セキュリティエンジニアはきつい?激務?「やめとけ」の理由と実態

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この記事でわかること

  • セキリュティエンジニアが「きつい」と言われる理由と実態
  • セキリュティエンジニアがやりがいを感じられる3つのポイント
  • セキリュティエンジニアに向いている人の特徴
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ウィルオブテック編集部

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セキュリティエンジニアは情報セキュリティの一連の業務を担当する職業です。これから目指す方は、業務の難易度や向いている人の特徴を踏まえたうえで転職を検討してみてください。

本記事では、セキュリティエンジニアの仕事がきつい・やめとけと言われる理由と、仕事が楽しいと思える3つのポイントなどを紹介します。

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セキュリティエンジニアが「きつい・やめとけ」と言われる理由

セキュリティエンジニアの職業は、以下のような理由で「きつい」「つらい」「やめとけ」と言われるケースがあります。

  • インシデント発生時の緊急対応が多く激務、気が休まらない
  • エンジニアの責任が重く、プレッシャーを感じる
  • セキュリティ対策の難易度が高く、終わりがない
  • 顧客や関係者とのやり取りがつらい
  • 最新のセキュリティ情報を学び続ける必要がある
  • 感謝されることが少なく、モチベーションを保つのが難しい

セキュリティエンジニアは企業の情報資産を守る役割を担うため、上述したように責任の重さや勤務時間の長さ、業務の難易度の高さを不安視する意見が多くみられます。

企業が情報資産を守らなければならない理由は、インシデント発生時に顧客や業務のデータが盗まれるだけでなく、復旧作業中は事業継続に支障が出る恐れがあるためです。

また、企業のWebサイトがウイルスをばら撒く踏み台にされた場合、被害を受けた企業側も攻撃に加担したとして会社の信用を失墜しかねません。会社の信用に直結するがゆえに、セキュリティエンジニアは責任が重い仕事であるイメージが根付いています。

さらに、情報セキュリティの仕事は、企画・提案・実装・テスト・運用など業務内容が多岐にわたります。単に業務の幅が広いというだけで激務であるイメージを持つ方も少なくありません。

▼セキリュティエンジニアの年収や将来性を知りたい方へ
セキュリティエンジニアとは?仕事内容や年収・将来性についても解説
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本当に激務できつい? セキュリティエンジニアの実態

上記のように、マイナスイメージを持たれやすいセキュリティエンジニアですが、実際の業務内容はどのようなものでしょうか。

ここでは、業務を遂行するうえで気になる実態について7つの項目に分けて紹介します。

実態① 夜間・休日勤務

ひと口にセキュリティエンジニアといっても、業務内容については業界や採用されるポジションで大きく異なります。

夜間や休日の勤務が発生しがちなのはインシデント対応にあたるポジションです。インシデントの発見および発生時の原因調査のために情報収集を行うリサーチャーと、得られた情報をもとに分析を行うキュレーターの業務では、迅速な対応が求められます。

インシデント発生時には緊急で呼び出され、原因究明からシステム復旧まで対応にあたります。これらのポジションは、一般的に複数名のシフトで24時間365日体制の監視と対応を行うため、夜勤・休日勤務を割り当てられることは少なくありません。

しかし、夜間・休日出勤を行うポジションは需要が高く、経験を積んでスキルアップしやすいため、年収を上げやすいというメリットもあります。

また、海外支社とシフトを組み、時差を利用して夜間・休日の対応がないよう配慮する企業もあります。

このポジションでは基本的にインシデントへの直接的な対応を行わないため、夜間・休日勤務は少ない傾向です。このように、採用されるポジションによって24時間対応する必要がないケースもあるので、求人に応募する際はよく確認してみてください。

実態② インシデント対応

セキュリティエンジニアは、情報セキュリティの業務を専門的に担当し、インシデント発生時に必要な応急処置を講じることで被害を最小限に抑える役割を担います。インシデント対応は緊急性の高い業務のため、迅速な対応が求められ、休まる暇がないと苦手意識を持つ方もいるでしょう。

また、インシデントへの対応・対策には、情報セキュリティマネジメントの技術をはじめ法令・規格などの知識が必要です。さらにリスク分析手法や製品開発、SIerの知識も求められるケースがあります。このような、対応の難易度の高さがセキュリティエンジニアへの心理的なハードルを上げています。

ただし、知識や経験のあるセキュリティエンジニアがいくら調査を続けても、確実な原因を発見できないケースはあります。そのため、会社ごとに労力と結果の釣り合いが取れるよう調査の打ち切りラインが設けるのが一般的であり、原因が見つかるまで限りなく業務が山積し続けることはありません。

実態③ 責任の重さ

サイバー攻撃やシステム障害による影響は多岐にわたります。顧客の個人情報が盗まれる、もしくは業務に支障が出る、また踏み台にされウイルスをばら撒くなどのリスクが想定されます。

このようなインシデントが発生すれば、復旧までの機会損失に加え、顧客への賠償やブランド価値の低下などにより、企業にとって大きな損害が発生します。

トレンドマイクロ社が2021年に行った調査では、対象となった従業員規模1,000人以上の組織におけるセキュリティインシデントの年間平均被害額は3億円以上とされます。

被害を最小限に抑えられるかどうかはセキュリティエンジニアの腕にかかっているので、責任の大きさから、業務がつらいと感じる人もなかにはいます。しかし実際には、全ての責任を一人のエンジニアが負うことはなく、ポジションによって責任の大きさは変わります

なお、責任が大きいポジションであれば、相応に高い報酬が得られるという側面もあります。

※参照元:Scan Net Security「セキュリティインシデントの年間平均被害額 約3億2,850万円、法人のセキュリティ成熟度調査

実態④ 業務の難易度

サイバー攻撃の手口は巧妙化しており、対策するためにはセキュリティに関する知識をその都度更新しなければなりません。

また、多くの企業がDXを進めたことが、セキュリティリスクにさらされる機器・システムを増やし、業務を複雑化させています。こうした業務の難易度の高さが、セキュリティエンジニアのハードルを上げているのが現状です。

とはいえ、セキュリティエンジニアといっても幅広いポジションがあり、必ずしも事故処理などの高いスキルを求められるとは限りません

日々進化するシステムやサイバー攻撃にあわせて、セキュリティエンジニアの役割は細分化が進んでおり、全てを一人で対処すべき場面は少なくなっています。また、ポジションを問わず常に最新の知識を必要とするものの、情報をキャッチアップしていくことが、エンジニアとしての価値を高めることにつながります。

実態⑤ 顧客対応

セキュリティエンジニアとしてシステムの脆弱性を発見・報告し、対応を求めるポジションでは、相手に不快感をもたれるケースが少なくなく、顧客対応がきついと感じる人もいます。

というのも、経営者や現場担当者に対して、インシデントの原因や、発生し得る要因を論理的に説明し、対処方法を提案して納得を得なければならないからです。想定外の事態にあたるには、柔軟に対応する力も求められます。

しかし、企業のなかにはカスタマーサポートを設けて、専門チームが顧客対応を行うケースも増えています。脆弱性の調査と報告は、それぞれ別部署が担う場合があるので、顧客対応が苦手な人は転職時に希望を伝えるのがおすすめです。

実態⑥ 学習量

Digital Artsが2022年までに行った調査によると、国内におけるセキュリティインシデントは毎年増加しています。具体的には2020年の607件に対し、2021年には697件、2022年には1,031件まで増加しました。

増え続けるサイバー攻撃から情報資産を守るには、巧妙化する手口に柔軟に対応できるよう、最新の情報セキュリティを学ぶ必要があります。イタチごっこと化した終わりの見えない現状から、つらい・きついと感じるエンジニアもいるでしょう。

確かに学び続ける手間はありますが、企業によっては業務の一環として研修や自己学習時間を設けている場合があります。どのエンジニアを目指すとしても、セキュリティに関する知識は活かせるので、学習が無駄になる心配はありません。

また、知識を習得することでスキルを高め、エンジニアとしての市場価値を上げられるので、学習する価値は大いにあります。

※参照元:Digital Arts「Security Reports

実態⑦ モチベーション・メンタル面

セキュリティエンジニアは、インシデントの発生を防ぐために脆弱性を指摘したり、システムを止めて要因を探したりと、嫌われ役を買って出なければなりません。

また、「問題を起こさないようにする」という仕事柄、業務が上手くいっているほど感謝されにくく、モチベーションが保ちにくいことが、仕事がきついと思われる要因のひとつです。

とはいえ、サイバー攻撃を未然に防いだり、脆弱性を発見して被害を最小限に抑えたりと目に見える成果があるので、十分やりがいを感じられます。周囲からの評価よりも、自分の仕事の達成感を重視する人は、セキュリティエンジニアが向いています。

セキュリティエンジニアが「やりがい」を感じられる3つのポイント

上述したようにセキュリティエンジニアはきつい・つらいというイメージが根強い職種ですが、やりがいを感じられる面も多くあります。

ここからはセキュリティエンジニアの仕事がやりがいを感じやすいポイントを以下の3つに分けて紹介します。

  • 戦略性が高く面白味がある
  • エンジニアとしての市場価値が高まる
  • キャリアパスが豊富にある

戦略性が高く面白味がある

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃やシステム障害が起こる可能性を事前に調査し、脆弱性を補うための対策を講じます。また、起きた問題に対しても、原因を素早く見つけて対処する必要があるなど、戦略性の高い仕事です。

対策では攻撃者の裏をかくような戦略を立て、調査では攻撃の方法や内容を推理するゲームのような楽しさを味わえます。このように楽しめるのであれば、攻撃が巧妙化することでかえってマンネリ化しにくく、日々の業務にやりがいを感じられます。

エンジニアとしての市場価値が高まる

NRIセキュアが2022年に行った調査では、国内企業の約9割がセキュリティ人材の不足を感じており、過去10年以上も改善されていない状態が続いています。

こうした需要の高さを反映して、高いスキルを持ったセキュリティエンジニアの市場価値は非常に高く、求人数も多いので将来性に期待できます。

業務を通じてスキルや経験を身に付けていけば、エンジニアとしての価値を底上げでき、キャリアアップや年収アップもかなうでしょう。

※参照元:NRIセキュアテクノロジーズ株式会社「企業における情報セキュリティ実態調査2022

キャリアパスが豊富にある

セキュリティエンジニアが担当する業務は多岐にわたるため、キャリアパスの選択肢は豊富です。業務を続けることで、自分の求める将来に向かって着実にスキルや経験を積み上げられる楽しさがあります。

例として、セキュリティエンジニアのキャリアパスには以下のような職務が挙げられます。

・セキュリティアナリスト:主にサイバー攻撃の分析を行い、ソリューションを提案する

・セキュリティコンサルタント:セキュリティ戦略の立案やセキュリティポリシーの作成、認証取得の支援を行う

・セキュリティアーキテクト:情報セキュリティシステムの設計・構築・マネジメントを担い、品質を向上させる

・ホワイトハッカー:システムやネットワークに関する高度な知識を持ち、主にサイバー攻撃への対処を行う

セキュリティエンジニアに向いている人の特徴

セキュリティエンジニアは責任ある役割であり、かつ最新の知識を継続的に身に付けていく必要があります。この仕事に向いている人の特徴としては、以下の2つが挙げられます。

  • 自己研鑽が好きな人
  • プレッシャーをやりがいにつなげられる人

自己研鑽が好きな人

セキュリティエンジニアは、一度知識を身に付ければいつまでも通用するわけではありません。進化するサイバー攻撃の手口にあわせた自己研鑽が必要です。

新しい技術の習得に抵抗感がなく、市場価値を高めていくことにやりがいや喜びを感じられる人が向いています。

プレッシャーをやりがいにつなげられる人

セキュリティエンジニアを担う以上、対処次第では会社の信用を失墜しかねず、場合によっては大きな責任が問われます。

原因が見つからないケースも少なくなく、努力が全て報われるとは限りません。重要な仕事を担うプレッシャーを、やりがいに変えられる人におすすめです。

まとめ

セキュリティエンジニアは、夜間・休日を問わないインシデント対応や責任の重さ、業務の難易度の高さから一般的に「きつい」とされがちな仕事です。

しかし、仕事としてのハードルが高いからこそ需要が高く、経験を通じてエンジニアとしての市場価値を高められるといったメリットもあります。キャリアアップや年収の向上を目指すのであれば、ぜひ転職時の候補のひとつに入れてみてください。

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よくある質問

セキュリティエンジニアの年収は?

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、セキュリティエンジニアを含むセキュリティエキスパートの全国平均年収は534.6万円です。

セキュリティエンジニアの需要は高く、スキルや経験次第で年収アップに期待がもてます。

※参照元:厚生労働省 jobtag「セキュリティエキスパート(オペレーション)

女性がセキュリティエンジニアになるのはつらい?

セキュリティエンジニアは性別関係なく目指せる職業で、女性であることが原因で仕事がつらくなるのは考えにくいといえます。とはいえ、ポジションによっては、男女問わず体力的な面が心配になる恐れもあります。

インシデント発生時でも夜間や休日対応が避けられる体制が整っている企業や、役割が細分化されている企業の求人に応募すれば、育児などの家庭と両立しやすいのでおすすめです。売り手市場であるセキュリティエンジニアとしての経験があれば、出産・育児などで休業を取ったあとの復帰にも、有利に働く可能性があります。

未経験からセキュリティエンジニアを目指すのはきつい?

セキュリティエンジニアは未経験から目指せます。情報セキュリティに関する専門知識に加え、ポジションによってはセキュアプログラミングのスキルなどが求められますが、独学で身に付けることも可能です。

書籍・セミナー・勉強会などを活用して知識を習得したり、システムエンジニアとして働いて基礎を築いたりする方法があります。

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