バックエンドエンジニアがスキルアップをするために必要な知識や資格について.現役のバックエンドエンジニアや、これからバックエンドエンジニアになろうと考えている人が、より市場価値を高めるためにどうすればよいかを解説します。
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バックエンドエンジニアの概要
バックエンドエンジニアとは、ユーザーがサイトやシステムを利用するときには目にすることがない「バックエンド」のシステム処理を担うエンジニアです。
具体的にはデータベースの処理であったり、サーバーサイドの構築であったりと、「目には見えないけれど、これがないとサイトやシステムが機能しない」という根幹の部分を支える縁の下の力持ちという役割を果たしている職種です。
システムの根幹に携わる立場であるため、一番初めのプロジェクト立ち上げから、システムリリース後の運用・保守に至るまで幅広くかかわる重要な役割です。また会社によっては開発部分のみならず実際の運営や管理の部分に積極的にかかわっていくようなケースもあります。
バックエンドエンジニアの将来性
バックエンドエンジニアの将来性について見ていきましょう。
技術の急速な発達によってエンジニア不要論が噴出していますが、結論としては近い将来にバックエンドエンジニアという職種が消える可能性はかなり低いでしょう。AIやIoTがどれだけ発達しようとも、データをただ正しく蓄積するのみで、集められたデータによってどのような意思決定を行うのかは人間がやらなければできないことです。
そしてバックエンドシステム内部に蓄積されたそのようなデータを読み解くことができるのは、まさにバックエンドエンジニアなのです。
したがって今後の急速な技術発展があろうと、バックエンドエンジニアは重要な役割を担っているため市場からいなくなることは考えにくいということなのです。また、スマートフォンアプリにもバックエンド側で大半の処理を行っているものがあり、実はまだまだバックエンドエンジニアの需要は高い状況です。
バックエンドエンジニアに向いている人は?
このような縁の下の力持ちであるバックエンドエンジニアですが、どういった特徴を持つ人が向いている職種なのでしょうか。あくまで一例ですが、バックエンドエンジニアに向いている人を解説します。
裏方に徹して黙々と作業に打ち込むことが好きな人
お客様との対話の機会が少なく、基本的には他人が自分の作業にあまり干渉してくることのない環境で黙々と開発に取り組むというのがバックエンドエンジニアの業務環境です。
そのため、あまり対人コミュニケーションが得意ではなく、どちらかというと1人でコツコツ作業を進めていきたい方にとっては、職場環境が適しているといえるでしょう。
計画的に物事を進めたり慎重に物事を進めたい人
システムの基幹部分を担当する職種であるため、ほんのわずかなエラーやミスがプロジェクトやシステム全体に多大な影響を及ぼしかねません。
そういった業務の特性を鑑みると、事前に段取りを考えてスケジュール通り開発を進めることができる計画性を持っていたり、ミスやエラーを確実に発見したりそもそもの発生防止に努めたりできるような慎重さがある人は向いているといえるでしょう。
勤勉で責任感がある人
IT関連業界は日々新たな技術や知識が生まれ、以前の知識やスキルは次々と陳腐化していきます。
こういった日々アップデートされる情報にキャッチアップして自分のものにできる勤勉さや、こうした知識獲得も含めて自分が担当しているプロジェクトを完遂するという責任感を備えた人は、バックエンドエンジニアに向いているかもしれません。
バックエンドエンジニアになるには
では、そのような特性を持っていて、バックエンドエンジニアでの就職を希望している人が、実際にバックエンドエンジニアになるためにはどのような要素やステップが必要になるのでしょうか。
資格を取得する
まず重要なのは資格を取得することです。
バックエンドエンジニアとしてのキャリアで活かせる資格は様々あります。例えば、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が展開する国家試験・国家資格(基本情報技術者試験やデータベーススペシャリスト試験など)や、CCNAと呼ばれるアメリカのシスコシステムズ社が展開するネットワークエンジニアの技能を認定する試験などがあり、他にも幅広くIT技術に関連する様々な資格がバックエンドエンジニアとしてのキャリアに活かせます。
一方で資格の種類や数も豊富にあるため、何を取得すればよいのかわからないという方は、まずCCNAの認定を得るところから始めてみましょう。
スキルはネットワーク寄りのものではありますが、世界最大手のネットワーク機器ベンダーの一つであるシスコ社の製品に対する知識を深めることで、各種機器への理解はもちろん、現場業務への理解促進にもつながります。
また、プログラミング言語の学習に関してもスキルを証明できる資格があります。
会社や対応する案件にもよりますが、開発に用いる言語としてJavaが用いられるケースが多いため、「Oracle認定Javaプログラマ」の資格を持っていると、就職活動の際に相手から一目置かれるでしょう。
専門知識が学べる学校に通う
資格取得以外にも重要なのが実際のスキルです。プログラミングの経験が比較的浅い場合は、バックエンドエンジニアになるためにまずプログラミングのスキルを培いましょう。
実際にスキルを培うとなったときは専門知識が学べる学校に入学することが一番効率的です。
大学や専門学校でもプログラミングスキルやバックエンドエンジニアになるための知識を吸収できる環境が整っていますし、最近では社会人や大学生などのプログラミング初学者に向けたプログラミングスクールも登場してきており、学べる環境は非常に整っているといえます。
自分の資金や通学可能な期間、コースのレベルなど様々な要素を考慮したうえで自分に合った学校やカリキュラムを見つけて通学できるとよいでしょう。
書籍や動画などで独学する
既に社会人として働いていて学校に通う時間がない場合や手元の資金が足りない場合は、独学でスキル習得を進めて知識を蓄えるのも一つの方法です。
近年ではエンジニア職の人気が高まっていることもあり、バックエンドエンジニアに必要なスキルを学べる書籍や動画が多数存在しています。そのため学校に通うのが困難な人は独学でスキルを習得していくことができるようになっています。
コストも抑えられて自分のペースで勉強を進めていけるのが強みですが、一方でうまく自律できないと時間だけかけて、まったくスキルが身についていないという状態になりかねませんので注意が必要です。
バックエンドエンジニアと他のエンジニアの違い
ここまでバックエンドエンジニアになるためには、という観点から解説をしてきましたが、ここからはバックエンドエンジニアと他のエンジニアでは何が異なっているのかを解説していきます。
フロントエンドエンジニアとの違い
まずはフロントエンドエンジニアとの違いについてです。
冒頭でバックエンドエンジニアのことを「ユーザーがサイトやシステムを利用するときには目にすることがない」システムを構築する職種だと紹介しましたが、フロントエンジニアはその反対で、「ユーザーがサイトやシステムを利用するときに直接目にする部分を開発する」エンジニアのことを指します。
具体的にはブラウザページであったり、スマートフォンのアプリケーション上の画面表示であったり、WEBサービス上で普段目にしているあらゆる画面はフロントエンドエンジニアによってつくられているのです。
したがって、フロントエンドエンジニアはより顧客に近いUI・UXの分野に関するスキルが求められています。その分、改善結果が顧客体験として反映されやすく、顧客からのフィードバックを受けることができ、それをモチベーションに変換することも可能です。
バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアは、まったく異なった領域を担当するように思われるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。
もちろん開発部隊は別ですが、フロントエンドとバックエンドは非常に密接にかかわっているため、フロントエンドエンジニアはバックエンドの、バックエンドエンジニアはフロントエンドの、というようにお互いの領域に関して包括的に知識を有しているケースも多いのです。
こちらの「フロントエンジニアの仕事内容とは?将来性や年収のほかスキルや資格も解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
サーバーサイドエンジニアとの違い
次によく似ている職種としてサーバーサイドエンジニアが挙げられます。
実はこのサーバーサイドエンジニアとの明確な区別はついておらず、両者ともシステムの基幹部分を構築するような業務内容であるためかなり似たような職種といえます。
ただ似たような仕事内容でも、特にWEB領域のエンジニアのことをバックエンドエンジニアと呼んでいるというのが大きな区別のポイントといえます。
バックエンドエンジニアの仕事内容
ここからはバックエンドエンジニアが具体的にどのような業務に従事しているのかを解説していきます。
サーバーを構築する
まずはサーバー構築です。
サーバー構築といっても、「ハードウェアをどれにするか」という選定から始まり、「具体的な要件定義や設計」のプロセスも含みます。
企業や案件によってはこの「構築」の業務のうちいくらかを他のエンジニアが請け負うこともありますが、バックエンドエンジニアが一貫して受け持つことも多々あります。そしてバックエンドのプログラムは当然サーバー上での動作を前提とするため、WEBサーバーに関する知識も求められます。
データベースを構築する
次にデータベースの構築です。
各種WEBサービスやアプリケーションはWEBサーバーがあれば、指定のページを表示させることは可能です。
しかしデータベースを構築せずにそのまま運用をしようとすると、サービスが機能するときに逐一膨大な数のデータの中から適切な情報を選び取る作業が発生し、非常に時間がかかってしまいます。
そういった事態を防ぐため、頻繁に使用するようなデータをアクセスしやすい形で管理しておくことを目的とするのがデータベースの構築です。データベースの構築にはOracleやMySQLといった専用ソフトを用いることが多いでしょう。
プログラムを開発する
そして主な業務の3つ目はプログラム開発です。
案件によって適切な言語を用いて、要件を満たすようなシステムを構築していくという仕事です。
毎回同じ言語で開発が行われるわけではないうえにプログラミング言語の数も少なくないため、どのような開発なのかをよく理解したうえで、適切な言語と開発内容を検討するという非常にスキルが求められるのがこの業務なのです。
保守、運用を行う
最後は保守や運用です。
他のエンジニア職も同様ですが、開発をして実装をして終わりではなく、実際に運用が始まってからも正常にシステムやプログラムが動いているかを確認する作業は、もちろん非常に重要な業務の一つとなっています。
万が一実装後に問題が発生した場合はすぐにトラブルシューティングにあたる必要がありますし、そもそもそのような問題が発生しないように、バックアップの作成やアクセスログを監視するなど運用のサポートも日ごろから行う必要があります。
こういったシステムを円滑に稼働させるための仕事も立派なバックエンドエンジニアの業務の一つなのです。
バックエンドエンジニアに必要なスキルや知識
バックエンドエンジニアという職種の魅力を理解したところで、実際にこのような仕事に従事するバックエンドエンジニアになるためにはどのようなスキルが必要になるのかについて解説していきます。
プログラミング言語の知識
まず大切なのがプログラミング言語に関する知識です。
バックエンドエンジニアとして業務でよく用いられるのが、PythonやJava、Ruby、PHP、Perlといった言語です。それぞれの言語は用途によってどの言語が適しているかが決まっており、例えばデータ分析関連ならPythonが、動的なアプリケーションを開発したいならばPHPといった具合です。
こうした数ある言語のうち、比較的最近流行している言語をどれか一つでも習得していれば最低限のスキルが確保できているといえるでしょう。
トレンドを押さえた言語習得ができていれば、直近の案件で活躍できる機会が増える可能性が高まりますし、新たに他の言語を習得することは一から覚えることと比べるとはるかに容易だからです。
こちらの「Javaの将来性は今でも高い?Javaエンジニアに必要なスキルも紹介」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
▼言語「PHP」については
こちらの「PHPの将来性はある?現在のPHPエンジニアのニーズを詳しく解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
▼言語「Python」については
こちらの「Pythonの将来性は高い?メリットやできることも合わせて解説!」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
データベースの知識
また、プログラミング言語の習得と同じくらい重要になるのがデータベースの知識を有することです。
開発において何かしらのデータを取得や登録する際はデータベースを使用することがほとんどであり、バックエンドエンジニアはそのデータベースを扱えるよう最低限の知識を持っている必要があります。
したがって、最低限データベースを操作するSQLのスキルが必須となりますが、さらにバックエンドエンジニアとしてキャリアアップを図りたい場合は、それに加えてデータベースの構築や設計についても理解を深めておくようにしましょう。
実際にどのようなデータベース管理が行われているのかを理解することでよりクリティカルなSQLの記述ができるようになり、知識を深めることでスキルアップを期待できます。
フレームワークに関するスキル
そしてバックエンドエンジニアに必要なスキルの最後は、フレームワークに関する知識や能力です。
フレームワークとは、アプリケーションを開発するときにその基盤として機能させるソフトウェアのことを指します。操作性向上に寄与するユーティリティ系のフレームワークもあれば、開発に役立つWEBアプリケーション開発用のフレームワークも用意されています。
プログラミング言語ごとに複数のフレームワークが用意されているため、言語に関して学ぶときはこのフレームワークもあわせて学ぶことで、より効率的に開発を行うことができるようになります。
バックエンドエンジニアに必要な資格
スキルだけでなく、バックエンドエンジニアとして活躍するための資格についても解説します。
PHPの技術力を証明できるPHP技術者認定試験
まずはPHP技術者認定試験です。
これは一般社団法人PHP技術者認定機構という民間の団体が行っている認定試験で、プログラミング言語の一つであるPHPに関するスキルがどの程度備わっているかを測定するものです。
初級は基本的なレベルの知識が問われるようなものですが、上級になると高度な技術力を有していることが求められる試験となっています。さらに上級試験を90点または90%以上の高得点で合格した人のうち、論文審査を通過した人に関しては「認定ウィザード」の称号を得ることができます。
この称号を得ると、PHPに関してはトップレベルのスキルを保有している証明になります。
初級から上級までの試験については受験資格がないため、これからスキルアップを図って転職を考えている方や、仕事の受託量を増やしたいフリーランスの方などにとっても積極的に挑戦する価値のある資格といえるでしょう。
オラクル社が主催するOracle認定Javaプログラマ
次は序盤でも触れたOracle認定Javaプログラマです。
こちらもPHP技術者認定試験と同様で、Oracle社によるJavaを用いたプログラミングに関する知識を有しているか認定する資格制度です。
Bronze(ブロンズ)、Silver(シルバー)、Gold(ゴールド)の3つにランクが分かれており、BronzeとSilverは受講資格なしで初心者から挑戦することができます。
ただしBronzeは日本独自の評価基準であるため、グローバルスタンダードを意識するのであればSilverまでは最低限資格を取っておけるとよいでしょう。
Goldに関してはSilver認定者のみが対象となっているため、こちらもPHPと同様、最高ランクを獲得すればその道のプロとして一目置かれる存在になれるはずです。
業務の幅が広がるデータベーススペシャリスト
最後に紹介するのがデータベーススペシャリストです。
データベーススペシャリストは基本情報技術者試験と同じ枠組みの国家試験の一つで、データベースに関する知識やスキルに関して問われるものです。
バックエンドエンジニアでもデータベースを理解できる人の方が、業務の幅が広がりスキルアップにもつながると述べましたが、まさにその観点からバックエンドエンジニアの方々には取得を目指してほしい資格です。
ただしデータベースに関して幅広く深い知識や理解が求められ、さらには情報セキュリティの観点から安全なデータベースを構築する能力も求められるなど非常に難易度の高い試験になっています。
まとめ
バックエンドエンジニアはこれからも重要な役割を担うエンジニアですが、これからは技術の発達により、さらに高度なスキルを保有していることが前提になってくるでしょう。フロント部門の知識を習得したり、データベースに積極的に触れたりして業務の幅を広げつつ、上位資格の獲得を目指して専門性を深めていく努力も惜しまずに取り組んでいきましょう。
今後について不安に思っているのならば、キャリアアドバイザーとともにスキルや今後についての整理をしてみませんか?ウィルオブテックは専属2名体制でキャリアにお悩みのあなたをサポートします。
キャリア相談を申し込むよくある質問
バックエンドエンジニアの将来性はありますか?
結論としては近い将来にバックエンドエンジニアという職種が消える可能性はかなり低いでしょう。理由や詳細は「バックエンドエンジニアの将来性」で説明しているので確認ください。
バックエンドエンジニアに必要なスキルや知識を教えてください。
はい。基本として「プログラミング言語の知識」「データベースの知識」「フレームワークに関するスキル」をまずはおさえるべきです。詳細は「バックエンドエンジニアに必要なスキル」で説明しているので確認ください。
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