派遣禁止業務とは?禁止されている事例や理由など解説

派遣で仕事を探している方の中には、派遣禁止業務について知らない方は少なくありません。

派遣禁止業務ではないかと疑問に感じたら、社労士や弁護士などに速やかに相談することも重要です。

ここでは、派遣禁止業務についてや禁止されている事例、理由などについて解説していますので、仕事を探すうえで知っておくようにしましょう。

派遣禁止業務のご相談はウィルオブまで
派遣禁止業務は、建設業や警備業、紙業など派遣に不向きなことが理由で禁止されている仕事のことを言います。

ウィルオブでは、派遣禁止業務に違反しない仕事の紹介をおこなっているとともに、派遣禁止業務に関する相談にも対応しています。ぜひ一度ご連絡ください。 >>相談・登録はこちら

派遣禁止業務とは

はじめに派遣禁止業務とは、労働者派遣法で定められた派遣できない仕事のことを言います。

主に以下の業務が該当し、違反すると派遣会社に罰則が科されます。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 医療関連業務
  • 士業

これらが該当する理由は、専門性や危険性また労働者の雇用安定性などの観点から派遣に不向きとされているからです。

禁止されている事例

ここからは、実際に禁止されている事例を5つの業種別に解説し、プラスで労働者派遣法で定められている禁止事項も解説します。

また、業種別の禁止事項に関しては、厚生労働省でも開示していますので「労働派遣事業を行うことができない企業は・・・」をご覧ください。

建設業

建設業とは、元請けや下請けなど立場を問わずに建築物や土木工作物、インフラの完成を請け負う営業のことを言います。

そして建設業は、国民の暮らしを支える人々の生活に不可欠な社会基盤を建築する重要な業種です。

管理の複雑化に伴う品質の低下や安全性の担保などの弊害を解決するため、一括下請負禁止といった対策をおこなっています。

建設業務の派遣が禁止されている理由は、労働者の安全や雇用を守るためです。

禁止されている業務は具体的には以下の通りです。

  • ビルや家屋などの建築現場の資材運搬と組み立て
  • 道路や河川、鉄道などの工事現場での埋め立てと資材運搬
  • 壁や天井などの塗装と補修
  • 工事後の現場整理と清掃
  • 大型の仮設テントや大型の仮設舞台の設置
  • プレハブなどの仮設住宅の組み立て  など

上記の準備作業についても派遣禁止業務となっているので注意してください。

港湾運送業

港湾運送業務とは、貨物の積み込みや荷下ろし、梱包など現場作業全般のことを言います。

港湾運送業は、もともと日雇い労働者や公共職業安定所に登録して雇用調整制度が設けられていて、その適切な運用を守るために派遣禁止業務とされています。

禁止されている具体例は以下の通りです。

  • 船舶の上で貨物を移動し固定させる仕事
  • 船舶や湾岸における貨物の積み下ろしスペースの清掃
  • 港湾の倉庫の中で貨物の荷解きや仕分けをする作業  など

現場で直接従事することは禁止業務ですが、事務業務やトラックの運転など現場外での業務は禁止業務とはならないです。

警備業

警備業は、警備業務の適正な遂行を求められていることや指揮監督の必要性があるなどが理由で禁止業務として指定されているのです。

具体的には、以下の行為が禁止されています。

  • イベントの会場や遊技場などの入り口での手荷物の検査
  • 事故の発生を防止することや警戒することを目的に不審者への注意喚起や質問
  • 貴重品や金品などの運搬しているときにおける監視
  • 防犯の通販に対する待機業務
  • 当直や夜間窓口などの時間帯に警備を目的に常駐する業務  など

医療関連業

医療関連業は、派遣事業ではチームとして連携して医療行為をおこなうことが難しいと考えられているため禁止されています。

しかし、病院での配膳業務や社会福祉施設での看護師業務などについては派遣禁止業務に該当しません。

派遣が禁止されている資格者は以下の通りです。

  • 医師および歯科医師
  • 薬剤師
  • 保健師
  • 助産師
  • 歯科衛生士
  • 歯科技工士
  • 看護師および准看護師
  • 診療放射線技士
  • 臨床検査技師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 義肢装具士
  • 救急救命士
  • 言語聴覚士  など

また、病院や診療所などでの専門職務も派遣が禁止されています。

しかし、産前や産後、育児や介護の休暇中の代替え要員や紹介予定派遣などは例外的に認められています。

士業

弁護士や社会保険労務士など「士」の付く仕事も、派遣禁止業務に該当します。

業務委託に基づいて独自の権限で業務をおこなう仕事で、派遣先企業の指揮命令に従うという性質になじまないことが理由です。

以下の士業が派遣の禁止業務となっています。

  • 弁護士
  • 公認会計士 
  • 税理士  など

日雇い派遣

日雇い派遣の定義は、日々または30日以内の期間を定めて雇用されるものとなっており、労働者派遣法において原則禁止とされています。

しかし、政令で定める業務についての派遣や特定条件に該当するなど例外があることや単発バイトはOKです。

日雇いについてや単発バイトとの違いについてくわしく知りたい方は「日雇い派遣の基礎知識!働き方の特徴や安心して働くコツなど解説」の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

二重派遣

二重派遣とは、人材派遣会社から派遣された労働者を、派遣先企業が別の企業などに、派遣先以外の指揮命令によって働かせることです。

この派遣方法は、労働者派遣法によって禁止されています。

二重派遣とは?該当する行為や禁止されている理由など解説」でくわしく解説していますので、ぜひご覧ください。

その他

そのほか、離職労働者の1年以内の受け入れや派遣先企業が派遣スタッフを特定する行為、3年越えの派遣受け入れの3つの行為も労働者派遣法によって禁止されています。

派遣禁止業務がある理由

派遣禁止業務がある理由は、主に職務内容が危険であることや専門的であること、派遣を認めると雇用が安定しないがあげられます。

派遣事業の規制緩和が進み、派遣業務の自由化が進められているのですが、それでもまだ一定の業種について禁止されているのです。

例外業務

以下6つは、派遣禁止業務の例外となります。

  • 建設業の中でも現場作業でない事務や設計、施工管理やCADオペレーターなど
  • 港湾内の事務所での事務や保守メンテナンス業務、事務所と作業場間の連絡業務など
  • 医療関連業務の紹介予定派遣
  • 医療関連業務の産前産後や介護、育児休暇中の労働者の代替え業務
  • へきちにある病院などでの医療関連業務
  • 士業の一部業務

上記は例外となるので、派遣事業を行ってもよい業務なので把握しておきましょう。

違反したときの罰則

ここからは、実際に派遣禁止業務に違反したときの罰則を解説します。

労働者は直接的には罰則はありませんが、派遣禁止業務を把握するうえで知っておきましょう。

1年以下の懲役あるいは100万円以下の罰金

派遣先企業への派遣がおこなわれた際には、労働者派遣法違反となるため、派遣元企業に1年以下の懲役や100万円以下の罰金が科されます。

是正勧告

派遣先企業は懲役や罰金はありませんが、是正勧告を受けてそれに従わなければ企業の名前が公表されてしまうといったペナルティがあります。

労働契約申し込みみなし制度の適用

派遣元企業へは、是正勧告だけでなく労働契約申し込みみなし制度の適用の罰則もあります。

労働契約申し込みみなし制度とは、派遣先企業が労働者に対して直接雇用を申し込んだとみなす制度です。

以下の違法派遣も労働契約申し込みみなし制度の対象となります。

  • 派遣労働者を禁止業務で働かせる
  • 無許可の事業主からの派遣スタッフ受け入れ
  • 事務所単位で期間制限を超えた派遣スタッフの受け入れ
  • 個人単位で期間制限を超えた派遣スタッフの受け入れ
  • 偽装請負 など

期間制限に関しては、見落とされやすいので気づかれないまま適用されてしまうこともあるので注意しましょう。

迷った時の相談先

派遣禁止業務なのか判断に迷ったときは、社労士や弁護士もしくは派遣会社に相談しましょう。

社労士や弁護士への相談は相談料が発生しますが、専門家のアドバイスを受けることによってより適切な対応をとることができます。

また、派遣会社への相談は無料ですので、派遣会社に利用登録している方は特に派遣会社への相談もおすすめです。

よくある質問

ここからは派遣禁止業務に関するよくある質問を紹介します。

派遣禁止業務はなぜあるのですか?

派遣禁止業務がある理由は、職務内容が危険であることや専門的であること、派遣を認めると雇用が安定しないことです。

くわしくは「派遣禁止業務がある理由」で解説していますので、ぜひご覧ください。

派遣禁止業務に違反してしまったらどうなりますか?

派遣禁止業務に違反してしまったら、派遣元には1年以下の懲役や100万円以下の罰金が科されます。

また、派遣先企業には是正勧告が下されて従わなければ企業名が公表されたり、労働契約申し込みみなし制度が適用されたりします。

くわしくは「違反したときの罰則」で解説しています。

まとめ

この記事では、派遣禁止業務が禁止されている事例や理由、迷った時の相談先などについて解説してきました。

派遣禁止業務は、派遣を認めることで雇用が安定しないことや職務内容が危険であることなどが理由で禁止されています。

もし派遣禁止業務かもと感じたら、社労士や弁護士、派遣会社へ相談することもおすすめです。

派遣禁止業務について正しく理解して、安心して仕事探しを進めましょう。

派遣禁止業務について知りたい方はウィルオブまでご相談ください
派遣禁止業務は、派遣を認めることで雇用が安定しないことや職務内容が危険であることが理由で存在しています。それを違反すると、派遣元企業には懲役や罰金、派遣先には是正勧告といった罰則が科されます。

ウィルオブでは、派遣禁止業務に違反しない仕事の紹介をおこなっているだけでなく、派遣禁止業務の相談も承っておりますので、ぜひ一度ご連絡ください。 >>相談・登録はこちら