「SESを辞めたいけど、次の一歩が踏み出せない……」そんなふうに迷っている方は、実はあなただけではありません。
このまま続けてもスキルが身につかないのではないか、将来のキャリアが不安だ、といった悩みを抱えるエンジニアは数多くいます。
でも、SESを離れて正社員のエンジニアに転職したことで、働き方も収入も劇的に改善したケースがあるとしたら、あなたはどうしますか?
この記事では、SESを卒業して理想のキャリアを手に入れるための具体的な方法を、失敗しない転職ポイントと合わせて解説していきます。
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SESとは?

システムエンジニアサービスの略称であるSESは、顧客が求めるシステム開発やソフトウェア運用などの業務に対して、エンジニアの労働力やスキル、つまり労働時間を提供するサービスを指します。
そのため、SESのエンジニアは主に顧客先に常駐して業務を行います。
なお、SESの他にもエンジニアの業態には、以下の3つが挙げられます。
- 自社開発・・・自社の商品やシステムを開発すること
- 受託開発・・・他社から発注された商品やシステム開発を請負い、完成した商品を納品すること
- 個人業務委託・・・組織に所属しないフリーランスが個人で開発を請負い、完成した商品を納品すること
いずれも納品が契約上のゴールになっており、SESのような出向はほとんどありません。
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「SIerとSESの違いを紹介!契約形態や必要スキルなど比較して解説」もあわせてご覧ください。
SESを辞めたいと思う理由やきっかけ
SESを辞めたいと思ってしまうのはどのような理由があるのでしょうか。
年収が低い
SESは多重下請構造になっているケースが多く、間に多くの企業が介入することによって企業全体の利益が薄くなります。これにより社員への給与やボーナスの還元が少なくなるといわれています。
また、成果ベースではなく労働時間を提供する契約のため、プロジェクトで成功を収めても、稼働時間に基づいた報酬しか支払われない場合がほとんどです。成果やがんばりが給与に反映されにくいことも、辞めたいと思ってしまう理由になっているようです。
▼SESの年収についてもっと知りたい方はこちらの記事もおすすめ
「SESの年収は?年収が低い理由と昇給・キャリアップの方法を解説!」もあわせてご覧ください。
待遇が悪くても改善が難しい
SESは評価制度が曖昧であることが多いと言われています。出向で、なおかつ成果ベースではないため、成果指標を統一化できないという業態の特性が原因とも言えます。
また給与以外の待遇に不満があっても、取引企業である出向先と調整が必要になるケースもあり、なかなか改善されないと感じてしまうようです。
会社からのサポートが少ない
基本的には毎日出向先への直行直帰のため、自社に所属している意識が薄れてしまいがちです。また、先輩や上司が近くにいない場合がほとんどなので、悩みがあっても相談しづらく、企業側からサポートがないと感じてしまうことが退職の要因になっているようです。
職場がプロジェクト単位で変わる
SESはプロジェクト単位で出向企業が変わります。プロジェクトは数ヶ月~2、3年程度で変更になるため、そのたびに新しい職場で人間関係を再構築する必要があります。
また職場ルールやIT環境を含めた社内インフラも出向先によって変わるため、毎回新しい環境でスタートしなければならないことを負担に感じてしまう方もいるようです。
スキルが身に付きにくい
SESでは、案件ごとに求められるスキルが異なりますが、下請け構造が多いため主に下流工程の単純作業や保守、運用に従事することが多いとされています。
プロジェクトによって例外はあるものの、最新の開発技術や上流工程に必要なマネジメントスキルを習得する機会が少ないと言われています。これが将来に不安を感じ、辞めたいと思う原因のひとつになっているようです。
指揮命令権が分かりにくい
SESは取引企業へ出向しますが、派遣ではありません。そのため指揮命令権は取引企業ではなく、所属している自社にあります。指揮命令権とは、任せる業務の範囲や進め方、勤務時間や勤務場所などを指示する命令権のことを指します。
これらを取引企業が一方的に変更すること、指示することは違法とされていますので、必ず自社の営業に確認を行い自社から指示をもらう必要があります。意思決定やコミュニケーションの複雑さもSESを辞めたいと感じてしまう理由のひとつでしょう。
裁量権が小さい
SESは仕事の自由度が低く、個人の裁量で決められる範囲が小さいと言われています。
多重下請構造により任される業務は単調で狭い領域をルーティンで行うことが多く、スキルも身に付きにくいため、やりがいを感じるのが難しくなるようです。
SESを辞めたいと思ったときにとるべき行動と対処法
退職と転職活動はセットになることがほとんどです。
SESを辞めたいと思ったときにとるべき行動とそう思った時の対処法についてご紹介します。
なぜ辞めたいのかを客観的に分析し、現状のスキルを整理する
SESを辞めたいと思ったときはまず辞めたい理由を冷静になって分析することが重要です。
客観的に分析してみると、退職せずとも解決するケースも意外とあるため、辞めたい理由や転職を考えている理由を言語化して整理してみましょう。
そのうえで、SESを辞めるという決断に至った場合には、今までに取得したスキルやこれまでの経験を明確にしておくと良いでしょう。
特に使用したことのある開発言語やシステム、担当した業界などはよく聞かれるので、職務経歴書に分かりやすく記載することをおすすめします。
辞めてからのキャリアプランを具体的にイメージする
転職はゴールではなく、自身の目標を達成するための手段に過ぎません。
転職を通してどうなっていたいのか、数年後にどのようなポジションで活躍しておきたいのか、そのためにはどんなスキルを手に入れておくべきかを明確にしておきましょう。
難しく思えますが、仕事だけでなくプライベートのありたい未来から想像すると立てやすいかもしれません。
辞めるタイミングを見極め、次の職種を見据えてスキルを磨く
SESを辞めたいと思っても状況や契約内容によってはすぐに辞められないということもあるかもしれません。
まずはいつ頃なら円満に退職できそうかをプランニングし、退職後に希望する職種にはどのようなスキルが必要なのかを調べてみましょう。
もし現職でそのスキルを身につけられる可能性があれば、そのスキルを習得するまでの期間も踏まえて退職時期を判断すると良いでしょう。
例えば一般企業だと、20代前半は経験不問でコミュニケーション能力や論理的思考、明朗さを求められることが多く、20代後半~30代になるにつれマネジメント経験や実績、相対的な評価がどのようなものだったのかを求められます。
専門技術を必要とする企業は募集要項にどのような経験を待遇しているかが記載されていますので、事前に確認しておくことを推奨します。
転職サービスを活用してエージェントに相談してみる
ひとりでは収集できる情報やキャリアプランを明確にすることが難しい場合もあるかと思います。
そんなときは転職のプロであるエージェントに無料で相談できるサービスを活用することもおすすめです。 職種別で必要なスキルや、求人からは見えづらい企業の社風なども知ることができるでしょう。
SESをトラブルなく円満に辞めるための手順とマナー

SESをトラブルなくスムーズに退職するための流れやマナーについて解説していきます。
就業規則や契約書を確認し、退職の際のルールを把握する
会社には就業規定が存在します。就業規定のなかに、退職する場合は何日前・何か月前にどこにどのような手段で申請をする必要があるか、などのルールが記載されています。
退職をしたいタイミングでできない可能性を避けるため、事前にルールを把握しておくと良いでしょう。
次のキャリアがある程度確定してから退職の意向を直属の上司に伝える
SESを勢いで辞めることはおすすめしません。焦って会社に退職意向を伝えてしまうと、転職先が決まっていないまま顧客との契約が終了になってしまう可能性があります。
次のキャリアプランやライフプランを練ってから、適切なタイミングで伝えるようにしましょう。
なお、退職の意向を伝えるのは直属の上司をまず第一優先とし、退職の意向は自社のみに伝えるようにしましょう。
常駐先のクライアントへは営業担当者がまず伝えるため、不用意に顧客に退職を検討している旨を伝えてしまうと会社間のトラブルに発展してしまう可能性もあります。
余裕を持って引き継ぎ作業を行い、退職の手続きをする
退職を社内に伝えた後は、早めに引き継ぎ作業を始めましょう。
余裕をもって引き継ぎができれば、後任者に分からないところがあった場合でもあなたが退職してしまう前に確認することができます。
退職届や必要書類も早めに提出し、円滑な退職を心掛けることで、トラブルなくスムーズに退職できます。
SESを辞めたいと思っている人におすすめの転職先
SESで経験を積んだあと、どのような職種に転職すると良いのでしょうか。
ここでは転職先の一例をご紹介します。
自社開発SE
自社開発SEとは、一般顧客に提供する自社製品の開発を行うエンジニアを指します。
基本的には自社の技術部門に所属し、システムの企画・開発・設計・運用まで一貫して行います。
自身のアイデアを製品に反映させる機会などもあるでしょう。ただし納品がゴールではなく、開発したシステムの保守や運用など幅広い管理業務も発生します。
▼SESから自社開発への転職についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ
「SESから自社開発への転職は難しい?失敗しないポイントを解説!」もあわせてご覧ください。
社内SE
社内SEは自社開発とよく混同されますが、自社内で利用する情報システムを管理するエンジニアを指します。主に社内の業務効率を上げるためのシステムを提案・開発したり、社内要望を叶えるシステムを導入したりと多岐にわたります。
ただし、社内SEは企業によって役割に大きく差があります。
会社の基幹システムの開発を任される場合もあれば、他社が提供しているシステムの自社導入を行うような開発技術を必要としない社内SEもいますので、どのようなスキルが求められるかは見極める必要があります。
他社のSES
SES事業を行っている企業は多くあります。
取引企業は会社によって異なるため、より大手企業とのつながりを求めて他社のSESに挑戦することもあります。SESという業態にメリットを感じる場合は、会社を変えてみることも有効な手段でしょう。
Sler
SIerは主に大規模なシステム構築や設計、プロジェクト管理を行う企業であるため、SESで身につけた技術や経験が活かしやすい環境です。
上流工程を経験したい方やプロジェクト全体に携わりたい方に適しており、案件全体を統括するプロジェクトマネージャーなどを務められる可能性も高く、キャリアの幅を広げたい場合にもおすすめです。
WEB・アプリ系
SESを通して培ってきた技術や経験は、Web・アプリ系企業にもマッチします。
ユーザーの反応がダイレクトにわかるためやりがいを感じやすく、自分のアイデアを形にしたい方に適しています。
また、技術の進化が早い業界でもあるため、最新技術に触れられる機会も多く、さらなるキャリアアップを狙うこともできるでしょう。
フリーランスとして独立
会社に所属せず、個人事業主として独立する手段もあります。
案件を受注することは難しいですが、報酬は全て個人に入りますので、軌道に乗ることができれば収入も一気に上がります。
別の業種や職種
エンジニアではなく、エンジニアをサポートする業種やエンジニアの経験を生かした業種に転職する手段もあります。例えば、エンジニア派遣や紹介事業を行う人材会社の営業や、ITコンサルティング企業です。
開発業務には携わらなくなるものの、エンジニアとして働いていた経験と知識を活用できるシーンが多い職種でしょう。
▼SESからの転職についてはこちらの記事もおすすめ
「SESからエンジニア転職を成功させるには?おすすめの転職先や転職成功のポイントを解説!」もあわせてご覧ください。
SESを辞めたいときに抱きがちな疑問とよくある質問
この章では、SESを辞めたい人からよくある質問について紹介します。
SESをすぐ辞めたいのですが、どうしたらいいですか?
SESをすぐ辞めたい場合、まず自分が抱えている問題や辞めたい理由を冷静に整理することが重要です。
辞めたい気持ちが強いからといって、感情的に急いで辞めてしまうと次の転職活動に悪影響を及ぼす恐れがあります。
特にSES企業や取引先との関係性が悪化すると、自分の評判が業界内に広まり、再就職が難しくなる可能性もあります。
まずは現在の状況を丁寧に振り返り、問題が一時的なものか、環境自体が自分に合わないのかを考えましょう。
その後、円滑な退職ができるよう退職理由をしっかり準備し、契約内容や就業規則を確認して退職時期を調整します。
また次の職場を探すときには、SESを辞める理由や自分が本当にやりたい仕事を明確にしておくことが大切です。
SESは一年で辞めても大丈夫ですか?
SESを一年で辞めること自体に大きな問題はありませんが、転職理由を明確に説明できるようにしておく必要があります。
SESで働き始めて一年ほど経つと、自分の適性や職場環境に対する理解が深まり、本当にやりたい仕事や理想のキャリアを明確にすることが可能になります。
ただし、転職の際には「なぜ一年で退職を決めたのか」という質問に対して、説得力のある回答を準備する必要があります。
例えば、「業務内容が想像していたものと違った」「自身の成長につながる仕事内容に関わるチャンスがなかった」などの理由を明確に説明し、自分が前向きにキャリアを考えていることをアピールしましょう。
一年での退職を不利に感じる人もいますが、成長意欲や具体的なキャリアプランがあれば問題ありません。
SESはプロジェクトの途中で退職できますか?
SESの途中退職は制度的に可能ですが、現実的には慎重に進める必要があります。
SESでは契約期間が設定されている場合が多く、途中退職によってSES企業や契約先に迷惑をかけることもあります。
そのため、途中で辞める際にはまず契約内容や就業規則を確認し、退職の際に守るべきルールを理解しましょう。
次に、自分の意思を早めに伝え、退職希望日や引き継ぎなどを具体的に相談します。ここで円満な合意を得られれば、自分の評価を下げることなく円滑に退職できます。
また、途中退職の理由は明確に伝えることが重要であり、可能であれば次の転職先を確保してから退職するほうが心理的にも安心です。
急な退職は自分にも企業にも負担がかかるため、計画的に進めましょう。
SESを辞めるタイミングはいつがベストですか?
SESを辞めるタイミングとしては、自分のキャリア計画や市場の動きをよく見極めることが重要です。
一般的にプロジェクトが一区切りしたタイミングであれば、引き継ぎもスムーズに進みやすく、円満に退職できる可能性が高まります。
さらに資格取得やスキルアップの完了後に辞めると、自分の市場価値が高まった状態で新しい仕事を探せます。
一方で、急な退職は転職活動を難しくするリスクがあります。退職を考え始めた時点で、自分の将来性を踏まえたキャリアプランを立て、転職活動を早めに始めることで理想の仕事を見つけやすくなるでしょう。
SESを契約期間中に辞めたら損害賠償を請求されますか?
SES企業と正式に雇用契約を結んでいれば、損害賠償を請求されることはほとんどないと考えて良いでしょう。
とはいえ、契約内容や契約書の条項によって異なる部分もあるため、不安な方は以下のポイントを確認してみると良いでしょう。
- 契約書の内容:契約書に「契約期間中の解約に関する規定」や「違約金」について記載があるかどうか。
- 解約の条件:契約期間中に辞める場合、事前通知や違約金の支払い義務があるかどうか。
損害賠償の有無:契約違反や損害が発生した場合に損害賠償請求がされるケースがあるかどうか。
上記はあくまで例であるため、具体的な取り扱いは契約内容や状況によって大きく変わる可能性があります。心配な方は労働問題に詳しい弁護士や専門家に相談するのが最も無難でしょう。
まとめ
SESを辞めたいと感じたときは、計画的に行動することが大切です。
就業条件や退職手続きを確認し、退職を伝える前に会社に相談してみましょう。異動や働き方の改善が提案されるかもしれません。
また、次のキャリアプランが明確になってから退職意向を伝えることが重要です。転職活動では、スキルの棚卸しや情報収集を行い、エージェントの活用も検討することをおすすめします。
ウィルオブテックのキャリア支援は、マッチング精度の高さに強いこだわりがあります。求人票だけではわからない社風やカルチャーなどをもとに、あなたにあったキャリアを一緒に考え、丁寧なサポートを強みとしています!まずは情報収集でも問題ありません。少しでも興味があれば、まずはITエンジニアの転職に詳しいアドバイザーとお話ししてみませんか?ぜひお気軽に無料のキャリア相談にご参加ください。
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