就活の仕方も分からなかった僕が、派遣から踏み出し正社員として施工管理へ

高校卒業後、なかなか正社員としての道を見つけられず、アルバイト生活を続けていた小林航平さん(29歳)。
「このままでいいのか」と葛藤する日々のなかで出会ったのが、派遣という働き方でした。

施工管理補助として現場に立ち、経験を積んだ小林さんは、この春に正社員へ登用され、今では現場で責任ある仕事を任されています。
かつては遠く感じていたキャリアの道が、着実な一歩として形になりました。

彼が「派遣はキャリアの土台をつくる働き方」と語るまでの歩みには、同じように将来に迷う20代〜30代の人たちへのヒントが詰まっています。

プロフィール紹介 

お名前: 小林 航平(こばやし こうへい)さん

年齢: 29歳

現在の職種: 施工管理(正社員)

勤務先: 都内ゼネコン系列の建設現場

勤務年数: 派遣社員として1年9ヶ月勤務後、正社員登用が決定

これまでの職歴: スーパーやコンビニなど、アルバイトや契約社員を経験


これまでと今

高校を卒業後、小林さんは学校の紹介で契約社員として働き始めました。
しかし、職場の環境になじめず、わずか3ヶ月で退職することに。

その後は就職活動を続けながら、一旦アルバイトで働くことにしました。しかし就活のやり方も分からず、応募してもうまくいかず、そのままアルバイト生活が数年続いてしまったといいます。

「高卒で短期に離職してしまって、スキルも資格もないので、正社員としての働き口が見つかりにくいという現実にぶつかっていました」と振り返る小林さん。年齢を重ねるにつれて「このままでいいのか」と「自分に向いている仕事が分からない」という葛藤が強まり、つらかったといいます。 

そんな小林さんが今では、正社員として安定したキャリアを歩み始めています。
かつては自分に向いている仕事が分からない状態でしたが、今では「今日も現場で学べるぞ」という前向きな気持ちに変わり、毎日現場に向かうのが苦ではなくなったといいます。


働き始める前の状況と悩み

高校卒業後、最初に就いた契約社員の職場を3ヶ月で退職した小林さん。
その後はコンビニでアルバイトをしながら正社員を目指して就職活動を続けていました。

しかし、職務経歴書の書き方すら分からず、相談できる人もいない。 
「何から始めたらいいのかも分からず、とりあえず応募しては不合格ばかりでした」と振り返ります。 

自分がやりたいことも見えないまま、やみくもに応募を繰り返す日々。 
正社員として就職することが、どんどん遠く感じられていったといいます。 

さらに周囲を見渡すと、高校を卒業して就職した友人は仕事を続け、進学した友人たちはそれぞれに目標や将来の夢を持って歩んでいる。
そんな中で「自分だけが追いつけていない」という疎外感が強まり、焦りや不安が積み重なっていったそうです。


転機と行動

そんな状況の中、小林さんに転機が訪れます。
きっかけは、参加した職業相談会でした。そこで初めて「正社員・契約社員・アルバイト」以外の働き方があることを知ったのです。

個人事業主として働く方法や、派遣社員という雇用形態の仕組みについて説明を受けました。
「派遣は契約社員と同じく有期だけど、自分に向いている仕事の相談ができたり、働くうえでサポートを受けられる」という話を聞き、興味を持ったといいます。

その後、偶然求人サイトで「未経験OK・施工管理補助」という文字を目にした小林さん。
「ものづくりに関われる仕事ってかっこいいな」と感じ、詳しく調べるうちに、その求人の雇用形態が派遣であることが分かりました。

施工管理という専門職に挑戦してみたいという思いはあったものの、いきなり正社員で応募するのは「ハードルが高い」と感じていた小林さんにとって、「派遣なら自分に合っているかも確かめられる。ちょうどいいスタートの仕方だ」と思えたといいます。

実際に派遣の登録会に足を運んだ際には、「建設業界って厳しそう」という不安も正直あったそうです。
しかし担当者から「未経験からスタートした人もたくさんいますよ」と声をかけてもらい、「気持ちが前向きになりました。とにかく飛び込んでみよう」と決意したと話してくれました。


現在の業務と働き方

小林さんの現在の主な仕事は、現場監督(施工管理)の補助業務です。具体的には、工程管理や安全確認、職人さんとのやりとり、図面のチェックなどを担当しています。

1日の流れ

8:00 現場集合・朝礼
現場に集合し、作業員や社員と一緒に朝礼を行う。その日の作業内容や注意事項を共有し、全員で安全確認を行う。

8:30 作業開始/現場巡回・写真撮影・記録
現場を巡回しながら作業の様子を確認。必要に応じて進捗を写真で記録し、作業が計画通りに進んでいるかをチェックする。

10:00 休憩
職人さんと一緒に休憩を取り、作業の合間にコミュニケーションを取る。

10:30 進捗チェック・打ち合わせ
社員や職人さんと進捗状況を確認。必要に応じて工程の調整や追加資材の確認を行う。

12:00 昼休憩
同僚や職人さんと昼食。現場近くの飲食店に行くこともあれば、休憩スペースで一緒に食事を取ることもある。

13:00 午後作業のフォロー・工程調整
午後は再び現場を巡回し、作業がスムーズに進んでいるかをチェック。作業の優先度を見直したり、必要に応じて職人さんに指示を出す。

16:30 翌日の準備・職人さんとのやりとり
翌日の作業に必要な段取りを確認。職人さんと工程や資材の確認をし、次の日の準備を整える。

17:00 日報記入・退勤
1日の作業内容や進捗を日報にまとめる。安全確認を終え、現場を後にする。

「建物が少しずつ完成していく過程を間近で見られるのが面白いですね。この現場に自分も関わっているんだと思える瞬間には、大きな感動があります」と小林さんは語ります。
業界の専門用語が分かるようになり、職人さんとの会話や業務の遂行もスムーズになったことで「自分の成長を実感できる」とも話してくれました。

そんな中、現場での努力が認められ、会社から正社員登用の声をかけてもらった小林さん。面接を経て、この春に正社員へ登用され、現場で働き続けています。

「当時は就活のやり方も分からず、正社員になる道は遠いものだと感じていました。でも実際に現場で働き、身近で頑張りを見てもらえたからこそ、正社員になることができたんです。派遣から始められたからこそ、ここまで来られたんだと思います」と、振り返りながら笑顔を見せました。


働き方の変化 Before/After

Before(アルバイト時代)

就職活動:職務経歴書の書き方すら分からず、やみくもに応募しては不合格ばかりで自信を失っていた。

気持ち:年齢を重ねるにつれて「このままでいいのか」という不安と、「自分に向いている仕事が分からない」という葛藤が募っていた。

周囲との比較:同級生が就職や進学で前に進む中、自分だけが取り残されているような疎外感を強く感じていた。

キャリア観:正社員になることは高いハードルに思え、将来の姿を描けずにいた。

After(派遣スタッフとして)

就職活動:派遣という仕組みを知り、未経験でも挑戦できる道を選んだことで、現場で経験を積むチャンスを得られた。

気持ち:施工管理補助として現場に関わる中で、「今日も学べるぞ」と前向きに働けるようになり、自信もついてきた。

周囲との比較:台風後の現場対応を任され「もう一人前だな」と声をかけてもらえた経験を経て、自分もキャリアを築いていると実感できるようになった。

キャリア観:派遣での経験が評価され、正社員登用が決定。今では施工管理技士の資格取得を目指し、具体的な将来像を描けるようになった。


これからの目標・展望

今後のキャリアプランについて小林さんは、「まずは正社員として現場経験を積みながら、将来的には一つの現場を任される施工管理技士になりたいです」と明確な目標を語ってくれました。現在は、その目標達成のために資格取得に向けて勉強を続けています。

派遣での経験については「キャリアの土台をつくる働き方として、とても良い選択だったと思います」と話します。さらに「自分のように未経験で不安を感じている人ほど、まずは派遣で現場経験を積む道をおすすめしたいです」と、自身の経験を踏まえたメッセージを寄せてくれました。

最後に、大切にしている価値観について尋ねると、「地道にやり続けることです」と小林さん。「華やかじゃなくても、毎日コツコツやることで信頼は積み上がっていく。それをこの仕事を通じて学びました。今後も、努力を続ける姿勢を大切にしていきたいです」と力強く語ってくれました。

※本記事に登場するスタッフのお名前は仮名、写真はAIによるイメージ画像です。実際の取材内容に基づき構成しています。