CCNAは難しすぎる?難易度や合格率、取得するメリットを徹底解説!

  • はてブ

「CCNAってどんな試験なの?難易度はどのくらい?」「CCNAの合格率は低い?」などの疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

CCNAはネットワークエンジニアの入門資格に位置づけられています。今回は、CCNAの難易度や取得するメリット、合格率を上げるためのポイントなどについて詳しくご紹介します。



CCNAはネットワークエンジニアに適した資格

CCNAとは、世界最大のネットワーク関連機器メーカー「シスコシステムズ社」が行っている認定試験のひとつです。

同社の認定試験は4段階に分けられており、CCNAのレベルは下から2番目のアソシエイト向けに該当します。「これからネットワークの仕事を始める」「ネットワークの仕事に就いたばかり」といった、初級ネットワークエンジニアの方に適しています

なお、試験概要は以下のとおりです。

試験時間 試験方式 出題数 出題内容と割合
120分 オンライン受講 約100問 ・ネットワークの基礎:20% 
・ネットワークアクセス:20%
・IP接続:25%
・IPサービス:10%
・セキュリティの基礎:15%
・自動化とプログラマビリティ:10%

試験概要は定期的に変更されることがあるので、受験を検討している方は公式サイトを確認するようにしましょう。

※参考:CISCO:CCNAの概要

CCNAの難易度と合格率とは?必要な勉強時間もチェック

次に、CCNAの難易度とご合格率についてご紹介します。

CCNAの難易度は初級程度

CCNAは、初級ネットワークエンジニア向けの試験です。経済産業省認定が定めるITスキル標準ではレベル2に相当し、一見するとさほど難易度が高くないように見えるかもしれません。

しかし、公式サイトでは推奨条件として「シスコソリューションの導入と管理の経験が 1 年以上」を指定しています。シスコ関連製品の知識がなかったり、実際に利用した経験がなかったりすると、合格のハードルは高いといえるでしょう。

CCNAの合格率は25~30%とやや低め

CCNAの合格点の目安は、1000点満点中800~900点です。試験開始前のアンケートに答えると300点が加算されるため、実質は500~600点が合格の目安になります。

ただ、合格率は25〜30%と低めのため、合格を目指すためにはしっかりと勉強して準備する必要があります。

CCNA合格に必要な勉強時間は約150~200時間

CCNAはネットワークエンジニアの入門資格といえど、合格するためにはある程度の勉強時間を確保する必要があります。

特に、エンジニア経験が浅い方は180~200時間程度の勉強時間が必要な場合もあります。一方、すでにネットワークエンジニアとして経験を積んでいるのであれば、100~140時間程度の勉強時間が目安といわれています。

ただ、エンジニア経験の長さに関わらず、働きながら勉強することは想像以上にハードです。スケジュールには余裕を持ち、勉強時間を確保すると良いでしょう。

CCNAを取得するメリットは?

CCNAの取得にはどのようなメリットがあるのでしょうか?具体的には以下の3つがあります。

就職や転職でアピールできる

CCNAは、世界最大級のネットワーク関連機器メーカー「シスコシステムズ社」の認定試験で、これまでに20年以上の歴史があります。

ネットワークエンジニアの応募条件や書類選考の基準としてCCNAの有無を確認する企業も少なくなく、取得しておくと就職や転職の際にアピール材料になります。また、昇給や昇格で有利に働くこともあるでしょう。

ネットワークの基礎知識を習得できる

CCNAを取得することで、業務で扱うシスコ製品の基本的な使い方を覚えられるだけでなく、ネットワークやセキュリティの基礎知識を身に付けられます

業務で扱う製品やネットワークの基礎を固めることで、業務内容への理解が深まり、関係者とのコミュニケーションがとりやすくなるでしょう。

未経験でも一定の実務スキルがあることの証明になる

CCNAの取得は、シスコ製品・ネットワークに関する一定の知識・経験があることの証明になります。

ネットワークエンジニア志望の未経験者がCCNAを取得すれば、企業にたいして非常に有利なアピール材料になるでしょう。

CCNAの難易度が年々上がっていると言われる理由

手とペン

CCNAの難易度上昇の主な理由として以下の内容があります。

  • 技術試験統合により試験範囲が広がったため
  • 旧CCNAの内容も引き続き出題されるため
  • 問題数が多く、制限時間が厳しいため

技術試験統合によりCCNA(200-301)よりも試験範囲が広がったため

以前のCCNA試験は、ルーティング、スイッチング、セキュリティなど、それぞれが独立したカテゴリで分かれていました。しかし、試験体系の改定に伴い、それらが統合され、受験者は複数分野を同時に学ぶ必要が出てきました。

その結果、ネットワーク基礎知識のみならず、セキュリティ技術、ワイヤレスネットワーク、さらに仮想化や自動化といった新しい分野の理解も求められるようになりました。

以前なら特定分野に絞って効率的に学べたものが、現在は幅広い分野を網羅的に学ばなければなりません。これにより、受験者が必要とする知識の範囲が広がり、短期間での学習負担が増えています。

試験対策を行う際には、従来型の技術学習だけではなく、新しい技術分野についてもバランスよく学ぶことが必要となっています。

旧CCNA(200-125)の内容も出題されるため

新しい試験制度になったとはいえ、過去に出題されていた技術や概念が完全に排除されたわけではありません。現在でも、旧CCNA試験に登場した技術要素が試験問題に含まれることがあります。

例えば、以前から使われている基本的なルーティングプロトコル(RIPやEIGRPなど)や、従来のネットワークトポロジーの知識が引き続き問われています。このため、受験者は新しい技術や分野を学びつつも、過去に出題された内容についても理解を深めなければなりません

新旧両方の技術を習得する必要があることが、受験者の負担を増やし、試験の難易度を一段と高くしています。試験勉強を進める際には、新しい分野と同時に、過去の技術や基本的な理論を確実に復習しておくことが効果的な対策方法となります。

問題数が多く制限時間が厳しいから

CCNA試験が難しく感じられる理由の一つに、問題数の多さに対して制限時間が非常に厳しいことが挙げられます。

試験では、120分間におよそ100問ほどの問題を解くことが求められています。単純計算すると、1問あたりにかけられる時間は約1分程度となります。そのため、受験者は短い時間内に問題を正確に読み取り、迅速に回答することが求められます。

さらに、問題内容も選択問題に加えてシミュレーションやシナリオベースの問題など多様化しています。単純に知識を覚えるだけでなく、状況に応じて瞬時に判断・解答する実践的な能力が不可欠です。この時間的な制約が受験者に大きなプレッシャーを与え、難易度をさらに高めています。

試験の準備としては、問題演習を繰り返し行い、時間配分を意識したトレーニングが必要です。

CCNAとその他の類似資格との違いは?

CCNAのほかにも、ネットワークエンジニア向けの資格はいくつかあります。

ここからは、CCNAと類似資格の違いについて簡単にご紹介します。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験とは、ITパスポートと同様に情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格です。さまざまなIT関連資格の中でも特に認知度が高く、「IT業界への登竜門」とも呼ばれています。

出題範囲・ジャンルが幅広く、取得することでIT技術者に必要な基礎知識・スキルを保有している証明になります。

基本情報技術者試験の難易度・合格率

基本情報技術者試験の合格率は約20〜30%で、CCNAと同程度です。CCNAよりも出題範囲が広いため、やや難易度が高いといえるでしょう。

その分汎用性が高く、さまざまなIT職種への就職やキャリアアップに有効活用できます。

ITパスポート

ITパスポートは、情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格です。

同団体の1~5段階のグレードでは、IT未経験者向けのレベル1に相当します。未経験者向けの内容になっており、出題範囲も限定されています。

ITパスポートの難易度・合格率

合格率は平均で40~60%にも上り、IT関連の資格の中でも登竜門的な位置づけです。

新卒採用では有利に働く可能性がありますが、キャリアアップに活かしたい場合は、より高度な資格の取得を目指しましょう。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストも、情報処理推進機構(IPA)が運営する国家資格です。

ネットワークに特化した出題が特徴で、ネットワークエンジニアのスペシャリストを目指す方に特化した資格といえます。

ネットワークスペシャリストの難易度・合格率

ネットワークスペシャリストは、同団体の1~5段階のグレードでレベル4に相当する難関資格です。

合格率は10%以下となっており、今回ご紹介した資格の中で、もっとも難易度が高いといえるでしょう。

受験者層は十分な実務経験を持つネットワークエンジニアがほとんどで、初~中級のエンジニアが受験することはほとんどありません。

LinuC

LinuC(リナック)は、日本のITプロフェッショナル育成を目的に、さまざまな認定資格を運営する団体「LPI-Japan」の資格のひとつです。

サーバーに関する出題がメインとなっており、サーバーに関するスキルや知識を伸ばしたいと考えている方に適しています。

LinuCの難易度・合格率

LinuCの合格率は平均60〜70%です。ただ、LinuCにはレベル1~3まであり、レベルが上がるのに反比例して、合格率が下がる点には注意しましょう

取得すると、LinuxOSベースのサーバーにおける実践的な知識とスキルがあることの証明になり、サーバーエンジニアへの就職やキャリアアップを検討している方にはメリットが多い資格といえます。

CompTIA Network+

CompTIA Network+は、アメリカの非営利団体「CompTIA」が運営している資格です。

非営利団体が運営しているため、特定のデバイスやOSに依存しない、普遍的なITスキルと知識を習得できるのが特徴です。

取得することで、ネットワークやセキュリティの基礎知識があることの証明になります。

CompTIA Network+の難易度・合格率

合格率は公表されていませんが、実務未経験者でも1か月程度の学習で合格が可能とされています。

問題の難易度もCCNAに比べると低いとされており、この資格単体の取得を考えると、CCNAの方が就職やキャリアアップに有利といえるでしょう。

ただ、CompTIAには初級者向けからエキスパート向けまでのさまざまな資格があります。今後、CompTIAの別の資格取得を検討している場合は、検討してみてもよいかもしれません。

CCNAの試験で合格率を上げるポイントと注意点

続いて、CCNAの試験で合格率を上げるポイントと注意点をご紹介します。

書籍やネット教材でネットワークの基礎を習得する

CCNAの試験範囲が網羅された参考書や解説集を熟読しながら、必要な知識をしっかりインプットしましょう。

特に、ネットワークエンジニアになって日が浅い方は専門用語やネットワーク・セキュリティの仕組みを理解し、基礎を固めることが大切です。

問題集を解くことに時間を割き、苦手な部分・間違えやすい部分を重点的に復習する

基礎が固まったら、出題範囲の問題を繰り返し解いていきましょう。

ここですべての問題が解けなくても落ち込む必要はありません。大切なことは「問題を解くのに時間がかかった」「難しくて手が止まってしまった」といった苦手分野を洗い出し、どのようにすれば正解に近づけるか考えることです。

すでに解ける問題よりも、苦手分野・間違いやすい問題を重点的に復習しましょう。

実際に自分でシステムを構築してみる

出題されるネットワーク・セキュリティなどのシステムを実際に構築してみるのも良い学習方法です。

座学で学んだ知識を使ってシステムを構築することで、ネットワーク・セキュリティの理解が深まります。

模擬試験を受けてみる

参考書やネット教材を使って、試験本番と同じ時間・同じ設問数を解く「模擬試験」にチャレンジしましょう。

模擬試験を受けることで、「時間内に回答するためには、問題を解くスピードアップが必要」「セキュリティの問題につまづいてしまう」など現時点の課題感がわかり、合格率を上げるための対策を立てられます。

また、本番に向けてシミュレーションができるため、本番中の緊張を緩和させたい方におすすめです。

CCNA試験で注意すべきポイントは?

最後に、CCNAの試験で注意すべきポイントについてご紹介します。

どんな出題にも対応できるように勉強する

CCNAは出題の範囲が広いため、合格率を上げるためには苦手分野を作らないことが大切です。

「最近はセキュリティの出題傾向が少ないから大丈夫だろう」などとやまをかけず、どんな問題が出ても大丈夫なようにバランス良く学習しましょう。

一度回答したら元に戻れないため、一問ごとに慎重に

CCNAの試験では、一度回答をすると元に戻ってやり直すことができません。

解答だけでなく、最後に見直す時間も含めて試験時間の配分を調整しておきましょう

まとめ

CCNAは「シスコシステムズ社」が運営する初~中級者向けのIT資格試験です。

資格を取得できれば、就職や転職のほか、昇格や昇給などにも有利になる可能性が高いです。ぜひ受験を検討してみてください。

  • はてブ