就職活動をしていて、企業に応募書類を送るとき、履歴書やエントリーシートだけを封筒に入れている人はいませんか。書類を送るときには、添え状を同封するのがマナーです。
「えっ!今まで、そんなことやっていなかった!だから落ちてたの…?」と落ち込んでいる人のために、求人応募書類に同封する添え状の書き方や例文、注意点を解説します。
目次
添え状とはどういうもの?
添え状とは、送付する書類の一番上につける送付状です。どんな書類を、なんのために送ったのかを書きます。本題に入る前のごあいさつ程度にも受け取れますが、実はこの添え状、応募書類に限らず、どんな書類にもつけるのがビジネスマナーなのです。
昨今ではエコの観点から、納品書や添え状などといった同封する紙類を省略する傾向にあるのも事実ですが、ビジネスシーンではマナーとして今でも変わらず一般的に使用されています。
求人応募では添え状を同封するのがマナー
求人応募書類に添え状をつけていなければ、「まだ、社会人のルールがわかっていないな」とみなされてしまいます。求人応募では、添え状を同封するのがマナーなのです。
たった一枚の紙ですが、みんなが添え状をつけているのに、あなただけが添え状をつけていなかったら、マイナス評価につながってしまうのは目に見えていますよね。
日々の生活の中でエコの気持ちを持つこともとても大切ですが、ビジネスシーン、こと採用の場面では「こんな事も知らないの?」と思われて得することは何一つありません。
ルールに従うことができ、ビジネスマナーを心得ている人物として認識してもらうためにも、普段エコを意識している方もこの場面では従いましょう。
添え状は、少しのコツをつかめば、誰でも簡単に作成できます。書き方や例文、注意点を覚えて、次の機会からは履歴書とあわせて準備しましょう。
添え状の書き方
添え状において一番大事な要素は、「何を、誰が、なんのために送ったか」をはっきりさせることです。
もしかしたら、担当者が不在で、他の社員が封筒を開けるかもしれないことを想像してみてください。添え状を見るだけでも、誰がどんな目的で履歴書を送ってきたのかがわかるように書きましょう。
「何を、誰が、なんのために送ったか」をクリアしたら、次に大事な要素は、自分の願いを伝えることです。ただ、添え状はあくまでビジネス文書ですから、「さりげなく、簡潔に」がポイントになります。次項の例文のなかで紹介しましょう。
添え状の例文
添え状には、形式があります。A4判の紙を使い、「拝啓」「敬具」をつけること、書類内容を列記する前には「記」と書き、最後に「以上」とつけることが原則です。具体的には、以下のようになります。
右上に日付を書くこと、「記」を中央合わせで表記することなど、全てがビジネスマナーに沿った文面ですので、崩さないようにしましょう。なお、自分の名前や住所は、本文に使っているフォントよりもやや小さめにするのがマナーです。
添え状に関するよくある疑問
求人応募の際には添え状をつけて履歴書を送るのがマナーだということ、その書き方を理解できてもまだまだ不安な要素はありますよね。自信を持って応募するためにも以下のような疑問にもお答えします。
どんな用紙を使ったらいいの?
履歴書につける添え状の内容ができあがって、まず心配になるのが用紙ではないでしょうか。
わら半紙のような、いかにもその辺にあったというような紙を使うのは言語道断ですが、上品な雰囲気を出したいからといって、和紙のような用紙にしてしまうと一見果たし状のように見えてしまいかねません。
おとなになると何かと頭を悩ます「適当なもの」という難しさですよね。
結論からいうと一般的な普通紙でかまいません。履歴書に少しグレードの高い上質紙を使用していてまだあまりがあるようであればそれを使っても良いでしょう。忘れてはいけないのが、絶対に無地で白い用紙を使用することです。
柄の入った便箋や色つきのもの、縁取りのされているような用紙はこのような場合に不適当なものです。
用紙のサイズに関しても疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。ビジネスシーンで使われる印刷用紙は例外を除き基本的にA4サイズですので、添え状を作成するサイズもA4にしましょう。
添え状はPCと手書きのどちらがいい?
履歴書、経歴書ともに悩むのがPCで作成するべきなのか手書きするべきなのかというところですよね。結論から言うと、応募先の企業で特別指定がない限りどちらも可です。
PCで作成すれば、本番印刷する前に何度もPC画面で確認して修正することが容易ですし、何よりもピシッと整った体裁のものができあがります。
手書きであれば、履歴書に書かれた本人の人柄が字から表れますし、ていねいに書かれた文字が与える印象もポイントアップに繋がる場合があります。ただし、字に自信がない場合、手書きは避けましょう。
せっかく手書きで手間をかけても、面接官や採用担当者に「読みにくい履歴書・添え状」と思われてしまっては残念です。
また、先にビジネスシーンにおいて用紙のサイズはA4が一般的だとお伝えしました。便箋だと、特殊なものを除きB5サイズに近いものが一般的です。
自分の書く字に自信があり、積極的に手書きで書いて添えたいという場合には、市販されている便箋の中でもA4サイズを選ぶか、もしくはA4サイズの印刷用紙にていねいに書いて添えましょう。
添え状の注意点
「第一志望の企業に、ただ添え状をつけて履歴書を送るだけでは差がつけられない…」と感じてしまう受験者の気持ちもわからないでもありません。しかし、添え状の注意点は、その場で自己PRをしないことです。
担当者への手紙のようにとらえ、採用してほしいという熱い想いを長々と書くのは、マナーとしてよくありません。
まだ採用担当者が履歴書にも目を通していない段階で、前のめりに自分のことを添え状に書き連ねてアピールしてしまうと、社会人として少し押しが強すぎる印象になりますし、やはり何よりもマナーとしていかがなものです。
また、ビジネスシーンで書類が手元に届いたときに、合わせて添え状があることは日常茶飯事なので、熟読することなく廃棄してしまう方も多く、そもそもPRにならないという事情もあります。
添え状で減点されないようにマナーを覚えよう
添え状を書いたはいいものの、基本の形式を無視してしまい、オリジナルな添え状にしてしまったら、マナーが全くないと思われてしまいます。
もしかしたら、添え状をつけるのを忘れるよりも悪い結果になってしまうかもしれません。わざわざ添え状をつけたのに、それで減点されてしまったら悲しいですよね。きちんとマナーを覚えましょう。
添え状のまとめ
この記事を読んで、初めて「添え状」の存在に気づいた方もいらっしゃるかもしれません。これまでの面接で自分がどうして不採用になるのか、常に腑に落ちていなかった方ももしかしたら突破口となるかもしれません。
次の採用試験の機会に備えて、今回の記事のまとめをよくチェックしておきましょう。
・書類を送付する際には、必ず添え状を入れる
・添え状は手書き、PCどちらでも良い
・用紙はA4、華美なものではなくビジネスユースで一般的なものを使用する
・添え状には必要事項(例文参照)のみ記載する
・添え状での自己アピールは絶対にしない
これまでにこの5つのうちの1つでも誤ってしまったことのある方は、チャンスです。「この人は心得ている!」と思われる添え状を用意して、採用への道を少しでも確実にしていきましょう。
おわりに
添え状の基礎をマスターすれば、就職先でもすぐに使えます。書類送付時には、求人応募のときに使った添え状のテンプレートをササッと直して、スマートに送付資料を送りましょう。
一人前の社会人としてマナーを徹底していれば、きっと一目置かれる存在になりますよ。