変わりたい、その一歩を踏み出す勇気。派遣ではじめた携帯販売で、自分らしいキャリアを見つけるまで

漠然とした不安を抱えながら、日々の仕事に追われるだけだった過去。そんな働き方から抜け出し、「誰かの役に立てている」と実感しながら自信を持って働く今。

佐藤翼さんは、派遣という働き方を選んだことで、自身のキャリアと人生に大きな変化をもたらしました。 

過去の悩み、そして一歩踏み出す勇気。派遣という働き方でどのように変わり、未来への希望を見出したのか。等身大の言葉で語ってくれた佐藤さんのストーリーは、まさに今、自身のキャリアについて考え、転職に悩む多くの読者にとって、新しい一歩を踏み出すためのヒントになるはずです。 

プロフィール紹介 

お名前:佐藤 翼さん

年齢:28歳 

現在の職種:携帯販売スタッフ

勤務先:某大手家電量販店 携帯キャリアカウンター

勤務年数:4年 

過去の職歴:飲食店アルバイト(約3年)、物流倉庫の契約社員(約2年) 


これまでと今

高校を卒業してすぐに、地元の飲食店でアルバイトを始めた佐藤さん。最初は「気楽で、とりあえず今が楽しければいい」という感覚だったそうですが、気がつけば3年が経過。

このままではまずいと焦りを感じ、物流倉庫の契約社員に転職しました。しかし、そこでの仕事は「単純作業の毎日で、やりがいはあまり感じられませんでした」と振り返ります。 

当時の働き方には、「常にこの先どうなるんだろう?という漠然とした不安がつきまとっていた」と言います。契約が終わるたびに次の仕事を探す生活に「正直、精神的にも疲れていました」。周りの友人たちが正社員になって安定した生活を送る中、自分だけが取り残されているような感覚があったそうです。 

そんな過去を経て、現在は家電量販店の携帯キャリアカウンターで、お客様の機種変更や新規契約などを担当しています。スマホや通信回線、端末補償など、覚えることは多いものの、「その分やりがいも大きい」と感じています。

仕事のやりがいを感じる瞬間は、お客様から「ありがとう」「説明がわかりやすかった」と言ってもらえたとき。お客様の悩みを解決し、自分の提案で誰かの役に立てたと実感できることに喜びを感じているそうです。

過去の流されるような働き方から、「誰かのためになれている」という実感を得られる働き方へと変化したことが伺えます。 


働き始める前の状況と悩み

派遣で働く前、佐藤さんは仕事や生活に対して深い不安を抱えていました。特に、収入面では月によってバラつきがあり、ボーナスなんてもちろんない状況。家賃と光熱費を払うと手元に残るお金はわずかで、「旅行や外食も躊躇する生活でした」と当時の苦労を語ります。 

キャリアや働き方についても、「正社員は”安定”、派遣は”不安定”。そんな単純なイメージしかありませんでした」と話します。

「自分には正社員は無理だと思い込んでいたので、最初から諦めていた部分もあったかもしれません」とのこと。漠然とした将来への不安と現状を変えたいという思いを抱えながらも、どうすれば良いか分からない状況だったようです。 


転機と行動

そんな佐藤さんに転機が訪れたのは、求人サイトを見ていたときでした。たまたま「未経験歓迎」・「高時給」の文字に惹かれて応募したのが携帯販売の仕事だったようです。

それまで販売の経験もなく、スマホの仕組みもよく分かっていなかったそうですが、やったことのない仕事に挑戦することも自分を変えるきっかけになるかもしれないと思い、一歩踏み出してみた、と言います。 

派遣で働く決断には、「不安はめちゃくちゃありました(笑)特に、職場に馴染めるのか、接客がうまくできるのか、不安しかなかったです」とのこと。

しかし、登録面談時に対応してくれたコーディネーターの言葉に救われたと言います。「親身になって話を聞いてくれて、『無理に背伸びしなくてもいいですよ、合わなければ別の現場も紹介できます』と言われて、気持ちが軽くなったのを覚えています」。

このサポートが、派遣として働くことを決める大きな後押しとなったようです。 


現在の業務と働き方

現在、佐藤さんが勤務するのは家電量販店の携帯キャリアカウンター。主な仕事内容は、お客様のスマホの機種変更、新規契約、料金プランの見直しなどです。多岐にわたる業務に必要な知識は多く、「スマホの知識だけでなく、通信回線や端末補償など、覚えることはたくさんあります」とのこと。 

仕事のやりがいについては、やはりお客様からの反応が大きいと言います。

「やっぱり、お客様からありがとう、説明がわかりやすかったと言ってもらえたときが一番うれしいですね。お客様の悩みを解決し、自分の提案で誰かの役に立てたと実感できることが、日々のモチベーションにつながっています」。 

もちろん、大変なこともあるようです。

料金プランや制度が頻繁に変更されるため、常に情報をアップデートし続ける必要があるので、少しでも気を抜くと、説明にミスが出てしまうことも。そのため、「毎日のミーティングや勉強会を通じて自分を鍛えるのが大事だと思っています」と、常に学び続けることの重要性を語ってくれました。 

印象的なエピソードとして、スマホの使い方が分からず困っていたご年配のお客様を1時間近くサポートした出来事を挙げてくれました。後日、そのお客様がご友人を連れて再来店し、『この前のお兄さんいますか? あなたのおかげで孫にLINEができました』と笑顔で感謝してくれ、ご友人のスマホ契約もお兄さんにお願いしたいですと、ご紹介してくださった時が本当にうれしかったそうです。

■1日の流れ

9:30 出社・朝の準備・朝礼参加
開店前に出社し、まずはメールチェックやその日の予約状況・タスクの確認を行います。開店準備としてカウンターや展示スペースの清掃・整備を済ませた後、10時前には店舗全体で朝礼を実施。当日のキャンペーン情報や連絡事項を全員で共有します。

10:00 開店・接客業務スタート
開店と同時に、カウンター業務が本格スタート。新規契約、機種変更、料金プランの見直し、オプションサービスの案内など、多様なお客様対応を行います。お客様一人ひとりのニーズを丁寧にヒアリングし、最適な提案を心がけます。

12:00 休憩(交代制)
混雑状況を見ながら、スタッフ同士で交代して昼休憩を取ります。お昼ご飯は家電量販店に社員食堂があるのでそこで食べることが多いです。

13:00 事務処理・在庫確認・接客対応
午後は引き続きカウンターでの対応がメインですが、合間には端末在庫の確認、申込書の処理、不備チェック、キャリアとの連絡など、バックオフィス業務もこなします。

17:00 ピークタイム対応
会社帰りのお客様が増え始める時間帯。待ち時間の調整やスムーズな受付対応に注力しながら、忙しい中でも一人ひとりに丁寧な対応を続けます。新規のお客様に加え、不具合や設定に関するご相談も多くなります。

18:30 日報作成・退勤
お店は21時までなので、遅番のスタッフに情報共有を行い、日報を作成し業務終了。明日の業務を確認し、着替えて退勤します。


働き方の変化 Before / After

Before(仕事を探していた時期) 

  • 仕事内容: 飲食店アルバイト、物流倉庫の契約社員。単純作業が多く、やりがいを感じにくい。 
  • 収入: 月によってバラつきがあり不安定。ボーナスなし。 
  • キャリア観: 正社員は安定、派遣は不安定という単純なイメージ。正社員は無理だと諦めていた。 
  • 気持ち: 「この先どうなるんだろう」という漠然とした不安。契約終了ごとの仕事探しで精神的に疲弊。周りと比較し取り残され感。何をやっても中途半端だと思っていた。 
  • 生活: 収入が少なく、家賃・光熱費を払うと手元に残らず、旅行や外食を躊躇。休日も不安。 

After(携帯販売スタッフとして働き始めてから) 

  • 仕事内容: 携帯販売スタッフ。お客様対応、知識習得、提案など。お客様の役に立てることにやりがいを感じる。 
  • 収入: 安定した収入を得られるようになった。将来の貯金や自己投資ができるようになった。 
  • キャリア観: 派遣は「挑戦の入り口」「自分のキャリアの大事な土台」という認識に変化。 
  • 気持ち: 「自信がつきました」。派遣で成功体験を積めた。毎日「誰かのためになれている」と思えることがモチベーションに。心の余裕が生まれた。 
  • 生活: 収入が安定し、友人と過ごしたり旅行に行ったりできるようになった。生活リズムが整った。 

これからの目標・展望

派遣という働き方を経験し、大きく成長できたと感じている佐藤さん。今後のキャリアについても明確な目標を持っています。 

「今の職場でさらにスキルを磨いて、将来的には店舗マネージャーや新人育成に携わるポジションを目指したいと思っています。単にお客様対応をするだけでなく、もっと広い視野で仕事を見て、後輩の支えになれる存在になりたいと考えています」と、着実にステップアップしていく意欲を見せています。 

派遣という働き方に対する印象も、大きく変わりました。

”不安定”というイメージから、”挑戦の入り口”という印象に変わりました。最初は通過点だったはずが、今では自分のキャリアの大事な土台です」と言い切ります。そして、「あのとき、派遣を選んでいなかったら、今の自分はいなかったと思います」と、派遣という選択が自身の成長にとって不可欠だったことを強調しました。 

佐藤さんが大切にしたい働き方や価値観は、「安心できる環境で、しっかり成長できること」。無理に背伸びするのではなく、等身大の自分で一歩ずつ進んでいける働き方が、自分には一番合っていると感じたと言います。

自身のペースで着実に成長し、誰かの役に立つ喜びを感じられる働き方が、佐藤さんにとっての理想のキャリア像のようです。 


おわりに

過去の不安を乗り越え、派遣での挑戦を通じて自身の可能性を広げた佐藤さん。その経験は、まさに今、自身のキャリアに悩んでいる方々にとって、大きな勇気となるのではないでしょうか。

派遣という働き方が、単なる一時的なものではなく、自分を変えるための「挑戦の入り口」となり、確かなキャリアの土台となり得ることを、佐藤さんのストーリーは教えてくれます。

もし今、「今の自分にできることって何だろう?」と立ち止まっているなら、まずは小さくても一歩踏み出してみること。その一歩が、あなたの未来を大きく変えるかもしれません。

※本記事に登場するスタッフのお名前は仮名、写真はAIによるイメージ画像です。実際の取材内容に基づき構成しています。