【スタッフインタビュー Vol.03】施設で気持ち良く過ごしてもらうために

現在、介護士として活躍している先輩スタッフさんにインタビューを行いました。

仕事を始めたときはどんな気持ちだったか、この先どんな風に壁を乗り越えていったらいいか、周りの方と良好な関係を築くにはどうしたらいいか……。
そんな悩みを抱えている方へのヒントとなるよう、先輩スタッフさん自身が体験したことを話していただきました。

今回は、特別養護老人ホームで活躍している田中さん(仮名)のお話です。
※仕事内容:入浴介助、食事のお手伝い(70名ほどの利用者様を担当)

田中さんの仕事とは

――田中さんが現在、担当されているのはどういった仕事ですか?

勤務先は規模の大きな特別養護老人ホームです。
約70名の利用者さんがいるフロアで週3回、入浴介助や食事のお手伝いをしています。
1日の流れは、午前中は起床や朝食のお手伝いと入浴の介助、午後にまた昼食のお手伝いと入浴の介助です。

入浴介助は曜日によって内容が異なり、水曜日は銭湯のような大浴場の中で、ある程度ご自身で動いて入浴ができる方の見守りやお手伝いをします。木曜日と金曜日は、起き上がるのが難しい方に入浴用のベッドに横になっていただき、お体を洗って湯船に浸かっていただくお手伝いです。

大体2名1組で動いています。

――介護の仕事を始めたきっかけは何ですか? 元から介護に興味があったとか、でしょうか。

介護のお仕事は初めてでした。
両親が年をとってきて足をわるくしたりし、その手伝いをしている中で、介護を仕事としてやってみようかなという気持ちになったことがきっかけです。

もちろん他にも仕事はありますが、ただ作業をするような仕事よりは人と接する仕事が良いなと、今後の実生活にも活かせる学びがあるかなと思ったのです。

――実際に始めてみてどうでしたか?

利用者さんによっては暴れたりする方もいて、そういった場面に初めて遭遇したときは少し驚きました。色々な方がご入居されているので、その状況に応じた判断がその場で求められる仕事だと気づきました。

仕事を始めて3か月目の田中さん

――今の仕事に慣れてきたと思えるようになってきたのはいつ頃ですか?

今、仕事を始めて3ヶ月目ぐらいですが、周りが見えて慣れてきたのは最近です。
最初の1~2か月はお仕事を覚えたり、忙しさに慣れることで精一杯でした。

――やはり最初は忙しそうですね……そんな中でも、田中さんが感じるこの仕事のやりがいや、身についたこととは何でしょうか。

人と直接接する仕事なので大変な場面も多いですが、利用者さんがお礼を言ってくださると嬉しいです。
いろいろな方がいらっしゃり、その時々によってご気分やご体調が違うので、臨機応変な対応が求められる仕事だなと感じています。

身についたことは、ちょっとしたことでも怪我や事故につながる可能性がある仕事なので、些細なことでもきちんと確認をするようになったことです。

――些細な事でもきちんと確認をするのは大変だと思います。これまで仕事をしてきて、一番大変だと感じることはありましたか?

少し前にも言いましたが、利用者さんの気分に合わせて、柔軟に対応を変えなければならないのが大変です。
どうしても抵抗されてしまう時などは、「気持ちが落ち着くまで待ちましょう」と先輩スタッフさんが判断をしてくれたりします。

――先輩スタッフさんが協力してくださるのは心強いですね。周りのスタッフさんと良好な関係を築くために心がけていることはありますか?

自分のことでいっぱいいっぱいになりがちなのですが、何か手伝ってくださった時などはきちんとお礼を言うようにしています。
規模が大きいのでスタッフの数が多く、シフト時間もバラバラなのであまり接しない方もいらっしゃいますが、みなさんの顔と名前はなるべく早く憶えようと心掛けました。

――なるほど、やはり良好な関係を築くには挨拶や顔と名前を覚えるといった基本的なことが大切になりますね。

まとめ

――介護の仕事を通して、考え方など自身の中で変わった部分はあるでしょうか?

利用者さんにとっては、ご家族が一番なんだなということを改めて感じました。
スタッフはご家族の変わりにはなれません。だからこそ、施設の中で過ごす時間は少しでも気持ち良く過ごしていただきたいなという想いでお仕事をさせていただいています。

――確かにスタッフさんは家族の代わりにはなれないかもしれません……ですが、少しでも気持ち良く過ごしてもらおうという想いを持てることは素晴らしいことですね。これからも利用者様やそのご家族様のためにも頑張ってください。本日は貴重なお話をありがとうございました。

インタビューを終えての感想

いろいろな状況に応じて適切な判断が求められる介護の仕事。
ちょっとしたことでも怪我や事故に繋がってしまう可能性があるなど、緊張感の絶えないお仕事でもあります。

そんな中でも田中さんは、「施設の中で過ごす時間は少しでも気持ち良く過ごしていただきたい」というお年寄りに寄り添う気持ちを大事にお仕事をされていました。

新しくお仕事を始められたみなさんにも、参考になるポイントがあったのではないでしょうか?
まずは今自分自身がどんな気持ちでお仕事をしていて、これからどんな風になりたいのかをイメージしてみましょう。
もちろん、一人で悩む必要はありません。誰かと共有して自分の状況を理解してもらうだけでも、気持ちが落ち着くこともあります。些細なことでも、ぜひ担当コーディネーターに相談をしてみてください。
きっとみなさんが自分らしく活躍できるヒントがどこかにあるはずです。それを一緒に探していきましょう。