クラウドエンジニアはどんな仕事? 必要なスキルや将来性や年収を解説

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この記事でわかること

  • クラウドエンジニアの仕事内容はどのようなものか
  • クラウドエンジニアになるためのロードマップ
  • クラウドエンジニア経験者・未経験者におすすめの資格
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
早川 直良

エージェント歴13年。これまでコールセンター、オフィスワークなど幅広い領域にて、約5万人の転職支援実績がある。現在はIT領域に特化し、これまでのエージェント経験を活かした中長期的なキャリア支援を強みとしている。

近年、社会全体がクラウドサービスを積極的に利用するようになり、クラウドエンジニアの需要が高まっています。

この記事では、クラウドエンジニアの具体的な仕事の内容と平均年収、将来性のほか、取得しておきたい資格について解説します。クラウドエンジニアを目指すためのロードマップも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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クラウドエンジニアとは

クラウドエンジニアとは、クラウドサービスを活用したインフラの設計とシステムの構築・運用・保守を担当するエンジニアを指します。クラウド環境でこれらの業務すべてを遂行するのが特徴であり、幅広い知識と技術力を必要とする職種です。

クラウドエンジニアの需要

これまで、各企業が社内に物理的なサーバを設置し、システムを構築・運用していくオンプレミス環境が主流とされてきました。しかし、デジタル技術の発展に伴い、必要なときに必要なだけ利用できるクラウドサービスが注目されるようになっています。

また、テレワークが普及している昨今、これまでのオンプレミス環境では不都合が生じるケースも増えています。クラウドサービスの導入は、コストの削減や運用管理の効率化など、さまざまなメリットをもたらすものです。

今後、働き方改革の推進や自然災害のリスクを回避するための取り組みとして、クラウド移行の必要性はますます高くなるものと考えられています。クラウド移行の過渡期を迎えた今、クラウドエンジニアの需要は非常に高くなっています。

クラウドエンジニアの将来性

クラウドエンジニアは将来性の高い業種です。最近では、企業システムの設計・構築において、クラウド環境を優先的に利用する「クラウドファースト」や、初めからクラウド環境のメリットを活かした運用を想定する「クラウドネイティブ」の考えが浸透しつつあります。

2015年には、クラウドネイティブを推進する「Cloud Native Computing Foundation (CNCF)」が設立されるなど、世界規模でクラウドを導入する流れが活発化しています。日本企業が抱える少子高齢化問題による人材不足を解消するためにも、クラウド化による業務効率化は欠かせません。

今後もIT投資を行う企業は増加すると想定されるため、クラウドサービスの需要は長期的な継続が見込まれています。なお、最近ではクラウドサービスの利用をデフォルトとした「クラウド・バイ・デフォルト」という考え方も広まってきています。

▼クラウドエンジニアの転職については
こちらのクラウドエンジニアに転職したい! 年収相場や役立つ資格を解説でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

クラウドエンジニアの仕事内容

求人情報を出している企業によって、クラウドエンジニアの定義には多少の違いがあるようです。IaaS分野・PaaS分野といったパブリッククラウドを扱うのが一般的とされていますが、取り入れる形態によってはプライベートクラウドの構築を手掛けるケースもあるでしょう。

多岐に渡るクラウドエンジニアの仕事ですが、3つの業務に大別できます。

インフラ設計

インフラの設計では、将来的な拡張性を視野に入れながら安定したIT基盤を提供できるよう、サーバやネットワークの設計を行います。また、クラウドサービスの選定やセキュリティ設定もクラウドエンジニアが担当する業務です。

近年、オンプレミスからクラウドへ完全移行するケースだけでなく、オンプレミスとクラウドを併用したハイブリッドクラウドを取り入れる企業も増えています。インフラ全般とデータベースに関する知識など、ITエンジニアとして幅広い知識が求められます。

クラウドの構築

作成した設計書を基に、クラウドサービスで提供される機能を使ってクラウド上にシステムを構築する仕事です。新たなシステムの構築だけでなく、オンプレミスで稼働しているシステムを移行するケースも含まれます。

ソフトウェアの導入や仮想サーバの作成、データベースの選定、プログラミング言語を用いたコードの入力作業を行います。

クライアントごとに適した環境は異なるため、クラウドシステムに関する深い知識と技術力が必要です。クラウドを構築したら、動作に問題がないかどうかを確認します。なお近年では、インフラ管理の自動化や効率化を目的に、インフラのコード化を行うケースもあります。

運用保守

クラウドエンジニアの仕事の中で、もっとも多くの割合を占める業務が運用保守です。システムを安定的な稼働を目的に、あらかじめ決められた操作を定期的または不定期的に実施します。また、サービスを継続的に提供するための監視も行います。

また、稼働させているOSやアプリケーション、ミドルウェアの不具合を発見した際の対応もクラウドエンジニアの重要な業務です。具体的には、トラブル発生時の修正や変更作業、バージョンアップなどの作業が該当します。

なお、クラウド上でシステムを運用するため、ハードウェアの保守に関する作業はベンダーが担当します。

クラウドエンジニアの年収

求人ボックスが公表している「クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料」のデータによると、2022年4月時点で正社員として働くクラウドエンジニアの平均年収は595万円です。

月給に換算すると約50万円となっていて、日本の全業種平均年収と比較した場合、高い水準にあることが報告されています。

給与幅は336万円〜1,012万円と幅広く、ボリュームのあるゾーンは590〜674万円です。都道府県別に見てみると、もっとも高い収入を得ているのは東京都の年収598万円でした。ちなみに派遣社員の時給は、全体的な平均時給が2,692円であるのに対して、東京都は2,651円となっていて、さほど違いがないようです。

多様な業界でクラウド化が推進された事による需要の高まりが、クラウドエンジニアの平均年収を引き上げていると考えられます。着実にスキルアップしていけば、高収入を得られる可能背高まるでしょう。

求人ボックス「クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料

クラウドエンジニアになるための必要なスキル

クラウドエンジニアになるための必要なスキル

クラウドを深く理解してシステムを構築・運用するために、サーバエンジニアやネットワークエンジニアの知識を学んでおくのも大切なことです。また、ミドルウェア、ソフトウェアの知見も求められます。クラウドに特化した知識や技術だけでなく、クライアントの抱える問題に対して有用な提案を打ち出せる発想力も必要な要素です。

サーバ・ネットワークの基本的な知識

クラウドエンジニアを目指すのであれば、クラウドの仕組みだけでなく、サーバの仮想化をはじめクラウドに関する技術的な理解も必要です。ネットワークに仮想サーバを構築する際には、コンピューターOSを使用します。特に、クラウドで主に利用されているLinuxの知識が必要です。

また、クラウド環境でネットワークを構築する際には、クラウドエンジニアが最適なネットワーク構成を思案したうえで判断します。

これまでのオンプレミス環境とは異なり、ルータやファイアウォールなども仮想化されるため、ネットワークゲートウェイやIPアドレス範囲の設定もクラウドエンジニアの仕事です。セキュリティに関する深い知識が必要となります。

クラウドサービスの知識

クラウドサービスの構築・運用に携わる技術者として、クラウドサービスについて深く理解しておくことは大切です。クラウドサービスの基本的な知識だけでなく、パブリッククラウドの大半を占める「AWS」「Azure」「GCP」の知識を身に付けておくとよいでしょう。

クラウドエンジニアは、頻繁にこれらのサービスを利用して業務を遂行するため、提供方式の違いも正しく区別して理解しなければなりません。

クラウド上のシステム基盤となる「IaaS」、アプリケーションの動作に必要なプラットフォームの「PaaS」、インターネット経由でユーザーにソフトウェアを提供する「SaaS」に関する知見が必要です

コミュニケーションスキル

クラウドエンジニアの仕事は、クライアントに対するヒアリングから始まります。現在の環境やクライアントが抱えている問題点、求める仕様などを適切に把握したうえでクラウドサービスを選定して提案を行います。

た、システムの構築はチーム体制で進めていくのが一般的です。チームメンバーだけでなく、関係するさまざまな部門との連携も必要なため、コミュニケーションスキルが備わっていたほうが、業務を円滑に進めていけます。

▼クラウドエンジニアの転職については
こちらのクラウドエンジニアに転職したい! 年収相場や役立つ資格を解説でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

クラウドエンジニアになるためのロードマップ

クラウドエンジニアになるという目標を掲げたら、達成に向けて何から取り組むべきなのでしょうか。焦らず着実に目標へ到達するために、ロードマップの全体像をしっかりと把握しておきましょう。

ステップ1:知識を習得する

独学で知識を身に付ける場合、書籍やWebサイトで学んでからトレーニングサイトを活用すると効率的です。また、クラウドベンダーが提供するトレーニングサイトを活用する方法もあります。

ただし、書籍やWebサイトから学ぶ場合、複雑な内容を理解するまでに時間がかかるケースも想定されます。不明点があった際にすぐに質問できないため、思うように勉強が進まない可能性もあるでしょう。ひと通り独学で学んだら、エンジニアを育成するスクールに通うことも視野に入れてみてください。

ステップ2:資格を取得する

資格は客観的に自身のスキルを証明してくれるものです。未経験からクラウドエンジニアとして就職する際には、取得した資格がアピール材料となります。クラウドエンジニアにはさまざまな種類の資格がありますが、まずは初心者向けの資格から挑戦してみるとよいでしょう。

ステップ3:ポートフォリオを作成する

実務の経験がない場合、AWSなどを用いてクラウドのWebサーバを構築するなど、オリジナルの成果物を用意しておくとよいでしょう。戦力となるスキルの提示がより効果的なアピールにつながるはずです。

さらに、これまで学んできた姿勢を示すために、習得した言語や現在学習している言語を記載すれば、他の応募者との差別化も図れます。

ステップ4:クラウドエンジニアに転職する

クラウドエンジニアとしての就職に向け、転職活動を開始します。転職サイトや転職エージェントに登録を行い、必要な情報をリサーチしていきましょう。クラウドエンジニアのような専門性の高い職種に転職する場合には、ITエンジニア専門の転職エージェントを利用するのがおすすめです。

業界に特化した情報を豊富に持ち合わせるエージェントであれば、書類の作成や面接対策のサポートが十分に受けられるだけでなく、非公開求人も多く保有しています。

幅広い求人情報の中から、より自分に適した企業を見つけやすいのも、ITエンジニア専門の転職エージェントの大きな魅力です。

▼転職エージェントについては
こちらのIT/Webエンジニアの失敗しない転職エージェント15選!おすすめの特徴を徹底比較でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

クラウドエンジニア経験・未経験者におすすめの資格

現在、クラウドサービスは多様化の一途をたどっています。複数のクラウドサービスを組み合わせて利用する、マルチクラウドの運用形態を取り入れる事例も多くなりました。クライアントの信頼を勝ち取るエンジニアとなるために、どのような資格を取得しておけばよいのでしょうか。

LinuC

「LinuC(Linux技術者認定)」は、世界共通の資格試験です。

サーバ構築に関して幅広い知識を習得していることを証明するものであり、難易度によって3つのレベルに分けられています。「LPIC1 level1」は、未経験者でも取得しやすい内容となっていて、経験者向けの「Level2」も難易度はそこまで高くありません。

「Level3」になるとプロフェッショナルな知識と技術が問われるため、よりハイレベルな問題が出題されます。

CCNA

ITとネットワークの基礎知識を習得できる「CCNA(シスコ技術者認定)」も、クラウドエンジニア未経験者の就活に役立つ資格です。

難易度はそれほど高くないため、入門資格として知られています。ネットワークを深く理解しているという証明は、クラウドエンジニアとしてプラスの評価を獲得しやすくなります。

AWS認定

AWS(Amazon Web Services)を使用する技術者として、専門知識やスキルの証明となる資格試験です。

初心者でも挑戦しやすいAWS認定は、基礎コースの「クラウドプラクティショナー」です。AWSの基本的な理解を前提とした「アソシエイト」で用意されている「ソリューションアーキテクト」は、クラウドの構築や設計に携わる経験者向けの試験内容になっています。

上位資格となる「プロフェッショナル」の「ソリューションアーキテクト」では、より難易度の高い問題が出題されます。

Microsoft Azure認定

「Microsoft Azure認定」は、3大プラットフォームのひとつMicrosoft Azureの知識やスキルを証明する認定資格です。

非常に多くの種類があるため、自分のスキルに合わせて受験しやすくなっています。初級レベルとして用意されている資格は「Fundamentals(ファンダメンタルズ)」です。

中・上級レベルの「Associate(アソシエイト)」「Expert(エキスパート)」「Specialty(スペシャリティ)」は難易度が高く、合格するには多くの演習を積んで実践力を高めておくことが重要とされています。

資格に関する知識は、Microsoftが提供している「Microsoft Learn」で学べるようになっているので、ぜひ活用してみてください。

Google Cloud認定

3大プラットフォームのひとつGoogle Cloudが実施する認定試験は、GCP(Google Cloud Platform)に関する技術力を証明するものです。

日本語に対応しているのは、基礎スキル習得レベルの「Associate(アソシエイト)」、設計や管理に必要な高度なスキルが求められる「Professional(プロフェッショナル)」があります。

まとめ

クラウドサービスの特性を活かし、システムを構築・運用するのがクラウドエンジニアの主な仕事です。

日本国内のパブリッククラウド市場は、今後も長期的な成長が見込まれているため、クラウドエンジニアの将来性は明るいとされています。その需要の高さから平均年収は高い傾向にあり、スキルの積み重ねにより高収入を目指せる職種です。

専門性の高いクラウドエンジニアとして転職活動を行う場合には、業界に精通したエージェントのサポートがあると安心です。転職エージェントを活用すれば、より自分に適した企業が見つかりやすくなります。

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エンジニアとしてステップアップを考えているのならば、客観的に自分の「強み」や「市場価値」を知ることが重要です。
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よくある質問

クラウドエンジニアについて教えてください。

クラウドエンジニアとは、クラウドサービスを活用したインフラの設計とシステムの構築・運用・保守を担当するエンジニアを指します。クラウド環境でこれらの業務すべてを遂行するのが特徴であり、幅広い知識と技術力を必要とする職種です。詳細は「クラウドエンジニアの仕事内容」で説明しているので確認ください。

クラウドエンジニアの将来性はありますか?

クラウドエンジニアは将来性の高い業種です。最近では、企業システムの設計・構築において、クラウド環境を優先的に利用する「クラウドファースト」や、初めからクラウド環境のメリットを活かした運用を想定する「クラウドネイティブ」の考えが浸透しつつあります。詳細は「クラウドエンジニアの将来性」で説明しているので確認ください。

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