LTは怖くない—発信の第一歩を踏み出そう

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この記事でわかること

  • LT(ライトニングトーク)の基礎
  • LTに向けた準備のコツ
  • LTを終えた後に得られるもの
編集者プロフィール
ウィルオブテック編集部

エンジニア転職に関するお役立ち情報を発信

勉強会やカンファレンスに参加していると、「いつか自分も登壇してみたい」と思う瞬間があるのではないでしょうか。ですが、いざ挑戦しようとすると「話すことがない」「緊張しそう」「恥をかきたくない」「うまく話せる自信がない」と感じて、なかなか踏み出せない人も多いはずです。

そんな方に伝えたいのは、「LT(Lightning Talk)は怖くない」ということです。完璧に話す必要も、プロのようなプレゼン力もいりません。LTは、誰でも気軽に挑戦できる発信の入り口といえます。

この記事では、LTの基本から、初めての登壇を不安に感じる人が気を楽にできる考え方、準備のコツまでをまとめました。

久松さん

監修者プロフィール

合同会社エンジニアリングマネージメント 社長
久松 剛さん

慶應義塾大学大学院政策メディア研究科博士(政策・メディア)。2000年より慶應義塾大学村井純教授に師事。合同会社エンジニアリングマネージメント社長兼レンタルEM。ベンチャー企業3社にてIPOや組織改善コンサル、PjMなどを歴任後、2022年に合同会社を設立。
現在はスタートアップから日系大手企業まで企業規模を問わず、採用や組織改善コンサル、セミナー、執筆など幅広く活躍中。

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LTとは?短くても立派な「発信の第一歩」

LTとはLightning Talk(ライトニングトーク)の略で、3~5分前後の短い発表形式を指します。自己紹介を加味すると2~4分程度になるでしょう。時間が限られているため、内容を深掘りするというよりは「自分が最近学んだこと」や「試してみたこと」「気づきを共有する」ことが中心になります。

その手軽さがLTの魅力です。テーマは小さくても構いません。「このエラーに2日かかった」「このツールを使ったら開発効率が上がった」「このライブラリを使ってみた」など、ほんの少しの経験でも誰かにとって役立つ情報になります。

むしろ完璧ではない話こそ価値があるのがLTです。登壇者のリアルな体験談こそが、他のエンジニアに刺さるのです。

なぜLTに挑戦すべきか

LTに挑戦する最大の理由は、アウトプットすることで自分の理解が深まることです。学んだことを人に説明する過程で、「なぜそうなるのか」「自分は本当に理解していたのか」を再確認できます。

また、人に伝える練習としても最適です。プレゼンというと構えてしまいますが、LTなら5分で完結するため心理的な負担が軽く、「話す練習の場」としても理想的です。

そして、発表経験は職務経歴書にも書ける立派な実績になります。「社内外で発表経験あり」「技術イベント登壇経験あり」という一文は、面接官や採用担当者の目を引くポイントになります。エンジニアとしての信頼を高めるうえでも、大きな武器になるでしょう。登壇した勉強会のURLを添えれば申し分ありません。

「怖い」と感じる理由を分解してみよう

多くの人が感じる「怖さ」の正体を整理してみると、大きく3つに分けられます。

1. 「失敗したらどうしよう」という不安

失敗するのが怖いのは当然です。でもLTは、失敗を笑いに変えられるくらい温かい場がほとんどです。スライドを間違えたり、言葉に詰まったりしても「あるある」と笑ってもらえることが多いです。誰も完璧なプレゼンを求めていません。

2. 「うまく話せないかも」という心配

うまく話すことより、「何を伝えたいか」が大切です。むしろ、少し不器用な話し方だと真剣さが伝わります。スクリプトを丸暗記するより、自分の言葉で話すほうが印象に残ります。

3.「批判されたくない」という恐れ

LTの会場は批評する場ではなく、応援する場です。多くの人が初登壇の緊張を理解しているので、温かく見守ってくれます。聴衆の多くは「自分もいつか登壇してみたい」「自分も最初はそうだった」と思っている仲間なのです。

準備のコツ

データを閲覧しているPC画面と手元

初めてのLTで大事なのは「やりすぎない」ことです。時間が短いので、盛り込みすぎると伝わりません。テーマをひとつに絞って、シンプルに話すのが成功のコツです。

【テーマは身近な経験から選ぶ】

「失敗したけど学びがあったこと」「意外と知られていない小技」など、自分がリアルに話せるテーマがベストです。 

【スライドは少なめに、図を多めに】

  1〜2分に1枚を目安にしましょう。テキストを詰め込みすぎるより、図やスクリーンショットで伝える方が印象に残ります。

【練習は2回で十分】

  1回目は時間配分を確認、2回目は通し練習でOK。練習しすぎると逆に硬くなってしまうこともあります。 

【5分の中で一つだけ伝えるという意識を持つ】

5分で話せることは思っているより少ないです。伝えたいことをひとつに絞り、「これだけは持ち帰ってほしい」というメッセージを決めましょう。 

【会社の場合は上長、法務チェックを】

主にコンプライアンスの観点から内容に問題無いかをチェックすることになります。社会人として、会社員として外部公開してはいけない話が無いかのチェックを受けましょう。

実際に登壇してみると

初めて登壇して驚くのは、「思ったより温かい雰囲気だった」ということです。発表が終わった後に「面白かったです」「そのツール気になります」と声をかけてもらえると、緊張が一気に報われます。

SNSで「#〇〇LT」「#技術イベント名」などのハッシュタグがついた投稿で感想をもらえることも多く、自分の話が誰かの役に立っていると実感できます。

また、登壇をきっかけに他の登壇者や聴講者とのつながりが生まれることもあります。「今度一緒に勉強会やりませんか?」という声をかけてもらうこともあり、まさにアウトプットが新しい縁を生みます。

発表後に得られるもの

登壇を終えたあとは、達成感とともに「次はもっとこう話したい」という前向きな気持ちが生まれます。この繰り返しが、エンジニアとしての成長につながります。

社内でも「発表できる人」として認知されるようになり、勉強会の運営や新人教育など新しい役割を任されるケースもあります。 

また、登壇経験をもとに社外イベントに呼ばれたり、記事執筆の依頼を受けたりすることもあります。LTは、思っている以上にキャリアを広げる扉なのです。

発表する側に立つと聴衆が話しかける理由ができます。将来的なリファラル転職にもつながるので、LTを通したネットワーキングの観点からも有用です。

発表した資料はSpeaker Deckにアップしましょう。公開することによって職務経歴書にも書けるようになります。

LTに向いているテーマの例

プレゼンを行う男性

「自分なんて話すことない」と思っている人も多いですが、LTのテーマに正解はありません。むしろ、身近な話題ほど聞かれるのがLTです。以下のようなテーマも立派な題材になります。

  • 新しい開発環境を導入してみた話
  • バグを解決したときの学び
  • チーム開発でうまくいかなかったこと
  • 自動化してみたら意外と簡単だったタスク
  • メンターとして関わったときに感じたこと

たとえ内容が小さくても、自分の経験を言語化して共有することに価値があります。それこそがLTの本質です。

失敗しても大丈夫

LTでよくある失敗は、ほとんどの場合、他人にとっては気になりません。途中でスライドが止まっても、緊張で言葉が詰まっても、それも含めてリアルな登壇です。むしろ、そうした姿が共感を呼びます。

参加者の多くは「自分も登壇してみたいけど怖い」と感じている人です。だからこそ、初挑戦の姿を見せることが、次の誰かの背中を押すことにもつながります。

まとめ

LTは、完璧を目指す場ではなく、自分の経験を共有する場です。たとえ5分でも、その発表を通じて誰かが学び、励まされることがあります。発信の第一歩を踏み出すだけで、世界が少し変わるかもしれません。

最近では、オンライン開催のLTイベントも増えており、挑戦のハードルはどんどん下がっています。

まずは気になるコミュニティや勉強会を覗いてみてください。そして、次のLT枠が空いていたら、思い切って「やってみます」と手を挙げてみましょう。緊張の5分を終えたあとには、きっと自分でも驚くほどの達成感と、自信が待っています。

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