クラウドエンジニアとして年収アップを目指したい、でも具体的なキャリアパスや必要なスキルが見えず悩んでいませんか?
本記事では、クラウドエンジニアの平均年収から、AWS・アクセンチュアなどの大手企業の給与水準、フリーランスとして独立した場合の収入まで徹底解説します。
IT業界の中でも特に需要が高まっているクラウド分野は、高収入を実現できる可能性を秘めています。
未経験からスタートして年収1000万円を目指すための方法や、新卒からクラウドサポートエンジニアとしてキャリアを積む方法、必須資格も紹介。
この記事を読めば、あなたも明確なステップで、インフラエンジニアからクラウド分野へのキャリアアップを実現できるでしょう。
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クラウドエンジニアの年収相場

クラウドエンジニアへの転職やキャリアアップを考える上で、まず気になるのが年収ではないでしょうか。
この章では、クラウドエンジニアのリアルな年収相場について、様々な角度から詳しく解説していきます。
クラウドエンジニアの年収相場を知る上で、主なポイントは以下の通りです。
- 平均年収はいくら?
- 年代別の年収推移を解説
- インフラエンジニアとの比較
- 地域や企業規模による差
平均年収はいくら?
クラウドエンジニアの年収は、一般的に約500万円から800万円の範囲が目安とされており、他のIT職種と比較しても高い水準です。
この背景には、近年多くの企業でITインフラのクラウド化が急速に進み、特にAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureといった主要クラウドサービスの専門知識を持つエンジニアの需要が非常に高まっていることにあります。
さらに、AWS認定ソリューションアーキテクトのような専門性の高い資格を持っていると、あなたのスキルが客観的に証明され、市場価値が高く評価されます。これにより、年収アップの可能性も広がるでしょう。
例えば、適切な経験とスキル、そして資格があれば、年収600万~900万円クラスの求人や案件に挑戦することも視野に入ってきます。特に、外資系企業やITコンサルタントといった職種では、さらに高い年収も期待できます。もちろん、資格だけでなく、日々の業務で専門スキルを磨き、着実に実績を積み重ねていくことが重要です。
こうした努力を通じて、将来的には年収1000万円という目標も、決して夢物語ではなく、現実的なものとして捉えることができるでしょう。
年代別の年収推移を解説
クラウドエンジニアの年収は経験年数や年代が上がるほど上昇する傾向があります。
例えば未経験者から3年目の年収相場は350万~550万円程度ですが、3年~5年ほど経験を積み、AWSやAzureの資格を保有すると600万~900万円程度まで上昇します。
さらに、5年~10年の実務経験を経て、システム設計やインフラ構築といった上流工程を担当するようになれば、800万~1,200万円という高収入も狙えます。
ただし、35歳以上になると設計やマネジメントの実務経験が特に重視されるため、30代前半までに必要な知識を習得し、キャリアプランをしっかりと立てておくことが重要です。
インフラエンジニアとの比較
クラウドエンジニアは、一般的なインフラエンジニアと比較して年収水準が高めに設定されています。
インフラエンジニアの平均年収が約539万円であるのに対して、クラウドエンジニアの平均年収は約660万円程度、経験や資格次第ではさらに800万円以上の年収を目指すことも可能です。
その理由は、クラウドエンジニアが、クラウド特有のインフラ設計や構築、運用、保守といった専門的で高度なスキルを必要とする職種だからです。企業のクラウド導入は今後も加速すると見られており、クラウドスキルを持つエンジニアの需要はますます高まるでしょう。
現在インフラエンジニアとして活躍されている方も、クラウドスキルを習得すれば、キャリアアップや年収向上、そして転職市場での競争力強化につなげることができます。
地域や企業規模による差
クラウドエンジニアの年収には、地域や企業規模によって明確な差があります。
首都圏、特に東京では全国平均に比べ15~20%ほど年収が高い傾向があり、大手企業や外資系企業などの求人案件が豊富です。
一方、地方都市では平均より10~15%程度低くなりますが、近年リモートワークが浸透してきているため、地方在住であっても東京水準の年収を獲得することが現実的になっています。
また企業規模別では、従業員数1,000人以上の大企業が平均610万円以上であるのに対し、従業員数10~99人の中小企業では492万円程度とやや低めです。
出典:求人ボックス給料ナビ、クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料
より高い年収を目指すのであれば、こうした傾向を踏まえ、首都圏や大企業、あるいはリモートワークで高い給与水準を提示している企業などを視野に入れて転職活動を進めるのが、一つの有効な戦略と言えるでしょう。
クラウドエンジニアの年収が高い理由

なぜクラウドエンジニアの年収は高い傾向にあるのでしょうか?
この章では、クラウドエンジニアの年収が高い理由について紹介します。
クラウドエンジニアの年収が高い主な理由には、以下の理由が挙げられます。
- クラウド需要の高まりと人材不足
- インフラ知識と経験が必須
- プログラミングスキルも重要
- 幅広い技術領域をカバー
クラウド需要の高まりと人材不足
近年、多くの企業がDX推進や業務効率化を目的として、AWSやMicrosoft Azureなどのクラウドサービスを積極的に導入しています。そのため、クラウドを専門的に扱えるエンジニアへの需要が急速に増加しています。
一方で、高度なクラウド技術を持つ人材の育成は需要に追いついていないのが現状です。IT人材全体が不足している中でも、特にクラウド分野の専門家は不足感が強いといわれています。
このように、「需要は大きいのに、供給が少ない」という状況が、クラウドエンジニアの市場価値、ひいては年収相場を押し上げる大きな要因です。
AWSで働くクラウドサポートエンジニアや、フリーランスとして活躍するクラウドエンジニアが高い報酬を得ているのも、この需要と供給のアンバランスが背景にあると考えられます。この人材不足の傾向は今後も続くと見られており、クラウドに関する専門知識や資格を身につけることは、将来にわたって高い収入を得るための有効な投資と言えるでしょう。
インフラ知識と経験が必須
クラウドエンジニアとして高年収を獲得するためには、従来のインフラエンジニアとしての経験や専門知識が非常に重要です。
クラウドサービスを利用する上で、サーバー管理やネットワーク設計、セキュリティの基礎知識が求められます。例えば、オンプレミス環境でのサーバー構築・運用経験があれば、クラウド上での仮想サーバーの適切なサイジングや管理に活かせます。
ネットワーク設計の知識は、VPCなどのクラウド上のネットワークを安全かつ効率的に構築するために不可欠です。
セキュリティの基礎知識は、クラウド環境の脆弱性を理解し、適切な対策を講じる上で土台となります。
このように、オンプレミスで培ったインフラの基礎体力があるエンジニアは、クラウド特有の技術を習得した際に、より深く理解し応用できるため、市場価値が高く評価される傾向にあります。さらに、AWSやAzureなどの認定資格を取得することで、そのスキルを客観的に示すことができ、実務経験と合わせて強力なアピールポイントとなるのです。
インフラ領域での豊富な実務経験があり、クラウド技術を積極的に習得しているエンジニアは、年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。
プログラミングスキルも重要
クラウドエンジニアの業務では、インフラの構築や運用を効率化・自動化するために、プログラミングスキルが重要視される場面が増えています。
特に、以下のような技術の知識や経験があると、市場価値を高める上で有利です。
- Infrastructure as Code (IaC) ツール: Terraformなどを用いて、インフラ構成をコードで管理・自動構築するスキル
- スクリプト言語: Pythonなどを使って、日々の運用作業を自動化したり、API連携を行ったりするスキル
- コンテナ技術: DockerやKubernetesを使って、アプリケーションのデプロイや管理を効率化するスキル
これらの自動化やコンテナ化のスキルは、単に作業を楽にするだけでなく、システムの信頼性向上や迅速なサービス展開にも貢献するため、企業からの評価が高いのです。こうしたスキルを習得することは、より高い年収を目指す上で、また、転職やフリーランス案件を探す際にも、大きな強みとなるでしょう。
幅広い技術領域をカバー
クラウドエンジニアの仕事内容は単純な運用にとどまらず、幅広い技術領域をカバーしています。
以下のような、複数の専門的スキルが必要です。
- ネットワーク構築
- サーバー設計
- セキュリティ対策
- システムの保守管理
- コスト管理
- トラブルシューティング
特に金融業界やゲーム業界などでは、CISベンチマークなどセキュリティの専門知識や高度なクラウドインフラの管理能力が求められ、高収入案件が集中しています。このように、複数の専門的な分野に精通していることが評価され、高年収につながっているのです。
そのため、継続的に新たなスキルを習得し、専門性を深めることがクラウドエンジニアとして長期的に活躍し続けるために不可欠です。
年収1000万円は実現可能か?

クラウドエンジニアとしてキャリアを積む上で、大きな目標の一つとなるのが「年収1000万円」ではないでしょうか。
この章では、クラウドエンジニアとして年収1000万円を実現できるのか、その可能性について紹介します。
年収1000万円の実現性を判断するポイントは、以下の通りです。
- 高年収に必要な経験年数
- 求められる高度なスキルとは
- 上流工程や専門職の年収
- フリーランスで目指す道
高年収に必要な経験年数
年収1000万円という大台を目指すには、やはりある程度の経験年数が必要となるのが一般的です。
多くのケースでは、最低でも5年程度の実務経験が一つの目安となるでしょう。
前述の通り、年収は経験と共に上昇する傾向があります。
- 未経験~3年目:約350万~550万円
- 3年~5年目:約600万~900万円
- 5年~10年目:約800万~1200万円
この流れを見ると、5年以上の経験を積み、設計・構築といった上流工程で活躍できるようになれば、年収1000万円のラインが見えてくるといえます。特に、金融やゲーム業界など、高度な技術力やセキュリティ知識が求められる分野では、より高い年収を得られるチャンスがあります。
若いうちから計画的に資格取得や実務経験を積み重ねていけば、年収1000万円の達成は十分に現実的な目標となるでしょう。ただし、重要なのは年数だけでなく、その期間でどのようなスキルと実績を身につけたかです。
求められる高度なスキルとは
年収1000万円を超えるような高い評価を得るためには、一般的なクラウドスキルに加えて、特に市場価値の高い「高度なスキル」を習得することが必要です。
具体的には、以下のようなスキルが挙げられます。
- インフラ自動化 (IaC): Terraformなどを用いて、インフラ構築・管理をコード化し、効率性と再現性を高めるスキル
- コンテナ技術: DockerやKubernetesを駆使し、アプリケーションのデプロイ・スケーリング・管理を高度化するスキル
- 上級クラウド認定資格: AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル、Google Cloud Certified – Professional Cloud Architectといった、各クラウドプラットフォームの最上位レベルの資格
- クラウドコスト最適化 (FinOps): クラウド利用料を分析し、コスト効率を最大化するための知識と実践スキル
- 高度なセキュリティ知識: 金融業界などで求められるような、厳格なセキュリティ要件に対応できる専門知識や、関連するコンプライアンスへの対応能力
これらのスキルは、単にツールを使えるだけでなく、ビジネス課題を解決するための深い理解と応用力が求められます。
こうした付加価値の高いスキルを身につけることが、年収1000万円以上という目標達成への近道となるでしょう。
上流工程や専門職の年収
クラウドエンジニアが年収1000万円以上を達成するには、上流工程や専門職のキャリアに進むことが非常に効果的です。
これらの役割は、単に技術力が高いだけでなく、以下のような高度な専門性と大きな責任が伴います。
- クラウドアーキテクト: ビジネス要件に基づき、最適なクラウドシステム全体を設計する
- プロジェクトマネージャー: プロジェクト全体の計画・実行・管理を担い、チームを成功に導く
- ITコンサルタント: 企業の課題に対し、ITを活用した解決策を提案・支援する
そのため、必然的に年収も高くなる傾向にあります。
特に、大手IT企業や外資系のコンサルティングファームでは、こうした職種に対して年収1000万円~1500万円、あるいはそれ以上の報酬を提示することも珍しくありません。
これらのキャリアを目指すには、技術的なスキルはもちろんのこと、顧客やチームメンバーとのコミュニケーション能力、課題解決能力、リーダーシップといったソフトスキルも同様に重要になります。
早い段階から、単に作業をこなすだけでなく、プロジェクト全体を見渡す視点や、マネジメントに関わる経験を意識的に積んでいくことが、将来のキャリアアップにつながるでしょう。
フリーランスで目指す道
フリーランスのクラウドエンジニアとして活動することでも、年収1000万円以上を達成することが現実的に可能です。
高いスキルと実績を持つエンジニアであれば、企業に所属する場合よりも高い単価で仕事を受けられる可能性があるため、収入アップを実現しやすい働き方といえます。
単価の相場はスキルや経験、案件内容によって大きく異なりますが、高スキルなクラウドエンジニアの場合、時給5,000円~15,000円、月収換算で80万円~150万円といった高単価案件も存在します。
特にAWSやAzureといったクラウドサービスの専門資格を保有し、インフラ設計やパフォーマンスチューニングなどの実績が豊富であれば、月収150万円以上の案件を獲得することも十分に可能です。
フリーランスとして成功するためには、資格取得や実績の証明を重視したポートフォリオを作成し、自身の市場価値を高めることが重要です。
単に独立すれば高収入が得られるわけではない点に注意が必要です。
エンジニアの転職支援実績が豊富なキャリアアドバイザーがあなたの転職活動をリードします。現段階で転職の意思が固まっていなくても問題ありません。まずはお気軽にご相談ください。
無料のキャリア相談を予約するクラウドエンジニアが年収を上げる方法

クラウドエンジニアとして、さらなる年収アップを目指すには、具体的にどのような行動を取ればよいのでしょうか?
この章では、クラウドエンジニアが年収を上げるための具体的な方法について紹介します。
年収アップのためのポイントは以下の4つです。
- 最新技術の習得とスキルアップ
- 有利な資格とその効果
- 高待遇企業への転職戦略
- マネジメントスキルを磨く
最新技術の習得とスキルアップ
クラウドエンジニアが年収を上げるには、常に最新の技術を習得し、スキルアップを図ることが重要です。
クラウド技術は日々進化しており、特にインフラ自動化を実現するTerraformや、アプリケーション開発・運用の効率を飛躍的に高めるDocker・Kubernetesといったコンテナ関連技術は、市場での需要が非常に高いです。
また、Pythonによるスクリプト作成や自動化技術も高く評価されています。
これら最新の技術をオンライン講座や公式のラボ環境を通じて学習し、実務経験を積み重ねることができれば、企業からの評価と市場価値が高まり、年収アップへ確実につながります。
有利な資格とその効果
クラウドエンジニアが年収を効率的に上げるためには、クラウドに関する資格の取得が有効です。
特に代表的な資格として、AWS認定資格(SAA)は高い人気を誇り、この資格を取得することで年収が約50万円~100万円ほど上昇するとされています。
Google Professional Cloud Architectも高度な専門性を証明できる資格として知られ、取得者は年収を最大で150万円ほど引き上げることが可能です。
資格を保有していることで、企業側はエンジニアのスキルを明確に把握でき、高待遇のオファーを提示する可能性が高まります。
したがって、まずはAWSやGoogleの資格取得を目指し、自身の専門性を証明することが年収アップにつながります。
高待遇企業への転職戦略
クラウドエンジニアが確実に年収を上げるためには、高待遇の企業への転職を戦略的に行うことも効果的です。
一般的に、以下のような企業は、高いスキルを持つクラウドエンジニアに対して好待遇を提示する傾向があります。
- 大手IT企業・SIer
- 外資系IT企業
- メガベンチャー・急成長企業
- クラウドベンダー自身 (AWS, Google, Microsoftなど)
- 大手コンサルティングファーム
こうした高待遇企業への転職を目指すには、実績を数値化して明確に示すポートフォリオを作成した上で、特化型の転職エージェントを活用するのが有効です。
特に外資系に強いエージェントを通じて転職活動を進めれば、自身の市場価値を最大限にアピールでき、より好条件の企業から内定を得られる可能性が高まります。
マネジメントスキルを磨く
クラウドエンジニアとしてさらに高い年収を得たい場合、技術スキルに加えてマネジメントスキルを磨くことも重要です。
技術的なバックグラウンドを持ちつつ、以下のようなマネジメントスキルを身につけることで、より大きな責任と、それに見合った報酬を得られる可能性があります。
- プロジェクトマネジメント: 納期、コスト、品質を管理し、プロジェクトを成功に導く
- チームリーダーシップ: チームメンバーを育成・指導し、目標達成に向けてチームをまとめる
- ステークホルダー調整: 顧客や関連部署など、関係者との円滑なコミュニケーションと合意形成を図る
- 予算管理: プロジェクトやチームの予算を適切に管理・執行する
そのため、これらのスキルを習得することで企業内での評価が上がり、年収1000万円~1800万円といった高収入帯を目指せるようになります。特に金融業界や大手コンサルティング企業では、このマネジメント能力を持つ人材に対して非常に高い報酬が設定されています。
したがって、早い段階からマネジメント関連の経験を積み、専門スキルをバランスよく磨くことでキャリアアップが可能です。
具体的な年収交渉の進め方

転職や昇進・昇格の際には、年収交渉が伴うことがあります。
少しでも有利な条件を引き出すためには、準備と戦略が欠かせません。
この章では、クラウドエンジニアが年収交渉を成功させるための具体的な進め方について紹介します。
年収交渉のポイントは以下の3つです。
- 交渉に最適なタイミングとは
- 希望額と根拠の伝え方
- 交渉を有利に進めるコツ
交渉に最適なタイミングとは
クラウドエンジニアが年収交渉をするのに最適なタイミングは、中途採用が活発化する3〜4月と9〜10月です。この時期は企業側が新年度の予算策定を終え、人材採用を積極的に進めるため、希望する年収額が通りやすくなります。
特にクラウドエンジニアのような専門性が高く需要が急増している職種は、企業が積極的に優秀な人材を確保したいと考えているため、この時期に資格取得や実績の準備を整えて交渉に臨むと効果的です。
クラウドエンジニアのように需要が高い職種の場合、「最適なタイミング」は必ずしも時期だけでは決まりません。
むしろ、以下の要素が揃った時こそが、交渉に臨む好機と言えるでしょう。
- 自身の市場価値が高まったと実感できる時: 難易度の高い資格を取得した、重要なプロジェクトを成功させた、新しいスキルを習得した、など
- 企業側があなたを必要としている時: 転職であれば内定を得てオファー条件を提示された時、現職であれば昇進・昇格や大きな役割変更があった時
- 具体的な根拠を示せる準備ができた時: 自身の貢献度や市場価値を客観的なデータで説明できる
時期にこだわりすぎるよりも、自身のスキルアップや実績を着実に積み重ね、自信を持って交渉できるタイミングを見極めることが重要です。資格取得などを計画的に進め、交渉の武器として準備しておくのは良い戦略です。
希望額と根拠の伝え方
年収交渉では、自分が希望する年収額を明確に示し、それを裏付ける具体的な根拠を伝えることが大切です。
企業側が納得できる根拠があれば、希望の年収額に応じてもらえる可能性が高くなります。
特に有効なのは資格や過去の業績です。
具体的な希望額とともに、説得力のある理由を伝えることで、採用担当者の納得感を得やすくなります。
根拠として有効なのは、主に以下の点です。
- 保有スキルと資格:どのような専門スキルを持ち、それを証明する資格
- 過去の実績と貢献: 前職や現職で、どのような業務を担当し、どのような成果を上げたか
- 市場の給与水準: 自身の経験、スキル、地域、役割などを考慮した上で、同等の人材が市場でどの程度の給与を得ているか、客観的な相場観を示す
これらの情報を整理し、可能であればポートフォリオや職務経歴書にまとめておくことで、自信を持って交渉に臨むことができ、説得力も格段に高まります。
交渉を有利に進めるコツ
希望額と根拠を準備したら、次はいかに交渉を有利に進めるかです。
以下が交渉を有利に進めるコツです。
- 自信と熱意を伝える
- 貢献意欲を強調する
- 市場価値を客観的に示す
- 柔軟な姿勢も持つ
- 適切なタイミングで交渉する
これらの点を意識し、準備をしっかり行うことが重要です。
まず、自身のスキルに自信を持ち、入社意欲を伝えましょう。次に、企業への貢献価値を、TerraformやKubernetes、AWS/GCP上級資格などの具体的なスキルと共に説明します。また、市場データに基づき希望額の妥当性を示し、冷静に交渉を進めます。
給与だけでなく福利厚生など他の条件も考慮する柔軟性も大切です。そして、交渉は内定後など、適切なタイミングで行いましょう。
これらのコツを押さえて交渉に臨むことで、納得のいく条件を引き出せる可能性が高まります。
フリーランスの年収と働き方

クラウドエンジニアにとって、フリーランスとして活動することも一つの方法です。
この章では、クラウドエンジニアがフリーランスとして活動する場合の年収や働き方について紹介します。
フリーランスの年収と働き方についての内容は以下の4つです。
- フリーランスの平均年収は?
- 高単価案件の獲得方法
- 自由な働き方の実態
- 独立前に知るべき注意点
フリーランスの平均年収は?
フリーランスのクラウドエンジニアの収入は、個人のスキル、経験、営業力、稼働時間などによって大きく変動しますが、高い専門性を持つ人材であれば、正社員よりも高い収入を得られる可能性があります。
これは、企業が支払う社会保険料などの間接コストがない分、エンジニア個人への報酬単価を高く設定しやすいためです。
高スキル層の目安としては、時給5,000円~15,000円、月収80万円~150万円といった単価の案件も存在します。
特に、需要の高いAWSやAzureの高度な資格を持ち、大規模プロジェクトでの設計・構築経験などが豊富であれば、月収200万円、年収2400万円を超えるようなトップクラスの案件を獲得できるケースも、ゼロではありません。
ただし、これはあくまで市場の上位層の話です。 フリーランス協会「フリーランス白書」などの調査によると、フリーランス全体の年収で最も多い層は200万円~400万円であり、誰もが簡単に高収入を得られるわけではありません。案件が途切れるリスクや、営業活動、事務手続きの手間なども考慮する必要があります。
これらの高単価は、それ相応の高いスキルと責任、そしてビジネス遂行能力が求められることの裏返しでもあるのです。
高単価案件の獲得方法
フリーランスとして高い報酬を得るためには、クライアントから「この人に任せたい」と思われるだけの専門性と信頼性を示す必要があります。
具体的には、以下の点が重要になります。
- 専門分野を深化させる:特定クラウドや技術領域の専門知識・経験を磨く
- 実績を可視化する:ポートフォリオ等で具体的な成果を示す
- 資格でスキルを裏付ける:高度な認定資格で客観的な能力を証明する
- 自己ブランディングと人脈を構築する:情報発信や業界交流で自身の価値を高める
これらの要素を組み合わせ、自身の市場価値を高め続ける努力が、高単価案件の獲得、ひいては年収アップへの道を開きます。
自由な働き方の実態
フリーランスのクラウドエンジニアの最大のメリットは、自分自身で仕事の量や時間、場所をコントロールできる点です。
例えば週に数日のみ企業のプロジェクトに参加し、それ以外の日は資格取得やスキルアップの学習にあてるといった柔軟な働き方が可能です。また、完全リモート案件を受注すれば、地方都市や海外に居住しながらも東京水準の高単価案件に参画できます。
ただし、このような自由な働き方を継続的に実現するためには、自己管理能力や計画的な案件獲得、継続的なスキルアップが不可欠であり、仕事と学習時間のバランスを意識して調整する必要があります。
独立前に知るべき注意点
フリーランスという働き方は魅力的ですが、勢いだけで独立するのは危険です。
事前に知っておくべき重要な注意点がいくつかあります。
- 収入の不安定さ:案件が途切れると収入がゼロになるリスク
- 社会的信用の低下:ローン審査などで不利になる
- 事務手続きの負担:確定申告や税金、社会保険の手続きは自己責任
- 福利厚生・保障の欠如:会社員のような手厚い福利厚生や保障がない
- 孤独感:一人での作業が多く、相談相手がいない状況になる
これらのリスクや負担を理解した上で、対策を講じることが重要です。
例えば、収入安定のためには、複数のエージェントに登録しておく、クライアントとの信頼関係を築き長期案件を目指す、一定期間の生活費を貯蓄しておく、といった準備が考えられます。税務や保険についても、独立前にしっかりと情報収集し、必要であれば専門家への相談も検討しましょう。
未経験から目指す場合の年収

この章では、未経験からクラウドエンジニアを目指す場合の年収やキャリア形成について紹介します。
未経験からのスタートでも着実に年収アップを目指すためには、以下のポイントが重要です。
- 未経験者の年収スタートライン
- 必要となる学習ロードマップ
- ポートフォリオ作成の重要性
- 転職エージェント活用のコツ
未経験者の年収スタートライン
未経験からクラウドエンジニアとしてキャリアをスタートする場合、初年度の年収はおおよそ350万円〜550万円が一般的です。
最初は、実務経験がないため、やや控えめなスタートになるかもしれませんが、クラウドエンジニアはスキルアップに応じて年収が上がりやすい職種でもあります。
学習意欲が高く、実務で急速に成長できれば、数年で大幅な年収アップも十分に可能です。
たとえば、AWS認定資格(SAA)を取得して半年以内に転職した人の例では、初年度年収450万円でスタートし、2~3年後には600万円以上に達する例もあるようです。
大切なのは、最初の年収額にこだわりすぎるのではなく、まずは実務経験を積める環境に身を置き、着実にスキルを習得していくことです。
これが、将来的な年収アップへの最も確実な道筋となるでしょう。
必要となる学習ロードマップ
未経験からクラウドエンジニアを目指すには、やみくもに勉強するのではなく、効率的な学習計画、つまり「学習ロードマップ」を立てることが成功への近道です。
一般的には、以下のステップで進めるのがおすすめです。
【ステップ1】ITインフラの基礎固め
まずは、サーバーOSの定番であるLinuxの基本操作やコマンド、そしてコンピューター同士が通信するための仕組みであるTCP/IP、HTTPなどのネットワークの基礎知識を学びます。
これが全ての土台となります。
【ステップ2】クラウドの基本概念と初級資格
次に、クラウドコンピューティングとは何か、AWS, Azure, GCPなどの主要なサービスにはどんなものがあるのか、といった基本的な概念を理解します。
目標として、以下のような入門レベルの資格取得を目指すと、知識が体系的に身につき、モチベーション維持にもつながります。
- AWS Certified Cloud Practitioner
- Microsoft Certified
- Azure Fundamentals
【ステップ3】 主要クラウドサービスの実践
基礎が固まったら、実際にクラウドサービスを触ってみましょう。
EC2, Azure VMなどの仮想サーバーの構築、VPC, VNetなどのネットワーク設定、S3, Blob Storageなどのストレージ利用など、基本的なサービスをハンズオンで体験します。
【ステップ4】 実践的な技術要素の習得
さらに実力を高めるために、以下のような現場でよく使われる技術の学習に進みます。
- インフラ構成管理ツールのTerraform(IaC)
- コンテナ技術のDockerやKubernetes
この段階まで来ると、かなり実践的なスキルが身についているはずです。
学習期間の目安は、個人のペースや学習に割ける時間によって大きく異なりますが、集中的に取り組めば半年から1年程度で基本的な知識・スキルを習得し、エントリーレベルの求人に応募できるレベルを目指すことは可能です。
ポートフォリオ作成の重要性
未経験者にとって、学習した知識やスキルを企業に効果的にアピールするための最強の武器となるのが「ポートフォリオ」です。
資格だけでは伝わらない、あなたの実践力や学習意欲、ポテンシャルを具体的に示すことができます。学習ロードマップで学んだ技術を実際に使い、以下のような内容を盛り込むと、採用担当者の目に留まりやすくなります。
- クラウド上でのWebシステム基盤構築
- Terraformによるインフラのコード化
- Docker/Kubernetesによるコンテナ環境構築
これらの成果物は、GitHubで公開するのが一般的です。具体的には、まずAWSやAzure上でVPC、EC2、RDSなどを組み合わせ、簡単なWebアプリケーションが動作するWebシステム基盤を構築してみましょう。可用性やセキュリティを考慮した設計にすると、より評価が高まります。
次に、構築したインフラやシンプルな構成をTerraformで記述し、コードによるインフラ管理を実践します。そして、簡単なアプリケーションをDockerコンテナ化し、クラウド上で動作させたり、可能であればKubernetesでのデプロイに挑戦したりするのも良いでしょう。
GitHubで公開する際は、単にコードを置くだけでなく、READMEファイルに以下の情報を丁寧に記述することが非常に重要です。
- プロジェクトの目的や概要
- 使用した技術とその選定理由
- インフラ構成図
- こだわった点、工夫した点、苦労した点
- 今後の改善点など
質の高いポートフォリオは、あなたの熱意とスキルを雄弁に物語ります。単なる資格取得者で終わらない、実践力のある人材であることをアピールするために、ぜひポートフォリオ作成に力を入れてみてください。
転職エージェント活用のコツ
未経験からの転職活動は、情報収集や企業選び、選考対策など、一人で進めるのは不安や困難が伴うものです。
そこで頼りになるのが転職エージェントの存在です。
特に、IT業界やエンジニア職に特化したエージェントを活用することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 未経験可・ポテンシャル採用求人の紹介
- 書類添削・面接対策のサポート
- キャリアプランに関する相談
- 企業との連絡・交渉代行
エージェントを活用する際のコツは以下のとおりです。
- 早めに相談を開始する
- 複数のエージェントに登録する
- 正直かつ具体的に伝える
これらのメリットやコツを理解し、転職エージェントをうまく活用しましょう。
履歴書や職務経歴書の添削、面接対策といった選考サポートに加え、キャリアプランの相談にも乗ってくれます。活用する際は、学習段階から早めに相談を始め、目標設定のアドバイスを受けるのがおすすめです。また、複数のエージェントに登録して比較し、担当者との相性や得意分野を見極めましょう。
そして、自身のスキルや希望を正直かつ具体的に伝えることで、より的確なサポートが期待できます。転職エージェントは、未経験からの挑戦を力強くサポートしてくれるパートナーです。うまく活用して、スムーズな転職成功を目指しましょう。
まとめ
クラウドエンジニアの年収は経験・スキル・勤務形態により大きく変動します。業界平均よりも高い年収1000万円を目指すなら、AWS/Azureなどの上位資格取得と5年以上の実務経験が基本線です。
大手企業の上流工程やアーキテクト職、またはフリーランスとして高単価案件を獲得する道があります。未経験からでも体系的な学習と実績を積み重ねることで、数年後の高収入は十分可能です。
重要なのはマルチクラウド環境やセキュリティ対策などの専門性と、技術だけでなくマネジメント能力も磨くことです。転職市場では外資系や一部IT大手が高待遇を提供していますが、交渉力も重要です。
キャリアアップのために、有利な条件での転職を目指すなら、専門性の高い転職エージェントの活用も検討しましょう。
エンジニアの転職支援実績が豊富なキャリアアドバイザーがあなたの転職活動をリードします。現段階で転職の意思が固まっていなくても問題ありません。まずはお気軽にご相談ください。
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