保育園は、待機児童問題の解決に向けて年々増え続けています。
保育士の求人でも「オープニングスタッフ」という条件を目にすることが増えました。
新設保育園はきつい・大変のかな?
そんな疑問を持たれる方も居られるでしょう。
この記事では新設保育園(オープニング園)で働くメリット・デメリット、向いている人などについて詳しく紹介します。
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目次
新設保育園の基礎知識
新設保育園とは?
新設保育園とは、新しく設立して1年目の保育園のことを言います。
新しく始まるという意味合いで、オープニング園と呼ばれることもあります。
新設保育園は増えている
少子化対策の一環で待機児童を減らすべく、保育園を増やすことに積極的な昨今。
こども家庭庁のデータによると、2023年の保育所等利用定員は約305万人でした。
前年と比べると6,529人ほど枠が増加。
地域差はあるものの、全国的にみて保育園は増え続けています。
データ出典元:【こども家庭庁】保育所等関連状況取りまとめ
新設保育園で働くメリット
新設保育園で働くメリットは下記4つです。
- 人間関係のしがらみが少ない
- 施設やシステムが整っている
- 好条件の求人が多い傾向
- 達成感や一体感が大きなやりがいに
それぞれについてい詳しく紹介します。
人間関係のしがらみが少ない
保育士が転職を考えるとき、人間関係が理由になることは少なくありません。
すでに出来上がっている人間関係に入れる自信がない人も多いでしょう。
新設保育園(オープニング園)ではそういった心配は必要ありません。
新設保育園に入職する人は、誰もが「より良い運営」に向けて意見を出し合います。
この道十数年のベテラン保育士であれ、2~3年目の若手の保育士であれ、目標や目線が同じなので、アイデアを発信しやすく風通しの良い雰囲気があります。
施設やシステムが整っている
新設保育園は、施設も備品も遊具も、すべて新しいので快適に働けます。
また連絡帳がアプリタイプなど最新のシステムを導入しているところも。
システム化が進んでいれば手作業の業務負担が減り、効率よく保育業務ができるのでストレス軽減に繋がります。
好条件の求人が多い傾向
新設保育園は、人材が集まらないとオープンできないリスクがあります。
そのため、給料や福利厚生など待遇面が優遇されている傾向です。
また待遇面は一般的だとしても、残業が少ない、有休が取得しやすい体制など働きやすさを大切にする方針の保育園が多い傾向も。
いずれにせよ、好条件の求人がみつかりやすいと言えます。
達成感や一体感が大きなやりがいに
新設保育園のやりがいと言えば、やはり1から保育園をつくるプロセスに関われること。
既存の保育園であれば、既にある園のルールやマニュアルをもとに業務をこなします。
一方で新設保育園は、「この場合どうすればいいんだっけ」というルールを職員全員がアイデアを出し合って決めていきます。
このプロセスは決して楽なものではありません。
しかし5年後・10年後に振り返った時、どこよりも思い入れのある職場だったと思えることは間違いありません。
新設保育園で働くデメリット
新設保育園で働くデメリットは下記3つです。
- 子供たちが落ち着くまで時間がかかる
- 1年目はやることが多く感じる
- 幅広い意味で臨機応変さが求められる
それぞれについてい詳しく紹介します。
子供たちが落ち着くまで時間がかかる
新設保育園は、年齢を問わず子供が一斉に入園します。
子供たちが新しい保育園に慣れるまでには一定の時間が必要です。
活動や散歩を計画通りに進められないこともあるでしょう。
クラスが落ち着くまでは、思うように保育ができないストレスを感じる場合があります。
1年目はやることが多く感じる
年齢に応じたクラスの運営方法をはじめ、季節に応じた制作物の企画。
さらには運動会のプログラムや保護者の配置、受付方法など行事の運営方法など。
新設保育園には決めなければいけないことが多く存在します。
もちろん計画通りに進まないことも多いので代替え案を考えなおす時間もあります。
1年目に関しては考えることが多いので忙しく感じる場合があるかもしれません。
幅広い意味で臨機応変さが求められる
新設保育園は、園のルールやマニュアルが確立されていません。
そのためトラブルへの対応に関して、個々の臨機応変さが問われる場面があります。
特に開園したばかりの時期は保育士も園児も慣れていません。
保育士同士で大切な連絡をし忘れて保護者を怒らせたり、安全確認が不十分で子供が怪我をしてしまうこともあるでしょう。
そういったイレギュラーな対応が発生しやすい状況がストレスに繋がる場合があります。
新設保育園に向いている人の特徴
新設保育園に向いている人の特徴は下記3つです。
- 柔軟な考え方ができる人
- 積極的にアイデアを出せる人
- 体力に自信がある人
それぞれについてい詳しく紹介します。
柔軟な考え方ができる人
新設保育園には前例がないので、あらかじめ様々なケースを想定する力が求められます。
その時その時の状況に応じて物事を柔軟にとらえて行動できるような人に向いています。
積極的にアイデアを出せる人
新設保育園は、全員で新しく保育園をつくっていく雰囲気なのでアイデアや提案が不可欠です。
「こうしたらもっと良くなる」など、改善ポイントを自然に見つけられるような向上心が強い人に向いています。
体力に自信がある人
決めることややることが非常に多いので、多忙に感じることがあります。
人手に余裕があるというケースも、そう多くはありません。
一定の体力は必要になります。
新設保育園の募集時期と入職時期
新設保育園の多くは4月開園を目指します。
そのため、9月~10月ごろから募集をスタートする傾向です。
入職の時期については下記2パターンがあります。
1月~3月頃 から入職パターン
4月開園を目指す保育園であれば1月~3月ごろから入職します。
この時期は管理職や主任など責任者に近い保育士が中心です。
主に運営方法のすり合わせや各種研修を行います。
新設保育園ではシステム化が進んでいる場合も多いので保護者専用アプリの使い方やタブレット等での勤怠管理などの方法について学ぶこともあります。
4月から入職パターン
4月から入職する保育士は、入職してすぐに入園式や保育に従事します。
保育の合間に仕事を覚えることもたび度々あります。
また仕事を教わる先輩も数か月前に入職したばかりです。
どの保育士もほぼ同期で、はじめてのことばかりなので、しばらくはタバタと忙しい日々が続きます。
新設保育園の選び方
新設保育園の選び方は下記4つがポイントです。
- 保育園の規模
- 保育園の周辺環境
- 保育理念や教育方針に共感できる
- 休日・福利厚生が充実している
それぞれについてい詳しく紹介します。
保育園の規模
小規模保育園であれ大規模保育園(マンモス園)であれ、1人の保育士が見る子供の数は同じなので書類や制作などの仕事量には、さほど違いはありません。
違いはまず、部屋や設備の広さです。
保育室からトイレ、ごみ捨てなど、大規模保育園の方が範囲が広くなります。
一方で大規模保育園であれば保育士の数が多いので分担する方が楽だと感じる人も少なくありません。
また、小規模保育園は子供1人ひとりをきちんと見てあげられるという声も。
その反面、小規模保育園は保育士が少ないので有休を申し出にくいという人もおられます。
いずれにせよ、自分自身に合っているかという点がポイントとなります。
保育園の周辺環境
新設保育園の周辺が住宅密集地であった場合、近隣住民とのトラブルについて把握したほうが良いかもしれません。
近年、保育園を新設する際に反対する住民のニュースが見受けられます。
近隣住民との折り合いが悪く、クレームが来る場合、子供たちが大声を出せないなど保育に影響が出る場合も。
保育士の求人を探す際には周辺環境についても下調べするのが好ましいです。
保育理念や教育方針に共感できる
働きやすさを決める上で、保育理念や教育方針に共感できるかは大きなポイントです。
保育理念や教育方針は上長となる、園長や主任の考え方に直結します。
根本的な考え方が違うと、日々の業務について常に疑問や不安を抱えながら仕事をすることになります。
こういった食い違いは、保護者との板挟みに繋がることも多く、ストレスになる場合があります。
休日・福利厚生が充実している
分かりやすいところでいうと年間休日です。
労働基準法の最低ラインの休日数は年105日。
完全週休2日制の保育園であれば年間休日は120日前後となります。
そのため年間休日が130日以上あると休みが充実していると言えます。
保育園によっては法人独自のリフレッシュ休暇や、病気や通院のための休暇。
家族やペットの看護のために使える休暇制度などが用意されています。
その他の面では、住宅手当、交通費、給食費無料、退職金、予防接種費用、資格取得手当などがあれば充実していると言えます。
新設保育園のまとめ
保育士の間では、「新設保育園は5年は落ち着かないよ~」と言われることがあります。
どんな保育園であれ開園時にはバタバタしますし忙しく感じることもあります。
しかし、新設保育園での経験ややりがいは他では味わえないものです。
また開園時に募集される保育士は、誰もが同じスタートラインに立ちます。
「和気あいあいとしていて職員同士が仲良く働きやすい」という声も多くあります。
あなた自身がどこにやりがいやストレスを感じるのかに向き合い、候補のひとつとして検討するきっかけにしていただければ幸いです。
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