キャリアについて悩む20代、30代の方は少なくありません。
「正社員でなければ安定しないのでは」「人間関係が苦手だから自分には無理かも」と、一歩を踏み出せずにいる方もいるのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、墨田湊さん(25歳)。人見知りで人と話すのが苦手だったという彼が、派遣という働き方を選び、介護職として新たなキャリアを歩み始めて10ヶ月になります。
かつては一人で黙々と取り組む配達の仕事を選び、「このままでいいのかな」と将来に漠然とした不安を抱えていた墨田さん。そんな彼が派遣という選択肢を通して「自分にもできることがある」と気づき、自信を育んでいきました。
彼の等身大の言葉からは、キャリアの可能性、そして派遣という働き方が「つなぎ」ではなく確かな「選択肢」である理由が見えてきます。
目次
プロフィール紹介
お名前:墨田 湊(すみだ みなと)さん
年齢:25歳
現在の職種:介護職(派遣社員)
勤務先:都内の介護施設
勤務年数:10ヶ月
過去の職歴:高校卒業後、配達業に約7年間従事(正社員)
これまでと今
高校を卒業後、運転が好きだったことから配達業を選んだ墨田さん。
当時は、「黙々と一人で仕事ができるのが自分に合ってると思っていました。実際、人と話すのは得意じゃなかったので…」と語るように、人との関わりを避けるような働き方を選んでいました。
しかし、ガソリン価格の高騰や会社の経営悪化が重なり、将来への不安が募っていきます。やがて退職を決意したとき、心に浮かんだのは、「このままでいいのかなって、ふと思ったんです。同時に、“人と関わる仕事”に挑戦してみたい気持ちも芽生えました」という想いでした。
ここで彼のキャリア観に大きな変化が訪れました。
現在の墨田さんは、自然豊かな介護施設で入居者の生活支援を担当しています。人見知りだった彼が、今では利用者さんとの交流を楽しみ、「聞き上手だね」と褒められるまでに成長しました。
かつては不安でいっぱいだった日々から一転、今は介護の仕事にやりがいを感じ、将来の目標も見据えるまでになっています。
働き始める前の状況と悩み
配達業を続けていた頃の墨田さんは、免許を活かして働けることに満足しつつも、将来を考える余裕はあまりありませんでした。そんな中、会社の経営悪化やガソリン代の高騰が重なり、次第に「この先ずっと続けられる仕事ではないかもしれない」と感じるようになります。
ふと頭に浮かんだのは「このまま苦手なことから逃げていていいのかな」という問いでした。これをきっかけに、これまで避けてきた人と関わる仕事への関心が芽生えます。
とはいえ、すぐに踏み出せたわけではありません。正社員の接客業に挑戦するには勇気が足りず、安定性や社会保険の有無といった条件面も気になっていました。
「自分にできる仕事なんてあるのか」と悩みながら、具体的な一歩を探していたのです。
転機と行動
そんな墨田さんの状況を大きく変えたのが、「派遣」という働き方との出会いでした。
「いきなり正社員はハードルが高いし、まずはアルバイトからでも…」と求人を探していたとき、たまたま目にしたのが派遣の求人でした。社会保険に加入でき、安定して働ける点に安心感を覚え、「まずは話を聞いてみよう」と思えたといいます。
WEBで派遣登録を行い、オンラインで面談を実施。最初は緊張の連続だったそうですが、担当者が真剣に話を聞き、背中を押してくれたことが大きな支えになりました。
「人と関わる仕事に挑戦したいという気持ちを、すごく応援してくれたことを今でも覚えています」
そのサポートが、挑戦への決意を固める大きなきっかけになったのです。
いくつか紹介された介護施設の中で、最終的に選んだのは、東京都の西部にある自然に囲まれた施設でした。
自宅からは少し距離がありましたが、「運転は苦じゃないし、見学に行ったときのゆったりした空気感やスタッフの雰囲気がとても良くて。利用者さんが穏やかに過ごしている様子を見て、“ここなら続けられるかもしれない”と思えたんです」と振り返ります。
また、複数の施設を見学して比較できたのは「派遣ならでは」だと実感したそうです。アルバイトや正社員では、自分で求人を探し、ひとつひとつ応募・面接を繰り返す必要があります。しかし派遣では、希望条件に合う施設をまとめて紹介してもらえ、さらに事前に見学できる。
「そのおかげで、自分に合った職場を納得して選べたのは大きかったです」と語ります。
現在の業務と働き方
現在、墨田さんは特別養護老人ホームで入居者の方々の生活支援を担当しています。食事や入浴、排泄の介助から、日常の会話やレクリエーションのサポートまで、入居者の暮らしに寄り添うことが日々の役割です。
1日の流れ
9:00 出勤・申し送り確認
出勤後は夜勤スタッフからの引き継ぎを受け、その日の入居者の体調や注意点を確認します。
9:30 入浴・排泄・移動の介助
午前中は入浴や排泄のサポート、車椅子への移乗など身体介助が中心。
12:00 昼食準備・サポート
配膳を行い、食事介助が必要な方を支援。嚥下の様子を観察したり、食欲が落ちている方には声をかけたりと細やかな気配りを大切にしています。
13:00 休憩
同僚と食事をしたり、施設の休憩室でゆっくり過ごしたりしてリフレッシュします。
14:00 レクリエーションや散歩の付き添い
午後はレクリエーションや軽い運動、散歩の付き添いを行います。入居者の方と会話を楽しみながら、心身のリフレッシュをサポートします。
15:30 おやつ・お話相手
おやつの時間には、会話を楽しむことも。
17:00 夕食準備・申し送り
夕食の準備やサポートを行い、記録をまとめて夜勤スタッフに引き継ぎます。
18:00 退勤
基本的に残業は少なく、定時で退勤。仕事後は趣味の時間を楽しみ、オンとオフを切り替えられています。
働き始めたばかりの頃は「最初は何をするにも時間がかかってしまって…」と苦労もあったといいます。それでも「先輩が一つずつ丁寧に教えてくれて、今は一人で任される仕事も増えてきました」と、着実な成長を実感しています。
体力的に大変な場面もありますが「利用者さんとのやり取りが楽しいので頑張れます」と笑顔を見せる墨田さん。
「自分の希望に合った環境を探してもらえるって大きいですね」と語るように、派遣ならではの柔軟性が自信にもつながっています。
働き方の変化 Before / After

Before(配達業 正社員時代)
仕事内容:免許を活かして配送業務に従事。黙々と一人でできる仕事を選び、人との関わりが少ない環境を望んでいた。
収入:ガソリン価格の高騰や会社の経営悪化が重なり、将来を見通せない状況に不安を抱えていた。
人間関係:人と話すのが苦手で、一人で完結できる仕事を選んでいた。ただ、将来のキャリアを考えたときに、苦手意識を克服したほうがいいのではと悩む気持ちもあった。
気持ちの変化:将来への漠然とした不安を抱え、「このままでいいのかな」と自問自答する日々。さらに「自分にできる仕事なんてあるのか」と悩み、人と関わる仕事に踏み出す勇気が持てなかった。
After(現在:介護職 派遣社員時代)
仕事内容:特別養護老人ホームで入居者の生活支援を担当。入浴や排泄、食事介助、レクリエーションの補助など幅広い業務に携わり、利用者やスタッフとの関わりも増えた。
収入:派遣社員として社会保険に加入し、収入は安定している。
人間関係:利用者との会話を楽しめるようになり、「聞き上手」と褒められる経験もあった。人と関わることへの苦手意識が少しずつ和らぎ、自信につながっている。
気持ちの変化:「自分にもできることがある」と実感できるようになり、自信を獲得。安心して挑戦できる環境に支えられ、今では自分に合った職場で働けていることを大きなメリットと感じている。
これからの目標・展望
墨田さんは現在の仕事を通じて得た経験と自信を胸に、少しずつ将来のことを考えるようになっています。
今はまだ「将来の夢って言えるほどではないけど」と謙遜しながらも、理学療法士の資格に興味を持ち始めたといいます。ただ、その資格を取得するためには学校に通い直す必要があるため、まずは学費を貯めながら、働きつつ準備を進めたいと考えています。
「いつか国家資格が取れたら、もっと医療に近い形でケアができたらいいな」と、まだぼんやりとした思いを抱いています。これからも働きながら、自分に合った進む道を少しずつ探していきたいと語ります。
派遣という働き方に対する認識も大きく変わりました。
以前は「正社員じゃないと不安」だと思っていたものの、実際に働いてみてその印象は変わり、「サポートがしっかりしているし、自分のペースで挑戦できる」と、そのメリットを実感しています。
「派遣を通して“自分でもできることがある”って気づけました」という言葉は、かつての不安を乗り越え、自己肯定感を育んだ証でもあります。これからも「無理せず、自分らしい働き方をしていきたい」と、自分のペースを大切にしながらキャリアを築いていきたいと考えています。
※本記事に登場するスタッフのお名前は仮名、写真はAIによるイメージ画像です。実際の取材内容に基づき構成しています。