ビッグデータの活用やデータドリブン経営に取り組む企業が増えるにつれて、データベースエンジニアの需要が高まっています。ただし、データベースエンジニアへの転職を目指しているなら、求められるスキルや資格を理解しておく必要があります。
本記事では、データベースエンジニアへの転職に失敗しないコツや資格について解説します。
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データベースエンジニアとは
データベースエンジニアとは、データベースを専門に扱うエンジニアのことです。具体的にはデータベースの開発や設計、管理、運用などの業務を担います。
大量のデータを保管するデータベースには情報を適切に整理し、必要なときにスムーズに取り出せるような設計が求められます。データベースエンジニアはクライアントの要望を反映しつつ、データの出し入れや整理がしやすいよう設計・開発を進めます。
管理と運用も重要な業務のひとつです。システムが正常に動作するようインフラの管理を行うだけでなく、効率的にデータを保管できる環境の構築にも努めます。運用においては、アクシデントなどでデータが消失しないよう定期的にバックアップを取り、トラブルが発生した場合は対処を行います。
企業が扱うデータ量は年々増加しており、データドリブン経営に舵を切る企業も増えています。このような背景もあり、膨大なデータをビジネスで有効活用できるエンジニア人材が求められるようになっているのです。
こちらの「データベースエンジニアとは? 必要なスキルや年収や将来性を解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
データベースエンジニアの転職事情
エンジニアの需要は高く、求人案件も多数あります。とはいえ、データベースに特化したエンジニアの求人がたくさんあるのか、将来性はどうなのかと気になる人もいるでしょう。転職に向けて行動を開始する前に、データベースエンジニアの転職事情を把握しておきましょう。
データベースエンジニアの求人
データベースエンジニアの求人は、それほど多くありません。実際にインターネット上で検索しても、AIエンジニアやデータサイエンティストの求人はいくつも見つかりますが、データベースエンジニアの求人はなかなか見つからないのが現状です。
需要がまったくないのかといえば、決してそうではありません。
時代の変化により、データベースエンジニアに求められるスキルや知識は変化しています。一昔前に比べてデータベースの構築や扱いが容易になったため、データベースのみを扱う人材の需要が縮小したのです。
データベースに特化した人材ではなく、サーバーやネットワーク領域に関する知識や技術を有する人材であれば今でも需要はあり、転職できる確率は高まります。
データベースエンジニアの将来性
データベースを専門に扱う人材の需要は縮小しつつありますが、将来性がないわけではありません。現代社会で事業を営む企業にとってデータベースは不可欠であり、それを適切に扱える人材は貴重だからです。
しかし、今後データベース専門の仕事はますます少なくなると考えられます。一方でAIやビッグデータのビジネスへの活用が進んでいるため、この領域に強い人材を求める企業は今後増えると予測されています。
したがって、これからデータベースエンジニアとして転職したいなら、データベースに関連する知識やスキルを身につける必要があります。
例えば収集・蓄積したデータを分析し、ビジネスにどう活かせるかを戦略的に考えられるデータサイエンスのスキルや、ソフトウェア開発の能力を身につけると、企業から求められる存在になれるでしょう。
こちらの「データサイエンティストへ転職!抑えるべきポイント徹底解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
データベースエンジニアに求められるスキル
データベースエンジニアへの道を進む場合は、どのようなスキルが求められるのでしょうか。基本的には情報システム全般やシステム開発、データベース、セキュリティなどのスキルが求められます。
情報システム全般に関する知識
ITインフラと関わることも多いデータベースエンジニアには、情報システム全般に関する知識が求められます。
ITインフラと情報システムには密接なつながりがあるため、どちらか一方に知識が偏っているのは好ましくありません。ネットワークやソフトウェアなど、ITインフラは情報システムを動かす基盤であるため、双方の正しい知識が求められます。
また、セキュリティや拡張性、機能性、可用性、コストなどを評価し、必要に応じて改善を進めるスキルも必要です。例えば、現状におけるシステムのセキュリティに問題はないか、あるとすれば何か、どう改善すべきかといったことを考え、実行できるスキルが求められます。
システム開発の知識
システム開発の知識も求められます。
なぜなら、システム開発の中にデータベース開発も含まれるからです。システムにマッチしたデータベースを開発するには、工数の見積もりやハードウェアの選定などを行える力も必要です。
そのため、いきなりデータベースエンジニアを目指すのではなく、まずはシステムエンジニアとして働くのもひとつの手です。開発の実務に携われば、自然と必要な知識やスキルが身につきます。また、システム開発に関連する資格を取得すれば、学習の過程で必要な知識を身につけられるでしょう。
データベースに関する知識
データベースに関する幅広い知識が求められるのはもちろん、データベースソフトを扱えるスキルも必要です。
「Oracle Database」や「Microsoft SQL Server」「PostgreSQL」「MySQL」など、代表的なデータベースソフトに関する知識を身につけましょう。また、SQL言語への理解も欠かせません。SQL言語はデータベースを制御するための言語です。データベースソフトを扱う際も、SQL言語の知識が必要です。
SQL言語は独学でも学べます。インターネット上には、SQL言語に関するさまざまな情報を公開しているサイトが複数あり、書籍もたくさん出版されています。SQL言語を実践的に学べる学習サイトもあるため、本気で転職を目指す方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
データモデルに関する知識
データモデルに関する知識も欠かせません。
データベースを用いるシステムを開発する際は、データモデルを作成する必要があります。データモデルを表現する方法にはER図があり、チームで情報を共有する際によく用いられます。
統一モデリング言語であるUMLについても、理解を深めておく必要があります。システム構造を視覚化する際の規格であるUML記法を用いると、システムの仕様などをわかりやすく記述できます。
セキュリティに関する知識
データベースの安全性を確保するために、セキュリティに関する知識も求められます。
企業のデータベースにはさまざまな情報が保管されており、そこに重要なデータが含まれているケースも少なくありません。
万が一サイバー攻撃を受けて重要な情報が外部に漏えいすると、企業の信頼が失われます。ひいては、データベースの開発や運用に携わったエンジニアの評価にも影響するため、セキュリティに関する正しい知識が求められるのです。
実務においては、アクセス権を適切に付与できなくてはなりません。誰でも自由にデータへアクセスできるとなれば、いつどこから情報が洩れるかわからないからです。また、データの暗号化やサイバー攻撃を受けたときの対処に関する知識も求められるでしょう。
データベースエンジニアの転職におすすめの資格
データベースエンジニアへの転職を考えているなら、資格の取得も検討しましょう。資格によっては、転職活動で有利になることがあります。資格によって受験できる条件などが異なるため、気になる資格があれば公式サイトでチェックしてみましょう。
国家資格の情報処理技術者試験
情報処理技術者試験とは、情報処理推進機構が主催している資格です。
情報処理全般に関する知識が求められる試験で、情報セキュリティマネジメント試験や応用情報技術者試験、ITストラテジスト試験など、12の試験区分が設けられています。
実務の経験がないなら、基本情報技術者試験から取り組むとよいでしょう。エンジニアとして働いたことがあるなら、応用情報技術者試験から取り組むのがおすすめです。
経済産業省が認定している国家資格であるため、取得すれば企業から信頼を得られるでしょう。
民間資格のオラクルマスター
オラクルマスターは、Oracle製品に関する知識を問われる資格試験です。
同社のデータベースは世界的に有名であり、日本でも多くの企業が利用しています。取得すればOracleデータベースを正しく扱える人材と判断される可能性があるため、転職活動を有利に進められるでしょう。
試験はBronze、Silver、Gold、Platinumの4つに分けられています。Bronzeでは基本的な知識を問われ、Silverではデータベース管理やセキュリティ関連の知識を問われます。Goldでは高度な知識が求められ、Platinumは実技を伴う最も難易度の高い試験です。
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、データベースに関する高度な知識が求められる試験です。
情報処理推進機構が実施している試験のひとつで難度は高めですが、それゆえに転職活動を有利に進められる可能性が高く、クライアントからも信頼を得られるでしょう。
データベースの企画から要件定義、開発、運用まで、幅広い知識を問われるのも特徴です。実技はありませんが、多肢選択式と記述式が実施されます。
MCP(マイクロソフト認定資格プログラム)
マイクロソフト社製品に関する知識や技術のレベルを測る試験です。
高難易度の「アソシエイトレベル(MCSA)」「エキスパートレベル(MCSE、MCSD)」、入門編となる「MTA」に分かれています。
製品やバージョンごとに試験区分が細分化されているため、目的や習得したい知識・技術を明確にした上で取り組みましょう。
未経験からデータベースエンジニアになるには
「未経験からデータベースエンジニアに転職したい」と考えている方は、まずはSEやPGを目指すのがおすすめです。
その上で実務を経験し、資格の取得を進めていけば転職の成功率を高められるでしょう。
こちらの「【SE転職】年代別成功のポイント! おすすめの転職先も紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
SE・PG・アプリケーションエンジニアとして就職する
未経験からデータベースエンジニアへの転職は、あまり現実的ではありません。
近年は企業が求めるデータベースエンジニアのレベルが高く、システム開発や実務の経験などを問われるケースが多いためです。
そのため、未経験の人はまずSEやPG、アプリケーションエンジニアなどを目指しましょう。SEやPGは求人が多く、未経験でも転職できる可能性があります。まずはSEやPGとして転職し、実務経験を積みましょう。
ただしSEやPGでも、知識がまったくない状態で採用してくれる企業はそれほど多くありません。エンジニアの経験がまったくないなら、まずは知識や技術を身につけることから始めましょう。学習サイトや書籍を用いた独学の他、スクールや講座で学ぶ方法もあります。
こちらの「アプリケーションエンジニアの転職事情は? 将来性や転職成功のコツを解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
データベースの実務経験を身につける
SEやPGとして転職できたら、そこで実務経験を積みましょう。SEやPGは、実務でデータベースと関わることが多々あります。データベース設計やSQLの実務経験を積めば自然と知識や技術が身につくため、転職しやすくなるでしょう。
もちろん、就職先によってはあまりデータベースに触れない可能性もあります。そのような場合は、少しでも早くデータベースエンジニアとして転職できるよう、自主的な学習も必要です。SQL言語を実践的に学べる学習サイトもあるので、活用しつつ知識を身につけるとよいでしょう。
データベース関連の資格を取得する
SEやPGとして実務に携わりつつ、データベース関連の資格取得にもチャレンジしましょう。資格取得の過程で、さまざまな知識が身につきます。また、取得した資格によっては優秀な人材であると判断され、転職が有利になる可能性もあります。
おすすめの資格は、基本情報技術者やデータベーススペシャリスト、オラクルマスターなどです。それぞれの資格に関するテキストが販売されているため、独学でも資格取得を目指せます。体系的に学習できる講座もあるので、併せて検討しましょう。
資格取得を目指す勉強の一環で、自身でデータベースの構築に挑戦するのもよいでしょう。学んだ内容を実践することで理解が深まり、実践的な技術も身につきます。
まとめ
データベースエンジニアの求人は減少傾向にありますが、将来性がまったくないわけではありません。
むしろ情報システム全般やシステム開発のスキルも有する人材であれば、採用したいと考える企業は今後も増えると考えられます。転職を検討しているなら求められるスキルを理解し、資格取得も視野に入れて臨むとよいでしょう。
データベースエンジニアへのスムーズな転職を希望するなら、転職エージェントを利用するのもおすすめです。ITエンジニアを専門とする転職エージェントであれば、理想にマッチした最適な求人を紹介してもらえます。
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無料のキャリア相談を予約するよくある質問
データベースエンジニアの転職事情を教えてください。
エンジニアの需要は高く、求人案件も多数あります。求人や将来性について詳細は「データベースエンジニアの転職事情」で説明しているので確認ください。
データベースエンジニアに求められるスキルについて教えてください。
データベースエンジニアへの道を進む場合は、どのようなスキルが求められるのでしょうか。基本的には情報システム全般やシステム開発、データベース、セキュリティなどのスキルが求められます。詳細は「データベースエンジニアに求められるスキル」で説明しているので確認ください。
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