SIerは業態の特性上、つまらないという声も少なくありません。しかし、実際にSIerで働いている人のなかには「辞めたくない」「やりがいを感じる」という意見もあります。 なぜつまらないと思われるのか、その理由と対策、SIerのメリットを解説していきます。
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SIerとは?
SIerはエスアイヤーと読み、クライアントから依頼されたシステムの開発から運用まですべてを請け負うサービスを展開している企業を指します。
要件定義、設計、開発、テスト、保守・運用(アフターサポート)までがサービス範囲ですが、開発作業に関しては協力会社へ外注していることが多いです。
そのためSIerはプロジェクトを管理することがメインの業務といえるでしょう。
▼SIerについて詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめ
「SIerとは」もあわせてご覧ください。
SIerがつまらないといわれる理由5選
SIerがつまらないといわれるのは何故なのでしょうか。
その理由を5つご紹介します。
開発・プログラミングなど実務の機会が少ない
SIerは開発作業を協力会社へ外注することが多く、メイン業務はプロジェクトの管理になりがちです。
そのためプログラミング実務から離れてしまい、技術力を発揮できないことがつまらないと感じる理由のひとつになっているようです。
資料作成が多い
顧客依頼を取りまとめ、協力会社に指示を仰ぐ必要があるため、要件定義書・仕様書・説明資料・報告書などさまざまな資料の作成が必要になります。
顧客依頼が多く複雑化するほど、その頻度は高くなるでしょう。
また誰でも扱えるという汎用性の高さから、Excel・PowerPointなどを利用する頻度が増えます。
最新のシステムを取り入れ円滑なコミュニケーションをはかりたいというジレンマを抱えている人も少なくありません。
新たな分野に挑戦しにくい
SIerは顧客からの要望と依頼が優先されるため、こちらから新しい開発プロセスを提案することがほとんどありません。
また大手SIerになるほど、顧客が金融・医療・行政などの特定の業界からの依頼が増加します。これらの業界は、新しい技術を取り入れるよりも安定性と堅牢性を重視する傾向にあります。
そのため新しい技術に挑戦する機会が減ってしまうことも、つまらなさの要因のひとつでしょう。
顧客との調整で疲弊してしまう
開発を進めていくなかで、顧客からの追加要望や当初計画していた仕様を変更しなければならない事態も起こり得ます。
その場合、顧客要望の取りまとめだけでなく外注企業との調整が必要になります。 自社でコミュニケーションが完結しないというもどかしさも、つまらなさに繋がっているのでしょう。
技術力よりもマネジメント力が評価されがち
SIerは、プロジェクトマネジメント力をいかに発揮し、納期までに顧客要望を満たす成果物を提供できたかが評価ポイントになりがちです。
技術力を磨きたいエンジニアにとってはつまらないと感じてしまうでしょう。
SIerを辞めたくないという意見もある
SIerがつまらないという声がある一方で、辞めたくないという前向きな意見も多くあります。その理由をご紹介します。
年収や待遇がいいから
2023年厚生労働省から発表された調査結果によると、SIerエンジニア(業務用システムのSE)の平均年収は550万円でした。上流工程からプロジェクトに携わることが多いSIerは、ITエンジニア職のなかでも比較的年収が高い傾向にあります。
また、SIerのビジネスモデルの構造上、プライム案件ほど高い収入を得ることが可能となります。
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、日本人全体の平均年収は約458万円なので、SIerは同等あるいはそれ以上だということがわかります。
参照:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」
参照:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」
▼SIerの年収についてはこちらの記事もおすすめ
「SIerの年収は本当に低い? 業界・企業別でみる平均年収と年収を上げる方法を紹介」もあわせてご覧ください。
ネームバリューを手放したくないから
SIerは売上3兆規模の誰もが名前を知っている大手企業も多く存在します。
SIerから好待遇を求めて転職を検討する場合は、より激務といわれるコンサル系企業や、個人事業主として独立するという手段になることが多く、大手企業の安定性やネームバリューをなかなか手放せないという方も一定数いるようです。
今後も伸びる業態だから
SIer事業は今後も一定の需要が続くと予測されます。
クラウド、AI、IoTなどの新技術の普及をはじめ、政府が2020年12月に「自治体DX推進計画」(※)を公表したことで民間企業がDX化に踏み切る流れも増加しています。
実際に業績を伸ばしている企業も多く、まだまだ伸びる事業だといえるでしょう。
※参照:「自治体DXの推進 – 総務省」
▼SIerの将来性についてはこちらの記事もおすすめ
「SIerに将来性はある?今後も必要とされる理由と市場価値を高める方法」もあわせてご覧ください。
SIerで得られるスキル
SIerは開発技術を追求し続けることはできない可能性が高いですが、一方で磨かれるスキルがあります。
全体の指揮をとるリーダーシップ
開発には企画、要件定義、設計、プログラミング、テスト、実装、運用、保守という工程があります。
幅広い業務が必要に思えますが、実際には下請け構造になっており1つのプロジェクトには複数社が関わっていることがほとんどです。
SIerはプロジェクトの達成に向け、各ステークホルダーと連携をとることが主な役割となります。プロジェクト全体の調整力、指揮を取るリーダーシップは特に評価される汎用性の高いスキルといえます。
高いビジネス視点と技術理解のバランス
システム開発の工程における企画~運用・保守までの手順は標準化されており、基本的にはどの開発でも同じプロセスを行っています。
大手のSIerになるほど上流工程を担当するため、多岐にわたる工程の最適化を前提とした企画、要件定義が求められます。
高度なビジネス視点と技術理解のバランスが身に付き、どの企業からも求められるような人材になれるでしょう。
業界知識の習得
SIerは担当するプロジェクトが一つの業界とは限りません。業界が異なれば、関連するシステム要件や業務要件を深く理解する必要があります。使用言語が異なる場合も多いでしょう。
あらゆる業界での専門知識が、他のプロジェクトや将来のキャリアにおいても非常に有利に働くでしょう。
SIerの仕事がつまらないと感じるときに起こすべき行動
メリットがあってもSIerの仕事がつまらないと感じることもあるでしょう。
そう感じたときは、自分がどうしたいかを考えることをおすすめします。行動を起こすべきかどうかが明確になり、次のステップを見つけやすくなります。
副業をしてみる
副業が禁止されていない場合は、開発業務に携わる機会が減った分を副業で補うのもおすすめです。 成果物が収入として返ってくるのでやりがいにつながりますし、最新技術に触れる機会も担保できるでしょう。
資格を取得してみる
スキルフィット重視のエンジニアは、目に見える評価のひとつとして資格取得を推奨しています。資格を取得することが昇格要件や報奨金支給対象になる企業も多くあります。
資格の勉強会やセミナーを通じたエンジニア同士のコミュニティもあるので、新たな知見を広げるきっかけになるかもしれません。
職種を変えられないか会社に相談する
SIer企業には、営業や開発者などさまざまな職種があるはずです。 SIerがどうしてもつらい、面白くないという場合は、職種変更ができないかを素直に会社に相談することも有効でしょう。
仕事と割り切る
SIerの待遇や給与、ネームバリューを手放してまで転職や異動をしたくないという場合もあるでしょう。その場合は仕事と割り切ってしまうことで気持ちが楽になるかもしれません。
今すぐに行動を起こす必要があるのかを考えてみると良いでしょう。
転職活動をする
思い切って転職活動をスタートすることも有効な手段のひとつです。転職活動をすることで、他社の条件や働き方を知ることができ、今の自分の状況と比較ができるでしょう。
実際に転職するかは転職活動を通して決めれば良いので、気軽な気持ちでスタートしてみても良いかもしれません。
ひとりで悩んでしまう場合は、転職エージェントが無料相談を行っているので、まずは相談からはじめてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
SIerはシステム開発から運用を請け負う企業ですが、実務よりもプロジェクト管理が主で、資料作成や顧客調整が多く、新技術に挑戦しにくい点がつまらないと感じられる理由です。
しかし、年収の高さや安定した雇用、業界知識の習得などのメリットもあります。
つまらないと感じた場合は、副業や資格取得、転職活動などの行動を検討するとよいでしょう。
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