な企業も紛れ込んでいます。
提示された案件内容をよく確認し、もし現状と変わらない単純作業ばかりなら、妥協せずに断る勇気を持ってください。
あなたのキャリアを守れるのは、最終的にはあなた自身の決断だけなのです。
手順(5)ポートフォリオで技術意欲を示す
Webデザイナーやプログラマーと異なり、インフラエンジニアは成果物が見えにくいため、ポートフォリオを作る文化があまりありません。
だからこそ、あえてポートフォリオを用意することで、ライバルに圧倒的な差をつけることができます。
具体的には、学習過程で書いたインフラ構成図や、サーバー構築を自動化するコードなどをまとめて提出します。
「実務未経験ですが、ここまで自分で勉強して手を動かしました」という証拠を見せられて、感心しない採用担当者はいません。
完璧なコードである必要はなく、重要なのは「自ら課題を設定し、解決しようとしたプロセス」を見せることです。
口先だけでなく、本当に行動力があることを証明するこの「最後の一押し」が、採用通知を手繰り寄せる決定打となるでしょう。
運用保守からのキャリアパス3選

運用保守の現場で培った「システムが動く仕組み」や「トラブル対応の経験」は、次のステップへ進むための貴重な財産です。
その経験があるからこそ、より専門性が高く、待遇の良い職種へ挑戦することができます。
ここでは、多くのエンジニアが実際に年収アップを実現している代表的な3つのキャリアパスについて解説します。
パス(1)インフラ設計・構築エンジニアへ
現場で感じている「システムが古くて使いにくい」「障害ばかり起きる」という不満を、自分の手で解消したいと考えるなら、設計・構築エンジニアが最適です。
これは、システムが動くためのインフラをゼロから作り上げる「上流工程」の仕事であり、運用保守の直接的な上位キャリアに位置します。
運用保守の経験者は、「どこが壊れやすいか」「どう作れば運用しやすいか」を肌感覚で知っているため、非常に質の高い設計ができるという強みがあります。
具体的な業務は、顧客の要望を聞き出して仕様を決める「要件定義」や、実際の機器を選定して設定を行う「構築作業」が中心となります。
夜勤やシフト勤務から解放されるケースが多く、生活リズムが整う点も大きなメリットでしょう。
年収面でも、運用保守時代と比較してベースラインが確実に上がるため、最も堅実で再現性の高いキャリアアップのルートです。
まずはSIerへの転職を目指し、プロジェクト単位で経験を積んでいくのが王道です。
パス(2)クラウドエンジニアで最新技術を扱う
もしあなたが新しい技術に触れるのが好きで、変化の激しい環境を楽しめるタイプなら、クラウドエンジニアへの転身をおすすめします。
物理的なサーバーを持たずに、AWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービスを駆使してインフラを構築・運用する仕事です。
現在、企業のシステムは急速にクラウドへ移行しており、この分野のエンジニアは深刻な人手不足の状態にあります。
クラウドエンジニアの魅力は、コードを書くことでインフラを自動制御する「Infrastructure as Code(IaC)」などのモダンな技術に触れられる点です。
手作業での温かみのある運用から卒業し、スマートで効率的な開発スタイルへと進化することができます。
さらに、この領域には「SRE」という、Googleが提唱した高年収職種も含まれます。
常に学習が必要な厳しい世界ですが、その分だけ市場価値は青天井に伸びていく、まさに花形のキャリアパスです。
パス(3)社内SEとして安定環境で運用改善
「客先常駐で職場を転々とするのは疲れた」「一つのサービスを長く育てていきたい」と考える方には、社内SEという道があります。
これは、事業会社の正社員として、自社のシステムや社内インフラを守る「発注側」のポジションです。
下請けとして言われた作業をこなすのではなく、自社の利益のためにシステムをどう改善すべきか、主体的に企画・提案できるのが最大の特徴です。
社内SEの仕事は、社員からのヘルプデスク対応から、全社的なDX推進プロジェクトまで多岐にわたります。
「システムの専門家」として社内の仲間から直接感謝される機会も多く、高い貢献実感を得られるでしょう。
また、自社の就業規則で働くため、無理な納期や理不尽な残業が比較的少ない傾向にあります。
腰を据えて長く働きたい人や、ワークライフバランスを重視したい人にとって、これほど魅力的な選択肢はありません。
まとめ
運用保守が底辺と言われる背景には、夜勤による生活リズムの乱れやスキルが伸びにくい構造的な問題があります。
しかし、システム全体を理解し障害対応力を磨けるこの経験は、設計・構築やSREへステップアップするために重要です。
大切なのは、今の現場が成長できる環境かを見極めること。
手順書厳守のみでスキルが身につかないなら、早めに環境を変える決断も必要です。
CCNAやLinuCなどの資格取得、AWSの独学、ポートフォリオの作成を進めれば、年収アップへの道は確実に開けます。
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