データサイエンティストの平均年収とは?年収アップに必要なスキルも紹介

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この記事でわかること

  • データサイエンティストの平均年収
  • データサイエンティストの年収を上げるコツ
  • データサイエンティストの仕事内容と将来性
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
早川 直良

エージェント歴13年。これまでコールセンター、オフィスワークなど幅広い領域にて、約5万人の転職支援実績がある。現在はIT領域に特化し、これまでのエージェント経験を活かした中長期的なキャリア支援を強みとしている。

近年、IT系専門職として、データサイエンティストという職業が注目されています。

専門的なスキルが求められますが、年収は平均より高めです。また、AIが急速に普及し、データ分析の需要が高まる中、それを活用できる人材は少ないため様々な業界で売り手市場だといえます。

本記事では、データサイエンティストの年収や、年収アップを図る上で必要なスキルについて解説します。

久松さん

監修者プロフィール

合同会社エンジニアリングマネージメント 社長
久松 剛さん

慶應義塾大学大学院政策メディア研究科博士(政策・メディア)。2000年より慶應義塾大学村井純教授に師事。合同会社エンジニアリングマネージメント社長兼レンタルEM。ベンチャー企業3社にてIPOや組織改善コンサル、PjMなどを歴任後、2022年に合同会社を設立。
現在はスタートアップから日系大手企業まで企業規模を問わず、採用や組織改善コンサル、セミナー、執筆など幅広く活躍中。

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国内と国外でのデータサイエンティストの平均年収の差

近年、日本でもデータサイエンティストという職業が浸透しつつあります。データサイエンティストは、ITスキルと共にロジカルな思考力が求められる専門職です。需要と比べて、供給数が足りていないこともあり、他の職業と比べて比較的高年収が望めます。

日本では認知されて比較的日の浅い職業ですが、アメリカではデータ分析が重要視され、データサイエンティストの地位が確立されています。大学院などの学びの場も充実しており若手を中心に人気の職業です。

国内のデータサイエンティストの平均年収は?

まずは、日本国内でのデータサイエンティストの平均年収についてみていきましょう。こちらの「求人ボックス給料ナビ」によると、正社員の年収の平均がおよそ696万円、派遣社員の時給の平均が2500円という結果が出ています。

日本人の平均年収は、およそ460万円であるため、比較的高い給与水準です。

しかし、データサイエンティストという職業に焦点が当たりはじめたのがここ最近のことであり、スキルや業務内容も企業や個人によって、バラツキが大きいと考えられます。学問として大学で体系的・専門的なカリキュラムで学べるようになったのも、2017年4月に開設された滋賀大学データサイエンス学部からとなります。

ちなみに、データアナリストの平均年収はおよそ694万円、マーケッターの平均年収はおよそ484万円です。

参照元:求人ボックス「仕事の年収・時給・給料(データサイエンティスト / データアナリスト / マーケッター(マーケティング)」(2024年10月30日時点)

国外のデータサイエンティストの平均年収は?

次に国外のデータサイエンティストの年収は、どうなっているのでしょうか。

アメリカのデータサイエンティストの場合、Glassdoor社の2024年7月時点の報告によると中央値は16万1000ドルです。データの利活用に対して大きな投資がなされている状態と言えるでしょう。

こうした高待遇をデータサイエンティストは、アメリカでは2016年から2019年にかけてGlassdoor「Best Jobs in America」で一位になりました。

データサイエンティストの年収を上げるコツ

平均年収が高いとはいえ、まだ日本では伸びしろのあるデータサイエンティストですが、どうすれば年収を上げることができるのでしょうか。

データサイエンティストが年収を上げるためには、スキルアップだけでなくいかにして事業にコミットし、売上を繋げられる仕組みを作ることができるかということが肝要です。

PoC(概念検証)を経てプロダクト化し、当初期待された効果を上げた経験があると大きな強みとなります。事業責任者や経営層とのやりとりにあたり、予算を引き出すためにはPoC前では夢を語りつつ、PoC後のデリバリーフェーズでは現実的な着地をしていかなければなりません。こうした期待値調整力は市場価値を高めることに繋がります。

「サービスにAIを組み込むためにプログラミングスキルをつける」「プロジェクトマネージャーを経てプロジェクト全体の指揮経験を積む」「デジタルマーケティングに関する知識を身につける」などを心がけると、人的資本としての価値が高まります。

また、どの職種にも共通しますが、会話力、折衝能力、プレゼンスキルも、不可欠です。専門的な分野であるほど、わかりやすい説得力のある説明が求められます。

加えて、外国語を習得することによって、使えるデータが増えるだけでなく、活躍できるステージの幅が広がり、年収が上がる傾向にあります。また、思い切って転職や独立を検討してみるのも、ひとつの方法です。

▼プロジェクトマネージャーについては
こちらのプロジェクトマネージャーに転職するには? 向いている人や将来性を解説でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

データサイエンティストの雇用形態別の年収は?

専門職であるデータサイエンティストですが、雇用形態によってどのように年収が変わってくるのか、検証してみましょう。

正社員の年収

データサイエンティストの正社員平均年収は500万円〜600万円が目安ですが、大手企業や外資系企業では年収が1000万円を超えることも珍しくはありません
日系企業の場合は年収とは別に、住居手当・役職手当・退職金といった手厚い福利厚生も加味して判断しましょう。

中途のデータサイエンティストにありがちなトラブルとして次のようなものがあります。

  • 分析対象となるだけの十分なデータがなかった
  • データ量は多いが乱雑に格納されており、整理の課題が大きい
  • データ量は多いが、特に傾向などの特徴が得られない
  • 上記の状態を棚に上げた上で、経営層からいち早いバリュー発揮を求められる

短期離職にもつながりやすいため、しっかりと事前に確認するようにしましょう。
他の職種と比べて給与が高く、期待されるバリューも高いことを意識しながら行動することが必要です。

アルバイトの年収

アルバイトの年収は、能力や地域に左右されることも多いですが、時給1,000円〜2000円の求人が大半です。

正社員の指示に従って、データ収集やレポートの作成などをする業務が中心です。派遣社員よりも働き方に融通が利きやすく、採用されるための知識やスキルのハードルも低めなことから、将来的にデータサイエンティストを目指す人にとっては、勉強しながら経験が積める点で良い選択肢となり得ます。

フリーランスの年収

フリーランスのデータサイエンティストの収入は人によってさまざまです。どういった工程を担当するかによっても変わってきます。

データ収集や抽出を行うデータエンジニア業務よりも、データを分析したり、アルゴリズムを作成したりするデータサイエンティスト業務の方が単価が高い傾向にあります。
プロジェクトの牽引までできれば、さらにランクアップできるでしょう。

能力によっては、ひと月の単価が100万円以上の案件を受注することができます。実力さえあれば、正社員以上の報酬を得ることも可能です。

参照元:求人ボックス「データサイエンティストの仕事の年収・時給・給料」(2024年10月30日時点)

データサイエンティストの業務内容とは?

データサイエンティストの、具体的な業務内容と過程について、紐解いていきましょう。

企業が抱えている問題点を洗い出す

データサイエンティストの業務は、まず企業が抱えている課題を浮き彫りにするところから始まります。そして、解決する手段として、どのようなデータが適しているのかを検討します。

これは、システムエンジニアが行う要件定義と近い作業です。企業や顧客の求めるアナログな状態の要求に対して、ITを用いてどう応えるのかを落とし込む作業です。

データを収集して分析する

データの収集と分析は、この職種の要となる作業です。

データの分析にあたっては、RやPythonなどのプログラミング言語、AI・機械学習・ディープランニングなどの周辺知識が必要になる場合もあります

よって、データを組み合わせて解析し、統計学に有意なデータを特定するため、「大量のデータ群から意味のある項目を見つけ出す作業」だと定義でき、データサイエンティストのセンスの見せどころでもあります。
ここで、ビジネス上の意思決定につながるような知見を見つけ出さなければなりません。

データを加工してAIの精度を上げる

データの加工とは、データに含まれる不必要・不適切な情報を下処理する作業です。

明らかに異常なデータを削除することでAIの精度を上げるなど、地味ながらなくてはならない作業です。

問題解決につながる情報を見つけ出す

収集したデータ群の中から、問題解決につながる「意味のある情報」をピックアップする作業です。レポート作成の準備段階であるともいえます。

企業の課題と情報を結びつけるためには、経験やスキルが必要不可欠です。

レポートを作成してプレゼンする

分析結果が出たら内容をレポートにまとめ、ビジネスとして生かす方法を考えます。ここで、わかりやすく関係者や意思決定者、経営層にプレゼンテーションを行うことが必要です。

単に結果を伝達するだけに留まらず、そこから得られる知見から問題解決の方向性及び対策を提案していかねばなりません。

最終的な課題解決につなげる

最終的な課題解決は、データサイエンティストの仕事の着地点です。分析結果から見えてきた予測および知見を、ただデータとして現状分析して報告するだけではなく、企業が次に行うべき方向についても示唆・アドバイスすることが求められます。

ビッグデータを分析・解析するということに焦点が当てられがちですが、あくまでも現場判断に従ってビジネスへ貢献することが、データサイエンティストの喫緊の課題です。ここが、データアナリストとデータサイエンティストの違いでもあります。

データサイエンティストは将来どうなっていくのか

一部では、AIに代替され縮小するのではと危惧されるデータサイエンティストの仕事ですが、データサイエンティストの将来はどうなっていくのでしょうか。

結論として、データサイエンティストの需要は当面存在すると考えられます。

現状、さまざまな業界において、ビッグデータの活用が顕著になってきています。有名な企業では、楽天・ZOZO・アマゾン・セブンイレブンなどが挙げられます。さらに、ビックデータの活用に関して、日本は世界的に遅れをとっており、これからますます需要が高まっていくと予測されています。

また、経済産業省の発表した報告書によると、IT需要が拡大し続けていくと予測されるなか、少子高齢化の影響などもあって日本の労働人口、特に若年人口は減少が見込まれています。今後IT人材の需要と供給の差は大きくなり、2030年には最大で約79万人に拡大する可能性があると試算されています。

とりわけ、「AIやビッグデータを使いこなし、第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手として、付加価値の創出や革新的な効率化等により生産性向上等に寄与できるIT人材」の確保がキーポイントとなる見込みです。

その一方で世界中のプレイヤーが技術革新を行っていることにも注意が必要です。日本でも生成AIの研究開発を行っていたスタートアップがありましたが、ChatGPTやMidjourneyなどが精度の高い形でリリースされたと同時にピボットを余儀なくされたケースもあります。収入が高い一方で、身を置く場所に対して運と努力が必要な職種と言えます。

加えてAI界隈では2024年は収穫期に入ったと言われる説があります。研究開発だけでなく、データセンターなどの設備投資も含めてまとまった投資が行われてきた分野であるため、投資家や出資者、所属企業に対しての成果を見せていかなければならないフェーズに差し掛かっています。

データサイエンティストになるためのキャリアプラン

将来性も見込めるデータサイエンティストはまだ認知度が高くないため、情報が少ないのも事実です。
そこで、どうすればデータサイエンティストになれるのか解説します。

専門分野が学べる大学を卒業し就職する

文部科学省の方針で、2017年あたりから国公立大学にデータサイエンス系に特化した専門の学部が開設されるようになりました。

若い方であれば、こうした理系の学部で体系的に学び、新卒採用されるのが正攻法です。データサイエンティスト、もしくはまずはそれに近いエンジニアとなってから、配置を希望するのが良いでしょう。

エンジニアから転職する

エンジニアから転身するのも、方法のひとつです。

データベースエンジニア、データマイニングエンジニア、Web系エンジニアなどを経てデータサイエンティストに転職する方法もあります。エンジニアは、日常的に大量のデータを扱う機会が多いため、データサイエンティストとの距離が近い職種といえます。

ただし、「ビジネス力」、「データサイエンス力」といった別の分野にも習熟しなければならないため、この分野を補強すべく学習し、スキルを取得することが不可欠です。
数学や統計学といった知識があった方が活躍しやすいことも付け加えておきます。

マーケターやアナリストから転職する

エンジニアからの転職と同じ理論で、仕事内容が部分的に交錯するため、マーケターやアナリストから転職することも可能です。マーケッターとはマーケティング理論や調査に専門的な知識を持つマーケティング戦略立案者のことを指します。

アナリストは、金融機関や投資会社に所属し、企業の経営状態から国際市場の全体動向まで、幅広いデータを使って分析する専門家です。

ただし、これらの分野から転職する際には、プログラミング言語やエンジニア知識も学んでおく必要があります。

社内養成や公募を活用してキャリアチェンジする

企業によっては、社内でキャリアチェンジプログラムを用意し、データサイエンティストの育成を図るところもあります。とはいえ、データサイエンティストは相当な自己研鑽を積んでいかない限り、未経験から即戦力になるのは困難です。

こういった企業では、データサイエンティストとしての取り組みが黎明期であるため、教育方針や業務内容が定まっていない可能性があります。自ら道を切り開いていくことができる、チャンスかもしれません。

まとめ

ここまで、最近注目されつつあるデータサイエンティストの業務内容やチャレンジの仕方、年収や待遇などについて、深堀りしてきました。

データサイエンティストは、将来性も見込め、きちんと学んで自己研鑽していけば、需要があり年収も高い専門職です。本記事を読んで気になった方は、まずはエンジニアからでも、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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よくある質問

年収を上げるコツはありますか?

はい。どの職種にも共通しますが、会話力、折衝能力、プレゼンスキルも、不可欠です。専門的な分野であるほど、わかりやすい説得力のある説明が求められます。詳細は「データサイエンティストの年収を上げるコツ」で説明しているので確認ください。

データサイエンティストは将来性ありますか?

結論として、データサイエンティストは将来も安定した需要の見込める職業であると考えられます。
現状、さまざまな業界において、ビッグデータの活用が顕著になってきています。有名な企業では、楽天・ZOZO・アマゾン・セブンイレブンなどが挙げられます。さらに、ビックデータの活用に関して、日本は世界的に遅れをとっており、これからますます需要が高まっていくと予測されています。詳細は「データサイエンティストの将来性」で説明しているので確認ください。

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