SE(システムエンジニア)の平均年収は?1000万円を目指す方法を解説

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この記事でわかること

  • SE(システムエンジニア)の平均年収
  • 年収を上げたいSE志望者にオススメの資格
  • SE(システムエンジニア)の年収を1000万円まで上げる方法
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
坂田 雄平

過去に8年ほど、受託企業でITエンジニアの経験あり。長年培ってきたエンジニア経験をもとに、求職者さまに寄り添ったキャリア支援を得意としている。

SE(システムエンジニア)はその働き方や環境、自分のスキル次第で、年収アップを狙える職業です。

そのSE(システムエンジニア)の平均年収は、比較的高い水準を推移しています。転職を考えるなら、まずは毎年の年収データを分析することで、具体的な報酬感覚をつかみましょう。それらを参考に、就職・転職策を整えていけます。

必要なポイントを理解した上で働くことができれば、年収1,000万円も目指せるでしょう。本記事では、SE(システムエンジニア)の平均年収と、年収1,000万円を目指す方法を解説します。

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SE(システムエンジニア)の平均年収

SE(システムエンジニア)の平均年収は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査 職種DB第1表(2019)」を参考にすると、「568.9万円」となっています。平均年収は、「年収」=「きまって支給する現金給与額(月収)×12」+「年間賞与」で計算されます。

568.9万円の内訳は456万円が平均年間給与となり、112.9万円が年間賞与に該当します。こちらの年収を平均月給で換算すると、約38万円の収入があると想定されるでしょう。

同業種に分類されるプログラマーの平均年収を見てみると、平均年収は約425.5万円、内訳は約365万円(平均年間給与)、60.5万円(年間賞与)となっています。SE(システムエンジニア)と比較して平均年収に100万円以上の開きがある点からは、SEの需要と将来性の高さを読み取ることができるでしょう。

国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」を参考にすると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は436万円です。SE(システムエンジニア)の平均年収の方が、全体の平均数値を大きく上回っていることがわかります。

そのため他業種からSE(システムエンジニア)への転職時などには、年収アップに期待することもできるでしょう。

SEの男女別年収

SEの男女別年収
SE(システムエンジニア)の男女別年収を確認すると、それぞれ以下の数値になっています。

きまって支給する現金給与額 年間賞与額 平均年収
男女合計 38万円 112.9万円 568.9万円
男性 39万円 116.16万円 584.16万
女性 33.3万円 97.71万円 497.31万円

参照サイト:国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」

男性の方が女性よりも平均給与額が高く、賞与額も多くなっているのが特徴です。これは男性の方がSE(システムエンジニア)として評価されやすいというよりも、「女性は出産による育休や産休がライフスタイルに含まれるため、その期間の給与の減少が影響している」と考えられます。

したがって男性による育休や産休が今後普及していけば、男女の平均年収の差は縮まっていくと予想できるでしょう。
また、国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、全体の平均給与は男性が540万円、女性が296万円です。

SE年代別の平均年収

SE(システムエンジニア)の平均年収を年代別に見てみると、以下の数値を確認できます。

<男性のSE(システムエンジニア)の場合>

所定内給与額 年間賞与額 平均年収(所定内給与額×12ヶ月で計算)
~19歳 17.9万円 31.7万円 246.5万円
20~24歳 23.2万円 34.5万円 312.9万円
25~29歳 26.8万円 81万円 402.6万円
30~34歳 31.9万円 114.5万円 497.3万円
35~39歳 36.1万円 116.6万円 549.8万円
40~44歳 39.7万円 132.9万円 609.3万円
45~49歳 40.8万円 133.7万円 623.3万円
50~54歳 43.6万円 158.6万円 681.8万円
55~59歳 44万円 161.6万円 689.6万円
60~64歳 30.5万円 94.8万円 460.8万円
65~69歳 39.7万円 79.3万円 555.7万円

※小数点以下四捨五入
参照サイト:経済省統計局「賃金構造基本統計調査」

<女性のSE(システムエンジニア)の場合>

所定内給与額 年間賞与額 平均年収(所定内給与額×12ヶ月で計算)
~19歳 18.4万円 22.1万円 242.9万円
20~24歳 22.7万円 41万円 313.4万円
25~29歳 26.6万円 90.1万円 409.3万円
30~34歳 30.4万円 102.5万円 467.3万円
35~39歳 32.7万円 83.2万円 475.6万円
40~44歳 37.4万円 138.3万円 587.1万円
45~49歳 33.7万円 114.5万円 518.9万円
50~54歳 36.8万円 128.8万円 570.4万円
55~59歳 36.5万円 132万円 570万円
60~64歳 23.4万円 73.5万円 354.3万円

※小数点以下四捨五入
参照サイト:経済省統計局「賃金構造基本統計調査」

男女ともにSE(システムエンジニア)は、なりたての頃の平均年収はやや低い傾向にあるため、「SE(システムエンジニア)給料が安い」というイメージが定着している可能性があります。

しかし、20代後半あたりから給与と賞与が少しずつ上がり出すため、平均年収も400万円台に達するのが特徴です。

その後も男性のSE(システムエンジニア)は500〜600万円程度の平均年収が続き、50代には700万円近い平均年収が実現します。女性も年数を重ねることで500万円代までは達するケースがありますが、データ上では600万円を超えることはありません。

男女ともに50代後半が平均年収のピークとなり、その後は定年退職の関係などから平均年収は低下しています。

SE(システムエンジニア)の年収が高い背景

上記データからもわかる通り、SE(システムエンジニア)の年収はそのほかの業種よりも高い傾向にあります。その背景にはIT業界全体における、深刻な人手不足が関係しているのです。

賃金を高くしてでも人を集めたいという事情があるため、比較的平均年収が上がりやすくなっているのでしょう。

IT業界はどんどん新技術が投入され、現在進行形で発展を繰り返しているため、エンジニアはその技術トレンドについていかなければなりません。能力のあるエンジニアは転職もしやすいため、給与面に不満があれば職場を離れてしまう恐れもあります。

そのため高度な能力を持つ人材は、給与面を上げてでも確保しておきたいと考える企業が多いのです。

また、IT業界の人手不足は、今後も継続すると試算するデータがあります。みずほ情報総研株式会社が2019年に実施した「IT人材需給に関する調査」は、2030年までのIT需要を試算したデータとして公開されています。

この調査ではIT関連の需要を「低位」「中位」「高位」といった3つのパターンで想定し、それぞれで以下の需要ギャップ(需要に対するIT人材の供給不足)が生じるとしています。(生産性上昇率が「0.7%」の場合のデータ)

低位:約16万人(需要の伸び:1%)
中位:約45万人(需要の伸び:約5~2%)
高位:約79万人(需要の伸び:約9~3%)

上記のように、高位シナリオが実現した場合、2030年には実際の需要に対して約79万人ものIT人材が不足することになります。

そのため企業は今から人材の確保に取り組み、将来の需要拡大に備える必要があるのです。その取り組みは結果的にSE(システムエンジニア)の価値を高め、平均よりも高い給与水準を実現しています。

年収を上げたいSE志望者にオススメの資格

SE(システムエンジニア)の平均年収は高い水準にありますが、さらにその金額を向上させることも可能です。

その手段の1つが、資格の取得です。SE(システムエンジニア)の仕事に資格は必須ではありませんが、転職や部署異動が行われるときなどにはプラスの効果が望めます。また、今後のキャリアアップの一部にもなるため、将来を見据えて資格を取得することもおすすめです。

以下では、年収アップにつながる可能性のあるSE関連の資格を紹介します。

プロジェクトマネージャー試験

プロジェクトマネージャー試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営している国家資格です。

IT系の現場で必要とされる予算やスケジュール調整、品質管理などを行うスキルを取得していることを証明できる資格で、上流工程のマネージメント職で働くときなどに活かせます。

キャリアプランで将来的にプロジェクトマネージャーになる可能性があるのなら、積極的な取得がおすすめです。

一方で、プロジェクトマネージャー試験はIPAが主催する資格試験のなかで、最難関と言われています。合格率も毎年15%程度と非常に低くなっているので、独学や実務経験だけでは取得が難しいかもしれません。

専門の資格取得を支援する学校を利用するか、企業の資格取得サポート制度を活用するなどの対策を行いましょう。

▼プロジェクトマネージャーの転職については
こちらのプロジェクトマネージャーに転職するには? 向いている人や将来性を解説でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、IPA(情報処理推進機構)の提供する試験の1つで、データベースに関する専門知識を試される資格です。

これを取得することで、データベースの開発や運用、保守を行える人材であると証明できます。データベースエンジニアのほか、インフラエンジニアやアプリ開発者への転職を考えている場合などは、取得が選択肢に入るでしょう。

データベーススペシャリスト試験も国家資格であり、試験内容も最高難易度のスキルレベル4と高くなっています。毎年の合格率は15%なため、入念な準備が必要となるでしょう。

単純に知識を詰め込むだけでなく、実践的な課題解決能力が求められるため、仕事でスキルを活用するイメージを持ちながら対策を取るのがポイントです。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験とは、システム開発における上流工程の業務を的確に行える知識・技術を持つ人に与えられる資格です。

基本的なシステム開発だけでなく、要件定義・業務分析を行う能力が試されます。クライアントの要望を把握する理解力や、具体的なビジネスプランを構築する能力が必要となり、資格取得後はプロジェクトの全体的な指揮を取る立場で働けるでしょう。

SE(システムエンジニア)とは仕事の領域が違うため、資格取得後はシステムアーキテクトの職業に転職するケースも考えられます。

システムアーキテクト試験も、IPA(情報処理推進機構)が提供するスキルレベル4の国家資格です。その難易度はほかのレベル4資格同様高く、合格率も10〜15%程度となっています。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験とは、IT業務における情報処理の基本スキルを証明できる資格です。システム開発、設計業務、その後の運用など、ITの開発業務全体に携われる能力を持つ人が取得できます。

基本的な知識や用語を把握しておくことも求められるので、初心者SE(システムエンジニア)の最初の目標とされるケースも多いです。

基本情報技術者試験はIPA(情報処理推進機構)の国家資格の1つですが、初心者でも受験を考えられることから、合格率はほかと比較するとやや優しめとなっています。

それでも合格率は30%を切るだけの難易度となっているので、専門テキストなどを使っての対策は必須となるでしょう。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、高度な能力を持つIT人材を育成・認定するための国家資格です。基本情報技術者試験の上位資格にあたり、ハイレベルなIT知識やプロジェクト管理能力、マネージメント能力などが試されます。

そのため基本情報技術者試験の合格後に、そのまま勉強を続けて応用情報技術者試験を取得するケースが多いです。SE(システムエンジニア)だけでなく、プログラマーやネットワークエンジニアの職業にも役立つので、取得しておけば転職時に能力のアピールができます。

その分基本情報技術者試験よりも試験難易度は高く、スキルレベル3です。合格率は20%を少々超えるくらいとなっています。対策にはしっかりと時間をかけて、試験をきっかけにIT関連の知識全般に目を通すのがおすすめです。

SE(システムエンジニア)の年収を1000万円まで上げる方法

SE(システムエンジニア)の年収は、資格取得以外にも上げる方法がいくつかあります。以下を参考に、年収アップのために今からできることをチェックしてみましょう。

スキルアップする

SE(システムエンジニア)としてスキルアップできれば、それは年収にも大きく影響します。高度な技術を扱える、システム開発の指揮を取れる、特定のツールやフレームワークを扱えるなど、仕事に役立つスキルの取得を目指しましょう。

スキルアップはただ自分で実感するだけでなく、「客観的に認められる形」にしなければなりません。例えば資格取得や実務経験で結果を出すなど、誰が見てもスキルがあるとわかる状態にすることがポイントです。

特にIT業務に幅広く役立つタイプのスキルの取得は、年収アップへの期待が高まります。役立つことに加えて一般的に難易度の高いスキルを持っていることを証明できれば、社内での評価アップや転職時のアピールにつながるでしょう。

資格で言えば「Cisco Certified Architect」「ITコーディネータ試験」「応用情報技術者試験」などが、高難易度かつ実践的に業務で役立つものになります。

特定の資格取得は資格手当などの対象になり、すぐに年収がアップする可能性があるのも特徴です。

リーダー・マネージメント層になる

SE(システムエンジニア)から、リーダーやマネージメントなどの管理職に出世することも、年収アップの手段の1つです。スキルを習得して能力の高さをアピールしたり、プロジェクトで結果を出したりできれば、自身の立場を高めてけるでしょう。

チームリーダーやプロジェクト管理などの役職がつけば、それをきっかけに年収は高くなるでしょう。実力とやる気次第では今の職場にいながら年収を増やせるので、社内でのキャリアアップを計画してみるのもおすすめです。

リーダーやマネージメント職に就くのなら、コミュニケーション能力は重要なスキルになります。多くのエンジニアやクライアントと良好な関係を築くことが求められるため、協調性の高い人材ほど管理職系の仕事を任されやすくなるのです。

部下を使ってプロジェクトを効率良く進めるためにもコミュニケーション能力は欠かせないので、年収アップを図るのなら、改めて「人との付き合い方や、人間関係の構築方法」を学び直しましょう。

副業・業務委託で稼ぐ

SE(システムエンジニア)はその需要の高さから、副業や業務委託でも多くの案件があります。

本業とプラスして副業・業務委託を行うことで、別枠の収入源を確保することもおすすめです。単純に本業の収入+副業・業務委託の収入が年収になるので、大きくトータルの収入を高められます。

SE(システムエンジニア)が副業や業務委託を行う際には、クラウドソーシングサービスやSNSなどからの直接依頼、エンジニアの友人・知人からの紹介などが考えられます。

いずれもSE(システムエンジニア)としての能力が高いことが前提なので、ある程度本業で実績を積んでから挑戦するのがおすすめです。

▼エンジニアの副業については
こちらのエンジニアの副業事情を紹介!メリットや案件の探し方や注意点でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

年収が高い企業に転職する

SE(システムエンジニア)の年収を高めるには、現在の会社よりも待遇のよい職場への転職も考えられます。自分に高い能力・実績があるのなら、今よりも高いレベルや規模の大きな企業への転職も、比較的高い確率で成功するでしょう。

▼エンジニアの転職については
こちらの【2022年】エンジニア転職におすすめの転職エージェントと転職サイトを紹介でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

まとめ

SE(システムエンジニア)の需要は高く、そのほかの職業と比較しても高い年収を誇っています。年収は充実したライフスタイルを構築するきっかけにもなるので、この機会にSE(システムエンジニア)の年収をチェックしてみましょう。

SE(システムエンジニア)の年収をスムーズに高めるのなら、転職がおすすめです。SE(システムエンジニア)の需要を活かせればさまざまな企業で好条件の待遇を受けることができるので、ぜひこの機会に転職に挑戦してみましょう。

年収UPをお考えならば、まずは「強みに気付くこと」が重要!自身のスキルの整理を行いませんか?

転職を考えているのならば、客観的に自分の「強み」や「市場価値」を知ることが重要です。
キャリアアドバイザーとともにスキルや今後についての整理をしてみませんか?
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よくある質問

SE(システムエンジニア)の平均年収はいくらですか?

厚生労働省が発表したデータによると、平均年収は568.9万円と言われています。詳しくは「SE(システムエンジニア)の平均年収」で説明しているので確認ください。

SE(システムエンジニア)の年収を上げるためにするべきことはありますか?

よりよい条件を求めて職場環境を変えることが年収アップにつながると言われています。「フリーランスで年収アップを目指す」「転職して年収アップを目指す」「副業して年収アップを目指す」が例としてあげられます。詳細は「SE(システムエンジニア)の年収アップにつながる働き方」で説明しているので確認ください。

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