「将来性のあるセキュリティ分野に興味はあるが、どんなキャリアパスを描けるのか分からない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、未経験からでもあなたの経験を活かして市場価値の高いエンジニアになるための、具体的な道筋を徹底解説します。
多様なセキュリティ エンジニア キャリアパスの詳細から、未経験者に必要なスキル・資格、年収アップの秘訣まで詳しくお伝えします。
記事を読み終える頃には、キャリアチェンジへの不安が自信に変わっているはずです。
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セキュリティエンジニアのキャリアパスにはどのような選択肢がある?

一口にセキュリティエンジニアと言っても、その役割は多岐にわたります。
この章では、セキュリティエンジニアの具体的なキャリアパスについて、年収相場と共に詳しく紹介します。
ここで解説するのは、以下のとおりです。
- セキュリティアナリスト
- セキュリティコンサルタント
- セキュリティアーキテクトに必要なスキル要件
- CISO(最高情報セキュリティ責任者)
- ホワイトハッカー・ペネトレーションテスター
セキュリティアナリスト
セキュリティアナリストは、ネットワーク・インフラエンジニアがセキュリティ分野へ進む際の最も一般的な入口となるキャリアパスです。
主な業務は、インシデント発生後のログ分析や攻撃手法の特定、対策の助言であり、SOC(Security Operation Center)やCSIRT(Computer Security Incident Response Team)の中核を担います。
ネットワークエンジニアの経験で培ったログ分析スキルが直接活かせるため、比較的スムーズなキャリアチェンジが可能です。
セキュリティアナリストは年収400万~800万円、トップレベルでは1,000万円以上も可能です。
この職種の主な役割を、以下の表で確認してみましょう。
年収レンジ | 400万~800万円(トップレベルでは1,000万円以上) |
主な業務 | システム監視、ログイベント分析 脆弱性調査、攻撃手法の特定経営層への報告、対策の助言 |
所属組織 | SOC、CSIRTなど |
参考:支援士ゼミ「セキュリティアナリストになるには?」
CyberHR「【2023年最新】セキュリティエンジニアのキャリアパス最新情報 -年収はどのくらい上がる?-」
セキュリティコンサルタント
セキュリティコンサルタントは、技術的知見とビジネス視点を繋ぐ架け橋として、クライアントの経営課題に対しセキュリティ戦略を提案・策定する高収入キャリアです。
リスクアセスメントの実施からポリシー作成、経営層へのプレゼンテーションまで、技術力に加えて高度なコミュニケーション能力が求められます。
インフラ設計経験を持つエンジニアは、その知識を活かして具体的なセキュリティアーキテクチャを提案できるため、コンサルタントへの道筋が見えやすいでしょう。
セキュリティコンサルタントは年収600万~1,200万円、トップレベルでは2,000万~3,000万円も可能な高収入キャリアパスです。
このキャリアパスのポイントは、以下の表のとおりです。
年収レンジ | 600万~1,200万円(トップレベルでは2,000万~3,000万円) |
主な業務 | リスクアセスメント実施セキュリティポリシー作成インシデント対応計画策定、経営層への提案 |
求められる能力 | 技術的知見、ビジネス理解、高度なコミュニケーション能力 |
参考:Contact EARTH「【2025年保存版】セキュリティコンサルタントとは?」
WILLOF TECH「セキュリティエンジニアの年収は?給料を上げる資格や稼げるキャリアパスを紹介」
SECURITY AGENT「セキュリティコンサルタントの年収は?必要なスキル・将来性」
セキュリティアーキテクト
セキュリティアーキテクトは、インフラエンジニアの経験を最も直接的に活かせるキャリアパスの一つです。
その役割は、インシデント発生後の事後対応ではなく、脅威を未然に防ぐ安全なシステムをゼロから設計することにあります。
事業戦略に基づく要件定義からシステム全体の設計、製品選定まで、上流工程を担います。求人では、セキュリティ要件定義やシステム設計といった職務内容で募集されることが多いのが特徴です。
セキュリティアーキテクトは年収500万~800万円、上位層では1,200万円以上も可能で、インフラエンジニアの経験を最も直接的に活かせるキャリアパスです。
この職種の概要を、以下の表で確認してみましょう。
年収レンジ | 500万~800万円(上位層では1,200万円以上) |
主な業務 | セキュリティ要件定義システムアーキテクチャ設計セキュリティ製品選定、経営層への戦略提言 |
役割 | 脅威を未然に防ぐプロアクティブなシステム設計 |
参考:CyberHR「【2023年最新】セキュリティエンジニアのキャリアパス最新情報 -年収はどのくらい上がる?-」
CISO(最高情報セキュリティ責任者)
CISOは、組織全体のセキュリティ戦略に責任を持つ経営幹部であり、多くのセキュリティエンジニアにとってキャリアの最終目標となるリーダーシップポジションです。
そのミッションは、セキュリティ戦略を事業目標と整合させ、企業価値を保護することです。
CEOや取締役会への報告、巨額の予算管理、複雑な法規制への対応など、その職責は極めて広範にわたります。2024年の調査では日本企業のCISO採用が前年比30%増加しており、魅力的なキャリアのゴールです。
特に技術的背景を持つエンジニアは、技術と経営をつなぐ役割として高く評価される傾向にあります。
CISOは年収1,000万~2,000万円、トップレベルでは3,000万円以上も可能な、セキュリティキャリアの最終目標となるリーダーシップポジションです。
この重要なポジションについて、以下の表に要点をまとめました。
年収レンジ | 1,000万~2,000万円(トップレベルでは3,000万円以上) |
主な業務 | 情報セキュリティ戦略の策定と実行CEO取締役会への報告予算管理、法規制対応 |
役割 | 経営幹部としてのリーダーシップ |
参考:CyberHR「【2023年最新】セキュリティエンジニアのキャリアパス最新情報 -年収はどのくらい上がる?-」
WILLOF TECH「セキュリティエンジニアの年収は?給料を上げる資格や稼げるキャリアパスを紹介」
ホワイトハッカー・ペネトレーションテスター
ペネトレーションテスターは、ホワイトハッカーとも呼ばれ、高い技術力と創造性が求められるスペシャリスト職です。
その役割は、攻撃者の視点からシステムに疑似的な攻撃を仕掛け、悪意のある第三者に悪用される前に脆弱性を発見・報告することです。
目的はシステムの破壊ではなく、弱点を特定して強化することにあります。ネットワーク構造を深く理解しているインフラエンジニアは、システムの弱点を見抜く能力をこの分野で活かすことができます。
スキルレベルに比例して報酬も高く、高額案件では月額200万円に達するものもあります。
ペネトレーションテスターは年収500万〜1,000万円、トップレベルでは1,500万円以上も可能な、高い技術力と創造性が求められるスペシャリストキャリアです。
この専門職の概要を、以下の表で確認しましょう。
年収レンジ | 500万~1,000万円(トップレベルでは1,500万円以上) |
主な業務 | ペネトレーションテストの計画・実行脆弱性レポートの作成修正案の提示 |
役割 | 攻撃者視点での脆弱性発見とシステム強化 |
セキュリティエンジニアから異分野へのキャリアチェンジは可能か?

セキュリティの専門知識は、他のIT分野でも非常に役立ちます。
この章では、セキュリティエンジニアから他の分野へのキャリアチェンジの可能性について紹介します。
セキュリティエンジニアの経験は多くの分野で高く評価され、主に以下のキャリアチェンジが可能です。
- インフラ・システム系への転身(セキュアな設計・運用の専門家として)
- マネジメント系への昇格(プロジェクト管理・技術管理の経験を活かして)
- 最新技術分野への展開(AI・データサイエンス領域でのセキュリティ専門性を活用)
- 事業会社での社内SE・システム企画職への転職
インフラエンジニアへのキャリアチェンジ
セキュリティエンジニアがインフラエンジニアに転身すると、システムの土台を設計段階から非常に安全に構築できる専門家として評価されるでしょう。
最大の強みは、攻撃者の視点を持ち、将来起こりうるリスクを予測して事前に対策を組み込める点にあります。
通常のインフラ構築では、まずシステムを正常に動かすことが優先されがちです。しかし、セキュリティの知識を持つエンジニアは、それに加えて「どうすれば攻撃されにくいか」「万が一、侵入されても被害を最小限に抑えられるか」という視点を常に設計に反映させることが可能です。
例えば、外部からアクセスされにくいネットワーク構成を考えたり、ユーザーやプログラムの権限を必要最低限に絞ったりすることで、不正アクセスのリスクを根本から減らすことにつながります。
また、問題発生時に原因を素早く特定できるよう、必要なログが正確に記録される仕組みを最初から作っておけるのも、他にはない大きな利点です。
ITマネージャー・プロジェクトマネージャーへのキャリアチェンジ
セキュリティエンジニアの経験は、プロジェクト全体を管理するITマネージャーやプロジェクトマネージャーとしても高く評価されます。
その背景には、技術的な課題解決だけでなく、組織内の様々な立場の人々と利害を調整する高度な能力が身についているという事実があります。
セキュリティ対策の導入は、技術部門の都合だけでは進められません。
会社の規則や法律に関わるため、法務部やコンプライアンス部、そして最終的な投資判断を下す経営層など、多くの関係者と協議し、納得してもらうプロセスが不可欠です。
この過程を通じて培われる交渉力や説明能力は、大規模なプロジェクトを円滑に進める上で非常に重要なスキルです。
また、サイバー攻撃のような突発的なトラブルを想定した計画を立ててきた経験は、プロジェクトが予期せぬ問題に直面した際に、冷静かつ的確な判断を下す力となります。
AIエンジニア・データサイエンティストへのキャリアチェンジ
セキュリティエンジニアからAI分野へのキャリアチェンジは、非常に有望なキャリアパスです。
なぜなら、セキュリティ業務で培われる「大量のデータから異常なパターンを見つけ出す分析スキル」が、AI開発の現場で直接的に役立つからです。
セキュリティエンジニアは、日々、システムのログなどを分析し、通常とは異なる怪しい動きを検知するという業務を行っています。
この能力は、例えば、クレジットカードの不正利用をAIで検知するシステムや、工場の製品の欠陥をAIで発見するシステムの開発に応用できるのです。
さらに、個人情報や企業の機密情報といった重要なデータを、どうすれば安全に扱えるかという知識も大きなアドバンテージとなります。これは、利用者のプライバシーを守りながらAIサービスを開発する上で、今や不可欠な要素です。
安全なAIを開発できる専門家として、他のエンジニアとの違いを明確に打ち出せます。
社内SE・ユーザー系企業に転職する方法
セキュリティエンジニアが事業会社の社内SEになると、自社のビジネスを守り、成長させるための重要な役割を担います。
このキャリアが魅力的なのは、外部のIT企業と自社の各部門との間で、技術的な調整役として大きな価値を発揮できる点にあります。
多くの企業は、専門的なシステムの導入を外部のITベンダーに依頼しますが、その提案内容が技術的に妥当か、費用に見合っているかを判断するのは容易ではありません。
専門家の視点で冷静にベンダーの提案を評価し、会社にとって最適な選択をすることが、セキュリティ知識を持つ社内SEには求められます。
また、自社の業務内容や社員の働き方を深く理解しているため、ただ厳しいルールを押し付けるのではありません。現場の利便性を考慮した現実的なセキュリティ対策の立案も可能になります。
これにより、社員が安心して効率的に働ける環境を整え、会社の事業活動の円滑化に貢献できるでしょう。
キャリアアップに必要なスキルや資格は?

市場価値の高いセキュリティエンジニアであり続けるためには、スキルのアップデートが欠かせません。
この章では、セキュリティエンジニアとしてキャリアアップを実現するために必要なスキルや資格について紹介します。
キャリアアップには主に以下の内容が重要です。
- 最新のサイバー攻撃に対応できる技術力の習得
- 技術力だけでなく、組織を動かすコミュニケーション力とリーダーシップ
- 市場価値を証明する国内外の主要資格の戦略的取得
- 継続的な学習とスキルアップの仕組み構築
最新サイバー攻撃への対策技術と学習方法
セキュリティエンジニアの価値は、進化し続ける脅威にどれだけ対応できるかで決まります。そのため、キャリアアップを目指すなら、最新技術の継続的な学習は避けて通れない道となるでしょう。
特に現代では、従来の境界型防御が通用しなくなり、新たな技術領域の習得が不可欠です。
その中心となるのが、クラウドセキュリティです。
物理的なサーバーからクラウドへ移行する中で、設定ミスが大きなセキュリティホールに直結するため、各クラウドサービス固有のセキュリティ機能を深く理解する必要があります。
また、社内外問わず全てのアクセスを信頼しない「ゼロトラスト」という考え方も、リモートワークが普及した現代の標準となりました。
これを実現するためのID管理やデバイス認証の技術は、今や必須知識といえるでしょう。
さらに、攻撃と防御の両面でAIの活用が進んでおり、AIセキュリティの知識も今後のキャリアを大きく左右する要素です。
これらの技術を学ぶには、理論と実践の両輪が重要になります。
資格取得を通じて体系的な知識をインプットしつつ、CTF(Capture The Flag)や演習プラットフォームを活用して実際に手を動かし、攻撃者の思考を理解する訓練を積むことが、真の実力向上につながるのです。
コミュニケーション力とリーダーシップ
高い技術力を持つことは、セキュリティエンジニアの基本です。しかし、年収1,000万円を超えるような高いレベルを目指すには、それだけでは不十分です。
組織を動かし、より大きなインパクトを生み出すためには、高度なコミュニケーション能力とリーダーシップが求められます。
なぜなら、セキュリティは技術だけの問題ではなく、経営や組織全体の課題だからです。
例えば、新しいセキュリティツールを導入するには、その技術的な優位性を説明するだけでは予算は獲得できません。
その投資が「事業上のどんなリスクをどれだけ低減し、企業価値の向上にどう貢献するのか」を、経営層が理解できる言葉で論理的に説明する必要があります。
また、インシデントが発生した際には、技術チームだけでなく、広報や法務など関連部署と連携し、冷静かつ正確な情報伝達を行うリーダーシップが不可欠です。
技術的な知見をビジネスの文脈に置き換えて伝え、多様な立場の人々を巻き込みながら課題を解決に導く能力こそが、単なる技術者から組織のリーダーへとステップアップするために必要なスキルです。
必須資格:情報処理安全確保支援士とCISSPの取得方法
キャリアアップの戦略として、資格取得は自身のスキルを客観的に証明する有効な手段です。
中でも、国内の「情報処理安全確保支援士(RISS)」と、国際的な「CISSP」は、多くの企業で高く評価される必須級の資格と位置づけられています。
情報処理安全確保支援士は、日本の法律や各種ガイドラインに準拠したセキュリティ知識を証明する国家資格です。
特に、官公庁や金融機関、大手企業のセキュリティ監査やコンプライアンス関連のポジションを目指す場合、この資格を持つことが大きな信頼につながります。
試験は知識を問う選択式問題に加え、実践的なシナリオに基づく記述式問題が出題されるため、国内のセキュリティ事情に即した深い理解が問われます。
一方、CISSPは、セキュリティマネジメントに関するグローバルなベストプラクティスを網羅した国際認定資格です。
特定の製品や技術に偏らず、セキュリティポリシーの策定からリスク管理、インシデント対応まで、組織のセキュリティを統括する上で必要な8つのドメインの知識が求められます。
外資系企業やCISOを目指すキャリアパスにおいて、世界共通の能力証明として機能します。
取得には5年以上の実務経験が必要であり、資格維持のためには継続的な学習が義務付けられている点も特徴です。
資格名 | 情報処理安全確保支援士(RISS) | CISSP |
特徴 | 日本の国家資格(士業) | 国際的に最も権威のある資格の一つ |
強み | 国内市場での絶大な信頼性 | グローバルキャリア、高年収に直結 |
年収への影響 | 資格手当(月2~5万円)、年収600~700万円以上への道筋 | 平均年収が20~30%高い傾向 |
難易度 | 合格率12~15%程度 | 5年以上の実務経験が必要、高額な受験費用 |
学習時間目安 | 100~200時間 | 100~200時間(実務経験を除く) |
推奨資格:CompTIA Security+やシスコ認定資格の活かし方
ネットワークやインフラの経験者がセキュリティ分野へ第一歩を踏み出す際、専門知識の基礎を固め、学習意欲をアピールするために非常に有効なのが「CompTIA Security+」と「シスコ認定資格」です。
まず、CompTIA Security+は、特定の製品に依存しない中立的な視点から、セキュリティの幅広い基礎知識を網羅的に証明できる国際認定資格です。脅威の種類や対策技術、リスク管理の考え方まで、セキュリティの「共通言語」を体系的に学ぶことができます。
この資格は、今後クラウドやネットワークなど、より専門的な分野へ進む上での強固な土台を築いてくれるでしょう。
次に、シスコ認定資格は、世界最大手のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が認定する資格で、ネットワーク技術者のスキルを証明する業界標準として広く認知されています。
その中でもエントリーレベルに位置づけられるCCNAは、セキュリティ分野への転身を目指すならまず取得しておきたい資格の一つです。
なぜなら、セキュリティ対策の多くはネットワークの上で機能するため、ファイアウォールがどう通信を制御し、IDS/IPSがどう不正なパケットを検知するのかを根本から理解するには、ネットワークの知識が不可欠だからです。CCNAは、その土台となる知識を客観的に証明してくれます。
これらの資格は、それ自体が即座に高い年収に結びつくわけではありません。
しかし、転職活動の場で「セキュリティ分野への本気度」を示す強力な証明書です。未経験の分野に挑戦する上で、自ら学び、スキルを習得する積極的な姿勢をアピールする材料として大いに活用できるのです。
資格名 | CompTIA Security+ | CCNA |
特徴 | ベンダーニュートラルな国際認定資格 | ネットワーク技術の基礎を証明する業界標準資格 |
証明できること | セキュリティの基礎知識全般 | ネットワーク基礎、IP接続、セキュリティ基礎 |
メリット | 多くの求人で優遇、学習の出発点に最適 | セキュリティ業務の前提知識として広く要求される |
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高い専門性が求められる一方、セキュリティエンジニアには大きな魅力があります。
この章では、セキュリティエンジニアとして働くことで得られる具体的なメリットについて紹介します。
メリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
- 専門性の高さによる市場価値の向上と高い年収水準の実現
- 業界を問わない需要による幅広いキャリア選択肢と柔軟性
- 継続的な市場成長と人材不足による将来性の高さ
専門性が高く市場価値が高い
セキュリティエンジニアの市場価値が高い理由は、その専門性が企業の根幹を守ることに直結しているからです。
ネットワーク、サーバー、アプリケーション、クラウド、そして法律や組織のルールに至るまで、多岐にわたる知識を統合し、複雑な課題に対する最適な解を導き出す能力が求められます。
例えば、新しいサービスをリリースする際、開発チームは機能の実装に集中しますが、セキュリティエンジニアはそこに潜むあらゆるリスクを想定します。
プログラムの脆弱性だけでなく、利用されるクラウドサービスの設定不備、さらには個人情報保護法といった法的な要件までを考慮し、多角的な視点から安全性を評価する必要があるのです。
このように、一つの領域の専門家だけでは対応できない横断的な知識と、それを統合して実践する能力は、他のIT職種とは一線を画します。
情報漏洩やシステム停止が事業の存続を揺るがしかねない現代において、この代替不可能な専門性こそが高い報酬と安定したキャリアにつながっているのです。
多業界で活躍できる柔軟性がある
セキュリティエンジニアという職種が持つ大きな魅力の一つに、業界を問わずに活躍できるキャリアの柔軟性が挙げられます。なぜなら、現代のビジネスにおいて、守るべきデジタル資産を持たない企業は存在しないからです。
金融業界では顧客の取引データを、製造業では工場の生産ラインを制御するシステムの情報を、そして医療業界では患者の機微な個人情報を守る必要があります。
対象となるデータやシステムは業界ごとに異なりますが、以下のセキュリティの基本原則は、どこでも共通して適用されます。
- 「情報を盗ませない」
- 「システムを止めさせない」
- 「データを改ざんさせない」
このスキルの普遍性が、セキュリティエンジニアに幅広い選択肢を与えてくれます。一度身につけた知識と経験は、異なる業界へ転職する際にも有効でしょう。
IT業界の最前線で技術を追求することも、事業会社の一員としてビジネスの成長に貢献することも可能です。
自身の興味やライフステージの変化に合わせて働く場所や役割を選びやすい点は、長期的なキャリアを考える上で非常に大きなメリットです。
需要が高く将来性が期待できる
セキュリティエンジニアが将来にわたって必要とされ続ける理由は、その需要が構造的な要因に基づいているからです。
それは、サイバー攻撃と防御が「終わりのない競争」であるという事実に起因します。
攻撃者は常に新しい技術や手法を編み出し、防御システムの隙を突こうとします。それに対して防御側は、後追いであっても常に対策を講じ、システムを守り続けなければなりません。
この攻撃と防御の非対称性がある限り、防御の専門家であるセキュリティエンジニアの役割がなくなることは考えにくいでしょう。
さらに、AI、IoT、量子コンピュータといった新しいテクノロジーが社会に普及すれば、それに伴ってこれまで想定されていなかった新たなセキュリティリスクが必ず生まれます。
技術が進化し続ける限り、セキュリティエンジニアが取り組むべき課題も増え続け、活躍の場はむしろ広がっていくのです。
このような背景から、市場における需要は拡大し続ける一方で、高度なスキルを持つ人材の育成には時間がかかるため、供給が追いつきにくい状況が続きます。
継続的に学び、スキルを磨く意欲さえあれば、長期にわたって安定したキャリアを築くことが十分に可能なのです。
セキュリティエンジニアとして働くデメリット

メリットの裏には、当然ながら大変な側面も存在します。
この章では、セキュリティエンジニアとして働く際に考慮すべきデメリットについて紹介します。
デメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
- 急速に進化する技術と脅威に対応するための継続的な学習負荷
- 企業の経営存続に関わる重大な責任によるストレスと精神的負担
- セキュリティインシデント発生時の緊急対応と不規則な勤務体系
最新技術や脅威への継続的な学習が必要
セキュリティエンジニアとしてキャリアを維持するためには、終わりなき学習が宿命となります。この分野の技術は驚くべき速さで陳腐化し、昨日まで有効だった知識が今日には通用しなくなることも珍しくありません。
この絶え間ない変化への追従が、大きな学習負荷としてのしかかります。
例えば、新しい脆弱性が公表されれば、その仕組みや影響範囲、対策を即座に理解し、自社システムへの影響を評価しなければなりません。
攻撃者は常に新しい手法を開発しているため、防御側もそれに対抗する技術や考え方を学び続ける必要があるのです。
この学習は業務時間内だけで完結するものではなく、多くの場合、プライベートな時間を使って情報を収集したり、技術を検証したりすることが求められるでしょう。
週末にセキュリティ関連のカンファレンスに参加したり、夜間に海外の最新情報を追いかけたりすることも日常的かもしれません。
知的好奇心を満たすという側面もありますが、常に学び続けなければ専門家としての価値が薄れてしまうというプレッシャーは、この職種が持つ大きな負担の一つでしょう。
責任が重くストレスがかかりやすい
セキュリティエンジニアは、企業の情報資産という非常に重要なものを守る立場にあります。
そのため、日々の業務には強いプレッシャーが伴い、精神的な負担が大きくなりやすい職種です。
一つの設定ミスや判断の遅れが、企業の信用を失墜させ、事業継続を脅かすほどの甚大な被害につながる可能性を常に意識しなければなりません。
インシデントの兆候を検知した際には、それが本当に攻撃なのか、それとも単なるシステムの誤動作なのかを迅速かつ正確に判断することが求められます。
この判断には大きな責任が伴い、常に緊張を強いられることになるでしょう。
また、防御側はすべての攻撃を防がなければならない一方で、攻撃側は一つの弱点を見つけるだけで目的を達成できてしまいます。
この防御と攻撃の不均衡な関係性も、大きなストレス要因です。
どれだけ万全な対策を施したつもりでも、未知の脅威、いわゆるゼロデイ攻撃によって破られる可能性は常に残ります。
完璧な防御を求められながらも、それが決して保証されないという矛盾の中で業務を遂行する精神的な重圧は、計り知れないものがあるのです。
インシデント発生時の緊急対応が多い
セキュリティインシデントは、ビジネスの稼働時間とは無関係に、24時間365日いつでも発生する可能性があります。
そのため、セキュリティエンジニアには、時間を問わない緊急対応が求められ、それがワークライフバランスを維持する上でデメリットです。
深夜や休日に突然システムからのアラートで呼び出されたり、長期休暇の最中にインシデント対応に追われたりすることも十分に考えられます。
特に、ランサムウェアによるシステム全体の暗号化や、大規模な情報漏洩といった重大なインシデントが発生した場合、被害の拡大を防ぐための初動対応がその後の結果を大きく左右します。
このような状況では、個人的な予定をキャンセルしてでも、業務を最優先で対応せざるを得ません。
交代制のシフト勤務やオンコール待機といった勤務形態も多く、いつ呼び出されるかわからないという緊張感が常に付きまといます。
予測不能なタイミングで突発的な業務が発生する働き方は、心身の疲労につながりやすく、この職種を選ぶ上で覚悟しておくべき側面でしょう。
セキュリティエンジニアが活躍できる業界と年収の目安は?

セキュリティエンジニアの活躍の場は、IT業界に留まりません。
この章では、セキュリティエンジニアが活躍できる主要業界と、それぞれの年収相場について紹介します。
活躍できる業界としては、主に以下のような業界が挙げられます。
- 高い専門性と戦略的思考が求められるコンサルティング業界での高年収ポジション
- 規制要件が厳しく安定した需要がある金融・保険業界での堅実なキャリア
- IoTとOTセキュリティが重要な製造業・インフラ企業での技術特化型ポジション
- 急成長する医療・ヘルスケア業界での新たなキャリア機会
コンサルティング業界での役割と年収相場
コンサルティング業界で働くセキュリティ専門家は、単なる技術者ではなく、クライアント企業の経営課題を解決する戦略的パートナーとしての役割を担います。
ここでの主な業務は、企業のセキュリティレベルを根本から引き上げるための戦略立案や体制構築の支援であり、年収水準も他の業界と比較して高い傾向にあります。
クライアントが抱える課題は、「新しい規制にどう対応すべきか」「M&A先の企業のセキュリティレベルをどう評価し、統合すべきか」といった経営に近いテーマです。
そのため、技術的な知識をビジネス上の言葉に翻訳し、リスクとコスト、事業への影響を天秤にかけながら最適な解決策を経営層に提示する能力が求められます。
この高い付加価値と専門性が報酬に反映され、ジュニアクラスで年収600万円前後からスタートし、経験を積んだシニアクラスでは1,200万円以上を目指すことも可能です。さらにマネージャークラス以上になると2,000万円を超えるポジションも珍しくありません。
成果が直接評価される厳しい環境ですが、企業の意思決定に深く関われる点が大きな魅力です。
金融・保険業界のセキュリティニーズと待遇
金融・保険業界において、セキュリティは事業継続の生命線そのものです。
この業界で働くセキュリティエンジニアには、顧客の資産と機密情報を守るという極めて重要な使命があり、その責任の重さに見合った安定した待遇が期待できます。
一般的に、この業界のセキュリティ職は年収600万円から1,000万円程度が目安とされています。
この業界のニーズを特徴づけるのは、金融庁などから課される厳格な規制やガイドラインの存在です。システムは、ただ安全なだけでなく、規制要件を満たしていることを客観的に証明する必要があり、日々の業務では監査対応や準拠性評価が大きな比重を占めます。
フィンテックの発展に伴い、オンライン決済やモバイルバンキングなど新たなサービスが次々と生まれていますが、それは同時に新たな攻撃対象が増えることも意味します。
この常に変化する脅威に対応できる専門家への需要は絶えることがなく、資格手当なども充実している場合が多いことから、長期的なキャリアを築く上で非常に安定した環境が提供されています。
製造業・インフラ企業での求人動向と給与水準
製造業や電力・ガスといったインフラ企業では、近年、セキュリティエンジニアの需要が急速に高まっています。
その背景にあるのは、工場のスマート化です。これまで独立していた工場の制御システム(OT)がITネットワークと接続され、新たなサイバー攻撃のリスクに晒されるようになりました。
この分野で求められるのは、一般的なITセキュリティの知識だけでなく、工場の生産設備といったOT領域の深い知見も併せ持つ、非常に希少な人材です。
サイバー攻撃によって生産ラインが停止すれば、その損害は計り知れません。
このような深刻なリスクに対応するため、多くの企業が専門人材の確保を急いでおり、ITとOTの両方を理解するエンジニアには年収600万円から1,000万円程度の高い給与水準が提示されています。
ネットワークやインフラの知識を持つエンジニアにとって、自身のスキルを活かしながら新たな専門性を築ける、非常に将来性のある分野です。
医療・ヘルスケア業界への転職の可能性と給与水準
医療・ヘルスケア業界は、急速なデジタル化に伴い、セキュリティエンジニアにとって新たな活躍の場が生まれている注目の新興分野です。
電子カルテやオンライン診療が進む中で、患者のプライバシーと生命に直結する情報の保護が、極めて重要な課題となっています。
この業界のセキュリティを考える上で重要なのは、単なる個人情報保護法だけでなく、医療特有の法律や倫理観を深く理解することです。
また、ペースメーカーのようなネットワーク接続された医療機器が攻撃を受ければ、患者の生命に直接的な危険が及びます。
この分野の専門家はまだ市場に少なく、需要に対して供給が追いついていない状況です。
そのため、セキュリティの専門知識を持ち、かつ医療業界の特殊性を理解しようと努める人材は高く評価され、年収500万円から800万円程度での採用が期待できます。
将来性が非常に高く、早期にキャリアを築くことで、この領域の第一人者としてのポジションを確立できる可能性を秘めています。
未経験からセキュリティエンジニアを目指す方法は?

この章では、未経験からセキュリティエンジニアを目指すための具体的な方法について紹介します。
方法としては、主に以下のようなアプローチが考えられます。
- ネットワーク・インフラエンジニアの経験を活かした最も有利な転職ルート
- 専門学校や資格取得を通じた体系的なスキル習得アプローチ
- 派遣・業務委託での実務経験積み上げによる段階的キャリア構築
- 新卒での直接就職による早期専門性確立
ネットワーク・インフラエンジニアからの転職
ネットワークやインフラの分野で培った経験は、セキュリティエンジニアへの転職に役立ちます。
なぜなら、セキュリティの脅威は常にネットワークやサーバーといったインフラの上で発生するため、その構造と動作原理を熟知していることは、他のどの経歴にも勝る大きなアドバンテージとなるからです。
例えば、日常的に行っているファイアウォールのルール設定は、まさにセキュリティポリシーを技術的に実装する行為そのものです。
また、サーバーのアクセスログを監視したり、障害の原因を調査したりする経験は、インシデント発生時に攻撃の痕跡を追跡するフォレンジック調査の思考プロセスと非常に良く似ています。
このように、インフラエンジニアの業務には、本人が意識せずともセキュリティに直結する要素が数多く含まれています。
転職活動では、これらの経験を「セキュリティの観点」から再整理し、自身の貢献を具体的に語ることが重要になるでしょう。
単なるインフラの運用経験ではなく、システムの安全性をどう維持してきたかをアピールすることで、未経験という枠を超え、即戦力としてのポテンシャルを高く評価されます。
専門学校や資格取得を通じてスキルを習得
IT業界での実務経験が少ない方や、異なる職種からセキュリティ分野を目指す場合、専門学校や資格取得を通じて体系的に知識を学ぶことは非常に有効な手段です。独学でも知識は得られますが、学習機関を利用すると、広範なセキュリティ知識を網羅的かつ効率的に学べます。
セキュリティという分野は非常に裾野が広く、どこから手をつけて良いか分かりにくいものです。
専門のカリキュラムは、初心者が学ぶべき順序や重要度を考慮して作られているため、迷うことなく知識の地図を描くことができます。また、同じ目標を持つ仲間や、現場を知る講師との出会いは、学習のモチベーションを維持する上で大きな助けとなるでしょう。
資格取得も同様に、学習の道しるべとして機能します。試験の出題範囲を学ぶことで、その分野で求められる知識体系を網羅的に把握することが可能です。
もちろん、資格が実務能力を直接証明するわけではありません。
しかし、目標達成のために努力したという客観的な証拠となり、特に未経験からの転職活動においては、その分野への真剣な意欲を示す上で大きな意味を持つのです。
派遣・業務委託で実務経験を積む
未経験からセキュリティエンジニアへの正社員転職を目指す上で、まずは派遣や業務委託という形態で実務経験を積むことは、非常に現実的で効果的なキャリア戦略です。
正社員の求人では即戦力が求められ、未経験者にはハードルが高い場合が多いですが、派遣や業務委託の案件には、比較的門戸の広いポジションが存在するからです。
例えば、SOCアナリストの一次対応や、脆弱性診断のアシスタントといった業務は、マニュアルに沿って行われる部分も多く、未経験者がキャリアをスタートさせるための入り口として適しています。
これらの業務を通じて、実際のインシデントがどのように報告され、どのように処理されていくのか、現場のリアルな流れを肌で感じることができます。
このような経験は、たとえ期間が短くても、次の転職活動において「実務経験あり」として語れる貴重な財産となります。
まずは経験を積むことを最優先に考え、特定のプロジェクトでスキルを磨き、それを足がかりにして、より専門性の高い正社員ポジションへとステップアップしていく。
この段階的なアプローチが、未経験から専門家へと成長するために必要となるでしょう。
新卒でセキュリティエンジニアとして就職する
新卒でセキュリティエンジニアを目指すことは、簡単な道ではありませんが、早期から専門性を高められるという大きなメリットがあります。
セキュリティ業務は、企業の重要な資産に直接関わるため、多くの企業は実務経験者を求める傾向にあります。
しかしその一方で、将来のコア人材を育てるために、ポテンシャルの高い新卒者を採用する企業も増えています。
新卒採用で評価されるのは、単なる学業の成績や知識だけではありません。むしろ、自分で課題を見つけ、手を動かして探求した経験が重視される傾向が強いです。
例えば、大学の研究でセキュリティに関するテーマに取り組んだ経験や、CTFというセキュリティ技術を競うコンテストへの参加実績は、高い評価につながります。
また、個人的にソフトウェアの脆弱性を見つけて報告したり、セキュリティ関連のコミュニティ活動に参加したりといった、授業外での積極的な活動も、その分野への強い興味と探求心を示す良い材料となるでしょう。
基礎知識の証明として資格を取得することも大切ですが、それ以上に「自ら学ぶ力」と「実践しようとする姿勢」をアピールすることが、新卒でこの専門職の扉を開くための重要な要素なのです。
セキュリティエンジニアの転職活動の進め方とタイミングは?

いざ転職を決意しても、どう進めれば良いか迷うかもしれません。
この章では、セキュリティエンジニアへの転職活動を成功させるための具体的な進め方とタイミングについて紹介します。
転職活動を成功させるには、主に以下のポイントが挙げられます。
- 人材不足の市場環境を活用した最適な転職タイミングの見極め
- ネットワーク・インフラエンジニアの経験を効果的にアピールする職務経歴書と面接戦略
- 年収向上を実現する企業選定方法と給与交渉のテクニック
転職に最適なタイミング
セキュリティエンジニアへの転職を考える上で、「いつ行動を起こすべきか」というタイミングの見極めは非常に重要です。
現在の市場環境は、転職希望者にとって非常に有利な状況が続いています。その最大の理由は、深刻な人材不足です。
多くの企業がデジタルトランスフォーメーションを進める中で、セキュリティ対策の重要性を認識しているものの、専門知識を持つ人材の確保に苦戦しています。
この需要と供給の大きなギャップが、転職者優位の「売り手市場」を生み出しているのです。
また、個人のキャリアステージで言えば、ネットワークやインフラの分野で2年から3年程度の実務経験を積んだ段階が、一つの良いタイミングといえるでしょう。
この時期は、インフラの基礎がしっかりと身についており、セキュリティという新たな専門性を習得するための土台が固まっているからです。
この状態で資格取得などの自己投資を行えば、即戦力候補として企業から高く評価される可能性が高まります。
企業の採用活動が活発になる年度初めや下半期の開始時期に合わせて準備を進めることで、より多くの選択肢の中から自分に合った企業を見つけやすくなります。
職務経歴書の作成方法と面接でのアピールポイント
セキュリティ分野への転職活動を成功させるには、これまでの経験をいかに魅力的に見せるかが重要になります。
特にネットワークやインフラの経験者は、自身の業務を「セキュリティ」という視点で再解釈し、職務経歴書や面接で伝えることが求められます。
職務経歴書を作成する際は、単に担当した業務を時系列で羅列するのではなく、「セキュリティにどう貢献したか」という切り口で実績を記述しましょう。
例えば、「ファイアウォールの設定を担当」と書くのではなく、「外部からの不正アクセスを防ぐため、〇〇のポリシーに基づき、不要なポートを閉鎖し通信を制御した」と具体的に記述することで、採用担当者に自身の貢献度が明確に伝わります。
面接では、これまでの経験がセキュリティ業務にどう活かせるかを、相手がイメージしやすいように翻訳して話すことが大切です。
サーバーの障害対応経験は、インシデント発生時の冷静な原因分析と復旧作業の能力としてアピールできます。
また、ネットワークの監視業務は、膨大なログの中から異常を検知するSOCアナリストの業務への適性を示す材料になるでしょう。
このように、自身のスキルをセキュリティの文脈に置き換えて語ることで、未経験であっても高いポテンシャルを伝えることが可能なのです。
企業選定と給与交渉を成功させるポイント
転職によって年収向上を実現するためには、どの企業を選ぶかという戦略と、自身の価値を正しく伝える給与交渉の技術が不可欠です。
やみくもに応募するのではなく、自身のキャリアプランに合致し、かつ成長が見込める企業を慎重に選定するようにしましょう。
まず注目すべきは、クラウドセキュリティやゼロトラストといった、今後市場の拡大が予測される分野に積極的に投資している企業です。
このような企業は、事業の成長とともに社員の待遇改善にも前向きである可能性が高いでしょう。
また、企業の規模や業界によっても年収水準は大きく異なります。一般的に、外資系企業やコンサルティングファーム、金融機関などは、高い専門性を持つ人材に対して好待遇を提示する傾向があります。
給与交渉の場では、感情的に希望を伝えるのではなく、客観的なデータに基づいて冷静に話を進めることが重要です。
同業種の市場における給与相場や、自身の保有資格がどの程度の価値を持つのかを事前に調べておきましょう。
その上で、これまでの実績が転職先でどのように貢献できるかを具体的に説明し、自身の市場価値を論理的に提示することで、納得感のある給与条件を引き出しやすくなるのです。
セキュリティエンジニアの将来性は?市場価値は今後どうなる?

キャリアを考える上で、将来性は最も重要な要素の一つです。
この章では、セキュリティエンジニアの将来性について、最新の市場データと政府の支援動向、技術トレンドの観点から詳しく解説します。
転職を検討中のネットワーク・インフラエンジニアが知っておくべき内容は主に以下の3つです。
- 急速に拡大するサイバー攻撃と求人ニーズの高まり
- 政府・企業による大規模な人材育成支援策と目標
- クラウド・IoT分野で爆発的に増加する専門性ニーズ
サイバー攻撃増加に伴う求人ニーズの高まり
セキュリティエンジニアの将来性を語る上で、まず理解すべきなのは、その需要が社会全体のデジタル化と表裏一体であるという点です。
ビジネスのあらゆる場面でITが活用される現代において、サイバー攻撃はもはや対岸の火事ではなく、すべての企業が直面する経営リスクとなりました。攻撃の手法は年々巧妙化し、その被害は金銭的な損失に留まりません。
企業のブランドイメージを著しく損ない、顧客からの信頼を失墜させ、最悪の場合、事業の継続すら危うくする可能性があります。
このような状況下で、企業が自社の情報資産を守るために専門家を求めるのは、ごく自然な流れと言えるでしょう。
この需要は、一部の大企業に限った話ではありません。
サプライチェーンを狙った攻撃が増加する中で、セキュリティ対策が不十分な中小企業が、大手取引先への侵入経路として悪用されるケースも後を絶ちません。
企業規模を問わず、社会全体でセキュリティレベルの向上が求められており、それに伴って専門知識を持つエンジニアの求人ニーズも構造的に拡大し続けているのです。
政府・企業による人材育成や支援の動向
政府が本格的なセキュリティ人材育成に乗り出しており、転職希望者にとって追い風となる支援策が多数実施されています。
2025年に発表された「サイバーセキュリティ人材の育成促進に向けた検討会最終取りまとめ」では、登録セキスペの登録人数を2030年までに5万人まで増やす目標を設定しました。
また「サイバーセキュリティ産業振興戦略」により、10年以内に国内企業の売上高を約0.9兆円から約3兆円超に増やす大規模な支援策も実施されます。
具体的には、政府機関による有望なセキュリティ・スタートアップの製品・サービスの試行的活用や、SI事業者とベンダーとのマッチング場創出など、転職時の研修機会拡大につながる施策が展開されています。
クラウド・IoT分野で求められる新たな専門性
セキュリティエンジニアの活躍の場は、時代の変化と共に常に移り変わっていきます。
特に近年、クラウドとIoTの急速な普及は、セキュリティの専門家に対して新たな知識とスキルを要求するようになりました。
多くの企業が自社でサーバーを持たず、AWSやAzureといったクラウドサービスを利用するようになったことで、セキュリティ対策の考え方も大きく変化しました。
物理的な機器を守るのではなく、クラウド上の設定や権限管理をいかに適切に行うかが、セキュリティレベルを左右する重要な要素となっています。
設定一つで、企業の重要データが外部から丸見えになってしまうリスクがあるため、各クラウドプラットフォームの仕様を深く理解した専門家の需要は非常に高いです。
また、工場の機械から家電製品まで、あらゆるモノがインターネットに繋がるIoT時代において、これらの機器をサイバー攻撃から守ることも新たな課題です。
ネットワークやインフラの知識を持つエンジニアにとって、これらの新しい技術領域は、自身の経験を活かしながら専門性を高められる、非常に将来性のある有望な分野といえるでしょう。
まとめ
本記事では、セキュリティエンジニアの多様なキャリアパス、必要なスキルや資格、そして将来性について解説しました。
キャリアの先行きに悩んでいた方も、進むべき道筋が明確になったのではないでしょうか。
特に、あなたの持つネットワークやインフラの経験は、セキュリティ分野で非常に価値ある武器となります。
「未経験」という不安を乗り越え、市場価値の高い専門家を目指す具体的なステップが見えたはずです。
転職を成功させるためには、専門的な知識を持つエージェントの活用も有効な手段の一つです。
この記事が、あなたの自信に繋がり、輝かしいキャリアへの第一歩となることを願っています。
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