データベースエンジニアの仕事が気になる人や、転職を検討している人なら、必要なスキルや年収、将来性も気になるところでしょう。本記事では、データベースエンジニアが気になる人や、転職したいと考えている人向けに、求められるスキルや収入、将来性、なるための方法などを整理しました。
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データベースエンジニアとは
データベースエンジニアとは、データベース(以降DB)に関する専門的な知識や技術を有する職業を指します。DBの設計や開発をはじめ、データベース管理システム(以降DBMS)も扱う専門家です。
現代の企業が扱うデータは膨大です。WebサイトやSNS、オウンドメディアなど顧客との接点が増え、日々さまざまな情報が集まっているため、適切に管理しなくてはなりません。そのためには、DBの存在が必要不可欠であり、それを扱う専門職も求められます。
データベースエンジニアは、システムの管理・構築だけでなく、データを集めてどのような形で分析するかなど、経営戦略を提案することもあります。まさにデータの専門家として、活躍の幅も広いと考えることができるのです。
システムエンジニア(以降SE)やプログラマー(以降PG)との違いは、メインで扱う言語です。データベースエンジニアは、SQL言語と呼ばれるデータベース言語を用いてDBを操作します。
データベースエンジニアの年収
求人ボックスが公開している情報によると、データベースエンジニアの平均年収は574万円で、派遣社員の平均時給は2,655円となっています。一方、SEは平均年収498万円、派遣社員の平均時給が2,189円と、いずれもデータベースエンジニアより低い結果となりました。
これらの数値から、データベースエンジニアの需要がいかに高いかが読み取れます。DBの専門家として、ビッグデータの分析や適切な扱いが可能であるため、さまざまな業界が人材を求めているのです。
参照元:求人ボックス「データベースエンジニアの仕事の年収・時給・給料」
データベースエンジニアの仕事内容
データベースエンジニアの主な仕事内容は、DBの設計や開発、管理、運用です。すべてを1人で対応するケースは少なく、運用管理のみ、保守のみといった働き方が多いようです。
データベースの設計・開発
クライアントの要望を反映させた、DBの設計や開発に携わります。
DBで扱うデータの種類は多岐にわたり、それぞれ最適な仕様や形式も異なります。そのため、管理の対象となるデータの種類に合わせ、最適な設計・開発を行うのです。
設計・開発においてはデータベースアプリケーションが用いられます。代表的なアプリケーションとしては、Oracle DatabaseやMicrosoft SQL Server、PostgreSQL、MySQLなどが挙げられます。
なお、使用するアプリケーションが指定されていない場合には、選定から始めるケースも少なくありません。そのため、データベースエンジニアは上述した各アプリケーションの特徴や、メリット・デメリットも把握しておく必要があります。
データベースの管理
サーバー上で管理されているDBが、正常に動作するよう管理するのも業務のひとつです。
DBはさまざまな要因でパフォーマンスが低下しかねません。たとえば、アクセスが集中してしまいサーバーに過度な負荷がかかるようなケースが考えられます。
このような事態を回避すべく、データベースエンジニアはSQLのチューニングを行います。また、サーバーやネットワークといったインフラ、データのパラメーターなどを適宜見直し、必要に応じて改善するのも仕事です。
データベースの運用
運用業務においては、アクセス権限の管理やデータバックアップなどを行います。たとえば、ユーザー構成が変わった場合には、アクセス権限の再設定が必要です。適切に権限を付与しないと、アクセス権のないユーザーによる不正アクセスや誤操作などのリスクが高まります。
また、セキュリティ設定も運用エンジニアの役割です。DBにはさまざまな機密情報が保管されているケースが少なくありません。もし、外部から不正アクセスされ、機密情報が漏えいしたとなると大きな問題です。このような事態を回避するため、セキュリティリスクを分析したうえで適切な対処を行います。
データベースエンジニアの需要
データベースエンジニアを目指している人や、SEから転職したいと考えている人なら、需要は気になるところでしょう。現状、DB専任の人材は需要が減少しているものの、将来性がないわけではありません。
データベースエンジニアの需要
増加し続ける膨大なデータをビジネスへ活かすには、DBで適切に整理、保管する必要があります。データを扱う企業にとってDBは必要不可欠ですが、現状DB専任のエンジニアは需要が減少しつつあるのも事実です。
理由は、以前に比べてDBが身近な存在になり、自社で構築や運用を行いやすい環境が整ったためです。わざわざ専任のエンジニアに発注せずとも、外部サービスを利用したDBの構築や運用が可能となり、それに伴い需要が減少しました。
一方で、DBだけでなくサーバーやネットワーク領域にも強いエンジニアの需要は高まりつつあります。そのため、これからデータベースエンジニアを目指すのであれば、これらの領域に関する知識、技術の習得も考えたほうがよいでしょう。
もちろん、企業によっては専任データベースエンジニアを求める可能性もありますが、そもそも求人自体が少ないです。即戦力となれる人材ならまだしも、未経験者ならなおさら採用されるのは難しいでしょう。
データベースエンジニアの将来性
近年の傾向として、DBのクラウド移行が目立ちます。Microsoft AzureやAWS、GCPなどのクラウドDBに移行する企業が増えており、オンプレミス環境にしか対応できないエンジニアの需要も減少しています。
ただ、今後ビッグデータ分野がますます成長すると考えられているため、将来を悲観する必要はありません。ビッグデータをビジネスに活用するには、DBの存在が不可欠であるためです。
このような理由から、まだまだデータベースエンジニアが活躍できる可能性はあります。ただ、そのためには新しい知識や技術を積極的に学び、求められる人材に進化しなくてはなりません。
クラウド環境でDBを構築できる知識やスキルのほか、ビッグデータ分野に関しても学ぶ必要があります。ビッグデータ領域で活躍するには、AIやディープラーニングのスキルが欠かせないため、これらに関連する知識や技術の習得を目指すとよいでしょう。
データベースエンジニアになるのに必要なスキル
データベースエンジニアになるには、情報システム全般やDBに関する知識、DBソフトを扱えるスキルなどが求められます。また、論理的に物事を考えられる力や、コミュニケーションスキルも必要です。
情報システム全般に関する知識
DBの適切な管理・運用を行うには情報システム全般に関する知識が必要です。
ネットワークやサーバー、セキュリティなど幅広い知識が求められます。特に、DBはサーバー上で運用されるため、サーバーに関する高度な知識は不可欠です。
システムを評価する際には、セキュリティ面や可用性、拡張性、機能性などを考慮します。たとえば、サーバーの機能に過不足がある場合、DBを運用するどころかインストールさえできない可能性があります。また、セキュリティに問題があれば、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクが発生するかもしれません。
データベースに関する知識
DBに関する高度な知識が求められます。
クライアントの要求に基づいたDBの構築や実装をしなくてはならないため、構造やデータモデル、正規化といった知識が必要です。
また、構築したDBが実用的でないと、クライアントを満足させることはできません。そのため、ユーザビリティも意識した実用的なDBの構築を行える知識、スキルが求められます。ときには、クライアントにとって実用的なDBを実現すべく、専門家としての意見を述べる必要もあるでしょう。
データベースソフトに関する知識・スキル
データベースエンジニアとして活躍するには、SQL言語のスキルが不可欠ですが、DBソフトを扱う力も求められます。
DBソフトには、オラクル製品やSQL Server、MySQLなどさまざまな製品がありますが、いずれも特徴やメリット・デメリットがあるため、それらを把握しておかねばなりません。
製品によっては、高機能ではあるものの膨大な設定オプションが設けられたものもあります。DBの専門家として活躍を目指すならば、このような難易度の高いソフトも使いこなせなくてはなりません。
いつでも自身の使い慣れたソフトを使えればよいのですが、毎回それができるとも限りません。クライアントから、使用するソフトを指定される可能性もあるためです。
すべてのソフトを完全に使いこなすのは難しいですが、ある程度特徴やメリット・デメリットを把握し、できるだけ短期間で使えるだけの知識、スキルは求められるでしょう。
データベースエンジニアになるには
データベースエンジニアになる方法としては、学校を卒業してから就職する、SE・PGから転職する、資格を取得するなどが挙げられます。
学校を卒業して新卒で就職する
学校を卒業し、新卒でSlerやITベンダーに就職する方法です。
情報システム全般の基礎知識をはじめ、DBの知識も実務をこなしつつ身につけられます。順調にスキルを磨けば、データアナリストやデータサイエンティストなど、より上位の専門職も目指せるでしょう。
一方、就職した企業によっては、自身の望む業務につけない可能性があります。DBにほとんど関わることがなく、情報システム全般の基礎知識しか学べない、といったことも考えられます。
DBに関わる、より専門的な仕事に就きたいのなら、基本を身につけたうえでエンジニア経験を積み、その後転職を目指す方向がよいでしょう。エンジニアとして実務をこなし続ければ、システム開発や設計のスキルも身につけられ、データベースエンジニアに転身する際にも役立ちます。
こちらの「データサイエンティストへ転職!抑えるべきポイント徹底解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
SE・PGから転職する
専任データベースエンジニアの求人そのものが少ないため、まずはSEやPGを目指すのもひとつの手です。SEやPGは引く手あまたといっても過言ではなく、実際に求人サイトや情報誌でも数多くの募集案件を目にします。
データベースエンジニアの求人があったとしても、未経験で採用してくれるケースは稀です。それよりも、SEやPGとして就職し、着実に知識や技術を身につけつつ経験を積めば、データベースエンジニアへの道も開けるでしょう。SE・PGとしてスキルを磨きつつDB領域の学習も続ければ、即戦力として採用してもらえる確率が高まります。
また、DBの運用や保守に携わりつつSQLを学び、ステップアップする方法もあります。運用・保守関連は未経験者を募集していることも多く、知識やスキルがなくても転職できる可能性があるのです。まずは運用や保守で業務に慣れつつDB関連の知識を増やし、ステップアップを続ければやがてデータベースエンジニアへの道が見えてくるでしょう。
資格を取得する
資格の取得により、転職活動が有利になる可能性があります。DB関連の資格を取得する過程でさまざまな知識が身につき、転職活動時には企業にそれを証明できます。
おすすめの資格は、基本情報技術者試験やデータベーススペシャリスト試験です。基本情報技術者試験は、データベースエンジニアのみならず、ITエンジニアに求められる幅広い知識を体系的に習得できる試験です。
データベーススペシャリスト試験は、情報処理推進機構が実施している情報処理技術者試験の一種です。1~4までの試験区分があり、数字が大きいほど試験の難易度が高いことを示しています。データベーススペシャリスト試験は、レベル4に属するため、もっとも難易度の高い試験です。
ただ、これらの資格を取得していても、やはり未経験者の転職は難しいといわざるを得ません。そのため、エンジニアとして実務をこなしつつ、資格取得を目指す方法をおすすめします。
同じ資格保有者であっても、実務経験があるのとないのとでは大きな違いです。働きながら資格取得の勉強を続けるのは大変ですが、本気でデータベースエンジニアを目指すのであれば覚悟を決めて取り組みましょう。
こちらの「データベースエンジニアに転職! 失敗しない転職のコツや資格を紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
まとめ
データベース専任エンジニアの需要は減少しつつあるものの、将来性がまったくないわけではありません。
むしろ、クラウドやビッグデータ分野の知識も有するデータベースエンジニアであれば、企業から求められるでしょう。未経験者から目指すのなら、まずSEやPGとして実績を積み、実務をこなしつつ資格を取得するといった方法が結局のところ近道です。
また、転職エージェントの利用もおすすめです。IT求人を豊富に扱う転職エージェントであれば、希望にマッチしたデータベースエンジニア求人を紹介してもらえる可能性があります。
エンジニアとしてステップアップを考えているのならば、客観的に自分の「強み」や「市場価値」を知ることが重要です。
キャリアアドバイザーとともにスキルや今後についての整理をしてみませんか?
ウィルオブテックは専属2名体制で今後についてお悩みのあなたをサポートし、キャリアアップへ導きます。
よくある質問
データベースエンジニアの仕事内容について教えてください。
データベースエンジニアの主な仕事内容は、DBの設計や開発、管理、運用です。すべてを1人で対応するケースは少なく、運用管理のみ、保守のみといった働き方が多いようです。仕事内容の詳細は「データベースエンジニアの仕事内容」で説明しているので確認ください。
データベースエンジニアの需要について教えてください。
データベース専任の人材は需要が減少しているものの、将来性がないわけではありません。データベースだけでなくサーバーやネットワーク領域にも強いエンジニアの需要は高まりつつあります。詳細は「データベースエンジニアの需要」で説明しているので確認ください。
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