高収入者の多い花形職種として知られるシステムエンジニア 。しかし昨今では、一部から「SIer には将来性がない」という声も聞こえてくることがあります。
SIerの年収の相場感を紹介し、将来性や年収を上げる方法を紹介していきます。
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SIerの平均年収は約400~650万円
2024年2月時点でSIerの平均年収は約400~650万円という結果になりました。上流工程からプロジェクトに携わるケースが多いSIerは、ITエンジニア職のなかでも比較的年収が高い傾向にあります。
また、SIerのビジネスモデルの構造上、顧客との距離が近いほど高い収入を得ることが可能となります。ただし、年齢やスキルによっても年収は大きく左右されるので、注意が必要です。
多くのケースでは年齢を重ねて経験を積むごとに年収がアップします。
20代のSIerの平均年収は約380万円、50代のSIerの平均年収は約750万円です。昇給にはそれに加えて業務のスキルや実績も考慮されてくるでしょう。
※参照元:doda 「平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」
SIerの年収は日本の平均年収に比べて高いのか
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本人全体の平均年収は約458万円でした。SIerの平均年収400万円〜650万円と比べると、同等あるいはそれ以上だということがわかります。
また、日本の平均年収を年齢別に分けると、20代は約341万円、30代は約437万円、40代は約502万円、50代以上は約613万円です。
一方、SIerの平均年収を年齢別に分けると、20代が約380万円、30代が約520万円、40代が約620万円、50代以上が約750万円になります。
双方を比べてみると、すべての年代でSIerの方が高いことがわかります。
※参照元:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
※参照元:doda 「平均年収ランキング(96業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」
分類別のSlerの年収
SIerは以下の3つに分類されます。
- ユーザー系
- 独立系
- メーカー系
それぞれ特徴や平均年収も異なるため、この章では分類ごとの平均年収について解説します。
ユーザー系SIerの高年収企業
ユーザー系SIerは金融業界や食品業界に属している企業のシステム開発部が1つの会社となったものです。親会社の業界を担当することが多いため、特定の分野に特化したSIerが活躍します。
そんなユーザー系SIerの中で、平均年収が最も高いのが野村総合研究所です。野村総合研究所はコンサルティングやITソリューションに力を入れており、平均年収は1,242万円です。
SIer自体の平均年収が400万〜650万円なので、比較すると野村総合研究所の平均年収は大幅に上回っていることが一目瞭然です。
年収が高い理由の1つとして、国内最大手のシンクタンクであることが挙げられます。シンクタンクとはさまざまな分野の専門家を集めた研究機関です。また、コンサルティングの業界においても高い信頼を得ており、さまざまな依頼がくることも高い年収に直結していると言えます。
※参照元:Publickey「IT系上場企業の平均年収を業種別にみてみた 2023年版」
独立系SIerの高年収企業
独立系SIerは親会社が存在しないSIerを指します。
親会社が存在しないため、親会社の意向やジャンルに縛られることがありません。比較的自由なシステムインテグレーションを行うことが特徴です。
そんな独立系SIerの中で、平均年収が最も高いのがISIDです。ISIDは金融やビジネス、製造のソリューション事業を展開しており、その平均年収は1,128万円です。SIerの平均年収と比べても、大きく上回っています。
理由としては専門性の高い事業を行っていることが挙げられます。また、ISIDは収入面に優れているだけでなく働き方も評判です。
※参照元:Publickey「IT系上場企業の平均年収を業種別にみてみた 2023年版」
メーカー系SIerの高年収企業
メーカー系SIerはハードウェアを製作している会社を親会社に持つSIerを指します。親会社が製造するハードウェアを存分に活かした開発や提案が行えるのが特徴です。
ユーザー系SIerが専門的な分野に突出しているのに対し、メーカー系SIerはさまざまな業界とのつながりを有しています。そのため深い知識を得られる可能性は低いですが、多種多様な知識を得ることが可能です。
そんな、ユーザー系SIerの中で、平均年収が最も高い企業がNECになります。NECは公的機関やインフラ産業に対するソリューションを行うのが特徴で、平均年収は815万円です。
上記のような強みを持っているうえに事業自体が安定していることが平均年収の底上げにつながっています。
※参照元:Publickey「IT系上場企業の平均年収を業種別にみてみた 2023年版」
SIerとして年収を上げる方法
SIerとして年収を上げる方法は主に以下の3つです。
- 本業と並行して副業を行う
- フリーランスで活動する
- 資格を取得する
本業と並行して副業を行う
本業と並行して副業を行うことで年収の増加が見込めます。この方法は本業だけでは満足のいく収入が稼げない場合や本業での収入アップが期待できない人におすすめです。
近年ではクラウドソーシングなどを使うことで簡単に副業を始められるため、本業以外での収入やスキルアップが見込めるでしょう。
副業の内容として例として以下のような業務が挙げられます。
- アプリ開発
- プログラミングスクールの講師
- WEBサイト製作
副業とはいえエンジニアの需要は高いので、スキル次第で十分な収入が得られるケースもあります。
デメリットとしてはプライベートの時間が削られることです。収入をアップさせるにはその分働かないといけないので、プライベートの時間とのバランスを考えた上で行動する必要があります。
フリーランスで活動する
正社員ではなくフリーランスとして活動することで収入アップを見込めます。フリーランスは成果報酬型であることが多いので、実力に見合った報酬を受け取ることが可能です。
正社員の場合、時給が決まっているため時給以上の働きをしたとしても、働いた時間の給料しかもらえません。一方、フリーランスは成果を上げるたびに報酬が発生するので、良い働きをすればそのぶん収入が増えます。
しかし、フリーランスは正社員と異なり保険や福利厚生が適応されません。さらに、正社員のように給料が保障されているわけではないので、いつ収入が止まるかはわかりません。
取引先の仕事がなくなれば必然的に仕事が回って来なくなりますし、信頼を失うような行為があれば依頼されることもなくなってしまいます。
資格を取得する
資格を取得することで高い収入を得ることが可能です。
資格の取得は技術や知識があることの証明になり、会社からの評価も上がります。会社としては優秀な人材は手放したくないので、給料を上げてでも人材を確保すると考えられます。
SIerにおすすめの資格は以下が挙げられます。
- 日商簿記検定
- TOEIC
- 基本情報技術者試験
これらは自身の力量を証明するための資格なので、一定の知識や技術がないと合格できません。合格するためには相応の勉強量が必要になります。自分に必要な資格を把握したうえで、しっかりと勉強をし、資格の取得を目指しましょう。
SIerとして年収を上げたい方におすすめの業界
SIerとして年収を上げたい方におすすめの業界はITコンサル業界です。
ITコンサル業界は、ビジネスモデルの特徴から高収入を狙いやすくなっています。
しかし、年収が高いということはそれだけ業務の難易度も高くなるので、ある程度の知識や技術を身につけてから転職することをおすすめします。
こちらの「SIerからの転職!おすすめのキャリアパスは?転職先の選び方」でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
SIerの将来性
SIerの将来性については、意見が二分しており「将来性がある」という意見と「将来性はない」という両方の意見があります。
どちらも世の中の情勢やデータなどを根拠に主張されているので、どちらが正しいとは一概に言えません。そのため、これからSIerに就職、転職しようと考えている方は以下の内容を確認し、参考にしてください。
SIerの将来性があると言われる理由
SIerの将来性があると言われる理由は以下の3つです。
- ITの市場規模の拡大
- クラウドサービスに変更されるのは一部である
- DXの需要が増加
詳細について説明します。
ITの市場規模の拡大
1つ目は、ITの市場規模が拡大しているからという理由です。
ITの市場規模は1兆円単位で増加しています。このような市場規模の増加に対して、エンジニアの数は足りていません。そのため、SIerの需要が途切れることは現状では考えにくいと考えられています。
クラウドサービスに変更されるのは一部である
2つ目は、クラウドサービスに変更されるのは一部だからという理由です。
現在SIerの担う業務の一部がクラウド化されているという事実が確かにあります。その事実を基に「SIerをすべてクラウドが乗っ取るのではないか」という意見が出ています。
しかし規模の大きなシステムのクラウド化は容易ではないことと、既存のシステムのメンテナンスはクラウド化できないことから、SIerのすべてをクラウド化するのは困難だと考えられています
DXの需要が増加
3つ目はDXの需要が増加しているからという理由です。
DXとはIT技術を駆使して業務のやり方を見直し、改善しようという変革のことです。DXを叶えるためには、ITの技術が必要不可欠であり、システム開発を行うSIerの需要も減ることは考えにくいといわれています。
SIerの将来性がないと言われる理由
一方でSIerの将来性がないと言われる理由は以下の3点です。
- クラウドの普及が進んでいる
- 発注コストが高い
- エンジニアの不足
クラウドの普及が進んでいる
1つ目は、クラウドの普及が進んでいるからです。
前項ではすべてのSIerの役割をクラウド化するのは容易ではないと解説しました。しかし、クラウドの普及により、SIerの需要が減っているのは事実です。
クラウドには費用が軽減できるといった大きなメリットがあるため、各企業のクラウド化はこの先も続くと考えらます。
発注コストが高い
2つ目は、発注コストが高いからという理由です。
SIerへの発注コストは高く、そのコストが回収できる保証はありません。また、IT業界のトレンドの移り変わりにより、SIerのようなビジネスは注目されにくくなっているのも不安要素となります。
エンジニアの不足
3つ目は、エンジニアが不足しているからという理由です。
現在、IT業界においてエンジニアの不足は問題視されており、すぐに解消される見込みはありません。そのため、SIerの特徴である動員力が失われて、需要が低下する恐れがあります。
こちらの「SIerに将来性はある?今後も必要とされる理由と市場価値を高める方法」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
まとめ
SIerの平均年収は約400万円〜650万円です。日本人全体の平均年収と比べても高く、さらに年収を上げたいのであれば、副業や資格取得、フリーランスになるという選択肢があります。
SIerは専門性の強い職種ですので、転職を検討される際は転職エージェントの利用がおすすめです。より良い条件で転職を成功させるためにも、転職エージェントに相談して多くのヒントを得ながら転職活動を進めていきましょう。
ウィルオブテックはITエンジニア特化型の転職支援サービスです。
・年収アップ成功率75%以上
・サポートの進捗に対する満足度90%以上
・転職後の定着率95%以上
ITエンジニアの転職に詳しいアドバイザーとお話してみませんか?ぜひお気軽に無料のキャリア相談にご参加ください。
よくある質問
SIerの平均年収はいくらでしょうか?
SIerは業界や業務内容によって変動がありますが、平均年収は400万円〜650万円で、高収入になると1000万円を超えるケースもあると言われています。詳細は「SIerの平均年収」で説明しているので確認ください。
Sierが市場価値を高めるために身につけるべきスキルはありますか?
キャリアのスタートの時点から、専門スキルを身につけていくか、それともマネジメントとして管理能力を身につけるかなど、何を強みとするかにつき大まかな指針を持ちましょう。将来を見据えて「経験を重ねる=仕事のキャリア」働き方を選ぶことは、非常に大切です。そのためには受け身ではなく、主体的にキャリア形成を行う必要があります。詳細は「こちら」で説明しているので確認ください。