SIerとSESの違いを紹介!契約形態や必要スキルなど比較して解説

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この記事でわかること

  • SIerの仕事内容と、メリットや求められるスキル
  • SESの仕事内容と、メリットや求められるスキル
  • SIerとSESそれぞれに向いている人の特徴
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
早川 直良

エージェント歴13年。これまでコールセンター、オフィスワークなど幅広い領域にて、約5万人の転職支援実績がある。現在はIT領域に特化し、これまでのエージェント経験を活かした中長期的なキャリア支援を強みとしている。

IT業界で働くなら、知っておきたい「SIer」と「SES」の違い。

今回は、SIerとSESの違いを契約形態や報酬対象、求められるスキルなど、働くうえで知っておきたい項目で徹比較していきます。

SIerとSESの特徴をもとに、それぞれに向いている人についても解説していきます。

エンジニア職を希望しているなかで、どちらが自分自身に合っている働き方かを知りたい方は、参考にしてみてください。

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SIer=システムインテグレーション業務を請け負う企業

まずは、SIerについて解説していきます。

SIerはシステムインテグレーション(System Integration)の頭文字であるSIに、「〜する人」という意味の英語「er」を組み合わせた造語で、「エスアイヤー」と読みます。

システムインテグレーションは、システムの開発や運用に関して最初から最後までを請け負う事業やサービスを意味し、SIerはそのシステムインテグレーション業務を請け負う企業のことを指します。

SIerで働くメリット

SIerで働く場合のメリットには、以下があげられます。

  • 安定して仕事がある場合が多い
  • 様々な業界、業種の経験を積める
  • 汎用性の高いスキルを習得できる

大手SIerの場合、母体となるグループ会社からのつながりで、大規模なプロジェクトを取り扱うケースがあります。

官公庁や金融など財政的に安定したクライアントから発注を受けることができることは、安定して仕事がある要因となってきます。

また、金融や保険・不動産などさまざまな業界や業種を経験できることで、ノウハウも多岐にわたって取得できるようになります。

自己成長につなげられることは、メリットの1つといえます。

さらに、システムの開発や運用に関して最初から最後までを請け負うSIerは、トラブル対応や、プロジェクト管理などのスキルが必要となってきます。

IT業界以外でも必要となるスキルを得ることができることも、大きなメリットです。

SIerで働くデメリット

SIerとして働くデメリットとしては、以下があげられます。

  • 下請けだと給料アップが見込みづらい
  • ITスキルが身につきにくい

SIerが働く環境の特徴として、下請け構造であることがあげられます。

下流で仕事をうければうけるほど、報酬が少なくなる関係で、給料が上がらないといったケースが想定されます。

またSIerの中には、要件定義や設計のみを対応し、開発などは協力会社に依頼するケースもあります。

その場合、プログラミングなどのスキルを身につけることが難しくなるのです。

SIerとして働くことで、ITスキルを向上させたいという考えを持つ人には、デメリットと感じてしまうかもしれません。

▼関連記事
SIerの将来性ついてはこちらのSIerに将来性はある?今後も必要とされる理由と市場価値を高める方法でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

SES=エンジニアの労働力やスキルの提供を行うサービス

ここからはSESの特徴について、紹介していきます。

SESとは、システムエンジニアサービス(System Engineering Service)の頭文字をとった略称です。

システムエンジニアサービスとは、顧客が求めるシステム開発やソフトウェアの運用などの業務に対して、エンジニアの労働力・スキルを提供するサービスを意味しています。

SESの契約形態とは?

システム開発には、大きく分けて、以下2つの契約形態があります。

  • 顧客から依頼されたシステムを完成させ、納品する
  • 技術者の労働力やスキルを提供する

そのうち、SESは技術者の労働力やスキルを提供する契約形態にあたります。

エンジニアの労働力・スキルが契約対象となるため、SESは顧客先に常駐しながら、技術力をサービス提供することが多くなるのです。

派遣契約とはどう違うのか?

顧客先に常駐しながら、技術力をサービス提供しているのは、派遣契約も同様です。

そのため、派遣契約との違いが分かりづらいと思う方も、少なくありません。

派遣契約との大きな違いは、「指揮命令権」にあります。

顧客先の指揮命令で働く派遣と違い、SESは、雇用主となるSES企業の指揮命令で働きます。

そのため、SES契約においては顧客先が指揮命令権を持つ偽装請負とならないよう、注意しましょう。

SESで働くメリット

つづいて、SESで働く3つのメリットを確認していきましょう。

  • ・未経験でも正社員になれる可能性がある
  • いろいろな現場を経験できて技術を身につけられる
  • 労働時間が固定されていて残業時間が短い

近年、どの業界においても人手不足は懸念材料としてありますが、より深刻な状況にあるのが、IT業界と言われています。

エンジニア職は特に需要が高いため、業界未経験でも、スキルを持っていれば正社員で採用される可能性もあります。

入社後、さらにスキルを高めていく必要はありますが、未経験でも正社員を目指したい方にとってSESで働くことはメリットといえます。

また、いろいろな現場を経験できて技術を身につけられることも、メリットの1つです。

いろいろな現場を経験できるSESの強みを活かすことで、自身が望むキャリアプランの実現につなげられます。

自分自身が与えられた役割のなかで、何ができるかを考えながら業務を行うことで、次のキャリアをつかんでいきましょう。

メリットの3つ目にあげられるのが、残業時間の短さです。

顧客とSES企業の間で締結した雇用契約の中で、労働時間について事前に定めていることがほとんどです。

そのため、雇用契約で決められた時間以上の労働を、SESのエンジニアに依頼することもありません。

自由に使える時間をねん出したいと考えている方にとってSESで働くことは、大きなメリットになります。

SESで働くデメリット

一方、SESとして働くデメリットには、以下があげられます。

  • ・収入が低い傾向がある
  • 環境の変化が大きい

SESの業務は、SIerの下請けをすることが多いため、SIer企業で勤務するより収入が少なくなりがちです。

収入が少なくなる要因のひとつに、SIerと比較し、業務が限られる点があげられます。

しかし、SESとしてスキルを磨くことで、将来的にフリーランスとして高収入につなげるといったケースも多くみられます。

「SESで働く期間=経験を積む期間」と、前向きにとらえて働くと良いでしょう。

また、環境の変化が大きいこともデメリットの1つといえます。

SESの場合、ひとつのプロジェクトが完了したら、新たな環境で働くことになります。

プロジェクトを進めることで構築できた人間関係も、新たなプロジェクトに移った際には、イチから人間関係を構築していかなければいけません。

関係構築にいつも時間がかかるため、苦手だという方にとっては、デメリットとなりえます。

SIer SES
メリット ・安定して仕事がある場合が多い

・様々な業界、業種の経験を積める

・汎用性の高いスキルを習得できる

・未経験でも正社員になれる可能性がある

・さまざまな技術を身につけられる

・残業時間が短い

デメリット ・下請けの場合、給料アップが見込みづらい

・ITスキルが身につきにくい

・収入が低い傾向がある

・環境の変化が大きい

▼関連記事
SESの転職ついてはこちらのSESからのおすすめ転職先は? 内定獲得のポイントも解説!でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。

SIerとSESの違いを比較してみた

ここまで、SIerとSESの特徴をそれぞれ紹介してきました。

ここからは共通項目で比較した際の違いについて、確認していきましょう。

SIer SES
契約形態 請負契約 準委任契約
報酬対象 成果物 エンジニアが稼働した時間
勤務形態 自社開発

※大手SIerの場合

客先常駐
求められるスキル ・コミュニケーションスキル

・マネジメントスキル

技術力

契約形態の違いを比較

まずは、「契約形態」についてですが、SIerの契約形態は主に請負契約となるのに対し、SESでは準委任契約となります。

請負契約と準委任契約の違いで、特徴的なのは報酬の支払い対象です。

請負契約では、成果物に対して報酬が支払われますが、準委任契約ではエンジニアが稼働した時間が対象となります。

準委任契約では成果物の提出が義務とならないため、責任をあまり負いたくないという方には安心材料といえます。

勤務形態の違いを比較

つぎに勤務形態を比較していきましょう。

SIerの勤務形態は大手になればなるほど、自社内で開発を進めていきます。

大手SIerの場合、顧客から直で依頼を受けたのち、自社内で開発を完結させるため、勤務地が点々とするということはあまり多くありません。

それに対し、SESの勤務形態は、客先常駐が主流となります。

そのため、プロジェクトごとに勤務地が変わるといったことがよくあります。

求められるスキルを比較

SIerに求められるスキルには、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルがあげられます。

顧客と直でやり取りをし、プロジェクトを進めていくSIerの場合、お互いに意思疎通を図っていくためには、コミュニケーションスキルが必要不可欠といえます。

また、成果物を納期内に納品する必要があるため、プロジェクトを円滑に進めるためのマネジメントスキルも必要となってきます。

一方、SESに求められるスキルは、エンジニアとしての技術力です。

技術力とは、プロジェクトを進めていくうえで必要な知識量と、その知識を活かす視点や応用力があてはまります。

SESで働く場合、エンジニアの労働力・技術力が顧客との契約対象となってくるため、自身の技術力を磨いておくようにしましょう。

SIerとSESそれぞれに向いている人の特徴とは

ここでは、SIerとSESそれぞれに向いている人の特徴を紹介していきます。

まず、SIerのエンジニアに向いている人には、以下の特徴があげられます。

  • 大規模なシステム構築に携わりたい
  • プロジェクト管理をしたい
  • 大企業を相手に仕事をしたい

SIerが相対するクライアントは大企業が多いうえに、プロジェクトを通じ、さまざまな人と関わってきます。

そのなかで、プロジェクト管理をまかされることも出てくるため、マネジメントスキルを含むビジネススキルを高めたいと考えている方には向いているといえます。

次に、SESのエンジニアに向いている人には、以下の特徴があげられます。

  • 就業環境が変化することを気にしない
  • 正社員として働きたい
  • 将来、独立を考えている

SESの場合、プロジェクトごとに就業環境が変化していきます。

そのため、様々な環境に順応することが得意という方には、SESという働き方はおすすめです。

あわせて異なる環境で様々なスキルを磨くことができることは、将来フリーランスを目指している方にとってみても、良い環境といえます。

また、未経験業界からの転職者を正社員採用する企業が多いことも特徴としてあるため、正社員を目指している方にも合っています。

まとめ

ここまでSIerとSESを比較し、違いについて解説してきました。

同じエンジニア職でも、報酬対象や就業環境など異なる点があるなと感じた方も、多いのではないでしょうか。

今回、紹介した情報を参考にしながら、SIerとSESのどちらが自分自身により適した働き方かを確認してみてください。

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よくある質問

SIerについて仕事内容を教えてください。

システムインテグレーションは、システムの開発や運用に関して最初から最後までを請け負う事業やサービスを意味し、SIerはそのシステムインテグレーション業務を請け負う企業のことを指します。詳細は「SIerとは」で説明しているので確認ください。

SESについて仕事内容を教えてください。

システムエンジニアサービスとは、顧客が求めるシステム開発やソフトウェアの運用などの業務に対して、エンジニアの労働力・スキルを提供するサービスを意味しています。詳細は「SESとは」で説明しているので確認ください。

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