SIer(エスアイヤー)の種類は?主な役割や必要なスキルまで徹底解説!

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この記事でわかること

  • SIerの種類と役割
  • SIerで働くメリットとデメリット
  • SIerで働く際に求められるスキル
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
早川 直良

エージェント歴13年。これまでコールセンター、オフィスワークなど幅広い領域にて、約5万人の転職支援実績がある。現在はIT領域に特化し、これまでのエージェント経験を活かした中長期的なキャリア支援を強みとしている。

近年のIT技術の発展にともない、ほとんどの企業が業務システムやIT機器を導入し、仕事の効率化を図っています。

そこで頼りになるのがクライアントのシステム開発などを請負うサービス事業者である、SIer(エスアイヤー)の存在です。

今回は、SIerの主な役割や必要なスキルを解説します。

SIerで働くメリット・デメリットや、SIer勤務に向いている人についても紹介していきますので、IT業界への転職を検討中の方は参考にしてみてください。

SIerとは

SIerはシステムインテグレーション(System Integration)の頭文字であるSIに、「〜する人」という意味の英語「er」を組み合わせた造語で、「エスアイヤー」と読みます。

システムインテグレーションとは、システムの開発や運用に関して最初から最後までを請け負う事業やサービスを意味し、SIerはそのシステムインテグレーション業務を請け負う企業のことを指します。

SIerの他に、「 System Integrator (システムインテグレーター)」という呼称で呼ばれることがありますが、同じ意味です。

SIerの種類

SIerの種類は、会社の成り立ちや業務内容によって分類され、代表的なものとして以下3つがあります。

  • メーカー系
  • ユーザー系
  • 独立系

メーカー系

PCメーカーのシステム部門が独立した企業が、メーカー系Sierに分類されます。

主な事業内容としては、親会社やグループ会社のハードウェアやソフトウェアの開発に取り組んでいます。

また、大手企業が多いことから経営基盤もしっかりしていることも特徴です。

代表的なメーカー系Sierとしては、NEC・富士通・日立製作所などが挙げられます。

ユーザー系

一般企業のシステム部門が独立した企業が、ユーザー系Sierに分類されます。

主な事業内容として、もともとの企業のシステム開発と合わせて、ほかの企業のシステム開発にも取り組んでいます。

通信や金融、商社などの企業が母体となっているケースが多く、各業界のノウハウを生かせるのが強みです。

代表的なユーザー系Sierとしては、NTTデータ・伊藤忠テクノソリューションズ・野村総合研究所などが挙げられます。

独立系

親会社を持たず、SI事業を目的に独自に設立された企業が、独立系Sierに分類されます。

メーカー系やユーザー系と比較し、企業認知度は低いものの親会社からの縛りがないため、自由度が高くユーザーにとって最適なシステム設計を行うことが可能です。

代表的な独立系Sierとしては、大塚商会・日本ユニシス・トランスコスモスなどが挙げられます。

SIerの種類主な特徴代表的な企業
メーカー系PCメーカーのシステム部門が独立NEC・富士通・日立製作所
ユーザー系通信や金融、商社などの企業のシステム部門が独立NTTデータ・伊藤忠テクノソリューションズ・野村総合研究所
独立系親会社を持たず、SI事業を目的に独自に設立大塚商会・日本ユニシス・トランスコスモス

SIerの役割

SIerは、クライアントのシステムの開発や運用を最初から最後までを請け負い、主な役割としては以下があげられます。

  • 要件定義
  • 設計
  • 開発
  • テスト
  • 保守・運用(アフターサポート)

要件定義

要件定義では、システムにおける顧客の要望をヒアリングしたのち、システムに必要な機能や性能などを定義していきます。

システム化を進めていく上での業務を洗い出し、要件定義書にまとめていきます。

設計や開発をスムーズに進めていくなかにおいて、非常に重要な役割を担っています。

設計

要件定義書でまとめた内容をもとに、設計を進めていきます。

顧客が求めるシステムの実現に向けて、必要な機能を選別する基本設計が完了したのち、よりくわしい内容について詳細設計を行います。

詳細設計によって作成する仕様書をもとに、次の段階であるシステム開発へと進んでいきます。

開発

詳細設計で決定した内容をもとに、プログラミングを実施します。

システム構築のプロであるSIerは、効率よく作業を進めることができるため、短い期間で質の高いシステムを開発できます

テスト

開発したシステムが設計通り作動するか確認するテストを実施します。

テスト内容は、プログラムコードを1行ずつ確認する単体テストから、性能全体を検証するパフォーマンステストまでさまざまあります。

保守・運用・アフターサポート

システム完成後の保守や運用もSIerの役割です。

クライアントが安心してシステムを利用するために、システムの稼働状況の監視や利用状況に応じた調整を行います。

またシステムに対する問い合わせ窓口や、クライアント向けにシステム利用に関する教育実施など、アフターサポートを提供しているSIerも最近では増えてきています。

▼関連記事
エンジニアの副業についてはこちらのSIerに将来性はある?今後も必要とされる理由と市場価値を高める方法でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

IT業界の現状と今後の予測

ここでは、IT業界全体の動きとして、業界の市場規模や今後の予測を株式会社矢野経済研究所「2021 国内企業のIT投資実態と予測」のデータをもとに紹介していきます。

IT業界の市場概況

株式会社矢野経済研究所の調査によると、国内民間企業のIT市場規模は、2020年度が前年度比0.6%増の12兆9,700万円と推計しています。

コロナ禍を背景とした業績不振等により、IT投資案件の中止や先送りした企業があるなかで、デジタル化や事業変革の必要性を認識した大企業がIT投資を加速させたことが要因にあげられています。

将来の展望

2021年度以降の国内民間企業のIT市場規模は、堅調に推移する見通しとなっています。

その要因として、2020年度に先送りされたIT投資案件の実施や、デジタル化や事業変革の必要性を認識した企業によるIT投資の加速等があげられています。

また2022年度以降も、DXの活発化や5G(第5世代移動体通信システム)の本格普及、データ利活用の推進を背景としたAIやIoTの普及により、市場は引き続き堅調に推移するとみられています。

※国内民間IT市場規模推移と予測

2017年度2018年度2019年度2020年度2021年度

(予測)

2022年度

(予測)

2023年度

(予測)

121,530124,930128,900129,700133,300136,400138,800

(億円)

参照サイト:株式会社矢野経済研究所「2021 国内企業のIT投資実態と予測」

SIerで働くメリット

ここからは、実際にSIerとして働く場合のメリットを見ていきましょう。

安定して仕事がある場合が多い

継続的にシステム開発や保守・運用を依頼されるSIerは、安定した事業基盤を築いている場合がほとんどです。

特にメーカー系やユーザー系のSIerは、母体となるグループ会社からのつながりで、大規模なプロジェクトを取り扱うケースがあります。

また大手のSIerの場合は、官公庁や金融など財政的に安定したクライアントから発注を受けることができることも、安定して仕事がある要因といえるでしょう。

プロジェクトごとに異なる技術を学習できる

プロジェクトごとに異なる技術を学習できる点もSIerで働くメリットだといえるでしょう。

SIerの場合はプロジェクトが完結した後、また別のプロジェクトにアサインされる可能性が高いです。

スキルアップを目指したい人にとって、プロジェクトごとに様々な技術を学習できることは大きなメリットといえます。

また、自社の開発ノウハウを学ぶことができる点も魅力の一つです。

大手SIerは高収入・好待遇が期待できる

大手SIerの場合、高収入・好待遇が期待できます。

メーカー系SIerやユーザー系SIerは、大手企業が母体についていることが多いため、収入や福利厚生など好待遇が期待できます

その分、求められるスキルや経験も高くなることがありますが、年収アップを目指したい方にとっては魅力的な環境であることに違いありません。

SIerで働くデメリット

SIerとして働くデメリットとしては、以下が想定されます。

下請けだと給料アップが見込みづらい

下請けの場合、給料アップが見込みづらい点です。会社の規模が小さく、下請けとして仕事を受けた場合はなかなか収入アップが見込めません。

一方、昨今では下請け企業の救済措置としてさまざまな法整備が進んでいます。下請けのSIer企業に転職する場合は最新の情報とあわせて給与体系を確認してみましょう。

最新技術を学ぶチャンスが少ない

最新技術を学ぶチャンスが限られがちなのも、SIerで働くうえで気を付けておきたいポイントです。

実は取り扱うプロジェクトの規模が大きければ大きいほど、システム障害などのリスクを考えて、使い慣れた古いシステムで進めることがあります。

そのため、新しい技術に触れる機会が少なくなり、最新技術を学びにくくなるといった点がデメリットです。

一方、新しいシステムの導入を検討しているクライアントも少なくありません。その場合は新技術を取り入れられる可能性も増えるため、スキルアップもかなえられるでしょう。

▼エンジニアの転職については
こちらの【2022年】エンジニア転職におすすめの転職エージェントと転職サイトを紹介でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

SIerへの転職について

最後に、SIerのエンジニアとして転職を検討されている方が気にされる点をいくつか解説します。

SIerで働くイメージを明確化したい方は、参考にしてみてください。

SIerのエンジニアに向いている人とは

SIerに向いている人の特徴は以下のとおりです。

  • 大規模なシステム構築に携わりたい
  • プロジェクト管理をしたい
  • 大企業を相手に仕事をしたい
  • ビジネススキルを高めたい

SIerで働くとプロジェクト管理をまかされることが多いため、マネジメントスキルやプロジェクトリードなどのスキルを高めたい方には向いている環境です。

一方で、「コードをたくさん書きたい」「常に最新技術を活用したい」と考えている方にとっては、SIerの仕事は物足りないと感じてしまう可能性があります。

SIerのエンジニアに必要なスキルとは

SIerが身につけておきたいスキルは以下の3つです。

  • コミュニケーションスキル
  • マネジメントスキル
  • ITスキル

コミュニケーションスキルは、クライアントやプロジェクトメンバーと意思疎通を図るうえで必要不可欠です。

クライアントが抱えている課題をかなえるためには、丁寧にヒアリングをしたうえで、納得のいく解決策の提案が求められます

また、システムを納期内に納品するためには、プロジェクトを円滑に進めていく必要があります。

その際、各メンバーの作業進捗を管理しつつ調整を図っていくなど、プロジェクトを推し進めていくうえで欠かせないのがマネジメントスキルです。

また、前提としてシステム開発をはじめとしたIT知識は必須です。要件定義の必須事項やシステムの設計手法、サーバー・ネットワークの知識などはおさえておきましょう。

SIerのエンジニアは未経験でも可能か

プロジェクトが大きくなればなるほど、役割が細分化され、クライアントとの商談やプロジェクト管理がメイン業務になることも想定されます。

そういった場合には、営業経験や管理能力がより重要視されるため、SIerの経験がなくても受け入れてくれる可能性があります

過去に営業や管理経験がある場合は、自身の強みとしてアピールしていきましょう。

ただし、ITの知識がないと入社後に苦労してしまう可能性が高いため、資格取得などを通じて学習の機会を絶やさないことをおすすめします。

まとめ

同じSIerでも種類が異なれば、業務内容や求められるスキルは異なります。

今回、ご紹介した情報を参考にしながら、SIerの仕事が自分自身に合うかを確認してみてください。

よくある質問

SIerとして働くメリットはありますか?

はい、プロジェクトごとに異なる技術を学習できることがメリットとしてあげられます。
詳細は「SIerで働くメリット」で説明しているので確認ください。

SIerのエンジニアに必要なスキルを教えてください。

はい、代表的なスキルとしてあげられるのは「ITスキル」「コミュニケーションスキル」「マネジメントスキル」などになります。詳細は「SIerのエンジニアに必要なスキル」で説明しているので確認ください。

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