SESを辞めたいけど、漠然とした将来の不安や、スキルが身についていない状態でいい転職先が見つかるのか、職場へ迷惑をかけてしまうのではないか、と悩んでしまいなかなか退職に踏み出せないという方も多いと思います。
結論、SESに限らず仕事を辞めることは悪いことではありません。ただし大切なのは計画的に辞めることです。
今回はSESの特徴を他の職種と比較しながら、転職をした方がいいのかを判断するヒントや、辞める前にどんな準備が必要なのかについて解説していきます。
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SESとは?
システムエンジニアサービスの略称であるSESは、顧客が求めるシステム開発やソフトウェア運用などの業務に対して、エンジニアの労働力やスキル、つまり労働時間を提供するサービスを指します。
そのため、SESのエンジニアは主に顧客先に常駐して業務を行います。
なお、SESの他にもエンジニアの業態には、以下の3つが挙げられます。
- 自社開発・・・自社の商品やシステムを開発すること
- 受託開発・・・他社から発注された商品やシステム開発を請負い、完成した商品を納品すること
- 個人業務委託・・・組織に所属しないフリーランスが個人で開発を請負い、完成した商品を納品すること
いずれも納品が契約上のゴールになっており、SESのような出向はほとんどありません。
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「SIerとSESの違いを紹介!契約形態や必要スキルなど比較して解説」もあわせてご覧ください。
SESを辞めたいと思ってしまう7つの理由
SESを辞めたいと思ってしまうのはどのような理由があるのでしょうか。
年収が低い
SESは多重下請構造になっているケースが多く、間に多くの企業が介入することによって企業全体の利益が薄くなります。これにより社員への給与やボーナスの還元が少なくなるといわれています。
また、成果ベースではなく労働時間を提供する契約のため、プロジェクトで成功を収めても、稼働時間に基づいた報酬しか支払われない場合がほとんどです。成果やがんばりが給与に反映されにくいことも、辞めたいと思ってしまう理由になっているようです。
▼SESの年収についてもっと知りたい方はこちらの記事もおすすめ
「SESの年収は?年収が低い理由と昇給・キャリアップの方法を解説!」もあわせてご覧ください。
待遇が悪くても改善が難しい
SESは評価制度が曖昧であることが多いと言われています。出向で、なおかつ成果ベースではないため、成果指標を統一化できないという業態の特性が原因とも言えます。
また給与以外の待遇に不満があっても、取引企業である出向先と調整が必要になるケースもあり、なかなか改善されないと感じてしまうようです。
会社からのサポートが少ない
基本的には毎日出向先への直行直帰のため、自社に所属している意識が薄れてしまいがちです。また、先輩や上司が近くにいない場合がほとんどなので、悩みがあっても相談しづらく、企業側からサポートがないと感じてしまうことが退職の要因になっているようです。
職場がプロジェクト単位で変わる
SESはプロジェクト単位で出向企業が変わります。プロジェクトは数ヶ月~2、3年程度で変更になるため、そのたびに新しい職場で人間関係を再構築する必要があります。
また職場ルールやIT環境を含めた社内インフラも出向先によって変わるため、毎回新しい環境でスタートしなければならないことを負担に感じてしまう方もいるようです。
スキルが身に付きにくい
SESでは、案件ごとに求められるスキルが異なりますが、下請け構造が多いため主に下流工程の単純作業や保守、運用に従事することが多いとされています。
プロジェクトによって例外はあるものの、最新の開発技術や上流工程に必要なマネジメントスキルを習得する機会が少ないと言われています。これが将来に不安を感じ、辞めたいと思う原因のひとつになっているようです。
指揮命令権が分かりにくい
SESは取引企業へ出向しますが、派遣ではありません。そのため指揮命令権は取引企業ではなく、所属している自社にあります。指揮命令権とは、任せる業務の範囲や進め方、勤務時間や勤務場所などを指示する命令権のことを指します。
これらを取引企業が一方的に変更すること、指示することは違法とされていますので、必ず自社の営業に確認を行い自社から指示をもらう必要があります。意思決定やコミュニケーションの複雑さもSESを辞めたいと感じてしまう理由のひとつでしょう。
裁量権が小さい
SESは仕事の自由度が低く、個人の裁量で決められる範囲が小さいと言われています。
多重下請構造により任される業務は単調で狭い領域をルーティンで行うことが多く、スキルも身に付きにくいため、やりがいを感じるのが難しくなるようです。
SESにもいいところはある?
SESにはもちろんいいところもあります。この環境を手放してでも辞めたい、他の仕事にチャレンジしたいと思えるかを判断してみると良いかもしれません。
エンジニア未経験でも正社員として働ける
エンジニアは経験者採用が主流です。そのため経験が乏しい方は正社員ではなく派遣社員や契約社員から入社するか、そもそも採用されないというハードルが存在します。
しかしSESは高いスキルを必要としない業務が多いため、未経験でも正社員としてITエンジニアになることができます。SESで経験を積んでから他のエンジニア職へ転職する方も多くいます。
もし入社してすぐに退職を検討している場合は、もう少し経験を積むことでエンジニアとしての転職先が増える可能性があることを知っておくと良いでしょう。
残業が少ない
SESはエンジニアの労働を提供するサービスのため、契約で労働時間の下限と上限が決められています。超える場合は追加で費用が発生するため、基本的に残業は非常に少ないと言えます。
成果物の完成責任がない
SESは原則成果物の完成責任はありません。
一方自社開発や受託開発では、期日までの納品がゴールになります。進行具合によっては残業が増え、納品できない場合は契約不履行となるリスクがあります。
ただし、SESには完成責任はありませんが、労働力が契約内容に見合っているかどうかは判断されます。任された業務には責任が伴いますので注意しましょう。
大手企業や上場企業とのつながりをつくれる
SESでは、大手企業や上場企業の案件を担当し、出向することもあるでしょう。実際に、SESでのかかわりがきっかけで出向先の大手企業に転職したというケースもあります。こうした経験が、キャリアアップのチャンスに繋がることもあるでしょう。
職場を変えられる
SESはプロジェクト単位で職場が変わります。出向という立場なので人間関係によるトラブルに巻き込まれにくかったり、いろんな業界や業種を知ることができたりというメリットでもあります。
SESの経験を生かせるおすすめの転職先
SESで経験を積んだあと、どのような職種に転職すると良いのでしょうか。
ここでは転職先の一例をご紹介します。
自社開発SE
自社開発SEとは、一般顧客に提供する自社製品の開発を行うエンジニアを指します。
基本的には自社の技術部門に所属し、システムの企画・開発・設計・運用まで一貫して行います。
自身のアイデアを製品に反映させる機会などもあるでしょう。ただし納品がゴールではなく、開発したシステムの保守や運用など幅広い管理業務も発生します。
▼SESから自社開発への転職についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ
「SESから自社開発への転職は難しい?失敗しないポイントを解説!」もあわせてご覧ください。
社内SE
社内SEは自社開発とよく混同されますが、自社内で利用する情報システムを管理するエンジニアを指します。主に社内の業務効率を上げるためのシステムを提案・開発したり、社内要望を叶えるシステムを導入したりと多岐にわたります。
ただし、社内SEは企業によって役割に大きく差があります。
会社の基幹システムの開発を任される場合もあれば、他社が提供しているシステムの自社導入を行うような開発技術を必要としない社内SEもいますので、どのようなスキルが求められるかは見極める必要があります。
他社のSES
SES事業を行っている企業は多くあります。
取引企業は会社によって異なるため、より大手企業とのつながりを求めて他社のSESに挑戦することもあります。SESという業態にメリットを感じる場合は、会社を変えてみることも有効な手段でしょう。
フリーランスとして独立
会社に所属せず、個人事業主として独立する手段もあります。
案件を受注することは難しいですが、報酬は全て個人に入りますので、軌道に乗ることができれば収入も一気に上がります。
別の業種や職種
エンジニアではなく、エンジニアをサポートする業種やエンジニアの経験を生かした業種に転職する手段もあります。例えば、エンジニア派遣や紹介事業を行う人材会社の営業や、ITコンサルティング企業です。
開発業務には携わらなくなるものの、エンジニアとして働いていた経験と知識を活用できるシーンが多い職種でしょう。
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「SESからエンジニア転職を成功させるには?おすすめの転職先や転職成功のポイントを解説!」もあわせてご覧ください。
SESから転職して得られたメリット
SESから転職をすることで得られたメリットを実際の事例をもちいてご紹介します。
年収が上がった
エンジニアにかかわらず、転職をすることで収入が増えるケースは大いにあります。
2023年リクルートによる調査結果では、全体で35.0%、ITエンジニアに関しては39.9%の方が転職を通じて賃金が増えたと回答しています。
▼参照:日本経済新聞「転職者の35%が賃金増 23年、リクルート調べで過去最多職者の35%が賃金増 23年、リクルート調べで過去最多」
正当な評価を得られるようになった
SESは多重下請構造のため給与があがりにくく、客先常駐により評価軸もあいまいであることが多く難点でした。
転職をすることで成果に対した正当な評価を得られ、評価に応じてキャリアチャンスが与えられるようになったという声がありました。
キャリアプランが立てやすくなった
プロジェクト単位での客先常駐がなくなり、「何年後にはどのような役割を担っていたいから今このスキルを身に付けよう」というように、自身のキャリアプランを立てやすくなったという声もよく聞かれます。
SESを辞める前に対応すべきこと
SESを辞める前に事前に注意すべきこと、準備したほうが良いこともお伝えします。
就業条件の確認をする
会社には就業規定が存在します。就業規定のなかに、退職する場合は何日前・何か月前にどこにどのような手段で申請をする必要があるか、などのルールが記載されています。
退職をしたいタイミングでできない可能性を避けるため、事前にルールを把握しておくと良いでしょう。
退職を伝える前に会社に相談する
退職の意向を伝える前に、まずは上司や会社に悩んでいることや、改善を希望する点を相談してみると良いでしょう。
あなたにメリットがあるような新しいポジション、部署への異動打診や、働き方の改善につながるかもしれません。
次のキャリアが見えてから退職の意向を伝える
SESを勢いで辞めることはおすすめしません。焦って会社に退職意向を伝えてしまうと、転職先が決まっていないまま顧客との契約が終了になってしまう可能性があります。
次のキャリアプランやライフプランを練ってから、適切なタイミングで伝えるようにしましょう。
退職の意向は自社のみに伝える
退職の意向は自社のみに伝えるように注意しましょう。
常駐先のクライアントへは営業担当がまず伝えます。契約期間の兼ね合いもあるため、不用意に顧客に退職を検討している旨を伝えてしまうと会社間のトラブルに発展する可能性があります。
転職活動をする前に対応すべきこと
退職と転職活動はセットになることがほとんどです。
SESで働いているエンジニアが転職活動をする際に、事前に対応したほうが良いことをご紹介します。
スキルの棚卸をする
エンジニアは企業とのスキルフィットが重要視されるため、今までに取得した経験を明確にしておくと良いでしょう。
特に使用したことのある開発言語やシステム、担当した業界などはよく聞かれるので、職務経歴書に分かりやすく記載することをおすすめします。
職種の情報収集を行う
自身が希望する職種にはどのスキルが必要なのかを調べ、現職でそのスキルを身につけられる可能性がないかをまずは検討すると良いでしょう。
例えば一般企業だと、20代前半は経験不問でコミュニケーション能力や論理的思考、明朗さを求められることが多く、20代後半~30代になるにつれマネジメント経験や実績、相対的な評価がどのようなものだったのかを求められます。
専門技術を必要とする企業は募集要項にどのような経験を待遇しているかが記載されていますので、事前に確認しておくことを推奨します。
キャリアプランを明確にする
転職はゴールではなく、自身の目標を達成するための手段に過ぎません。
転職を通してどうなっていたいのか、数年後にどのようなポジションで活躍しておきたいのか、そのためにはどんなスキルを手に入れておくべきかを明確にしておきましょう。
難しく思えますが、仕事だけでなくプライベートのありたい未来から想像すると立てやすいかもしれません。
転職エージェントを活用する
ひとりでは収集できる情報やキャリアプランを明確にすることが難しい場合もあるかと思います。
そんなときは転職のプロであるエージェントに無料で相談できるサービスを活用することもおすすめです。 職種別で必要なスキルや、求人からは見えづらい企業の社風なども知ることができるでしょう。
まとめ
SESを辞めたいと感じたときは、計画的に行動することが大切です。
就業条件や退職手続きを確認し、退職を伝える前に会社に相談してみましょう。異動や働き方の改善が提案されるかもしれません。
また、次のキャリアプランが明確になってから退職意向を伝えることが重要です。転職活動では、スキルの棚卸しや情報収集を行い、エージェントの活用も検討することをおすすめします。
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