2025年最新版|エンジニア職務経歴書とスキルシート作成の重要ポイント

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この記事でわかること

  • 履歴書・職務経歴書・スキルシートの違いと役割、それぞれの正しい使い分け方
  • 転職市場で重視されるポイントと、不正応募・AI活用への注意点
  • 書類の定期的なアップデートが転職成功のカギになる理由
編集者プロフィール
ウィルオブテック編集部

エンジニア転職に関するお役立ち情報を発信

エンジニアとして転職を考える際、まず必要となるのが履歴書職務経歴書です。なかには「スキルシートをそのまま使えばいいのでは?」と考える方もいますが、実はそれぞれの書類に求められる役割やアピールすべきポイントは異なります。

2025年に向けて転職市場の選考がより厳しくなる中、書類の正確性・誠実性がこれまで以上に重視されるようになってきました。

本記事では、なぜ履歴書と職務経歴書が必要なのか、スキルシートとの違いや使い分け方、さらには生成AIの活用ポイントや不正応募への警戒が高まる2025年転職市場ならではの注意点まで、幅広く解説していきます。

久松さん

執筆者プロフィール

合同会社エンジニアリングマネージメント 社長 久松 剛さん

慶應義塾大学大学院政策メディア研究科博士(政策・メディア)。2000年より慶應義塾大学村井純教授に師事。合同会社エンジニアリングマネージメント社長兼レンタルEM。ベンチャー企業3社にてIPOや組織改善コンサル、PjMなどを歴任後、2022年に合同会社を設立。 現在はスタートアップから日系大手企業まで企業規模を問わず、採用や組織改善コンサル、セミナー、執筆など幅広く活躍中。

TOPICS

エンジニア転職での履歴書と職務経歴書それぞれが担う役割

履歴書は、応募者の基本情報や略歴をコンパクトにまとめた書類です。氏名・住所・連絡先・学歴・職歴などを整理したうえで、企業側に「この人はどういった経歴の持ち主なのか」を正確に伝えます。

ITエンジニアの場合、一般的には写真の有無は重要視されないことが多く、企業から特に指定がない限り、貼付しなくても問題にならないケースがほとんどです。ただし、住所・連絡先などの情報は入社手続きにも影響するため、正確に記載する必要があります。

一方で、職務経歴書は「どんな職務を担当し、どのような成果やスキルを身につけたか」を詳しく説明するための書類です。エンジニアの場合はプロジェクトの概要や使用技術、担当業務と成果、チームの規模や役割などを具体的に記載することで、その人のスキルセットや働き方がより明確に伝わります。

企業側が確認したいポイント

  • 履歴書:基本的な情報の信頼性(年齢・住所・学歴・職歴など)、連絡先の正確性
  • 職務経歴書:プロジェクト内容、身につけたスキル、担当範囲、具体的な成果(工数削減やパフォーマンス改善など)

両方の書類が必要なのは、企業が「応募者の基本的な履歴・個人情報」と「実際の業務内容や能力」を分けて把握したいからです。履歴書は多くの企業でフォーマットが定着しており、比較しやすいという特徴もあります。

▼エンジニア転職の職務経歴書の書き方はこちらの記事もご覧ください。
SE(システムエンジニア)転職の職務経歴書はこう書く!わかりやすい テンプレート付きで解説

スキルシートを職務経歴書に使い回すのはNG?~書類を使い分ける重要性とは~

エンジニアの中には、開発言語やフレームワークなどを一覧にまとめた「スキルシート」を日頃から管理している方も少なくありません。しかし、これをそのまま職務経歴書のように使い回すのはおすすめできません。

なぜなら、企業が知りたいのは単にスキルの羅列ではなく、それらのスキルがどのように活かされ、どのような成果を生み出したかというストーリーだからです。

企業が見たいのはストーリー性と成果

スキルシートには「○○言語:経験3年」「△△フレームワーク:経験2年」といった情報が羅列されることが多いです。これらの情報は重要ですが、それだけでは「どのように課題を解決したのか」「どのような成果を出したのか」が伝わりにくくなります。

職務経歴書との重複・不足が起きやすい

 スキルシートを流用すると、職務経歴書と内容が重複したり、逆に詳細が不足したりします。あくまでスキルシートは、自分のスキル・プロジェクト歴を整理するためのベースとして活用し、応募する企業やポジションに合わせて情報を抽出・再構成することが理想的です。

定期的なアップデートと応募先企業への最適化が重要

新しいプロジェクトに参画すれば扱う技術や成果も変化していきます。スキルシートは随時メンテナンスし、そこから応募先に合わせて職務経歴書をカスタマイズするのがよいでしょう。

定期的な更新が転職成功のカギ

IT業界のトレンドはめまぐるしく変化し、企業が求めるスキルセットも変わっていきます。そのためには定期的に情報をキャッチアップし、整理しておくことが重要になります。

経験やスキルは常にアップデートする

エンジニアとしてキャリアを重ねるほど、新しい技術や異なる規模のプロジェクトに挑戦する機会も増えます。

書類を古い情報のまま放置してしまうと、せっかく培ったスキルや成果を十分にアピールできません。「転職しよう」と決めてから慌てて書類を作り始めるよりも、日頃から少しずつアップデートしておくことで、いざというときスムーズに動けるようになります。

企業ニーズの変化をキャッチする

IT業界は変化のスピードが非常に速く、特に近年は生成AIの進化により、その移り変わりが一層激しくなっています。かつては常識だった技術が陳腐化し、クラウドネイティブやAI関連の知識が急に注目されたりすることも珍しくありません。

書類を定期的に更新し、企業の新しいニーズに合わせた情報を適宜盛り込むことで、書類選考の通過率が高まる可能性があります。

己を知る機会にもなる

履歴書や職務経歴書を見直す過程で、自分のキャリアにおける強みや弱みが改めて見えてきます。具体的な成果を振り返り、足りないスキルを確認することで、今後のキャリアプランや学習計画を立てやすくなるでしょう。

最新の転職市場動向と注意点

ここからは、2025年以降の転職市場で特に意識したいポイントを整理します。エンジニアバブルが落ち着いた今、企業は「必要な人材を厳選採用する」方向に舵を切っており、書類選考の時点で求めるレベルも高くなると予想されます。

エンジニアバブル終焉による厳選採用

以前は慢性的なエンジニア不足から、広く門戸を開いていた企業も多かったものの、近年はコスト面やプロジェクト要件の高度化に伴い、採用基準を絞る傾向が強まっています。

書類選考では、虚偽や誤りがあればすぐに不合格、面接へ進めたとしても確度の高い質問でスキルの真贋が厳しく問われるようになってきています。

生成AIの活用とリスク

履歴書や職務経歴書を生成AIで作成できるツールが増えており、必要事項や企業情報を入れるだけで志望理由やスキル一覧を“それらしく”作り上げられる便利さも注目の的です。しかし、AIが参照したデータの誤情報や、本人の実体験と合わない内容が混入するリスクは拭えません。

AI頼みの書類は面接時に矛盾が生じやすい

応募者本人が書いていない文面や、実際の経験と異なる表現があると、面接で質問された際に対応できなくなる可能性があります。

企業側がAI生成文書を警戒し始めている

 「生成AIで作成された書類ではないか?」とチェックする人事担当者も増えています。明らかにテンプレート感のある文章は不自然に感じられ、むしろマイナス評価になることもあるでしょう。

最終的には本人が責任を持つ

AIを使うこと自体は問題ありませんが、提出前に必ず自分で読み直し、嘘や誇張がないか、表現が適切かを確認する必要があります。

不正応募への企業の対策

住所や個人情報の正確性

一部の海外エンジニアが、内容証明郵便を回避するために架空の住所を記載したり、別人の情報を転用したりする不正が問題になっています。さらに、

北朝鮮など外国勢力がITエンジニアを装って就労ビザを取得しようとするケースも報じられており、企業側も公安と連携しながら応募者の情報を厳重にチェックする時代になってきました。

住所や連絡先に偽りがあれば即不合格に

企業が安全保障リスクや法的リスクを避けるため、応募書類の段階で確認を強化しています。

特別な事情がある場合は正直に補足

引っ越し予定や実家暮らしなど、住所が変動しがちな理由があるなら、履歴書の備考欄などで説明しておく方が信頼性は高まります。

技術用語の誤表記・誤字脱字にも厳しい目

生成AIの普及により誤字脱字検出が容易になったとはいえ、技術用語の大文字・小文字の区別スペルを間違えていると「リテラシー不足」とみなされる恐れがあります。

とくに応募先の企業でエンジニアが選考に関わる場合、JavaScriptを「Javascript」と書いたり、C++を「C+」と書いたりすると即座に目につき、不信感を与えてしまいます。

リモートワーク・フレックス勤務への要望は事前に伝える

コロナ禍を経て、リモートワークやフレックス勤務の導入が拡大しました。しかし、東京都の調査によるとフルリモートを実施している企業は全体の8%程度にとどまり、週何日出社か事前申請でリモートを使うなど、企業ごとに細かなルールがあるのが実情です。

家庭の事情(育児・介護など)でフルリモート希望の場合

書類の段階で「週○日出社可」「フレックス希望」などを明記すると、企業側も選考の時点で調整の可否を検討しやすくなり、採用後のトラブルを防げます。

備考欄に「要配慮事項」を書く

 定期的な通院やその他のやむを得ない事情がある場合は、合わせて記載しておくと良いでしょう。後出しで伝えると企業との信頼関係を損ねる恐れがあります。

ATS導入企業が増加:システムと人間両方に刺さる書類へ

書類選考をシステム化するATS(Applicant Tracking System)の導入が広がっています。応募者の履歴書や職務経歴書を機械的に解析し、特定のキーワードや条件に合わない場合は自動的にリジェクトする仕組みです。

ATSが読み取りやすい形式

Wordやテキスト形式での提出を指定している場合は指示に従うこと。PDFの場合も、企業によってはOCRがうまく動かないリスクを考慮する必要があります。

キーワードの最適配置

たとえば「Java」「Python」「AWS」「DevOps」「アジャイル開発」など、応募先の企業やポジションに合ったキーワードを的確に入れることでATS通過率を上げられます。

ただし、最終的には人事担当者やエンジニアが書類を読むケースが多いので、キーワードの詰め込みすぎ不自然な文章は逆効果になりかねません。システムと人間の両方に伝わるバランスを意識しましょう。

背景チェック・リファレンスチェックの高度化

リモートワークや海外在住エンジニアの採用が増えるにつれ、企業が応募者の実在性や経歴の正確性を厳重に確認する背景チェックを導入する動きが活発になっています。

リファレンスチェック

前職の上司や同僚に直接コンタクトをとり、プロジェクトでの実績や人となりを確認するフローを導入している企業も存在します。

オンラインポートフォリオやGitHubアカウントの提出

オープンソース活動や実際のコードをもとにスキルを評価する場合もあります。

経歴を誇張していたり、実績を偽装していたりすると、こうしたチェックで露呈する可能性が高まっています。書類段階から正直な情報を載せ、説明責任を果たせるようにしましょう。

ソフトスキルやリスキリング意欲をアピール

技術スキルだけでなく、リモートでのコミュニケーション能力チームマネジメント力学習意欲を評価する企業が増えています。生成AIやクラウドネイティブなど新技術の台頭が早い中、変化に適応できる人材が求められています。

ソフトスキル

オンラインミーティングやチャットツールを活用したコミュニケーション事例、チームビルディングの経験などを具体的に記載しましょう。

リスキリング・学習意欲

新しいプログラミング言語やフレームワークにチャレンジした履歴、資格取得の過程などをエピソードで示すと効果的です。

書類選考を突破するための総合的なアドバイス

ここまでの内容を総括し、書類を作成する際に意識すべき8つの重要なポイントにまとめました。

履歴書・職務経歴書・スキルシートの役割を把握し、それぞれの良さを生かす

  • 履歴書:基本情報や略歴の整理。企業間比較もしやすい。
  • 職務経歴書:プロジェクト内容・成果・役割を具体的に書き、スキル・実績をアピール。
  • スキルシート:自分の能力・経験技術を一覧化するベース資料。ただし横展開は避け、個々の応募に合わせて調整を。

定期的な更新と企業ニーズに合わせたカスタマイズ

  • 新しいプロジェクト経験が増えたら、その都度書類に反映する。
  • 企業やポジションの要件を確認し、魅力的に見せたい部分を強調する。

生成AIはあくまで補助ツール。最終チェックは必ず自分で

  • 不自然な表現や虚偽情報、専門用語のミスがないかを丁寧に確認。
  • 面接で矛盾が生じないよう、自分の言葉で説明できることが前提。

住所や基本情報の偽装は厳禁

  • 不正応募への警戒が強まっているため、ほんの些細な疑いでも不採用になりやすい。
  • 特別な事情があれば履歴書の備考欄で説明し、誠実さを示す。

リモートワーク・フレックス希望は早めに伝える

  • 書類段階から条件を明記すれば、面接や採用後のトラブルを防げる。
  • 子育てや介護、通院などの要配慮事項がある場合も同様に記載するとよい。

ATS対策と人間の目を両立させる

  • 重要キーワードを押さえながら、不自然にならないように文章を組み立てる。
  • 提出フォーマットの指定に従うことも忘れずに。

リファレンスチェック・背景チェックへの備え

  • 誇張や嘘があれば簡単に見破られるので、正直で証拠のある情報を。
  • 前職の上司や同僚との関係が悪くないか、事前に連絡を取っておく場合もある。

ソフトスキル・学習意欲をアピール

  • オンラインでのやり取りやチーム貢献の事例を具体的に。
  • 新しい技術への取り組み履歴を整理して書き込むことで評価を高める。

▼エンジニア転職に特化したエージェントに、職務経歴書の添削相談ができます

まとめ

エンジニアバブルが落ち着き、企業が厳選採用にシフトしている2025年以降の転職市場では、履歴書・職務経歴書の正確性誠実性が大きく問われます。

生成AIを活用すれば書類作成の手間が省ける反面、虚偽や誤情報が紛れ込み、採用担当者からの警戒感を高めてしまうリスクもあることを意識しましょう。住所などの基本情報を偽る行為は企業の信用を大きく損ない、場合によっては即不採用につながります。

  • なぜ履歴書・職務経歴書が必要なのかを正しく理解し、基本情報と具体的なスキル・実績を明確に分けて整理する。
  • スキルシートの横展開は避け, あくまでベース資料として活用し、応募企業に合わせて最適化した職務経歴書を作成する。
  • 書類の定期的な更新を習慣化し、新たな実績や習得技術をきちんと反映する。
  • 不正応募や虚偽記載に対する企業の視線が厳しくなる中、細部までチェックした正直な内容で勝負する。
  • リモートワークやフレックス勤務などの希望がある場合は、最初から明示してミスマッチを防ぐ
  • 最終的には、「この人と話してみたい」「詳しく経歴を知りたい」と思わせる書類を目指す。

エンジニアの流動性は依然として高いものの、企業の採用がシビアになることで書類選考でのふるい落としが一層厳しくなるのは確実です。だからこそ、履歴書・職務経歴書の仕上げを疎かにせず、企業が知りたい情報を正確かつ誠実に伝えることが求められています。

生成AIの助力を得ながらも、最終的には自分の言葉でアピールポイントをまとめられるよう、日ごろからキャリアの棚卸しを続けていきましょう。

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