SESからの転職は選択肢が豊富である一方で、転職先を正しく選ぶことは簡単ではありません。
この記事では、SESからの転職でおすすめできる企業の種類を紹介します。また、転職の成功方法や内定獲得のために覚えておくべきポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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SESから転職したい主な理由とは?
SESから転職したいと考える理由は、人によってさまざまです。ここからは、SESから転職したい主な理由を5つご紹介します。
- 給与と労働時間が見合わないと感じたから
- 残業や休日出勤が多く、プライベートの時間を確保できなかったから
- 客先常駐の環境がストレスに感じたから
- 自社開発エンジニアにチャレンジしたかったから
- スキルアップできているか自信がなかったから
SESから転職したい主な理由として、労働条件や働き方が挙げられます。客先常駐がメインであるSESは、プロジェクトによって働き方が変わるケースも少なくありません。特に、納期に余裕がないプロジェクトの場合、残業や休日出勤を強いられることもあるでしょう。
また、プロジェクト期間が明確に定まっており、システムを開発したらすぐに次の現場へ移ることも多々あります。その結果、システムの運用に関われる機会がほとんどなく、スキルアップできているか不安な方もいるようです。
SESからのおすすめ転職先は?
SESからの転職先としてどのような企業を選ぶとよいでしょうか。下記にて、おすすめの転職先をピックアップして紹介します。
SESからSIerに転職
SESの転職先としてまず候補にあげられるのが、SIerをはじめとした受託開発企業です。SIerは、クライアントからの依頼を受け、システムやソフトウェアの設計・開発から運用までを担当します。
下請けが連なる「多重下請け構造」の中でも、SIerは上流工程を担当します。
どちらかというと下流に位置するSES企業から上位のSIerへ転職すれば、キャリアアップできる上に収入アップも実現可能です。基本的な仕事の種類はSESもSIerも変わらず、スキルさえあればすぐに慣れるでしょう。
一方、大規模な案件を扱う企業の場合、業務の責任が重くなる上に納期間近になると残業が増えるケースも少なくありません。このような点にも注意して、SIerを検討してみてください。
こちらの「SIerの年収は本当に低い? 業界・企業別でみる平均年収と年収を上げる方法を紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
SESから自社開発企業に転職
Webシステムをはじめ自社開発に注力する企業は、エンジニアの転職先として人気です。
自社開発をしている企業では、エンジニアとしての実力を十分に発揮できることに加え、技術を磨く環境が整っている場合が多く、スキルアップにも適しています。
収入がスキルや実績に応じて高くなりやすい点も、自社開発企業を転職先に選ぶメリットです。
しかし、Web系では新しい技術が登場するまでのサイクルが早く、SES時代に身に着けたスキルが、そのまま活用できるとは限りません。新しいスキルを学習し続ける必要があるでしょう。
こちらの「SESから自社開発への転職は難しい?成功させるポイントを解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
SESから事業会社の社内SEに転職
長く働き続けられる環境を探したいのであれば、事業会社の社内SEも選択肢の1つです。
事業会社の社内SEは、社内のシステムに関する業務やベンダーマネージメントなどを担当します。下請けではないことからSESより安定しやすい点や、上流工程に関われる点が大きな魅力です。
なお社内SEに求められるのは、プログラミングだけではありません。社内システムやネットワークの保守・トラブル対応、さらに備品の管理まで任される可能性があります。
システムに関わる幅広い業務に携わるため、仕事内容をよく確認してから応募しましょう。
こちらの「社内SEへの転職は難しい? 失敗しないポイントと求められるスキル」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
SESから別のSES企業に転職
SESとしての技術や実績があるのであれば、別のSES企業への転職はハードルが低めです。転職先もSES企業なら、働き方をそれほど変えずに、働く環境のみを変えられます。
またSES企業といっても環境や待遇、条件は千差万別なので、今の職場より自分にあった転職先を見つけられる場合もあるでしょう。大手と中堅では扱う案件の規模も異なるため、自分の希望に近い案件を担当できる企業を選ぶ方法もおすすめです。
例えば中堅SESであれば、比較的コンパクトな規模の案件を多く扱っています。小規模の案件に携わるメリットは、大規模な案件よりもエンジニアとして力を発揮しやすい点です。
また、小規模の案件であれば経験が浅い人でも、マネジメント業務に携われる機会に恵まれる可能性が高まります。
さらに別のSES企業への転職であれば、即戦力として受け入れてもらいやすい点も大きなポイントです。給与をはじめとした待遇面について、現状から改善できる可能性も十分にあります。
優良なSES企業を見極めるポイント
一口にSES企業といっても、優良な企業・ブラックな企業が混在しており、見分け方にコツが必要です。ここからは、優良なSES企業を見つけるときにチェックすべきポイントを紹介します。
自社開発力があるか
自社で開発できる程度の技術力がある企業は、優良なSES企業である可能性が高いです。その企業が自社開発したシステムやソフトウェアが発表されているなら、売り上げの状況や成長性の有無、開発力の程度をチェックしてみてください。
仮に開発の規模が小さくても、自社開発には多大な人件費や設備費がかかります。現在も売れ続けているシステムやソフトウェアを開発しているなら、「自社開発力が高い」と判断できます。
一方、自社開発の実績がある企業でも、公式サイトで古い実績しかアピールしていない企業には注意が必要です。もし現時点で目立った開発をしていないなら、「直近で自社開発したシステムが市場に受け入れられなかった」という可能性もあります。
自社開発力が高いSES企業へ転職すれば、自分のスキルアップにもつながります。
給与・ボーナスがよいか
エンジニアに対する給与・ボーナスなどの条件が良ければ、その企業がエンジニアを大切にしていると判断可能です。
また給与・ボーナスの額は、事業がどれだけ安定しているかの目安にもなります。というのも十分な収益をあげられていなければ、エンジニアの給与も上げられないからです。
そのほかにも、給与とあわせて残業代や交通費の支給有無も確認するようにしましょう。優良とは言い難いSES企業では、これらがきちんと支給されない可能性が高いため、有効な判断材料になります。
給与を決める評価や昇給の基準についても、チェックしておきたいところです。面接などで、給与の体系とあわせて評価制度や昇給の有無・頻度も確認しましょう。面接官が言葉を濁して明言を避けるようなら、エンジニアをきちんと評価してくれるか怪しいでしょう。
反対に評価基準や給与体制が明確かつ、内容に納得できるようであれば、優良なSES企業である可能性が高いです。
離職率が高くないか
離職率が低い企業であれば、それだけエンジニアの満足度も高いと考えられます。「キャリアアップしたい」「十分な収入がほしい」といった、エンジニアの要望をかなえられていなければ、離職率は低く抑えられません。
反対に離職率が異常に高いようなら、ブラック企業である可能性が疑われます。このようなSES企業に応募するのは、十分に注意が必要です。
求人サイトや面接などで、離職率や従業員の定着率についてはっきりした回答がない場合は、従業員の平均年齢で推測する方法もおすすめです。エンジニアを大切にしており、きちんとしたキャリア形成が可能な会社なら、従業員が長く働き続け、平均年齢が高くなる傾向にあります。
一方、平均年齢が低いSES企業は注意した方がよいでしょう。平均年齢が20代の会社が必ずしもブラックなSES企業というわけではありませんが、「従業員が定着せず、離職率が高いまま、社内環境が改善されていない」という恐れもあるからです。
もし従業員の平均年齢が気になるなら、、面接の際に「なぜ平均年齢が低いのか」を聞いてみるとよいでしょう。納得できる回答がなければ注意が必要です。
研修や教育制度が整備されているか
「エンジニアを大切にしている企業か否か」を見極めるためには、研修や教育制度が整っているか確認するのも有効です。優良なSES企業は、エンジニア育成のための費用を惜しまず、研修・教育制度が充実しています。
エンジニア教育に積極的な企業の一例として、自社で積極的に勉強会を開催している企業があります。自社開催の勉強会なら無料なのはもちろん、自社業務に直結するスキルを習得できるでしょう。
また教育制度を重視するSES企業の場合、スキル習得のための書籍購入費や資格取得費などを補助してくれることもあります。
これらのポイントを基に、転職先として検討しているSES企業の研修・教育制度を確認してみてください。
取引先を公開しているか
優良なSES企業か否かを判断するためには、公式サイトや求人情報で取引先を公開しているかチェックしましょう。
SES企業は人材不足である企業が多く、ほかのSES企業を取引先として選ぶ場合があります。しかし、そのようなSES企業は多重下請け構造の下流に属している可能性が高いです。この場合、待遇面もスキルアップも大して期待できません。
そこで対象のSES企業が優良か否か見極めるために、ユーザー企業と直接取引しているか確認しましょう。優良なSES企業であれば下請け企業を挟まずにユーザー企業から案件を受注できるので、結果的にエンジニアの待遇も良くなります。
また元請け企業と直接取引の実績があれば、少なくとも「下流ではない」可能性が高いでしょう。
SESからのキャリアアップ転職を成功させる6つのポイントを解説
SESからの転職でキャリアアップを考える際、ポイントをおさえて転職活動に臨むことが必要です。ここでは、SESの転職を成功するのに必要な6つのポイントを紹介します。
転職は「手段」であり「目的」ではないことを理解する
転職は、自分の希望を叶えるための「手段」であり「目的」ではありません。現職に留まっても希望がかなうのであれば、そもそも転職は不要です。
転職を希望するのであれば、現職で実現できない明確な転職理由があるはずです。転職理由が明確でなく、きちんと言葉で説明できない人ほど、転職自体が目的になってしまうので気をつけましょう。
キャリアパスを描く
自分がエンジニアとして今後どうしていきたいのか明確にするためにも、キャリアパスを描くことも重要です。キャリアパスを描けば、「どのような転職先を選ぶべきか」も正しく判断できるようになります。
例えば「今のプロジェクトでは開発経験が積めない」「若手のうちにPMを目指したい」など、キャリアパスによって選ぶべき転職先も異なります。
将来なりたい姿と現在の自分を照らし合わせて、「今の自分には何が足りていないのか」「どうすれば理想の姿に近づけるのか」を自分なりに分析することが大切です。
スキルの棚卸しをする
自分にどのようなスキルや実績があるか、応募企業にアピールできる内容をまとめておきましょう。スキルや実績の棚卸しをすることによって、転職の軸が定まりやすくなるとともに、面接対策にもつながります。
特に「どのようにプロジェクトに関わってきたか」を具体的に伝えましょう。
例えば「PMをしていた」だけでは、アピールすべきポイントが伝わりません。以下のような内容をできる限り詳細に書き出してみてください。
- プロジェクトの期間
- 開発したシステム・ソフトウェアの種類・特徴
- 顧客の特徴(法人か個人か、自社内かユーザー企業かなど)
- 担当した役割と担当範囲
- 使用したプログラミング言語の種類や開発環境
- 予算
- メンバー数
また、プロジェクト参画時に感じた課題や、その課題をどのように解決に導いたかなどのエピソードも添えられるとより良いでしょう。
応募書類・面接対策に力を入れる
履歴書や職務経歴書をはじめとした応募書類、また面接対策も重要です。履歴書・職務経歴書では自分のスキル・実績をできるだけ具体的にわかりやすくまとめましょう。
例えば、「チームで協力し難しい課題に取り組んだ」「粘り強く開発に挑んだ」など、協調性・忍耐力をアピールできると好印象です。
一方、前職の不満を長々と話すことは面接官からの印象が良くありません。面接の場ですべてを正直に話す必要もないため、避けた方がよいでしょう。
求人情報をリサーチする
求人情報のリサーチは転職の際に欠かせません。ミスマッチを防ぐためにも、転職先に求める条件や自分のスキル・実績を明確にし、条件に合う転職先を選定しましょう。
エンジニアにとって、転職先の選択肢は選びきれないぐらい豊富にあります。まず「最低限外せない条件」を設定しておき、転職先を探すと選びやすくなるでしょう。
転職エージェントに最適な求人を紹介してもらう
膨大な求人情報のなかから、自分にとって本当に適した転職先を選ぶのは決して簡単ではありません。どんなに時間をかけて求人情報をチェックしたとしても、もっとも希望に合う転職先に出会える保証もないというのが現実です。
その点、プロの転職エージェントを活用すれば、豊富な求人情報のなかから、「自分にとって本当にマッチする企業」を紹介してくれます。
また専属のエージェントによる、カウンセリングや内定獲得のサポートを受けることも可能です。
まとめ
SES企業からのおすすめ転職先として、SIerなどの受託企業やWeb系などの自社企業、別のSES企業があげられます。
転職活動を成功させるためには、スキルの棚卸しや求人情報のリサーチなど、十分な対策を行う必要があります。
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SESからのキャリアアップ転職を成功させるポイントはありますか?
はい、まず5つがポイントとして「転職は手段であり目的ではないことを理解する」「キャリアパスを描く」「スキルの棚卸しをする」「書類・面接対策に力を入れる」「求人情報をリサーチする」があげられます。
その上で転職活動を成功させるためには、スキルの棚卸しや求人情報のリサーチなど、十分な対策を行う必要があります。エージェントを活用することもおすすめです。
SESからのおすすめ転職先はありますか?
はい、おすすめとしてあげられるのは「SIerなどの受託企業」「Web系などの自社開発」「事業会社の社内SE」「別のSES企業」などになります。
詳細は「SESからおすすめの転職先」で説明しているので確認ください。