メタバースエンジニアとは? 転職に必要なスキルや仕事内容について紹介

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この記事でわかること

  • メタバースエンジニアとは?
  • メタバースエンジニアの主な仕事内容
  • メタバースエンジニアに求められるスキル・経験
編集者プロフィール
ウィルオブテック事業部
早川 直良

エージェント歴13年。これまでコールセンター、オフィスワークなど幅広い領域にて、約5万人の転職支援実績がある。現在はIT領域に特化し、これまでのエージェント経験を活かした中長期的なキャリア支援を強みとしている。

「急成長をしているメタバース市場に関連した仕事をしたい」「メタバース開発に携わりたい」など、メタバースエンジニアの仕事に興味がある人は少なくないのではないでしょうか。本記事では、メタバースエンジニアの仕事内容、必要な技術やスキル、メタバースエンジニアの将来性まで解説します。

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メタバースエンジニアとは?

「メタバースエンジニア」とは、メタバースの開発に携わるITエンジニアの総称です。規模が大きいメタバース開発にはサーバー開発・構築やゲーム・アプリ開発などとさまざまです。

そのためメタバースエンジニアには、サーバー開発エンジニアやゲーム開発エンジニアといったメタバース開発に携わる複数のエンジニア職があります。

【参考】 そもそも「メタバース」とは?

メタバースエンジニアの業務に関連する「メタバース」とは、インターネット上の仮想空間の世界です。主に「仮想空間」「アバター(キャラクター)」「プロップ(アイテム)」の3種類の要素で構成され、ユーザーは自分のキャラクターとなるアバターを使って仮想空間に入り込み、その中で現実と変わらない生活を送ります。

メタバースを利用すると、テレワーク中にインターネット上で出社できる仮想オフィス、医師と患者が離れていても診察が受けられる遠隔医療、疑似体験を活用した技能訓練など、実際にいる場所の距離に関係なく現実世界に似た交流が可能です。

メタバースには、国を超えてほかのプレイヤーと交流するオンラインゲームもあり、幅広いシーンでの活用が期待されています。

メタバース開発エンジニアの主な職種と仕事内容

メタバースの開発には、「ゲーム開発エンジニア」「アプリ開発エンジニア」「インフラエンジニア」の3種類の領域のITエンジニアが多く活躍しています。

メタバースを構成する要素やインフラなど、担当する役割ごとに必要とされるエンジニア職は異なります。以下では、それぞれの領域において求人の多い職種や概要を解説します。

ゲーム開発エンジニア

メタバースには、グラフィックやアニメーションなど3Dゲームとよく似た技術が用いられます。そのため、ゲーム開発エンジニアはメタバースのプラットフォーム開発の際に欠かせないエンジニア職です。

ゲーム開発エンジニアには、ゲームプログラマーなどが該当します。ゲーム開発エンジニアの中でも求人が多いのは以下の職種です。

Unityエンジニア

メタバースに関連するエンジニア職の中で、特に求人数が多いのが「Unityエンジニア」です。Unityはスマホゲーム、3Dゲームなどの開発に使用されるマルチプラットフォームに対応している開発用ツール(ゲームエンジン)です。プログラミングには主にC#が使用されます。

ゲーム開発などでUnityの使用経験、プログラミングの経験がある場合には、その技術と経験がメタバース開発に役立ちます。

Unityエンジニアとしてメタバースエンジニアの求人を出しているケースもあり、メタバースに関連性の高い職種です。

Webエンジニア

メタバースはWeb上で提供されるサービスです。そのためWebエンジニアは、MaaS(Mobility as a Service)やCMS(Contents Management System)などを使用してメタバースサービスを展開する際に重要な役割を果たします。

Webエンジニアの主な業務には、WebサイトやECサイトなどのWeb上で展開されるシステムの設計・開発・運用・保守などが含まれます。

Webエンジニアには、ユーザーインターフェースを開発する「フロントエンジニア」と、ユーザーが提供した情報をデータベースに登録するなどのサーバーサイドの開発を行う「バックエンドエンジニア」の2種類が存在します。

ECサイトの開発プロセスでは、商品閲覧履歴の追跡やブログ投稿ページの作成を行います。

ブロックチェーンエンジニア

ブロックチェーンは、ブロックと呼ばれる単位でデータを接続してデータベースの一部を各参加者が共有する技術です。

NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)や仮想通貨の取引に使われる「分散型台帳技術」を活用しており、透明性の高い取引が行えます。ブロックチェーン技術はWeb3系のメタバースで使われるため、メタバースの種類によっては欠かせない職種となります。

ブロックチェーンエンジニアは、電子マネーなどで使用するペイメントサービスの開発、独自のブロックチェーン開発、アプリ開発などの業務を行います。現在は、国内より海外の方に求人が多い傾向があります。

UI/UXエンジニア

UI(User Interface)は「ユーザーとの接点」と呼ばれる画面デザインやフォントなどの見やすさ、UX(User experience)は「ユーザーが製品やサービスなどから得られる体験」を意味します。UXには、ページ内容のわかりやすさだけでなく、提供されるサービスの質の高さも含まれます。

UIとUXはよく似ていることから、両方をまとめて担当するエンジニアの募集も少なくありません。UI/UXエンジニアの主な仕事は、質の高い画面表示や操作しやすい画面の作成です。

ユーザーが満足するメタバースの世界を作るUI/UXデザインの作成スキルと、デザインを再現するプログラミングやセキュリティなどの開発スキルの両方が求められます。

アプリ開発エンジニア

メタバースは、タブレットやスマホ上でもサービスを提供する機会が多くあります。そのため、スマホで利用できるメタバースを作成するには、Android・iOSアプリを開発するアプリ開発エンジニアも必要です。

メタバースエンジニアの求人でよく求められるのは、Android・iOSアプリの開発経験がある人材です。開発経験がない場合でも、Kotlin(コトリン)やSwift(スウィフト)などの言語を使った開発経験があると、採用されやすくなります。

インフラエンジニア

サーバー、ネットワーク、セキュリティなど、インフラの領域を設計・開発から運用保守まで行うのがインフラエンジニアです。メタバースの基盤となるインフラに関係するエンジニアには、次のような職種があります。

サーバーエンジニア

メタバースプラットフォームの運営に欠かせないのが土台となるサーバーです。メタバースは、サービスの利用者増加に伴い同時接続するユーザー数が多くなることが懸念されるため、大きな負荷がかかってもダウンしにくい環境の整備が必要です。

サーバー開発エンジニアは、サーバーの性能や設定などを工夫してメタバースユーザーが快適に利用できるサーバーの開発から、管理・運用までの業務を行います。

サーバーの監視・環境改善、バックアップ業務などの運用業務、障害発生時の原因特定から復旧まで、開発後にも必要とされる仕事です。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、コンピューターをつなぐネットワークの設計、構築や、運用保守を行う仕事です。

メタバースでは、解像度の高い動画が一度に多くのユーザーに提供されるため、快適な接続を維持するにはサーバーと同様に、大きな負荷にも耐えられるネットワーク環境を構築する必要があります。

サーバーエンジニアとの連携も必要な重要度の高い仕事で、TCP/IPやルーティングといったネットワークに関する知識、サーバーやメール、無線LAN、クラウドなど、幅広い知識も必要です。

セキュリティエンジニア

インターネットが普及し、さまざまな情報がネット上でやり取りされている現在では、機密情報などを狙ったサイバー犯罪も増加しています。

インターネット上での仕事や買い物など、さまざまな用途に利用されるメタバースでは、ユーザーの情報管理、不正アクセスへの対策など、高いセキュリティが求められます。

セキュリティエンジニアは、サーバーの構築・運用・保守などサーバー関連の知識や技術を持ち、サイバー攻撃を防ぐセキュリティ対策を行う仕事です。

ITシステム、ネットワークの運用管理まで考慮した適切なセキュリティを構築し、セキュリティシステムを実装します。システム導入後には、セキュリティ管理や保守業務も行います。

メタバース開発に必要な技術の例

メタバース開発には、主に次の5つの例があります。

1.AR・VR
2.AI(人工知能)
3.3Dモデリング
4.エッジコンピューティング
5.5G

AR・VR

「没入型のユーザー体験」が求められるメタバースには、AR(Augmented Reality:拡張現実)やVR(Virtual Reality:仮想現実)の技術が必要です。

ARはARグラスなどを使用して現実世界を拡張する技術、VRはヘッドセットなどを使用してユーザーが入り込む仮想現実世界を再現する技術です。どちらの技術でも、仮想空間上で現実と同様の体験が可能です。

AI(人工知能)

AI技術は、データの計算からアバターなどのアニメーション・コンテンツ作成のサポート、自然言語処理・多言語翻訳、五感の再現といったさまざまなメタバースの構築に使用されます。

AIの翻訳処理能力によって言葉の壁が取り払われ、外国語がわからなくてもメタバース上で自由にコミュニケーションが取れる可能性があります。

3Dモデリング

メタバースでリアリティな空間を再現する技術のひとつが、3Dモデリングです。現実世界と変わらない仮想空間を再現するため、3Dモデリング技術を使用して3Dのオブジェクトを作り出します。

オブジェクトはゼロから作り出す方法のほかに、基礎となるモデルツールを使用、センサーで得たデータを3D化するなどの方法で作成が可能です。3Dモデリングは、主にUnityなどのゲームエンジンを使用して実装されます。

エッジコンピューティング

メタバースでは、膨大な数のユーザーが同時接続して、データ容量の大きな仮想空間を使用します。使用量の大きさからデータの処理速度を落とさないために用いるのがエッジコンピューティングの技術です。

エッジコンピューティングではサーバーを分散し、各ユーザーの端末に近い場所で処理を行うことで、高速なデータ通信を可能にします。

5G

リアルなメタバースの仮想空間を快適に利用するには、高速な通信技術も欠かせません。5Gは、4Gの100倍以上の高速通信、大容量通信、多数の同時接続が可能な技術です。遅延が起こりにくいため、リアルタイムでのデータ送受信も可能です。

5Gの普及によって、ネットワークエンジニアが必要とされるシーンは今後増加が予測されています。通信規格の変更に伴う新製品開発、基地局などの設備強化に伴う人員補充、利用が増加するクラウド接続に対応した環境構築など、ネットワークの運用保守以外にも多くのシーンでその知識や技術が求められます。

メタバースエンジニアに求められるスキル・経験

メタバースの開発に携わるエンジニアには、次のようなスキルが求められます。

1.ゲームエンジンでの開発経験
2.プログラミングスキル
3.UI・UXに関する知識

ゲームエンジンでの開発経験

現在ほとんどのメタバースで開発に使用されているのが、ゲームエンジンのUnityやUnreal Engineです。メタバース開発に携わるには、少なくともどちらかの開発経験が求められます。

この2種類のうち、3Dゲーム開発を手軽に行えるのがUnityです。実績がない場合には、Unityを使用してゲーム制作などを行うのがおすすめです。

国内の求人もUnityの方が多い傾向があります。一方、Unreal Engineは建物の設計・映画・テレビ番組制作などでも幅広く使用されているゲームエンジンです。機能が豊富な分、学習には時間がかかります。なお、VR開発に適しているのはUnreal Engineです。

プログラミングスキル

メタバースエンジニアになるは、どんな役割でもある程度のプログラミングスキルを持っている必要があります。メタバースエンジニアの仕事でよく使用されるプログラミング言語には主に次のものがあります。

【C++】

C言語の機能を拡張させたプログラミング言語で、人工知能開発、ゲーム開発、大規模な業務システムなど幅広い分野で用いられます。Unreal Engineの開発でも使われる言語です。

【C#】

さまざまな開発で使用される言語です。Unityの開発で使用されるため、メタバースエンジニアになりたい場合に習得しておくと便利です。

【JavaScript】

Webサイト、アプリの開発では、Googleマップやブラウザの拡張機能などによく使われる言語です。メタバースでも3Dグラフィックス関係での活用が可能です。

【Python】

人工知能やメタバースの分野で広く使用されているプログラミング言語です。シンプルな文法で、初心者でも理解しやすいメリットがあります。

【Solidity】

Web3系のメタバース開発で使われます。イーサリアムブロックチェーン上でスマートコントラクトを開発する際に使われる言語です。

【Rust】

Web3系のメタバース開発で使われる言語で、Solanaブロックチェーンで使用されます。処理速度が速く、並行処理が可能などの特徴があります。

【Kotlin】

文法がシンプルで開発しやすい言語です。Androidの公式言語のひとつで、Javaとの互換性があり、Javaのフレーム・ライブラリも使えるなどの特徴もあります。

メタバースのAndroidアプリを開発する求人では、Kotlinでの開発経験が求められることがあります。

【Swift】

iOSのアプリ開発に用いられることが多い言語です。シンプルな文法で使いやすく、近年ではメタバースアプリでも使用されています

UI・UXに関する知識

メタバース開発でUnityエンジニアなどのゲーム開発に携わる場合、UI/UXの知識は重要です。

画面のデザイン・フォントなど、ユーザーが直接使用する部分の使いやすさ、見やすさをアップさせるには、UI/UXの知識が役立ちます。メニュー画面が使いやかったり、ゲームの操作性が高かったりすると、ユーザー満足度の向上が期待できます。

メタバースエンジニアの将来性は?

総務省の「令和4年版情報通信白書」では、2022年には474.8億ドルの世界のメタバース市場が、2030年には6,788億ドルまで急速に成長すると予測しています。

三菱総合研究所の「CX2030:バーチャルテクノロジー活用の場としての広義のメタバース」が公表したメタバースの国内市場規模の推計結果でも、2025年の4兆円から2030年の24兆円まで大幅な増加が見込まれています。

今後も市場規模が拡大するメタバースは、デジタル化が進むオンラインゲーム、SNSなどのゲーム・アミューズメント分野、ビジネス、オンライン教育、医療などの幅広い分野に用いられる技術です。

メタバースの普及が予測されていることから、メタバースエンジニアの需要は今後も高く、将来性のある職業と考えられます。

※出典:
・総務省「令和4年版情報通信白書」
・三菱総合研究所「CX2030:バーチャルテクノロジー活用の場としての広義のメタバース」

まとめ

メタバースエンジニアとはメタバース開発に携わるITエンジニアの総称です。メタバース開発には、ゲーム開発エンジニア、アプリ開発エンジニア、インフラエンジニアなど複数のエンジニア職が必要です。今後市場が急拡大するメタバースに関連して、需要が増加する将来性が期待できます。

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