【社会人のマナー】退職願・退職届の正しい書き方・渡し方を解説

会社を辞めたいという意思を固めたら、退職願を作成しましょう。また、実際に辞めることになったら、退職届も作成する必要があります。退職願・退職届の正しい書き方や、渡し方を解説します。

退職願・退職届の書き方、渡し方にはマナーがある

退職を申し出るときには、必ず文書で退職願を作成しなければならないわけではなく、口頭で申し出ても十分であると法律で認められています。しかし、実際には退職願を提出することがマナーとされているため、必要か不要かに関わらず、書き方のマナーは押さえておかなければなりません。

また、退職届は退職願が受け入れられ、辞めることが決まったら作成することになります。会社によってテンプレートが用意されていることもありますが、そういったものがない場合はマナーにのっとって自分で作成しなければなりません。

辞めるとはいえ、それまで働いた会社とは、これからも何らかの縁でつながる可能性があります。最後まできちんとした印象を残せるよう、退職願や退職届はしっかり書くようにしましょう。

退職願・退職届の正しい書き方

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退職願の書き方

退職願は、手書きが基本です。縦書きの便せんと白無地の封筒、黒のボールペンを用意しましょう。書き損じが不安な人は、下書きに鉛筆を使っても構いませんが、最終的には必ず黒ペンで清書します。例文は、以下の通りです。

タイトルの「退職願」は、一行目の中央に大きく書き、次の行に「私事」もしくは「私儀式」と書いてから本文を始めます。「私事」「私儀」は、「わたくしごとながら」という意味です。

封筒には「退職願」と大きく縦書きで書きます。裏には、部署名と氏名を書き入れましょう。

退職届の書き方

退職届も、退職願と同様、縦書きの便せんに手書きで作成します。例文は、以下の通りです。

退職願をマスターすれば、退職届はその応用として簡単に作成できるでしょう。封筒には、「退職届」と書き、裏に部署名都市名を書きます。

退職願・退職届の正しい渡し方

退職願の渡し方

退職願は、上司へ退職を申し出る日に、申し出とともに提出します。退職する場合は退職希望日の1ヶ月前までに申し出ることとしている会社が大半なので、「明日辞めたい」と突然退職願を持っていっても、上司を困らせるだけです。

会社によっては、辞める2ヶ月前までに申し出なければならないこともあります。詳しくは就業規則などを確認し、いつまでに申し出たらよいかチェックしておきましょう。

退職の相談は直属の上司にするのがベストですが、忙しいからと取り合ってもらえなかったり、何かと理由をつけて引き留められたりするかもしれません。弱気な人ほど、ズルズルと辞めるタイミングを失ってしまうでしょう。「これは一応預かっておくから」と、退職願を奪われたままになることもあります。

直属の上司と交渉するのが難しければ、もう一つ上の階級の上司へ相談を申し入れるのがおすすめです。退職願のコピーを持って、「直属の上司に相談したが、取り合ってもらえない」と相談しに行きましょう。きっと、何らかのアクションを起こしてくれます。

退職届の渡し方

退職届は、退職が受け入れられたら速やかに作成し、「本当にお世話になり、ありがとうございました」という言葉とともに、直属の上司へ渡します。もっと上の階級の上司へ渡すことを促されるかもしれませんので、指示の通りに動きましょう。

退職願・退職届の間違った書き方

手書きで何か書類を作成するときに起こりがちなのが「書き間違い」ですよね。

日付や氏名、部署名など絶対に間違ってはいけない正式名称をはじめ、文章の中の送り仮名などもきちんと下書きをして確認した上で書くことが望ましいです。

しかし、清書と思って書いたものでミスをしてしまったときにはどうしたら良いでしょうか。

入社に伴う書類は何かときちんとしようと考える人が多い一方で、退職の際には縁の切れ目と言わんばかりに煩雑になる人がいます。お世話になった会社を去るのであれば、最後まで誠意を持って行動することを忘れないようにしましょう。

たとえ小さなミスだとしても、必ずきれいに清書し直して提出するのが社会人として最低限のマナーです。修正液などでごまかした書類を出しても受け取ってくれる可能性もありますが、去り際の印象としては最悪です。

退職願・退職届の間違った渡し方

社会人としての良識を持ち、書き方同様、渡し方にも気をつけたいところです。退職する理由は必ずしもポジティブなものばかりではないケースもありますので、億劫に感じてしまう人もいるでしょう。

しかし、だからこそ去り際まできちんと対応して「あの人がやめたのは惜しかった…」と思ってもらえるような印象を与えましょう。

まず、上司を通さず郵送で人事部に送るような方法は言語道断です。いずれ受け取るのが人事部だとしても、社会人としての最低限のマナーを最後まで守りましょう。

また、上司にお礼を言わず、「これ、お願いします。」といった事務的な渡し方も避けたいです。これまでどのような事があったとしても、お世話になった上司であるということを忘れず、丁寧にお礼を伝えましょう。

社会人としてマナーを覚えておこう

退職願と退職届は、円満に会社を辞めるためのツールです。きちんとマナーを守った書き方を心がければ、晴れやかな気持ちで会社を後にすることができます。

なお、「退職願」と「辞表」は同じもののように思えますが、ハッキリとした違いがあります。「辞表」は、取締役などの役職についている人が、役職を辞めるときに書くものです。雇用されている会社員が提出するものではないので、注意してくださいね。