エンジニア転職を希望する方に人気が高い社内SE。しかし、実際に年収アップを期待できるのか、どのような仕事内容なのかイメージが持てない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では社内SEの平均年収や仕事内容、年収アップの方法を解説します。「社内SEに転職したいが年収で妥協したくない」「社内SEって本当に年収が低いの?」と考えているにこそ知ってほしい情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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社内SEの平均年収は約497万円
求人ボックス 給料ナビによると、2024年5月時点で社内SEの平均年収は約497万円という結果になりました。月給で換算すると約41万円です。
その一方、国税庁の「令和4年分 民間給与実態調査」によれば、日本人全体の平均年収は458万円でした。社内SEの平均年収は日本人全体よりも、およそ40万円高いことがわかります。
ただし、企業の規模やスキルによって平均年収の額は大きく変動します。年収アップを考えているなら、求人票だけでなく企業規模や求められるスキルを詳しく確認しましょう。
※参照元:求人ボックス「社内SEの仕事の年収・時給・給料」
【年代別】社内SEの平均年収は?
年代別による社内SEの平均年収は以下のとおりです。
- 20代前半…約344万円
- 20代後半…約415万円
- 30代…約514万円
- 40代…約615万円
※参照元:転職会議「社内SEの年収まとめ」
社内SEの平均年収は20代後半ですでに400万円台を超えています。また年齢を重ねるごとに経験とスキルが成熟し、結果的に年収アップにつながっています。
しかし、同じ20代でもSEの平均年収は約483万円となっており、社内SEのほうが平均年収は低い傾向にあります。詳しくは、下記の記事を参考にしてみてください。
システムエンジニアの年収については「SE(システムエンジニア)の平均年収は?1000万円を目指す方法を解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
社内SEの主な仕事内容
社内SEの仕事は、大きく分けて以下の5つの業務内容があります。
- システム部門の予算作成・管理
- システムの企画・導入
- システムの開発
- システムの運用・保守
- ヘルプデスク
それぞれの具体的な仕事内容について解説していきます。
システム部門の予算作成・管理
自社で導入している、または今後導入を検討しているシステムの予算を年間・期末ごとに作成します。
具体的には、既に運用・管理しているシステムのランニングコストや改修コストの予算リストを作成したり、新たにプロジェクトを立ち上げて開発を外部委託したりする際には見積書をもとに予算を立案します。
また、年度の節目ごとに予算と実際のコストを比較し、予算の超過が見込まれる場合は調整を行います。適切に予算を管理するのも社内SEの大切な仕事です。
システムの企画・導入
自社の経営戦略やIT戦略などに基づき、経営や事業の課題を解決するシステムの企画を立案します。
既存システムの課題に留まらず、業務の効率化やコスト削減など、社内全体で起こっている問題や今後見込まれる課題を分析します。そのうえで、スケジュールや予算などを算出し、経営層への提案までが社内SEの仕事です。
そもそも社内SEに期待される使命のひとつが「ITシステムを活用して課題の解決や自社の業績をアップさせること」であり、管理者の立場と経営者の視線をもって企画・提案をすることが求められます。
システムの開発
企業が抱えている課題を解決するために、自社で使用するシステムの設計・開発・テストを行います。
自社システムの開発に十分な人員を割けない企業では、基本的に運用・保全を社内SEがメインで担当し、開発を外部委託する場合もあります。
その際は、プロジェクトの進捗管理や品質管理といったベンダーマネジメント業務を社内SEが担当します。
システムの運用・保守
導入されたシステムが問題なく継続的に稼働できるよう、日常の運用や保守を担当します。
特に基幹システムとなると、予期せぬトラブルが会社の事業や利益に大きな打撃をもたらすこともあるため、システムを正常に使い続けられる状態を保つことは重要な役割です。
通常の運用・保守の他に、社内の要望に応じてシステムの改善や変更、拡張を行うこともあります。
ヘルプデスク
社内からのITに関する問い合わせ窓口、いわゆるヘルプデスクとしての役割もあります。
社内システムはもちろん、パソコンやプリンター、Office製品の使い方などの問い合わせはヘルプデスクがある情報システム部に寄せられます。
社員がシステムやIT機器を快適に利用し、滞りなく業務を進められるよう適宜サポートを行います。
社内SEとして働くメリットとは?
ここからは、社内SEとして働くメリットをいくつかご紹介します。社内SEへ転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 上流工程の仕事も担当できる
- ベンダーマネジメントのスキルを習得できる
- 自社に貢献できる
- ライフワークバランスを充実しやすい
上流工程の仕事も担当できる
社内SEとして働くメリットに、上流工程の仕事を担当できることが挙げられます。先述した通り、社内SEの仕事内容にはシステムの企画や予算管理などが含まれます。
企画や管理など、システム開発だけに留まらない上流工程に携われるエンジニアは多くありません。特に、SESで客先に派遣されるエンジニアの場合、上流工程を担当できる人はほんの一握りです。
上流工程の仕事はより責任感を求められるものの、その分やりがいもひとしおです。エンジニアとしてキャリアアップを目指したいなら、上流工程に携わりやすい社内SEはおすすめです。
ベンダーマネジメントのスキルを習得できる
ベンダーマネジメントとは、業者の選定・発注・プロジェクトの進行・予算管理など外部へ委託する際に必要な全工程を指します。
プロジェクトの規模や予算にもよりますが、社内SEに転職するとベンダーマネジメントを行う場合があります。
もしベンダーマネジメントに失敗してしまうと、システム開発が遅れてしまったり、質の悪いシステムに多額の費用をかけてしまったりなどの事態になりかねません。
一方、ベンダーを巻き込んでプロジェクトを成功させれば、高い評価につながります。プロジェクトの進行を担うマネージャー職を目指している方に向いているでしょう。
自社に貢献できる
自社に貢献できるのも、社内SEとして働くメリットといえるでしょう。クライアントワークではなく、システム領域で会社の成長を支えたい方にうってつけです。
また、勤務地が変わらないのも見落としがちなメリットです。受託開発の場合、客先常駐でプロジェクトごとに勤務地が移り変わるケースも少なくありません。
しかし、社内SEであれば、自社に腰を据えて働けます。人間関係も構築しやすいため、環境の変化に敏感な方は社内SEを選択肢のひとつに入れてみてください。
ライフワークバランスを充実しやすい
社内SEの仕事は、クライアントワークよりも納期を調整しやすい傾向にあります。大幅な遅延が生じていない限り、定時で勤務を終えられることも多々あります。
エンジニアは残業時間が多いイメージを持たれがちですが、社内SEにいたってはライフワークバランスを充実させやすい職種だといえるでしょう。働き方を改善したい方にも、社内SEはおすすめです。
とはいえ、企業によっては社内SEの業務範囲が多く、残業時間が多くなってしまう場合があります。選考に進んだ際は、平均の残業時間や休日出勤の有無などを確認するとよいでしょう。
社内SEを目指す際に懸念すべきポイント
一方、社内SEを目指すにあたり、どのような懸念点があるのでしょうか。以下の3つのポイントを詳しく解説します。
- 専門性がさほど高くない
- 生産性を得にくい
- 年収が上がりにくい
ここからはそれぞれの理由別に詳しく解説していきます。
専門性がさほど高くない
社内SEは高い専門性を求められない傾向にあります。
というのも社内SEは社内システムの運用・管理が主な仕事ですが、これらの仕事は必要なことを覚えてしまいさえすれば、深い知識がなくともこなせてしまう可能性が高いのです。
また、社内のパソコンやプリンターの割り振りや各種マニュアルの整備についてもメーカーに確認できるため、高度な知識を必要としません。
中にはマニュアル通りに対応するだけの社内SEもおり、高い評価を得られない要因のひとつです。
保守・管理のみならず、要望・課題に対して解決策を提案するような存在感を積極的にアピールする必要があります。
生産性を得にくい
社内システムの維持管理などが主となる社内SEは、企業の生産性に寄与しにくいことが挙げられます。
企業にとって重要視されるのは、やはり利益を上げることです。営業職と比べて業績への寄与が見えにくい社内SEは、増収に繋がる評価を得るチャンスが少ない仕事です。
社内システムに問題がなければ目立ちにくく、たとえ問題が発生した際に的確な対応ができても、多くの企業は問題が起こらない前提でシステムを使用するため、評価を得られない結果となりがちです。
社内SEは企業の事業を維持するためには必要不可欠な存在であることは間違いありませんが、あくまで「縁の下の力持ち」のポジションであり、その仕事によって劇的に評価が上がったり年収が大幅にアップしたりすることは少ないのです。
年収が上がりにくい
社内SEの年収が上がりにくいのも、懸念事項のひとつといえます。というのも、社内SEは定時で仕事を終える場合が多く、残業時間が少ないからです。
一般的なSEは、システム開発の納期に間に合わせるために残業を余儀なくされるケースが多々あります。一方、多くの社内SEは社内のサーバーやシステム管理、社員からの問い合わせ対応などの日常業務を行い、残業を必要とするケースはほんの一握りです。
納期に追われて残業しがちなSEと比較して、社内SEは就労時間が短い分、同一の時給額でも年収は少ない傾向となります。空いた時間を利用し、新しい技術をインプットすることで、市場価値の向上を期待できるのでおすすめです。
社内SEが年収アップを目指すには?
ここまで社内SEの平均年収が低くなりやすい理由について紹介しましたが、全ての社内SEが低収入と限られるわけではありません。
最後に社内SEとして年収を上げるために心がけておきたい4つのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
社内SEの転職難易度については「社内SEへの転職は難しい? 失敗しないポイントと求められるスキル」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
大企業の社内SEを目指す
大企業の社内SEに就職すると、年収アップを期待できます。
社員数が多い大企業にとって社内システムは必須であり、組織の規模に応じてシステムも大規模になる傾向があります。
大規模なシステムやサーバーを管理・維持するためには、知識や経験を積んだ社内SEが一定数必要になるため、需要が高い傾向にあります。
社内SEの年収は企業の規定に則りますが、大企業では規定や制度がしっかりとしていることが多く、高水準の給与が設定されていることも珍しくありません。
IT戦略・マーケティング関連の社内SEになる
IT戦略やマーティングに関する経験・スキルを習得することも、大切なポイントです。
年収が低くなる理由のひとつとして「覚えてしまえば誰でもできてしまう仕事」を挙げましたが、IT戦略やマーケティングに関する仕事を担当する場合には、これに当てはまりません。
システムを管理・維持するのみを目的とした社内SEと比べ、専門知識・スキルを駆使してIT戦略から企業の課題解決や業績アップを図る社内SEは、高い年収を期待できます。
社内SEとして実績を上げつつ、大規模な社内システムの企画・立案する部署を目指すのもよいでしょう。実力次第で高収入を得たいのなら、ITコンサルティングスキルの習得もおすすめです。
資格をとる
社内SEは資格がなくても勤まる職種ではありますが、資格を取得しておけば転職時の選考で有利になります。
特に大企業の社内SEとなれば応募が殺到することが予想されるため、資格をひとつも持っていないと面接官の目に留まらず、書類選考すら通貨できない可能性があります。
例えばIT戦略の企画・管理力をアピールしたい場合は「PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)」、ベンダーとしての知識を示すなら「オラクルマスター」「シスコ技術者認定資格」などがおすすめです。
またサーバー管理者ならば「システム監査技術者」「ITストラテジスト」などの上位資格を有していると転職を有利に進められるでしょう。いざという時に備えて、自分の実績とスキルに見合った資格の取得を目指してみてください。
ITストラテジスト試験の難易度については「ITストラテジスト試験の難易度は?合格するメリットや必要な勉強時間について解説!」の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください!
転職エージェントを利用する
社内SEで年収アップを目指すなら、転職エージェントの利用もおすすめです。
社内SEの転職成功の秘訣は、IT業界に強い転職エージェントを選ぶことです。転職エージェントには非公開求人が数多く登録されており、中には高年収のレア求人もあります。
また、企業のニーズと求職者の適性を見定めてマッチングしてくれるため、双方が納得できる転職が実現しやすいのも魅力です。年収アップを目指して転職する場合は、IT業界に強い転職エージェントを活用するとよいでしょう。
まとめ
社内SEは、残業が少ない・高度な専門知識がいらないなどの利点がある一方で、年収アップを狙うには工夫が必要です。
社内SEとして条件の良い環境で働きたいなら、求人を細かくリサーチし、自分に合った職場を見つけましょう。転職エージェントを活用すれば、年収アップだけでなく、将来的なキャリアステップまで想定した企業とのマッチングが叶いやすくなります。
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年収の高い社内SEになるになる方法はありますか?
はい。方法として「大企業の社内SEになる」「IT戦略・マーケティング関連の社内SEになる」「資格をとる」「転職エージェントを利用する」などがあります。詳細は「年収の高い社内SEになるには」で説明しているので確認ください。
社内SEの平均年収はいくらですか?
社内SEの年収は、約497万円です。しかし、企業規模やスキルによって、年収が前後する場合があります。詳細は「社内SEの平均年収は約497万円」で説明しているので確認ください。