アルバイトでも社会保険?加入のための条件やメリットについてご紹介

アルバイトをしている方、社会保険には入っていますか?そもそも社会保険というものがどういうものかを把握していますか?アルバイトでも、加入条件を満たせば社会保険に入ることができます。加入のための条件や、アルバイトが社会保険に加入するメリットについてご紹介します。

アルバイトは社会保険と無縁だと思っていませんか?

「社会保険には、正社員しか加入できない」という認識を持っている人も、少なくないのではないでしょうか。そのような認識から、何年も社会保険には入らないままアルバイト生活を続けてきてしまった…。という方が比較的多くいます。

実は、アルバイトも社会保険に加入できるんです。でも、どんなアルバイトでも社会保険に加入できるわけではありません。加入には、労働時間や日数などの条件があります。

「そんなの、上司から話を聞いていない!」という人もいるかもしれませんね。それぞれのアルバイトが社会保険の加入条件を満たしているかどうかは、当然雇用主が知っていなければなりません。

でも、アルバイトの人数が多かったり、人事を担当する部署がなかったりすると、加入のタイミングを見逃してしまいがちです。会社や上司がていねいに社会保険の仕組みを説明してくれた上で、加入したいかどうかを確認してくれるような職場であればそれは大変ありがたいことです。

しかし、実際の職場は常に忙しく、なかなかアルバイトで勤務している人一人ひとりの社会保険加入状況・加入希望状況まで手が回らない事のほうが大半でしょう。

この機会に、社会保険加入の条件を満たしているかどうか、自力で調べてみませんか。何事も自分で調べれな知識として定着しますし、これからの働き方についても考える機会になります。

条件を満たしていることをあらわす資料を揃えて「社会保険に加入したい」と掛け合えば、きっと忙しい上司も耳を傾けてくれるはずです。きちんとした知識を持って説明すれば、取り合ってくれないのは上司や職場の問題です。

社会保険の加入条件

厚生労働省によれば、パート、アルバイトでも、正社員の4分の3以上の労働時間、労働日数があれば社会保険の加入条件を満たすとされています。正社員の労働時間を週40時間とすると、その4分の3である週30時間以上働いているようであれば、条件が満たされます。

週30時間以上ということは、一ヶ月を平均4週とすると、一ヶ月に120時間以上働いていれば加入条件に手が届く計算です。シフト表を片手に、計算してみましょう。アルバイトをメインにして生活している方であればおそらくほとんどの方が該当する内容かと思います。

また、2022年10月からは、所定労働時間が週20時間以上、月額賃金が8万8000円以上であり、2か月以上勤務している学生以外のアルバイトであれば、労使間で合意のうえ社会保険に加入できるようになりました。 以上の条件を満たすうえ、従業員規模101人以上の企業であったなら、自動的に社会保険へ加入となります。

アルバイトが社会保険に加入するメリット

ここまで、社会保険に加入を希望するためにしなくてはいけないことばかり並べてきましたが、なぜそこまで社会保険が重要なのでしょうか。きちんとメリットまで把握していないと、社会保険について学んで上司や職場にお願いをするのが、ただの負担に感じてしまいますよね。

まず、大きなメリットのひとつとして社会保険に加入できれば、将来受け取れる年金の金額がアップします。厚生年金に加入することになり、老後は国民年金に上乗せして厚生年金が受け取れることになるためです。

今は、人生100年時代といわれています。自分のおじいちゃんやおばあちゃんの寿命や老後から想像しているよりも、20年近く長く生きることになりますので、その分経済的な安心がないといけなくなるのです。手続きひとつで老後のお金が増えるなら、いい話ですね。

また、社会保険に加入すれば、自分で支払うべき健康保険料は半額になります。半分は、事業主が支払ってくれるためです。

さらに、出産手当金、出産育児一時金などの対象となる場合があります。これから出産を控えている女性としては、嬉しい限りでしょう。出産は何かと物入りになります。赤ちゃんを自宅に迎えるための準備にかかるお金は当然自分でまかなわなければなりませんが、病院に支払う金額を少し軽くしてくれるだけでも大きなサポートになります。

またケガや病気でアルバイトを休まざるを得なくなったときも、条件を満たせば傷病手当金が受給されます。

アルバイトが社会保険に加入するデメリット

ここまで社会保険にかんするメリットを多くご紹介してきましたが、一方でアルバイトで生計を立てている方が社会保険に加入すると、デメリットも生じます。もしもあなたが夫や妻の扶養に入っているなら、社会保険に入ることで扶養から外れてしまうためです。

親の扶養家族となっている学生は、自分で健康保険料を支払う必要がありません。また、夫の扶養に入っている妻などは、健康保険も、厚生年金も支払う必要がなく、どちらについても保障されています。

今のままなら夫の扶養でいることで恩恵を受けられるのに、自分で社会保険に加入し、健康保険料や厚生年金を支払ってしまうと、家計全体にとってはけっこうなダメージをこうむるかもしれません。年間、10万円以上もの金額を納めなければならなくなってくるためです。

そのため、ご自身の働き方、そして収入に関して今一度見直し、それでもメリットが大きいと感じた場合に加入するのがベストでしょう。

自分にとってメリットがあるか考えてみよう

きちんと下調べをした上で、誰の扶養にも入っていないということであれば、社会保険はぜひ加入したい制度です。毎月、保険料は給料から天引きになるため、見た目の手取り額は少なくなってしまうものの、将来的に見て大きなメリットがあります。老後にお金の心配をしなくてすむのは、今から精神的にも良いですよ。

一方で、扶養家族の場合には、家族に相談して、一緒に考えたほうがいいでしょう。もしかしたら、今よりも働く日数を減らしたほうが、一家で見れば税金が安くなってお得かもしれないのです。

働く時間を減らせば、そのぶん家族のために時間が割けます。どのような働き方をして、どのような収入を得たいかは人によって異なりますので、十分に自分で考え、また家族の意見を聞いた上で決めましょう。

社会保険に入ったほうが良いのか、入らないほうが良いのか。どちらが自分にとってメリットがあるのかを考えてみましょう。これまで何となく続けてきたアルバイトも意味合いが変わる機会になるかもしれません。

おわりに

そもそも、事業者本人が社会保険に入っていなければ、アルバイトも社会保険に入れません。お店をほとんどオーナー一人でやっているような個人事業の場合は、社会保険に入っていないケースも多いため、確認してみましょう。

何であれ、まずは社会保険という制度について自分できちんとした知識をつけ、収入を得る上でどのような職場で働き、どのような収入を得るとプラスになるのかを常に考えながら働いたほうが、現在も未来も明るいですよ!