SESはエンジニアの働き方のひとつとして定着していますが、「年収が低い」「キャリアアップがしにくい」など、ネガティブな話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
そこで今回は、SESの年収やキャリアアップについてご紹介します。
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SESの年収は?給料計算の仕組みや平均給与を解説

まずは、SESの年収や給料の計算方法についてご紹介します。
SESの年収相場は幅広い
ITエンジニアに特化した求人サイト「ウィルオブテック」でSESに関する求人を検索すると、SESの年収相場は、エンジニアで約300~500万円、リードエンジニアで約500~1,000万円と幅広く設定されていました。(2024年6月現在)
未経験や1年目などの新人で絞り込むと、平均年収は300~400万円程度。一方、国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、日本人の平均年収は460万円でした。未経験や経験が浅いうちは、日本人全体の平均年収より低くなる可能性もあります。
しかし、リードエンジニアなどの上流職種ともなると、平均年収が格段にアップします。年収500~1,000万円以上を目指すことも可能です。
※出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
SESの給与の計算方法は?
次にSESの給与の計算方法についてご紹介します。SESの給与は「単価×還元率」で決まります。例えば、月の単価が100万円で、還元率が7割であった場合、以下のようにSESの給与を計算できます。
【SESの給与の計算方法】
100(単価) × 0.7(還元率)= 70万円
注意すべきなのは、単価がどれだけ高くても還元率が低ければ、給与がどんどん低くなってしまうという点です。
エンジニアとしての市場価値を高め、自身の単価を上げることも重要ですが、還元率についてもしっかり調べる必要があるといえるでしょう。
特に未経験や新人のうちは、還元率が低めに設定されていることが多く、より注意が必要です。
SESの年収が低いといわれる理由は?

ここからは、SESの年収が低いとされる理由について詳しくご紹介します。
理由① 多重下請構造になりがちだから
SES企業の多くはクライアント企業から直接発注を受けるのではなく、2次請け・3次請に位置しがちです。このような多重下請構造によって、SES企業への発注額が低くなる可能性が高くなります。
理由② 成果ベースの契約ではないから
SESの単価は、成果ベースではなく稼働時間ベースで計算されます。そのため、仮にSESが開発したシステムが大きな成果をあげても、それが給与に反映されることはありません。
このような稼働時間ベースの単価設定も、SESの給与が低くなりやすい原因のひとつといわれています。
理由③ 還元率が低すぎるから
SES企業の還元率が低く設定されている場合、単価が同じでも給料が低くなるという現象が発生します。
先述したとおり、SES企業を選ぶ場合は、還元率の確認が欠かせません。
理由④ 案件によって単価にばらつきがある
案件の単価は、システムの難易度や規模によって大きく異なります。経験が浅いうちは、どうしても難易度が低く規模が小さい案件を請け負うことが多いので、年収が低くなりがちです。
なかには、単価の低い案件を中心に請け負っている企業もあります。このようなSES企業では、昇給・キャリアアップがしにくいでしょう。
自身のスキルや知識を向上させ、転職を視野に入れる必要があるでしょう。
理由⑤ 待機期間中の給与が減額されることが多い
SESエンジニアの年収を不安定にする要因の一つに、「待機期間」中の給与減額があります。
待機期間とは、一つのプロジェクトが終了し、次のプロジェクトに参画するまでの、いわば仕事がない期間のことです。この待機期間中の給与をどう扱うかは企業によって異なりますが、残念ながら給与を満額支払わず、基本給のみにするなど減額するルールを設けている企業も少なくありません。
待機期間の発生は避けられないこともあるため、その間の給与が100%保証されるかどうかは、安心して働き続けるために必ず確認すべき重要なポイントです。
理由⑥ 営業力の弱い企業では高単価の案件を取りづらい
エンジニア自身のスキルがいかに高くても、所属しているSES企業の「営業力」が弱ければ、年収を上げることは難しくなります。エンジニアの価値を顧客に伝え、より良い条件の案件を獲得してくるのは営業担当者の役割であり、その力がエンジニアの年収に直接的な影響を与えるからです。
営業力の強い企業は、発注元であるエンドユーザーや、元請けとなる大手IT企業と直接取引するパイプを持っています。こうした商流の浅い「直請け案件」は、下請け案件に比べて中間マージンが少ないため、必然的に単価が高くなる傾向にあります。
理由⑦ 評価や査定基準が不透明でモチベーションに繋がりにくい
SESエンジニアは、自社ではなく顧客先のオフィスで働く「客先常駐」という勤務形態が基本です。この働き方の特性が、正当な評価を受けにくく、結果として年収が上がりにくいという問題を生んでいます。
また、「何を達成すれば、どれくらい給与が上がるのか」という評価基準そのものが曖昧な企業も少なくありません。納得感を持って働き、着実に年収を上げていくためには、評価制度が明確で、定期的な面談などを通じてエンジニアのキャリアと真摯に向き合ってくれる企業を選ぶことが不可欠です。
理由⑧ 未経験者の割合が多く、平均単価が下がりやすい
「SESは年収が低い」というイメージには、業界全体の統計データが関係している側面もあります。
SES業界は、深刻なIT人材不足を背景に、「未経験者歓迎」を掲げて広く人材を募集している企業が多いのが特徴です。しかし、実務経験のない未経験者は、スキルや経験が豊富なエンジニアに比べて低い単価からキャリアをスタートすることになります。
これが業界全体の「平均年収」を押し下げる要因にもなっています。
このように、比較的低い単価で働く層が業界に多く流入するため、すでに高単価で活躍している経験豊富なエンジニアも含めた業界全体の平均年収を計算すると、どうしても数値が低く見えてしまうのです。スキルと経験を地道に積み重ねていけば、平均を大きく上回る高い年収を得ることは十分に可能です。
SES企業で年収アップ・キャリアアップする方法は?

最後に、SES企業で年収アップ・キャリアアップをする方法についてご紹介します。
自社開発企業のエンジニアに転職する
SES企業で働くエンジニアよりも、自社開発エンジニアの方が、年収が高い傾向にあります。
SESという働き方に疑問を感じている方や、ひとつの企業で集中して開発がしたいという方は、自社開発エンジニアへの道を検討してみてください。
▼SESから自社開発の転職に興味がある方へ
「SESから自社開発への転職は難しい?失敗しないポイントを解説!」こちらの記事もあわせてご覧ください。
マネジメント職や上流工程の職種を目指す
同じ会社内で昇給やキャリアアップを目指したいという方は、メンバーの育成・管理するマネジメント職など、上流工程の職種を目指すキャリアパスがおすすめです。
また、マネジメント職を経験することで、別のSES企業に管理職として転職するなど、その後のキャリアアップにも活かすことができます。
高還元・大手SES企業への転職を目指す
先ほどご紹介したように、SESの給料には還元率が大きく関わっています。現在勤めている企業の還元率が低い場合は、より還元率が高い企業への転職を検討するとよいでしょう。
なお還元率は、大手企業の方が高い傾向があるので、ぜひ参考にしてみてください。
スキルを高める
上流工程への昇格でも他社への転職でも、キャリアアップのためには自身のスキルを高める必要があります。以下のような方法で、技術や知識を深めましょう。
市場ニーズの高い資格を取得する
資格を取得することで、自身のスキルを客観的に証明することができ、昇格や転職などのキャリアアップに活かせます。
CCNAやITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験など、IT技術者向けの資格にはさまざまな種類があるので、自身のキャリアを踏まえて取得する資格を選びましょう。
▼ITストラテジスト試験に興味がある方向け
「ITストラテジスト試験の難易度は?合格するメリットや必要な勉強時間について解説!」もあわせてご覧ください。
▼CCNAに興味がある方向け
「CCNAとは?試験の難易度や取得するメリット、合格率を上げるためのポイントを解説!」もあわせてご覧ください。
研修や勉強会、セミナーに参加する
エンジニア向けの研修・勉強会・セミナーなどに参加するのもおすすめです。キャリアアップのための方法や身につけておきたい技術や知識など、さまざまな情報を得ることができます。
また、このようなイベントでの出会いが転職につながる可能性もあります。SESとしての現状にお悩みの方は、ぜひ参加してみてください。
書籍や学習サイトを活用し、独学でスキルを高める
伸ばしたいスキルや学びたい言語が明確な場合は、書籍や学習サイトを活用して、独学でスキルを高めましょう。
ネットにはさまざまな教材や学習サイトがあるので、自分に合ったものを探してみてください。なお、自身のスキルを確認したい場合は、コーディングテストサービスなどを活用するのもおすすめです。
コミュニケーションスキルを強化する
客先常駐という働き方の特性上、プロジェクトごとに新しい環境や人間関係に飛び込むため、円滑な意思疎通がプロジェクトの成否や自身の評価を大きく左右します。そのため、コミュニケーションスキルは非常に重要といえます。
「この人となら仕事がしやすい」と感じてもらうことで、顧客からの高い評価に繋がり、自社の営業担当者が単価交渉を進めやすくなるでしょう。
スキルシートを充実させる
スキルシートはあなたの技術力や経験を判断するために重要なもので、その内容はあなたの市場価値そのものを表します。
参加したプロジェクトについて5W1Hを明確に記述するとともに、「5名のチームリーダーを担当」「処理速度を20%改善」のように、自身の役割や成果を具体的な数字で示すと、説得力が格段に増します。
プロジェクトが終了するたびに必ず内容を更新し、常に最新の状態に保つ習慣をつけ、自身の価値を最大限にアピールできるように準備しておきましょう。
キャリアゴールを明確にし定期的に見直す
SESエンジニアは様々なプロジェクトに参加できる一方、会社の方針にキャリアを委ねてしまうと、自分の目指す方向性を見失いがちです。
自分自身のキャリアゴールを明確に設定することで、今習得すべきスキルや経験すべき案件が自ずと見えてきます。
まずは自身のスキルや経験をすべて書き出して現状を把握し、理想の将来像とのギャップを洗い出しましょう。そのギャップを埋めるための行動計画を立て、「次の案件では要件定義に挑戦したい」「1年以内にAWSの資格を取る」といった具体的な希望を自社の営業担当者に伝えることが、目標達成への第一歩です。
まとめ
SESは多重下請構造や還元率などが原因で、年収が低くなりがちです。一方、単価や還元率が高く、高年収を期待できる企業もあります。
また、PMやPMO、リードエンジニアなど、自身のスキルを高めることで年収アップを実現することもできます。
SESとしての現状に疑問を感じている方は、今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ自身のスキルアップにチャレンジしてみてください。
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