エンジニア転職を希望する人に人気が高い「社内SE」。しかし、実際にどのような仕事内容なのか、年収はどれくらいもらえるのかイメージが持てない人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、社内SEの仕事内容や平均年収・相場、年収アップの方法まで分かりやすく解説します。「社内SEとして活躍したい、でも年収で妥協したくない」「社内SEって本当に年収が低いの?」と考えているにこそ知ってほしい情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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社内SEの平均年収・相場
まず、社内SEの平均年収と相場について解説します。
全年齢を平均した社内SEの年収は、2022年4月時点で約430万円です。平均年収は年ごとに変化しており、2015年から2019年までの推移は以下の通りです。
社内SEの平均年収の推移(2015年~2019年)
- 2019年…568万円
- 2018年…551万円
- 2017年…550万円
- 2016年…547万円
- 2015年…592万円
※参照元:年収ガイド「システム・エンジニアの年収」
社内SEの年収は年々上昇しているとはいえず、年によって増減していることが分かります。一方でいずれの年も500万円代で推移しており、国税庁の「令和2年分 民間給与実態調査」によると、日本人の平均年収433万円を超えていることからも、社内SEは比較的高い年収を安定して得ているといえます。
社内SEの年齢別の平均年収・相場
では次に、年齢別の平均年収の違いを見ていきましょう。
社内SEの年齢別の平均年収・相場
- 20代…約450万円
- 30代…約550万円
- 40代…約600万円
※参照元:HOP!ナビ転職「社内SEの平均年収」
年を重ねるごとに年収の開きが大きくなっていくことから、経験とスキルの成熟度が年収アップの要素になっていることが分かります。
しかし、同じ20代でSEの平均年収は483万円となっており、比較的社内SEの年収が低い傾向にあります。
システムエンジニアの年収については「SE(システムエンジニア)の平均年収は?1000万円を目指す方法を解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
社内SEの仕事内容
社内SEの仕事は、大きく分けて「システム部門の予算作成・管理」「システムの企画・導入」「システムの開発」「システムの運用・保守」「ヘルプデスク」の5つがあります。
ここからはそれぞれの具体的な仕事内容について解説していきます。
システム部門の予算作成・管理
自社で導入している、または今後導入を検討しているシステムの予算を年間・期末ごとに作成します。
具体的には、既に運用・管理しているシステムのランニングコストや改修コストの予算リストを作成したり、新たにプロジェクトを立ち上げて開発を外部委託したりする際には見積書をもとに予算を立案します。
また、年度の節目ごとに予算と実際のコストを比較し、予算の超過が見込まれる場合は是正措置を講じて、適切に予算を管理するのも大切な仕事です。
システムの企画・導入
自社の経営戦略やIT戦略などに基づき、経営や事業の課題を解決するシステムの企画を立案します。
既存システムの課題に留まらず、業務の効率化やコスト削減など、社内全体で起こっている問題や今後見込まれる課題を分析し、スケジュールや予算などを算出した上で経営層に提案を行います。
そもそも社内SEに期待される使命のひとつが「ITシステムを活用して課題の解決や自社の業績をアップさせること」であり、管理者の立場と経営者の視線をもって企画・提案をすることが求められます。
システムの開発
企業が抱えている課題を解決するために、自社で使用するシステムの設計・開発・テストを行います。
自社システムの開発に十分な人員を割けない企業では、基本的に運用・保全を社内SEがメインで担当し、開発を外部委託する場合もあります。その際は、プロジェクトの進捗管理や品質管理といったベンダーマネジメント業務を社内SEが担当します。
システムの運用・保守
導入されたシステムが、問題なく継続的に稼働できるよう、日常の運用や保守を担当します。
特に基幹システムとなると予期せぬトラブルが会社の事業や利益に大きな打撃をもたらすこともあるため、システムを正常に使い続けられる状態を保つことは重要な役割です。
通常の運用・保守の他に、社内の要望に応じてシステムの改善や変更、拡張を行うこともあります。
ヘルプデスク
社内からのITに関する問い合わせ窓口、いわゆるヘルプデスクとしての役割もあります。社内システムはもちろん、パソコンやプリンター、Office製品の使い方などの問い合わせはヘルプデスクがある情報システム部に寄せられます。
社員がシステムやIT機器を快適に利用し、滞りなく業務を進められるよう適宜サポートを行います。
社内SEがSEよりも年収が低くなりやすい理由
先述した通り、社内SEはSEよりも年収が低くなりがちです。理由として、主に次の3つが挙げられます。
- 高い専門性がいらないから
- 生産性のない仕事内容だから
- 残業が少ないから
ここからはそれぞれの理由別に詳しく解説していきます。
専門性がいらないから
社内SEは高い専門性を求められないケースが多々あります。
というのも社内SEは社内システムの運用・管理が主な仕事ですが、これらの仕事は必要なことを覚えてしまいさえすれば、深い知識がなくともこなせてしまう場合があるのです。
また、社内のパソコンやプリンターの割り振りや各種マニュアルの整備についてもすぐにメーカーに確認できるため、高度な知識を必要としません。
中にはマニュアル通りに対応するだけの社内SEもおり、高い評価を得られない要因のひとつです。
保守・管理のみならず、要望・課題に対して解決策を提案するような存在感を積極的にアピールできなければ、高収入を得にくいという厳しい現状があります。
生産性を得にくい仕事内容だから
社内システムの維持管理などが主となる社内SEは、企業の生産性に寄与しにくいことが挙げられます。
企業にとって重要視されるのは、やはり利益を上げることです。営業職と比べて業績への寄与が見えにくい社内SEは、増収に繋がる評価を得るチャンスが少ない仕事です。
社内システムに問題がなければ目立ちにくく、たとえ問題が発生した際に的確な対応ができても、多くの企業は問題が起こらない前提でシステムを使用するため、評価を得られない結果となりがちです。
社内SEは企業の事業を維持するためには必要不可欠な存在であることは間違いありませんが、あくまで「縁の下の力持ち」のポジションであり、その仕事によって劇的に評価が上がったり年収が大幅にアップしたりすることは少ないのです。
残業が少ないから
残業の少なさも、社内SEの年収が上がりにくい理由といえるでしょう
一般的なSEは、システム開発の納期に間に合わせるために残業を余儀なくされるケースが多々あります。一方、多くの社内SEは社内のサーバーやシステム管理、社員からの問い合わせ対応などの日常業務を行い、残業を必要とするケースはほんの一握りです。
納期に追われて残業しがちなSEと比較して、社内SEは就労時間が短い分、同一の時給額でも年収は少ない傾向となります。
年収の高い社内SEになるには
ここまで社内SEの平均年収が低くなりやすい理由について紹介しましたが、全ての社内SEが低収入と限られるわけではありません。一方で高い年収を得るためには、社内SEとして一般的に求められる仕事よりも高い目標をクリアしなければならないことも事実です。
最後に社内SEとして年収を上げるために心がけておきたい4つのポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
社内SEの転職難易度については「社内SEへの転職は難しい? 失敗しないポイントと求められるスキル」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
大企業の社内SEになる
大企業の社内SEに就職すると、年収アップを期待できます。
社員数が多い大企業にとって社内システムは必須であり、組織の規模に応じてシステムも大規模になる傾向があります。大規模なシステムやサーバーを管理・維持するためには、知識や経験を積んだ社内SEが一定数必要になることから、求人も頻繁に見かけます。
社内SEの年収は企業の規定に則りますが、大企業では規定や制度がしっかりとしていることが多く、高水準の給与が設定されていることも珍しくありません。
IT戦略・マーケティング関連の社内SEになる
IT戦略やマーティングに関する経験・スキルを習得することも、大切なポイントです。
年収が低くなる理由のひとつとして「覚えてしまえば誰でもできてしまう仕事」を挙げましたが、IT戦略やマーケティングに関する仕事を担当する場合には、これに当てはまりません。
システムを管理・維持するのみを目的とした社内SEと比べ、専門知識・スキルを駆使してIT戦略から企業の課題解決や業績アップを図る社内SEは、収入に大きな差が出ます。
社内SEとして実績を上げつつ、大規模な社内システムの企画・立案する部署を目指すのもよいでしょう。実力次第で高収入を得たいのなら、ITコンサルティングスキルを身に付けることをおすすめします。
資格をとる
IT系の資格の取得をすることは、収入アップの近道です。
社内SEは資格がなくても勤まる職種ではありますが、資格を取得しておけば転職時の選考で有利になります。
特に大企業の社内SEとなれば応募が殺到することが予想されるため、資格もひとつも持っていないと面接官の目に留まらず書類選考すら通らない可能性があります。
とはいえ、IT系の資格はその人の専門分野によって取得すべきものが異なります。例えば社内SEとしてIT戦略の企画・管理力をアピールしたい場合は「PMP(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル)」、ベンダーとしての知識を示すなら「オラクルマスター」「シスコ技術者認定資格」などがおすすめです。
またサーバー管理者ならば「システム監査技術者」「ITストラテジスト」などの上位資格を有していると転職を有利に進められるでしょう。いざという時に備えて、自分の実績とスキルに見合った資格の取得を目指してみてください。
転職エージェントを利用する
社内SEで年収アップを目指すなら、転職エージェントの利用もおすすめです。
社内SEの転職成功の秘訣は、IT業界に強い転職エージェントを選ぶことです。転職エージェントには非公開求人が数多く登録されており、中には高年収のレア求人もあります。
また、企業のニーズと求職者の適性を見定めてマッチングしてくれるため、双方が納得できる転職が実現しやすいのです。収入アップを目指して転職する場合は、IT業界に強い転職エージェントを活用するとよいでしょう。
まとめ
社内SEは、残業が少ない・高度な専門知識がいらないなどの利点がある一方で、年収アップを狙うには工夫が必要です。
社内SEとして条件の良い環境で働きたい方に様々な求人をリサーチし、自分に合った職場を見つけましょう。転職エージェントを活用すれば、年収アップだけでなく、将来的なキャリアステップまで想定した企業とのマッチングが叶いやすくなります。
特にウィルオブテックは、専属2名体制で転職活動を丁寧にサポートしてくれます。年収が高い社内SEの求人も多数揃えているので、少しでも興味があれば、まずは無料のキャリア相談に参加してみませんか?
年収アップを目指しているのならば客観的に自分の「強み」や「市場価値」を知ることが重要です。
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よくある質問
年収の高い社内SEになるになる方法はありますか?
はい。方法として「大企業の社内SEになる」「IT戦略・マーケティング関連の社内SEになる」「資格をとる」「転職エージェントを利用する」などがあります。詳細は「年収の高い社内SEになるには」で説明しているので確認ください。
社内SEの平均年収はいくらですか?
幅広く定義されているため正確ではないものの、全年齢を平均した社内SEの年収は、約430万円ほどと言われています。詳細は「社内SEの平均年収の相場」で説明しているので確認ください。