プロジェクトマネージャーに転職するには? 向いている人や将来性を解説

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この記事でわかること

  • そもそもプロジェクトマネージャーとは何か
  • プロジェクトマネージャーの適正
  • プロジェクトマネージャーに必要なスキルと役に立つ資格
編集者プロフィール
テックキャリア事業部
上松 大輝

SEとしてシステム開発やネットワーク構築業務を4年。エンジニア経験を活かし、IT領域専門の転職エージェントとしてキャリア支援を担当。

プロジェクトマネージャーに転職したい、転職には何が必要かなどお悩みではないでしょうか。プロジェクトマネージャーはプロジェクトの進行を管理する重要な仕事です。本記事では、向いている人の特徴や必要なスキル、将来性など、転職時に役に立つ情報を解説しています。

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プロジェクトマネージャーとは

プロジェクトマネージャー(project manager)はプロジェクト全体のマネジメントを行う職種です。

PMと略されることもあります。プロジェクトを成功させるために開発するシステムを決める企画から参加し、期日に間に合うよう完成させて納品し、その品質の全責任を負います

目的に応じて予算やスケジュールを決定し、開発メンバーを選定して、メンバーに必要な情報を共有しつつプロジェクトを進めていきます。全体の流れを把握して進行管理を行い、問題が発生したときにはスケジュール調整や関係者との交渉といった対応も必要です。

プロジェクトの完成後にも、評価をまとめて報告書を作成するなど、幅広い業務をこなさなければなりません。

システムエンジニアとの違い

プロジェクトマネージャーはプロジェクトの計画から管理など全体を統括する人ですが、システムエンジニア(SE)は実際にシステムの開発や設計をする人のことです。SEはクライアントの要望をまとめる要求分析・要件定義を行い、必要な機能を取り入れたシステムの設計書を作成します。

また、実装する機能に対してどの技術を使用するかといった設計、プログラマーがスムーズに作業するために必要な詳細設計も行います。そして、納品前にシステムのテストや検証をするところまでがSEの仕事です。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの進行に際してSEに指示する立場にあります。

▼システムエンジニア(SE)については
こちらのSE(システムエンジニア)の平均年収は?1000万円を目指す方法を解説でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

プロジェクトマネージャーの将来性

プロジェクトマネージャーは、システムやアプリ、Webの開発プロジェクト、更新のプロジェクトなど、さまざまなプロジェクトに欠かせない将来性のある仕事です。システム開発を他社に依頼せずに、自社で開発・運用を行う企業が増えていることから、プロジェクトマネージャーはさまざまな業種で必要とされています。

プロジェクトマネージャーは、まずプログラマーやSEとして働き、次にプロジェクトリーダーとして実績を積んだあとになるケースが一般的です。知識や経験を活かしてプロジェクト全体を管理する責任の重い仕事であり、このような業務をこなせる人材は不足しているため、大きな需要があります。

大規模なプロジェクトを管理できる優秀なプロジェクトマネージャーは、さらに貴重な存在です。

AI(人工知能)の発達によりプロジェクトマネージャーの一部の業務はAIの処理に移行するかもしれませんが、すべての仕事をAIが行うことはありません。そのため、将来的にも安定した需要があると考えられています。

とはいえ、AIをはじめ、クラウドやIoTなどに関する最新の知識を取り入れていくことは必要不可欠です。新しい技術の潮流に乗り遅れないようにしないと、クライアントや転職先からの要求に応えられなくなってしまうでしょう。

プロジェクトマネージャーの平均年収

プロジェクトマネージャーの平均年収は約619万円です。勤務先の企業や実績などによっても年収は異なりますが、他のIT系のエンジニア職と比較すると年収が高い傾向にあります。

プロジェクトマネージャーの年収はスキルや保有している資格によっても大きな差が生じるため、スキルアップや実績をつけることで年収アップも可能です。もともと人材が不足しているプロジェクトマネージャーを重要視している企業は多く、昇給しやすい職種でもあります。

参照元:求人ボックスナビ「プロジェクトマネージャーの仕事の平均年収

プロジェクトマネージャーの求人例

プロジェクトマネージャーの求人は企業によって違いがありますが、求人例をひとつ紹介します。

【業務内容】
・クライアントのシステム開発プロジェクトマネジメント業務
・要件ヒアリング・要件定義
・プロジェクトメンバーの選定・チームビルディング
【待遇/条件】
・年収 550万円~800万円
・雇用形態 正社員
【必要なスキル・経験】
・プロジェクトマネジメントの実務経験2年以上
・システム開発エンジニアとしての実務経験
【歓迎条件】
・プロジェクトマネジメント資格の保有
・ビジネスレベルでの(TOEIC600点程度)英語力があること

プロジェクトマネージャーへの転職に向いている人の特徴

プロジェクトマネージャーへの転職に向いている人の特徴

自分はプロジェクトマネージャーへの転職に適しているか、考えている方もいることでしょう。以下では、実務経験や保有資格以外で、プロジェクトマネジメントに必要なマインドや資質に関して解説します。

コミュニケーション能力に長けている人

プロジェクトマネージャーは、メンバーやクライアント、経営陣などの関係者とコミュニケーションを取る機会が多いため、コミュニケーション能力が必要です。相手のITスキルに合わせて、どのように話すと分かりやすいかも考えなければなりません。

クライアントやステークホルダーに対して進捗状況説明や交渉などを行う場合もあり、周囲と良好な関係を構築できる能力が求められます。

プロジェクトをスムーズに進めるには、チームメンバーをまとめてチームを引っ張っていく意識を持つことも大切です。それでいて、チームメンバーにとって話しかけやすい雰囲気を保つことも、状況や問題の把握に役立つでしょう。

また、プロジェクト中には人間関係のトラブルが生じるケースもあり、間に立って調整しないと、問題がさらに深刻化するかもしれません。チームメンバーには協力会社が参加するケースもあるため、自社のメンバーとは異なる対応も必要です。

高いコミュニケーション能力は、メンバーの適切なマネジメントを可能にします。

自分の感情がコントロールできる人

プロジェクトを成功させるためには、クライアントからの要望、スケジュール調整、予算管理などさまざまな問題に対応しなければなりません。大規模で長期間のプロジェクトになるほど、多くのメンバーが参加し多大な予算がかかることから、プロジェクトマネージャーにはプレッシャーがかかります。

成功させなければならないプレッシャーにもイライラせず、自分の感情をコントロールできるタイプが向いています。感情の起伏が激しいタイプは、業務上で周囲への対応に問題が生じ、メンバーに悪影響を及ぼすかもしれません。

プロジェクトの途中で変更やトラブルが生じる場合もあります。ハプニングにも動じずに落ち着いて的確に対応するなら、メンバーも協力しやすいと感じるでしょう。

論理的な思考で客観的な判断ができる人

プロジェクトのスムーズな進行には、物事を論理的に考え、客観的に判断できる人が向いています。

プロジェクトでは、ときには衝突することもあるメンバーの意見を取りまとめなければなりません。皆が納得できる結論を出すためには、メンバー全員の意見をヒアリングしてから、メリットやデメリットなどを比較検討することが大切です。

プロジェクトマネージャーには、偏見や固定観念を捨て、柔軟性のある考え方で意見に向き合う姿勢が求められます。主観的な判断で結論を出すのではなく、多角的に物事を見て論理的かつ客観的な判断を下すことが必要です。

そうすると、多くのメンバーや関係者から納得してもらえ、プロジェクト全体の成功に近づけるでしょう。

問題解決に取り組む姿勢を持つ人

問題解決に取り組む姿勢も、プロジェクトマネージャーにとって必要とされています。プロジェクトでは問題を解決して目的・課題を達成しなければならないため、必ず問題を解決するという信念を持って仕事に取り組める人がマネジメントに適しています。

明確な目的を持ち常に目的に向けた努力を行うことも、問題解決への取り組みにつながります。プロジェクトの目的を明確に設定し、メンバー間で共有することで共通認識を持つなら、個人の考え方・方向性の違いによるトラブルを防ぐことが可能です。問題が発生した場合、解決方法の根拠としてもプロジェクトの目的が重要な意味を持ちます。

問題の解決には、解決方法をメンバーに伝えるためのスキルも必要です。発生した問題を分析して解決方法を選択したあとには、メンバーに納得してもらえるように伝えることが大切です。解決方法の根拠を示しながら相手に伝わりやすい方法で伝えるスキルがあると、スムーズに問題を解決できます。

プロジェクトマネージャーへの転職に向いていない人の特徴

協調性がない人や上昇志向が強すぎる人は、プロジェクトマネージャーに向いていないとされています。これらの特徴がなぜマネジメント業務に適さないのか、その理由について解説します。

協調性がない人

プロジェクトマネージャーは、メンバー、クライアント、経営陣など各関係者とのやり取りが多い仕事です。関係者との良好な関係を構築するためには協調性が必要です。

また、協調性がないとチームメンバーとの連携が取れず、業務に支障が出るおそれがあります。チーム内の人間関係がぎくしゃくしていると、メンバーは気軽に意見を出せず、よいアイディアも生まれにくくなります。メンバーの力を引き出す働きやすい環境作りも、プロジェクトマネージャーに求められる仕事のひとつです。

上昇志向が強すぎる人

上昇志向は重要ではありますが、上昇志向が強すぎる場合はプロジェクトマネージャーに向かないとされています。プロジェクトにおいて予定よりもスケジュールを短縮したり、費用を抑えたり、品質を高めたりするなら、プロジェクトマネージャーの評価につながります。

ただし、高すぎる目標を掲げてメンバーに無理をさせながらプロジェクトを進めることは、長期的に続けられることではありません。なんとか一時的にプロジェクトを成功できたとしても、メンバーが付いて来なくなり、プロジェクトマネージャーとしての評価も下がるでしょう。

自分のペースではなく、メンバー全体のことを考えて業務を進行し、現実に即した目標を掲げて着実に達成するほうが評価につながります。

プロジェクトマネージャーへ転職するために必要なスキル

プロジェクトマネージャーへ転職するために、必要とされているスキルもあります。自分はどの程度身に着けているかを考えてみましょう。

あらゆることを管理するスキル

プロジェクトの成功のため、プロジェクトマネージャーにはスケジュール、予算、品質を管理するスキルが必要です。プロジェクトでは、納期や予算などの制限内でクライアントの要求にかなったシステムを開発しなければなりません。

スケジュール管理のためにプロジェクトの全工程を把握して進捗管理します。予算内でさらにコストダウンを目指すため、常にプロジェクトの進行と費用の状況を確認し管理する必要もあります。

管理スキルがあると、状況に応じてスケジュールの調整ができるため、納期の遅れやオーバーワークといった問題を避けられます。ほかにも、メンバー全員に担当する仕事を指示し、各人のスケジュールを管理する必要もあり、あらゆることを管理できなければなりません。

各業界の全般知識をインプットするためのスキル

プロジェクトマネージャーには、各業界の知識を身につけるための意欲とスキルも必要です。マネジメント中には各業界のクライアントと関わる機会があります。そのため、相手の話を理解し、相手に合わせた説明をするには、さまざまな業界の全般知識をインプットしなければなりません。

業界の専門的な知識まで身につける必要はありませんが、メンバーに対して説明したり、問題解決したりする際には、幅広い知識を持っていると役立ちます。プロジェクトの進行をスムーズにするために大切なスキルです。

あらゆる人とのコミュニケーションスキル

プロジェクトの調整業務も行うプロジェクトマネージャーは、関係するあらゆる人とやり取りをする職業です。

クライアントやチームメンバーとの関係性を築いたり、業務の説明をしたりする必要があり、プロジェクト会議の進行も担います。コミュニケーション能力が高いほど周囲との連携が取りやすくなるため、多くの人と関わるプロジェクトマネージャーの業務に不可欠なスキルです。

クライアントに対して条件を提示し取りまとめる交渉をするときにも、コミュニケーション能力の高さが求められます。メンバーに対してわかりやすく説明し、リーダーシップを発揮してプロジェクトを進行するにも、経営陣へ進捗状況の報告を行うにも、相手の立場に合わせて適切に対応できる能力が欠かせません。

プロジェクトマネージャーへの転職が有利になる資格

なるべく有利な条件でプロジェクトマネージャーへ転職したいなら、関係する資格の取得がおすすめです。プロジェクトマネージャ試験、PMP試験、P2M試験で資格を取得することで、転職時に企業から実力が認められやすくなるでしょう。

幅広い知識が問われるプロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、国家資格である「情報処理技術者試験」のひとつで、独立行政法人IPA情報処理推進機構によって実施されています。プロジェクトマネージャーの資格として、日本では非常に知名度の高い試験です。

試験では、情報システムの技術、開発知識、システム戦略、プロジェクトマネジメントなどに関する問題が出題されます。合格率が15%以下と低く、ITスキルレベル4の難易度が高い資格のため、取得していると高い評価につながるでしょう。

参照元:情報処理推進機構「プロジェクトマネージャ試験(PM)

PMIが認定しているPMP試験

PMP(プロジェクト マネジメント プロフェッショナル)試験は、アメリカのNPO法人PMIが認定している、プロジェクトマネジメントスキルに関する国際的な資格です。

日本語でも受験できます。PMBOKをベースにしたプロジェクトマネジメントスキルの習得度が証明でき、海外でも広く通用するのが取得のメリットです。

大卒の場合36か月のマネジメント経験(プロジェクトマネージャー以外でも、プロジェクトリーダーや他IT職種での経験でも可)と、35時間プロジェクトマネジメント研修を受講した実績がないと受験できません。資格取得後には3年ごとに更新し、更新の条件として研修を受けることが求められます。

参照元:PMI「PMI® 試験

PMAJが主催するP2M試験

P2Mは「プログラム&プロジェクトマネジメント」の略で、特定非営利活動法人「日本プロジェクトマネジメント協会」が主催する試験です。

P2Mにはレベルの異なる四つの資格があります。基礎レベルのPMC(プロジェクトマネジメント・コーディネーター)、中級レベルのPMS(プロジェクトマネジメント・スペシャリスト)とPMSプログラム、上級レベルのPMR(プログラムマネジャー・レジスタード)です。

自分に合ったレベルで受験し、資格取得によりプロジェクトマネジメント知識をどの程度持っているかを証明できます。この試験は、IT業界以外にも、製造業や建設業などさまざまな業種の責任者や管理者が受験しているのが特徴です。

参照元:PMAJ「P2Mについて

まとめ

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を管理する仕事です。

ITエンジニア職の経験や知識を活かしてプロジェクト全体を把握し、関係者との連携を取りながらプロジェクトを成功させる必要があります。大きな責任ある業務に対応できる人材が少ないため需要が多く、将来性も期待できます。

プロジェクトマネージャーへ転職する際は、自分のスキルを十分発揮できるプロジェクトを任せてくれる企業を選びたいものです。忙しい中で条件にかなう転職先を吟味するために、適切な企業探しをサポートする転職エージェントを利用するのがおすすめです。

転職をお考えならば、まずは「強みに気付くこと」が重要!アドバイザーと自身のスキルの整理を行いませんか?

転職を考えているのならば、客観的に自分の「強み」や「市場価値」を知ることが重要です。キャリアアドバイザーとともにスキルや今後についての整理をしてみませんか?ウィルオブテックは専属2名体制で今後についてお悩みのあなたをサポートし、キャリアアップへ導きます。

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よくある質問

プロジェクトマネージャーへ転職するために必要なスキルはありますか?

はい。「管理するスキル」「インプットスキル」「コミュニケーションスキル」などがあります。詳細は「プロジェクトマネージャーへ転職するために必要なスキル」で説明しているので確認ください。

プロジェクトマネージャーへの転職に向いている人の特徴を教えてください。

よくあげられることとして「コミュニケーションが得意」「自分の感情のコントロールができる」「論理的な思考で客観的な判断ができる」「問題解決に取り組む姿勢を持つ人」などがあります。詳細は「プロジェクトマネージャーへの転職に向いている人」で説明しているので確認ください。

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