IaaS・PaaS・SaaSはどう違う?それぞれのメリット・デメリットや用途を詳しく解説!

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この記事でわかること

  • IaaS・PaaS・SaaSそれぞれの違い
  • IaaS・PaaS・SaaSのメリットとデメリット
  • IaaS・PaaS・SaaSに欠かせないセキリュティ
編集者プロフィール
ウィルオブテック編集部

エンジニア転職に関するお役立ち情報を発信

スマートフォンやタブレット端末が普及する以前、OSやアプリケーションなど、PCで使いたい機能のほとんどはライセンスを購入し、ソフトウェアをインストールすることで使用していました。

ただ、現代ではインターネットの機能が進化したことで、OSやアプリケーションのインストールがオンラインで完結できるようになりました。

このような、インターネット上でOSやアプリケーションをインストールしたり、複数の端末からアカウントの情報の保存・閲覧ができたりする仕組みをクラウドサービスと呼びます。

今回ご紹介する「IaaS,PaaS,SaaS」は、そんなクラウドサービスの一種です。サービスごとの概要やメリット・デメリットの他、それぞれの違いについて詳しく解説します。

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IaaS・PaaS・SaaSそれぞれの違いは?

IaaS・PaaS・SaaSの解説を踏まえて、それぞれの違いを項目ごとに表で解説します。

 IaaSPaaSSaaS
サービス概要システム開発やソフトウェアの稼働に必要なものを提供するクラウドサービスプラットフォームを提供するクラウドサービスソフトウェアを提供するクラウドサービス
開発の自由度利用するサーバやプログラミング言語を自由に選択できる自由度は低く、カスタマイズはできない根本的なカスタマイズはできない
導入のしやすさ・運用の難易度導入のしやすさ・運用の難易度が一番高いIaaSに比べると導入がしやすい。運用のハードルも低い最低限の設定を行うだけですぐに利用可能。運用の負担がほとんどない
セキュリティの安全性専門性の高い人材が必須セキュリティ強度はベンダ側に依存セキュリティ強度はベンダ側に依存

IaaSとは?メリット・デメリットと用途を解説

IaaSの概要

IaaSとは、仮想サーバや共有ディスク、ストレージ、ネットワークなどのシステム開発やソフトウェアの稼働に必要なものをインターネット上で提供するクラウドサービスを指します。

IaaSを導入することで、物理的なハードウェアの購入・設置・維持が不要になり、必要に応じてカスタマイズができるようになります。

IaaSの用途は?

OSやサーバのカスタマイズがしやすいという特徴から、要件が複雑なWebサービスやゲーム、アプリケーションの開発など、自由度が求められる分野で活用されています。

IaaSの代表的なサービスは?

IaaSの代表的なサービスとしては以下の6つがあります。

  • Amazon Web Services(AWS)
  • Google Cloud Platform(GCP)
  • Microsoft Azure
  • IBM Cloud
  • NHN Cloud
  • CloudSigma

IaaSのメリットとは?

IaaSの具体的なメリットについて解説します。

メリット1.好みの環境を一から構築できる

IaaSが提供するのは、ストレージやサーバといったハードウェアです。使用するOSやプログラミング言語はユーザー側で自由に選ぶことができ、好みの環境を一から構築できます

メリット2.導入コストが低い

IaaSは従量課金制のサービスです。オンプレミスの場合、システム開発をするためにはサーバの購入などが必要になりますが、IaaSでは不要です。

また、IaaSは用途に応じて簡単に、ストレージやメモリを拡張・縮小できるため、ランニングコストの削減にもなります。

メリット3.税務上の負担が軽減される

オンプレミスでサーバを運用する場合、初期構築の段階でサーバ購入費・物理的なスペースの確保・空調や電源などの設備費用など、膨大な予算が必要になります。

また、初期構築にかかった費用は償却資産として固定資産税の対象になる可能性が高く、税務処理の負担が重くなります。

一方、IaaSはインターネット上で完結し、かつ固定資産税の対象になるような物品の購入が不要なため、税務処理も簡潔になります。

IaaSの考えられるデメリット

IaaSのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

デメリット1.導入には専門知識が必須

自由度の高さはIaaSのメリットのひとつですが、適切なシステム環境を構築するためには、専門的な知識や経験、スキルが必要です。

また、システム構築後の管理やセキュリティ対策が必要なため、社内にシステム開発の専門家がいないと、IaaSを利用するのは難しいでしょう。

デメリット2.管理・運用の負担が大きくなる可能性がある

社内にシステム開発の専門家がいたとしても、管理・運用に割く手間・時間が必要になります。

社内にシステムの専門家がいるだけでなく、リソースの確保が欠かせないこともデメリットのひとつといえるでしょう。

IaaSに欠かせないセキュリティとは?

IaaSのサービスは、Amazon・Google・Microsoftなど、各ベンダが運営していますが、管理しているのはインフラ部分のみです。

システム・セキュリティの更新はユーザー側に委ねられ、セキュリティの構築を怠ると、重要情報がインターネット上に流出してしまう懸念につながります。

IaaSの導入を検討している方は、セキュリティへの高い意識と専門性が求められることを理解しておきましょう。

PaaSとは?メリット・デメリットと用途を解説

PaaSの概要やメリット・デメリット、用途について解説します。

PaaSの概要

PaaSは、仮想化されたアプリケーションサーバやデータベースなど、特定のアプリケーション・ソフトウェアを動かすためのプラットフォーム(動作環境)を提供するサービスです。

システム開発に必要なツールをまとめて揃えることができ、開発の効率化に役立てることができます。

PaaSの用途は?

PaaSもIaaSと同じく、Webサービス、ゲームやアプリケーションの開発に利用されます。

サーバやプログラミング言語を自由に選択できるIaaSとは異なり、要件がシンプルで大きなカスタマイズを必要としない開発環境の構築に向いています。

PaaSの代表的なサービスは?

PaaSの代表的なサービスとしては、以下の6つがあります。

  • Amazon Web Services(AWS)
  • Google App Engine(GAE)
  • Microsoft Azure
  • Kintone
  • Salesforce Platform
  • NEC Cloud PaaS

PaaSのメリットとは?

PaaSにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1.環境開発・保守の手間がかからない

PaaSで提供されるプラットフォームの運用・保守は、サービスを提供するベンダが行います。そのため、IaaSのような運用・保守が不要になります。

「セキュリティ対策」「バージョンアップ作業」「トラブルへの対応」などにリソース割く必要がなく、Webサービスやゲーム・アプリケーションの開発に集中することができます。

メリット2.初期投資・運用コストが抑えられる

IaaSと同様に、開発環境の構築のために必要なサーバの購入・設置などが不要なため、初期投資を大幅に削減できます。

また、プラットフォームの運用・保守はベンダが行うため、運用コストはIaaSよりもさらに削減できるでしょう。

PaaSにデメリットはある?

一方で、PaaSにデメリットはあるのでしょうか。

デメリット1.開発の自由度がやや低い

運用・保守をベンダに任せられる反面、開発環境の自由度はIaaSよりも劣ります

例えば、オンプレミスからの移行を検討している場合、「既存のシステムと互換性がなく、自社システムをPaaS上で再現できない」といったトラブルにつながる可能性があります。

デメリット2.セキュリティが提供ベンダに依存する

PaaSのセキュリティ強度は、ベンダ側に依存します。そのため、万が一ベンダ側にウイルスが侵入すると、開発内容やデータベースといった機密情報が流出してしまう恐れがあります。

PaaSに欠かせないセキュリティとは?

プラットフォーム自体のセキュリティを強化することはできませんが、ID・パスワードなどのアカウント管理は徹底する必要があります。

また、社内外からアクセスがあることを想定し、アカウントの権限を適切に振り分けることも重要なセキュリティ対策といえます。

PaaSのセキュリティ強度はベンダ側に依存します。導入を検討する際には、ベンダ側のセキュリティ対策についてしっかりチェックするようにしましょう。

SaaSとは?メリット・デメリットと用途を解説

SaaSの概要やメリット・デメリット、用途について解説します。

SaaSの概要

SaaSは、インターネット上で利用できるソフトウェアのことです。

メール・スケジュール管理や社内のコミュニケーション・情報共有ツールなど、SaaSにはさまざまな種類があり、すでに会社で活用しているという方も多いでしょう。

IaaS・PaaSに比べて、もっとも身近で利用頻度の高いクラウドサービスといえます。

SaaSの用途は?

「メール・スケジュールの管理」「社内のコミュニケーション・情報共有」「売上・請求などの経理管理」など、SaaSの用途はさまざまです。

開発コストを抑えつつ既存業務を効率化し、ミスを減らしたりスピードを早めたりする目的で活用されることが多いようです。

SaaSの代表的なサービスは?

IaaSやPaaSと比べてSaaSは種類が非常に多いのが特徴です。代表的なサイズの一例としては以下があります。

  • Google Workspace
  • LINE WORKS
  • Microsoft 365
  • サイボウズ Office
  • マネーフォワード
  • freee人事労務

SaaSのメリットとは?

SaaSのメリットをひとつずつ解説します。

メリット1.導入がスピーディー

SaaSは、専門的な知識やスキルを必要とせず、最低限の設定を行えば、誰でも簡単に利用をはじめられます。そのため、スピーディーに導入でき、利用を開始できます。

メリット2.初期投資・運用コストが低い

SaaSは、パソコン・スマートフォンなどの端末とインターネットがあれば、すぐに利用できます。システムを構築する必要がないため、最低限の初期投資で導入できます

また、アプリケーションの保守・運用はベンダ側が行うため、運用コストも抑えられます。

メリット3.導入・管理・運用に専門性を必要としない

すでに出来上がったソフトウェアを利用する他、保守管理やバージョンアップ、セキュリティ対策もベンダ側が対応します。そのため、自社にシステム開発の専門家がいなくても、気軽に導入できます

SaaSにデメリットはある?

一方で、SaaSにデメリットはあるのでしょうか。

デメリット1.自由にカスタマイズできない

IaaS・PaaS・SaaSの3つの中で、もっともカスタマイズの自由度が低いサービスです。

自社のワークフローや業務形態に合わせて仕様を変更したいという場合は、利用が難しい可能性があります。

デメリット2.サービス間のデータのやりとりが課題に

SaaSを乗り換える場合、データ移行がしにくいのもデメリットのひとつです。

SaaSの乗り換えが発生しないように、導入前にサービスを慎重に比較検討する必要があります。

デメリット3.提供ベンダに障害が発生したり、サービスが終了したりすると利用できなくなる

「SaaSを提供するベンダ側で障害が発生する、またはサービスが終了する」といった可能性もゼロではありません。

障害が発生するとユーザー側で対処できることはありませんし、サービスが終了すると、強制的にSaaSの乗り換えが必要になります。

SaaSに欠かせないセキュリティとは?

SaaSは、今回ご紹介した3つのクラウドの中で、もっともベンダ側の責任範囲が大きいサービスです。

セキュリティ強度はベンダ側に依存するため、導入の際に情報漏えいなどが発生しないか、しっかり確認してから導入するようにしましょう。

また、ユーザー側からの情報漏えい・ウイルスの侵入を防ぐために、アカウントの管理や振り分けも慎重に行うことが大切です。

まとめ

IaaS・PaaS・SaaSは、クラウドサービスと呼ばれる、オンライン上で利用できるシステム・プラットフォーム・ソフトウェアを指します。

それぞれ特徴・用途が異なる他、メリット・デメリットがあるので、導入を検討している方は事前にしっかり調査を行い、目的に合ったサービスを選択しましょう。

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