SE(システムエンジニア)の平均年収は?1000万円を目指す方法を解説

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この記事でわかること

  • SE(システムエンジニア)の平均年収
  • 年収を上げたいSEにおすすめの資格
  • SEの年収を1000万円まで上げる方法
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
坂田 雄平

過去に8年ほど、受託企業でITエンジニアの経験あり。長年培ってきたエンジニア経験をもとに、求職者さまに寄り添ったキャリア支援を得意としている。

SEは働き方や環境、自分のスキル次第で、年収アップを狙える職業です。

本記事ではSEの平均年収と、年収1,000万円を目指せる具体的な方法を解説します。

久松さん

監修者プロフィール

合同会社エンジニアリングマネージメント 社長
久松 剛さん

慶應義塾大学大学院政策メディア研究科博士(政策・メディア)。2000年より慶應義塾大学村井純教授に師事。合同会社エンジニアリングマネージメント社長兼レンタルEM。ベンチャー企業3社にてIPOや組織改善コンサル、PjMなどを歴任後、2022年に合同会社を設立。
現在はスタートアップから日系大手企業まで企業規模を問わず、採用や組織改善コンサル、セミナー、執筆など幅広く活躍中。

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SEの平均年収は約494万円

求人ボックスによると、SEの平均年収は約494万円です。月給で換算すると約41万円という計算になります。

同業種に分類されるプログラマーの平均年収は約419万円という結果になりました。SEと比較して平均年収に70万円以上の差がある点から、SEの需要と将来性の高さがわかります。

ちなみに、国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」を参考にすると、日本人の平均年収は458万円です。SEの平均年収の方が、全体の平均数値を大きく上回っています。

※参考:求人ボックス「給料ナビ システムエンジニアの仕事の年収・時給・給料

SEの男女別の平均年収

SEの平均年収は男女別・年代別に異なります。それぞれ確認していきましょう。

男性SEの場合

20代前半までは平均年収がやや低い傾向にありますが、30代半ばをこえると500万円以上となり、日本人全体の平均年収を上回ります

平均年収のピークは定年前の55~59歳で、平均年収が700万円に到達しそうな勢いです。

SEの年収は企業規模や業界によって大きく異なるので、年収1000万円を目指すことも不可能ではありません。

※参照サイト:経済省統計局「賃金構造基本統計調査」

女性SEの場合

女性SEの平均年収も男性と同様に、20代前半までは低くなりがちです。「SEの平均年収が低い」というイメージが定着してしまっている主な要因のひとつともいえるでしょう。

しかし、40歳前半になると、月給・賞与ともに大幅にアップし、平均年収は500万円を大きく上回ります

また、女性は結婚や出産などのライフイベントで、どうしても男性より平均年収が下回りがちです。

一方、国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、女性全体の平均年収は314万円です。 女性全体の平均年収と比べれば、SEはライフイベントに左右されずにキャリアを築ける職種のひとつともいえます。

※参照サイト:経済省統計局「賃金構造基本統計調査」

企業規模別:SEの年齢別の平均年収

電卓とペン

この章では、企業規模によるシステムエンジニア(SE)の年齢別平均年収の違いについて紹介します。
主に以下の内容があります。

  • 20代の平均年収
  • 30代の平均年収
  • 40代の平均年収
  • 50代の平均年収

20代の平均年収

20代のシステムエンジニアの平均年収は比較的低い傾向がありますが、企業規模によってかなり差があります。経験が浅いため給与水準は控えめですが、大企業では新人研修や教育制度が整備されており、比較的安定した収入を得られます。

具体的には、大企業の場合、月給はおよそ27万〜30万円、年間賞与は約50万〜70万円程度が一般的です。一方で中小企業の場合は月給が23万円前後、年間賞与も約30万円程度と、大企業と比較してやや低めになります。

そのため、20代のエンジニアは自分がどのようなスキルを伸ばしたいか、将来どのようなキャリアを目指すかを考え、企業規模や待遇面を考慮して就職や転職先を決める必要があります。

30代の平均年収

30代になると、システムエンジニアとしての専門性が高まり、プロジェクトのリーダーや管理職に就く機会も増え、企業規模による年収差が明確になります。

大手企業では所定内給与が35万円〜40万円と高く、年間賞与も100万円を超えることが珍しくありません。これに対し、中小企業の場合は月収が30万円程度、賞与は50万〜70万円程度が平均的です。

この年代では、給与だけでなく将来の昇進の可能性や役職の有無が年収を大きく左右します。したがって、給与面だけでなく自分が望むキャリアパスや役職登用制度、スキルアップの機会なども考慮し、総合的に勤務先を選ぶとよいでしょう。

40代の平均年収

40代はシステムエンジニアとしてキャリアが成熟し、年収のピークに近づく年代です。この時期になると、大企業と中小企業の間で年収格差が特に顕著になります。

特に大企業では、管理職や専門性の高いスペシャリストとして評価されることで、月給が45万円〜55万円を超えるケースが多くなり、年間賞与も150万円以上になる場合があります。一方、中小企業では月給35万円〜40万円前後、賞与も70万〜100万円程度にとどまることが一般的です。

そのため、この年代のエンジニアは企業の規模に加えて、役職の有無や職務上の裁量権、勤務環境などをしっかり考慮し、適切なキャリアプランを立てていくことが重要になります。

50代の平均年収

50代になるとシステムエンジニアの平均年収は最も高くなり、企業規模による格差が最大になります。

大企業では、管理職やシニアエキスパートとしての評価により、月収が60万円以上に達し、年間賞与も200万円を超えることが珍しくありません。対して中小企業では、月収が40万円〜50万円、年間賞与が80万円〜120万円程度となり、大企業に比べ上限が低くなります。

この年代では現役時代の給与水準だけでなく、退職後の生活を見据え、退職金や再雇用制度、福利厚生など将来的な視点での待遇を含め、勤務先を慎重に検討する必要があります。また、早めに企業年金やライフプラン設計を進めておくこともおすすめです。

各地域のSEの平均年収

女性とパソコン

この章では、日本各地域におけるシステムエンジニア(SE)の平均年収について紹介します。各地域のSE年収には主に以下の内容があります。

  • 首都圏のSEの平均年収
  • 関西圏のSEの平均年収
  • 地方都市のSEの平均年収

首都圏のSEの平均年収

首都圏のSEの平均年収は全国でも特に高く、東京都を中心とした地域では約600万円~700万円程度が一般的です。特に大手SIerや外資系企業の場合、年収が800万円を超えるケースも珍しくありません。

これは首都圏に大企業が集中し、プロジェクト規模が大きく、IT関連の需要が高いためです。またアクセンチュアや富士通、日立製作所、NTTデータといった大手企業が多いため、専門性の高い案件が豊富にあります。

首都圏のSEは、高い技術力を身につけるとともに、積極的にキャリアアップを図りやすい環境であり、高収入を目指す場合に最も適した地域と言えるでしょう。

関西圏のSEの平均年収

関西圏のSEの平均年収は、首都圏に次ぐ水準で、約550万円~650万円程度となっています。

大阪や京都、神戸などには大企業やIT系企業が存在しますが、首都圏ほどの企業数や案件規模ではないため、年収面ではやや控えめです。しかし、生活コストや住宅費用が首都圏に比べて低く、生活環境の質が高いことから、実質的な豊かさでは遜色ないと感じる方も多いでしょう。

特に大阪市や京都市の中心部ではパナソニックやオムロンなど大手メーカー系企業の社内SEとして働けるチャンスがあり、安定した給与体系と福利厚生を重視する方におすすめです。

地方都市のSEの平均年収

地方都市のSEの平均年収は全国的な水準よりも低めで、おおよそ400万円~500万円程度となります。

地方ではIT関連企業やプロジェクト数が限られているため、首都圏や関西圏ほど高収入を望むのは難しい傾向があります。しかし、生活費が大都市に比べ格段に安いというメリットがあります。

また、地方には公共機関や地元優良企業の社内SEとして安定した収入と落ち着いた生活を送れる機会も多く存在しています。年収面だけでなく、ゆとりあるライフスタイルや家族との時間を大切にしたいSEにとっては、地方都市で働くことが現実的な選択肢の一つとなります。

職種別のSEの平均年収

小銭と男性

この章では、職種別に見たシステムエンジニア(SE)の平均年収を紹介します。職種別SEの平均年収には主に以下の内容があります。

  • 社内SE
  • SIer
  • フリーランスSE

社内SE

社内SEの平均年収は安定しており、大企業の場合は約600万円~700万円と高めの水準です。

例えば富士通や日立製作所、アクセンチュアの社内SEでは年収700万円を超えることもあり、残業時間が比較的少なく福利厚生が充実している点が魅力です。一般的なSE職に比べ、勤務時間や休日が安定しやすいため、ライフワークバランスを重視した働き方ができます。

一方、中小企業の社内SEでは年収が500万円前後の場合もありますが、企業規模が小さい分、自分の意見や提案が通りやすく、自由度の高い仕事環境を求める方に適しています。

SIer

SIerで働くSEは、企業規模や案件によって年収の差が大きく、中堅企業で500万円~600万円、大手企業の場合は700万円~800万円以上になることがあります。

例えばNTTデータや大塚商会、野村総合研究所(NRI)といった大手SIerではプロジェクトが豊富で、大規模な案件や最新技術を用いたプロジェクトに参加することでキャリアアップにつながります。

ただし、SIerはプロジェクトベースで仕事が進行するため、案件によっては長時間残業が発生しやすく、年収が増える一方で労働時間が長くなることもあるため、自分の働き方に合わせて慎重に選ぶ必要があります。

フリーランスSE

フリーランスSEの平均年収は、案件単価が高いことから700万円~800万円程度と高めですが、契約が安定しないため収入の変動が大きいという特徴があります。技術力や経験が豊富であれば、年収1000万円以上を目指すことも可能です。

反面、継続的な案件獲得のために営業活動や人脈形成を行う必要があり、収入が不安定になるリスクがあります。

フリーランスSEは自分のスキルに自信があり、高収入を狙いつつ柔軟な働き方を希望する方に向いています。ただし、自己管理能力やマーケティング力が求められるため、独立する場合は十分な準備が必要になります。

SEの年収が高い背景とは?

IT業界は日々新技術が導入され、常にアップデートを繰り返しています。

SEは新技術のトレンドについていくだけでなく、自ら率先して技術を駆使しなければなりません。そのため、専門的な知識やスキルがSEには不可欠です。

もし「業務外にも勉強しているのに、賃金が見合わない」と感じれば、SEはその職場から離れていってしまうでしょう。

そのため、多くの企業では専門的な知識やスキルをSEに還元する目的で、平均年収を高く設定している場合があります。

年収を上げたいSEにおすすめの資格

SEの平均年収は高い水準にありますが、さらに年収アップを希望するなら、資格の習得がおすすめです。

以下では、年収アップにつながる可能性のあるSE関連の資格を紹介します。

プロジェクトマネージャー試験

プロジェクトマネージャー試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営している国家資格です。

IT系の現場で必要とされる予算やスケジュール調整、品質管理などを行うスキルを取得していることを証明できる資格で、上流工程のマネジメント職に就くときに活かせます。

将来的にプロジェクトマネージャーを目指す可能性があるのなら、積極的な取得がおすすめです。

一方で、プロジェクトマネージャー試験はIPAが主催する資格試験のなかで、最難関と言われています。合格率も毎年15%程度と非常に低くなっているので、独学や実務経験だけでは取得が難しいかもしれません。

専門の資格取得を支援する学校を利用するか、企業の資格取得サポート制度を活用するなどの対策を行いましょう。

▼プロジェクトマネージャーの転職については
こちらのプロジェクトマネージャーに転職するには? 向いている人や将来性を解説でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、IPA(情報処理推進機構)の提供する試験の1つで、データベースに関する専門知識を試される資格です。

これを取得することで、データベースの開発や運用、保守を行える人材であると証明できます。データベースエンジニアのほか、インフラエンジニアやアプリ開発者への転職を考えている場合などは、取得が選択肢に入るでしょう。

データベーススペシャリスト試験も国家資格であり、試験内容も最高難易度のスキルレベル4と高くなっています。毎年の合格率は15%なため、入念な準備が必要となるでしょう。

単純に知識を詰め込むだけでなく、実践的な課題解決能力が求められるため、仕事でスキルを活用するイメージを持ちながら対策を取るのがポイントです。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験とは、システム開発における上流工程の業務を的確に行える知識・技術を持つ人に与えられる資格です。

基本的なシステム開発だけでなく、要件定義・業務分析を行う能力が試されます。クライアントの要望を把握する理解力や、具体的なビジネスプランを構築する能力が必要となり、資格取得後はプロジェクトの全体的な指揮を取る立場で働けるでしょう。

SEとは仕事の領域が違うため、資格取得後はシステムアーキテクトの職業に転職するケースも考えられます。

システムアーキテクト試験も、IPA(情報処理推進機構)が提供するスキルレベル4の国家資格です。その難易度はほかのレベル4資格同様高く、合格率も10〜15%程度となっています。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験とは、IT業務における情報処理の基本スキルを証明できる資格です。システム開発、設計業務、その後の運用など、ITの開発業務全体に携われる能力を持つ人が取得できます。

基本情報技術者試験はIPA(情報処理推進機構)の国家資格の1つですが、初心者でも受験を考えられることから、合格率はほかの資格と比較するとやや優しめとなっています。

それでも合格率は30%を切るだけの難易度となっているので、専門テキストなどを使っての対策は必須となるでしょう。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、高度な能力を持つIT人材を育成・認定するための国家資格です。基本情報技術者試験の上位資格にあたり、ハイレベルなIT知識やプロジェクト管理能力、マネジメント能力などが試されます

そのため基本情報技術者試験の合格後に、そのまま勉強を続けて応用情報技術者試験を取得するケースが多いです。SEだけでなく、プログラマーやネットワークエンジニアの職業にも役立つので、取得しておけば転職時に能力のアピールができます。

その分基本情報技術者試験よりも試験難易度は高く、スキルレベル3です。合格率は20%を少々超える程度です。対策にはしっかりと時間をかけて、試験をきっかけにIT関連の知識全般に目を通すのがおすすめです。

SEの年収を1000万円まで上げる方法

SEの年収は、資格取得以外にも上げる方法がいくつかあります。以下を参考に、年収アップのために今からできることをチェックしてみましょう。

スキルアップする

SEとしてスキルアップできれば、年収にも大きく影響します。高度な技術を扱える、システム開発の指揮を取れる、特定のツールやフレームワークを扱えるなど、仕事に役立つスキルの取得を目指しましょう。

スキルアップはただ自分で実感するだけでなく、「客観的に認められる形」にしなければなりません。例えば資格取得や実務経験で結果を出すなど、誰が見てもスキルがあるとわかる状態にすることがポイントです。

特にIT業務に幅広く役立つタイプのスキルの取得は、年収アップへの期待が高まります。社内での評価アップや転職時のアピールにつながるでしょう。

PL・PMを目指す

SEから、PL・PMを目指すことも、年収アップの手段の1つです。スキルを習得して能力の高さをアピールしたり、プロジェクトで結果を出したりできれば、年収アップをかなえられるでしょう。

PLやPMに就くのなら、コミュニケーション能力は欠かせません。多くのエンジニアやクライアントと良好な関係を築くことが求められるため、協調性の高い人材ほど管理職系の仕事を任されやすくなります。

また、PMにはQCD(Quality:品質、Cost:予算、費用、Delivery:納期)に対する責任が求められます。顧客貢献はもちろん、自社の利益を圧迫しないような調整能力が問われます。

副業・業務委託で稼ぐ

SEはその需要の高さから、副業や業務委託でも多くの案件があります。

本業とプラスして副業・業務委託を行うことで、別枠の収入源を確保することもおすすめです。単純に本業の収入+副業・業務委託の収入が年収になるので、トータルの収入を高められます。

SEが副業や業務委託を行う際には、クラウドソーシングサービスやSNSなどからの直接依頼、エンジニアの友人・知人からの紹介などが考えられます。

いずれもSEとしての能力が高いことが前提なので、ある程度本業で実績を積んでから挑戦するのがおすすめです。

▼エンジニアの副業については
こちらのエンジニアの副業事情を紹介!メリットや案件の探し方や注意点でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

年収が高い企業に転職する

SEの年収を高めるには、現在の会社よりも待遇のよい職場への転職も考えられます。

自分に高い能力・実績があるのなら、今よりも高いレベルや規模の大きな企業への転職も、比較的高い確率で成功するでしょう。

もし、現職でキャリアアップや副業が難しいのであれば、年収アップが可能な企業への転職も視野に入れてみてください

まとめ

SEの需要は高く、そのほかの職業と比較しても高い年収を誇っています。

SEの年収アップをするためにはいくつかの方法があります。特に、よりスピーディーに年収をアップさせたいなら、ぜひ転職を選択肢のひとつとして考えてみてください。

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よくある質問

SE(システムエンジニア)の平均年収はいくらですか?

厚生労働省が発表したデータによると、平均年収は約494万円と言われています。詳しくは「SE(システムエンジニア)の平均年収」で説明しているので確認ください。

SE(システムエンジニア)の年収を上げるためにするべきことはありますか?

よりよい条件を求めて職場環境を変えることが年収アップにつながると言われています。「フリーランスで年収アップを目指す」「転職して年収アップを目指す」「副業して年収アップを目指す」が例としてあげられます。詳細は「SE(システムエンジニア)の年収アップにつながる働き方」で説明しているので確認ください。

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