大学中退→事業失敗。それでも派遣から広がった大手商社での正社員への道

大学を中退後、友人と起業に挑戦したものの思うように収入を得られず、飲食店でのアルバイトを掛け持ちする日々を送っていた藤井大和さん(28歳)。

事業を畳んだ後も、安定しないアルバイト生活に「このままでいいのか」と漠然とした不安を抱えていました。

そんな藤井さんが選んだのは、派遣という働き方。
携帯販売スタッフとして経験を積み、正社員へとキャリアをつなげた今、藤井さんは「派遣だからこそ広がった未来がある」と語ります。

プロフィール紹介

お名前: 藤井 大和(ふじい やまと)さん

年齢: 28歳

現在の職種:スーパーバイザー(正社員)

勤務先: 大手商社が運営する家電量販店スマホコーナー

勤務年数: 派遣スタッフとして約2年勤務後、正社員登用され現在2年目

これまでの職歴: 大学中退後、友人と起業(約2年間) → 飲食店アルバイト → 携帯販売スタッフ(派遣社員から正社員転籍)


これまでと今

大学を中退後、藤井大和さん(28歳)は友人と起業に挑戦しました。最初は夢を追いかけるような気持ちで取り組みましたが、収入が安定せず、飲食店でのアルバイトを掛け持ちしながら事業を続ける日々が続きました。最終的にはコロナ禍の影響もあり、事業を畳むことになりました。

その後、急ぎで収入が必要だった藤井さんは、1社目の派遣会社に登録。携帯ショップに就業しますが、契約内容と実際の勤務に違いがあり、わずか3か月で退職。

気持ちを切り替えて別の派遣会社に登録し、大手商社が運営する家電量販店のスマホコーナーで働き始めました。

「まさか派遣でこんな大手企業に入れるとは思っていなかった」と振り返る藤井さん。

派遣スタッフとして評価を積み重ねた結果、入社2年で正社員登用され、現在は複数店舗を管理するスーパーバイザーとして活躍しています。


働き始める前の状況と悩み

大学を中退した藤井さんは、友人と共に起業に挑戦しました。最初は「自分たちならなんとかなる」という思いで取り組みましたが、思うように収入は得られず、飲食店でアルバイトを掛け持ちしながら事業を続ける日々。

体力的にも精神的にも追い込まれ、2年後にはコロナ禍の影響もあり事業を畳むことになりました。

実家に戻った後は急ぎで収入が必要だったため、派遣会社に登録し、深く考える余裕もなく最初に紹介された携帯ショップで働き始めました。

しかし、契約内容と実際の勤務に大きな違いがあるなど違和感を覚え、派遣会社に相談したものの改善に動いてくれなかったため、わずか3か月で退職せざるを得なかったといいます。

退職後も「大学も中退しているし、起業も失敗した。派遣の仕事ですら続けられないのではないか」そんな思いが募り、将来に対する不安や焦りは強まるばかりでした。

職歴もスキルもなく、転職市場で戦える自信もない。しかも、アルバイトや夜勤で得ていた収入を下回る求人が多く、生活の見通しも立ちませんでした。

「自分は社会で通用しないのでは」という閉塞感のなかで、それでも前に進むための一歩を模索していたのが、当時の藤井さんの姿でした。


転機と行動

失敗に終わった派遣1社目の経験から、「もう二度と同じ思いはしたくない」と強く感じていた藤井さん。

それでも収入は必要で、働く場所を探さなければならない状況でした。悩んだ末に選んだのは、上場していて信頼性のある派遣会社への登録でした。

登録面談では、これまでの不安や要望を丁寧に聞き取ってくれたといいます。
「前の派遣会社では相談しても何も変わらなかった。でも今回は、自分の悩みにしっかり向き合ってくれて安心できました」と振り返ります。

そこで紹介されたのが、大手商社が運営する家電量販店のスマホコーナーでした。
「派遣でこんな大手企業に入れるなんて思ってもみなかった」と驚いた藤井さん。勤務地も通いやすく、労務管理も徹底され、有休消化や残業の管理がしっかりしている環境。正社員登用にも積極的で、安心して働ける職場でした。

さらに、持ち前のコミュニケーション力を活かして契約件数で表彰を受けるまでに成長。現場での評価も高まり、時給アップという形でも評価が返ってきました。

「派遣だからこそ出会えた環境が、自分のキャリアを前向きに考え直す大きなきっかけになった」と藤井さんは語ります。


現在の業務と働き方

現在、藤井さんは正社員として複数店舗を統括するスーパーバイザーを任されています。
スタッフの育成や店舗の売上管理、家電量販店側との会議対応など、マネジメント業務が中心です。繁忙期には自ら現場に入り、接客や契約手続きのサポートも行います。

「派遣から始めたからこそ、現場の大変さも分かります。だからこそスタッフの声をしっかり受け止められると思っています」と藤井さんは話します。

1日の流れ

9:30 出勤・メールチェック
担当店舗からの報告や本社からの連絡を確認。日中のスケジュールを整理する。

10:00 店舗巡回・スタッフ面談
担当店舗を訪問し、スタッフと面談。販売状況や勤務環境、困りごとをヒアリングする。

12:00 昼休憩
外出先で昼食を取りながら、午後の会議資料を確認。

13:00 量販店側との打ち合わせ
店舗責任者と売場の課題やキャンペーン施策について打ち合わせ。配置や販売戦略を調整する。

15:00 社内会議・資料作成
本社や派遣会社との定例会議。各店舗の売上やスタッフの状況を共有し、改善策を検討。必要に応じて報告資料を作成する。

17:00 繁忙期の現場サポート
キャンペーン時期や新機種発売時には店舗に入り、接客や契約手続きを直接サポート。

18:30 日報作成・退勤
各店舗の進捗をまとめて本社へ報告。翌日の予定を整理して業務終了。


働き方の変化 Before / After

Before(アルバイト・起業時代)

生活の安定:アルバイトや不安定な事業収入に頼り、先の見通しが立たなかった。

仕事への意識:目の前の収入を得ることに必死で、キャリアとして積み上がるものがなかった。

精神状態:学歴も経験もなく、短期離職をしてしまい「このままでは将来どうなるのか」と漠然とした不安を抱えていた。

自己肯定感:大学中退や起業の失敗が重なり、「自分には強みがないのでは」と自信を失っていた。

After(派遣スタッフとして)

生活の安定:派遣先は大手商社の運営する量販店。シフト管理や残業の徹底、有休取得も整い、安心して働ける環境を手に入れた。

仕事への意識:携帯販売を通じて「どうすればお客様に喜んでもらえるか」を考え、主体的に働けるようになった。

精神状態:契約件数で表彰されるなど成果が評価され、正社員登用の声もかかり、自信を持てるようになった。

自己肯定感:派遣でも成果を積み上げられることを実感し、「派遣を選んだからこそ正社員になれた」と前向きに捉えられるようになった。


これからの目標・展望

正社員としてスーパーバイザーの役割を任されるようになった今、藤井さんは「さらに経験を積んで、より大きな組織を支える立場に挑戦したい」と考えています。複数店舗の統括やスタッフ育成を通じて学んだマネジメント力を磨き、本社でのキャリアにもつなげていきたいと語ります。

そのうえで、将来の具体的な目標は「派遣会社からスタッフを受け入れる側の“派遣窓口担当”として、現場を支える立場に挑戦すること」。

「派遣からキャリアを積んできた自分だからこそ、働く人の気持ちに寄り添える。今度は受け入れる側として、一緒に可能性を広げていける存在になりたい」と力強く話します。

※本記事に登場するスタッフのお名前は仮名、写真はAIによるイメージ画像です。実際の取材内容に基づき構成しています。