IT技術職の重要性が高まる昨今、インフラエンジニアを目指す人たちが増えてきています。
しかし、専門職であるために志望動機の書き方がよく分からず、困っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はインフラエンジニアの志望動機の書き方や注意点について解説します。
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TOPICS
インフラエンジニアとは? ネットワークエンジニアとの違い
ネットワークエンジニアとは、コンピューターネットワークを専門としたエンジニアです。主にネットワークシステムの設計や構築、運用、保守などを担います。
一方、インフラエンジニアはITインフラ全体を担うエンジニアです。コンピューターネットワークの設計はもちろん、サーバーシステムの構築など、あらゆるITインフラに関する仕事を行う点が特徴といえるでしょう。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの仕事をどちらも行うため、ネットワークエンジニアエンジニアとサーバーエンジニアを包括してインフラエンジニアと呼称するケースもあります。
IT化が進む現代では多くの企業で必要不可欠な存在となっており、年々重要度の増している職種です。
ネットワークエンジニアついてはこちらの「ネットワークエンジニアの平均年収は? 年収アップの方法も解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
インフラエンジニアに求められる適性
次に、インフラエンジニアに求められる適正について解説します。
インフラエンジニアに求められる適正には主に以下の内容があります。
- PCや機械が好き
- 論理的思考ができる
- コミュニケーション能力
- 地道な作業への集中力
- トラブル対応力
- 責任感と継続学習力
自分に適性があるかどうかをしっかり確認しましょう。
PCや機械が好き
インフラエンジニアはルーターやストレージ、スイッチングハブや配線ケーブルなど、コンピューター関連機器を扱う機会が非常に多い職種です。
そのため、もともとPCや機械を弄るのが好きな方は仕事を楽しんで行うことができるでしょう。
また、コンピューター関連機器は進歩が速い分野なので、新しい知識を仕入れることを苦にしないタイプも適性があります。
学生時代にパソコンの自作や改造を趣味で行っていた経験や、家電製品の仕組みに興味を持っている方は、この適性をアピールできるでしょう。
志望動機では、具体的な機械やPCとの関わりエピソードを交えて、技術への興味を示すことが効果的です。
単に「好き」というだけでなく、どのような経験から興味を持ったかを具体的に表現しましょう。
論理的思考ができる
インフラの設計や構築において、無駄を省き適切な成果を出すためには、物事に筋道を立てて考えることのできる論理的思考能力が必要です。
インフラエンジニアの業務は全て、情報を整理し、因果関係を把握し、段階的にアプローチする論理的思考が基盤となります。
例えば、サーバー構築であれば無駄な回路を組んでしまうとエラーの温床になるだけでなく、コストもかさんでしまいます。
トラブルシューティングでは「なぜ?」を繰り返して根本原因を探る手法も重要です。
そのため、インフラエンジニアとして一線で活躍するには、ロジカルシンキングの適性が求められるでしょう。
志望動機では、学業や前職での論理的思考を活用した具体的な成功体験を盛り込み、問題解決のプロセスを順序立てて説明できることをアピールしましょう。
コミュニケーション能力
インフラエンジニアは一人で黙々とやるようなイメージを持っている方が珍しくありませんが、実際には多くの人と接する仕事です。
例えば、クライアントの要望をヒアリングしたり、プロジェクトメンバーとネットワークの構築について話し合ったりと、挙げればきりがありません。特にプロジェクトが大きくなればなるほど、他のエンジニアとの関わりは増えていきます。
当然、プロジェクトを円滑に進めるためには、意思疎通も円滑にできなければなりません。インフラエンジニアにおいてコミュニケーション能力はとても重要です。
ここでいうコミュニケーション能力とは、単純に他人と仲良くできる能力という意味だけではなく、クライアントや他のエンジニアたちの意見に耳を傾けてしっかりと理解し、それに対して自分の意見や提案を分かりやすい言葉で伝えられる能力を指します。
地道な作業への集中力
インフラエンジニアの業務には、長時間にわたる細かい作業や反復作業が多く含まれるため、集中力と忍耐力が重要な適性となります。
サーバーの設定作業、ネットワーク機器のコンフィグ設定、システムの移行作業などは、一つ一つの設定項目を慎重に確認しながら進める必要があります。
小さなミスが大きなシステム障害につながる可能性があるため、長時間でも集中力を維持できることが求められるのです。
例えば、数百台のサーバーに対する設定変更を一台ずつ丁寧に実施したり、システム移行時の深夜作業でチェックリストに従って確実に作業を進めたりする場面があります。
データベースの定期メンテナンス作業を決められた手順通りに実行することも日常的な業務です。
志望動機では、継続的な努力や細かい作業を最後まで完遂した経験をアピールし、学習への取り組みや前職での丁寧な業務姿勢を具体的に示すことが効果的です。
トラブル対応力
システム障害や緊急事態に対して、冷静かつ迅速に対応できるトラブル対応力は、インフラエンジニアにとって不可欠な適性です。
インフラは企業の事業継続に直結するため、障害が発生した際には迅速な復旧が求められます。
パニックに陥ることなく、限られた時間の中で原因を特定し、適切な対処法を実行する能力が、企業の損失を最小限に抑えることにつながります。
サーバーダウン時に影響範囲を素早く把握し代替手段を実行したり、ネットワーク障害発生時に複数の原因候補から効率的に切り分けを行ったりする状況が想定されます。
セキュリティインシデント発生時の緊急対応や、予期しない高負荷状況でのリソース調整と優先度判断も重要な業務です。
志望動機では、プレッシャーのかかる状況での冷静な判断力や困難な状況を乗り越えた経験をアピールしましょう。スポーツや部活動、アルバイトでの緊急対応経験も活用できる材料となります。
責任感と継続学習力
技術の急速な進歩に対応し、システムの安定稼働に責任を持ち続けるため、強い責任感と継続的な学習意欲がインフラエンジニアには必要です。
インフラエンジニアが管理するシステムは企業の事業活動の基盤となるため、高い可用性と安全性が求められます。
また、クラウド技術、仮想化、コンテナ技術など、IT技術は常に進歩しているため、最新の知識を身につけ続けることが職業人としての責任でもあります。
システムの定期点検やセキュリティアップデートを確実に実施することはもちろん、新しいクラウドサービスや技術動向について業務時間外でも学習を継続する姿勢が重要です。
資格取得に向けた計画的な学習や、障害対応後の振り返りと改善策の検討・実装なども日常的に行われます。
志望動機では、自己研鑽への取り組みや責任を持って業務を完遂した経験を具体的に示し、資格取得の計画や技術書籍の読書習慣、勉強会への参加経験などをアピールポイントとして活用してください。
インフラエンジニアの仕事内容
次に、インフラエンジニアが実際にどのような仕事をしているのかについて解説します。
インフラエンジニアの業務には主に以下の内容があります。
- 要件定義・機器選定
- インフラの設計
- インフラの構築
- インフラの運用・保守管理
要件定義・機器選定
要件定義・機器選定は、インフラエンジニアの業務の出発点となる重要な工程で、システム全体の成功を左右する基盤作業です。
この段階でシステムの要件を正確に把握し、適切な機器を選定することで、後続の設計・構築・運用すべての工程がスムーズに進行します。
具体的には、顧客へのヒアリングでシステムの利用者数、処理量、可用性要件を詳細に調査したり、Webサイトのアクセス数予測に基づいて必要なサーバースペックを算出したりします。
また、予算とパフォーマンスのバランスを考慮してサーバー、ストレージ、ネットワーク機器を選定し、セキュリティ要件に応じてファイアウォールやロードバランサーの機種を決定する作業も含まれます。
志望動機では、要件をヒアリングして最適解を提案した経験や、制約条件の中で最良の選択をした経験をアピールしましょう。
営業や接客業での顧客ニーズの把握経験、予算管理や比較検討の経験も活用できる材料となります。
インフラの設計
目的に応じて、どのようなITインフラを構築するべきか策定して設計書やネットワーク図を作るのが、インフラエンジニアの仕事です。
設計書にはインフラの仕様や予算、構築期間などを記載します。
この設計書はその後に行われる構築作業における指針となるため、とても責任の重い役割です。
具体的な作業としては、サーバーの配置、ネットワーク構成、データベース設計を含む全体アーキテクチャの策定や、冗長化構成による障害時の自動切り替え仕組みの設計があります。
さらに、セキュリティゾーンの分離とアクセス制御の設計、バックアップ・リカバリ戦略と災害復旧計画の策定なども重要な業務です。
そのため、ある程度のキャリアを経たインフラエンジニアに任される傾向があります。
志望動機では、全体を俯瞰して最適な構成を考えた経験や、将来を見据えた計画立案の経験をアピールすることが効果的です。
インフラの構築
前述した設計書などを基にして、実際にITインフラを構築するのもインフラエンジニアの役割です。構築の際には「Amazon Web Service」や「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」などが主に用いられます。
設計書がしっかりとしていれば、経験の少ないインフラエンジニアでもできる仕事です。そのため、比較的経験の浅いインフラエンジニアに任される傾向があります。
インフラを構築し終えた後には、実際に負荷テストなどを行って問題なく稼働するかどうかのチェックも行われますが、これもインフラエンジニアの仕事です。
インフラの運用・保守管理
人の手で作られている以上、瑕疵(かし)はあるものです。負荷テストなどでも出てこなかった予想外の不具合が起きることは珍しくありません。
そのため、いつトラブルが起きても迅速に対応できるように動作を常に監視しており、24時間365日体制で運用監視を行っているケースもあります。
また、保守業務も代表的な仕事の一つです。定期的にインフラをメンテナンスしたりアップデートしたりするほか、インフラに問題が起きた際にはトラブルシューティングを行います。
インフラエンジニアについてはこちらの「インフラエンジニアの将来性とは?今後の需要予測についても解説」でも詳しく解説していますのでぜひ、参考ください。
インフラエンジニアの志望動機を書く前の準備

この章では、説得力のあるインフラエンジニアの志望動機を書くために必要な事前準備について紹介します。志望動機作成の準備には主に以下の内容があります。
- なぜインフラエンジニアを目指すのかを明確にする
- 企業選択の理由を具体化する
- 入社後のキャリアビジョンを描く
- 自分のスキルと経験を整理する
なぜインフラエンジニアを目指すのかを明確にする
インフラエンジニアを目指す理由の明確化は、志望動機の核となる最も重要な準備作業です。
採用担当者が最も知りたいのは「なぜ数あるIT職種の中でインフラエンジニアを選んだのか」という点で、この理由が曖昧だと志望動機全体の説得力が失われてしまいます。
明確な動機を見つけるためには、システムの土台を支える技術への興味や、安定性・可用性への責任感、技術の進歩への対応といった観点から自分の価値観を振り返ってみましょう。
例えば、過去に「縁の下の力持ち」的な役割で喜びを感じた経験や、問題解決やトラブルシューティングに興味を持った場面があれば、それをインフラエンジニアの仕事と結び付けることができます。
自分の価値観や興味をインフラエンジニアの業務内容と照らし合わせて共通点を見つけ、具体的なエピソードと組み合わせて表現することが重要です。
企業選択の理由を具体化する
応募企業を選んだ具体的な理由を明確にすることで、志望動機に独自性と説得力を持たせることができます。
「どの企業でも通用する志望動機」では採用担当者の印象に残らず、本気度が疑われる可能性があるため、その企業ならではの特徴や強みを見つけることが重要です。
企業研究では、技術領域や得意分野、社風や働き方、社会的使命や事業内容、成長性や将来性、教育制度やキャリア支援制度などを詳しく調べましょう。
企業のWebサイト、IR情報、技術ブログ、社員インタビューなどから、その企業ならではの特徴を複数見つけ、その中から自分の価値観や目標と最も合致する点を選びます。
例えば、クラウド技術に強い企業であれば「最新のクラウド技術を学べる環境」、地域密着型の企業であれば「地域社会への貢献」といった具体的な魅力を志望動機に盛り込むことで、企業研究をしっかり行った本気度を示すことができます。
入社後のキャリアビジョンを描く
入社後の明確なキャリアビジョンを描くことで、長期的な成長意欲と企業への貢献意識を示すことができます。
採用担当者は「この人は入社後にどのように成長し、企業にどんな価値をもたらしてくれるか」を評価するため、計画性と目標達成への意欲を具体的に示すことが重要です。
キャリアビジョンは短期・中期・長期に分けて考え、短期目標では基礎技術の習得や資格取得、中期目標では専門領域の確立やプロジェクトリーダー、長期目標では技術スペシャリストやマネジメントといった段階的な成長を描きます。
また、クラウドアーキテクトやセキュリティエンジニア、SREなど具体的な技術領域を示したり、インフラ自動化や災害対策、コスト最適化など貢献したい分野を明確にしたりすることも効果的です。
企業の事業内容や技術方向性と照らし合わせ、その企業で実現可能なキャリアビジョンを数値目標や期限を含めて具体的に表現しましょう。
自分のスキルと経験を整理する
これまでの経験とスキルを体系的に整理し、インフラエンジニアの業務にどう活かせるかを明確にすることで、採用担当者に具体的な価値提供をアピールできます。
未経験者であっても、これまでの経験には必ずインフラエンジニアの業務に活かせる要素があるため、それらを整理して言語化することでポテンシャルの高さを示すことが可能です。
技術的経験としては、プログラミングやネットワーク設定、データベース操作などがあり、業務スキルではプロジェクト管理や品質管理、トラブル対応、顧客対応などが該当します。
また、論理的思考や継続学習、責任感、コミュニケーション能力といった個人的特性や、IT関連資格、技術書籍の読書、オンライン学習といった自己研鑽の取り組みも重要な要素です。
製造業での品質管理経験や、サービス業での顧客対応経験、営業での提案力なども、インフラエンジニアの業務と関連付けることができます。
インフラエンジニアの志望動機を作るときのポイント
インフラエンジニアの志望動機を作るのが難しいという方は非常に多いでしょう。そこで、この項目ではインフラエンジニアの志望動機を作る際のポイントを解説します。
企業を選んだ理由
まず押さえておきたいのは「数ある企業の中でなぜその企業に応募したのか」という理由を明確にすることです。
これを明確にできていないと、面接の際などに「ウチである必要性がないのでは?」と言及されてしまうでしょう。
そのため、事前に企業についてしっかりと研究しておかなくてはなりません。企業のクライアントにはどのような相手がいるのか、どのような業務内容が中心なのか、働き方はどのようになっているのかなどを把握しておきましょう。
また、可能であれば企業の製品やサービスを利用し、その経験や魅力を志望動機に織り込むことができると説得力が生まれます。
企業研究だけにとどまらず業界の研究も行って、業界におけるその企業の立ち位置なども交えて語ることができるとなおよいでしょう。
インフラエンジニアになりたい理由
IT関連のエンジニアだけに絞ってみても、データーベースエンジニアやネットワークエンジニア、セキュリティエンジニア、フルスタックエンジニアなど、たくさんの職種があります。
そういった様々な職種の中から、わざわざインフラエンジニアという職業を選んだ理由を考えてみましょう。「そんなものはない」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、あまり一般的な職業ではないインフラエンジニアを目指そうというのですから、一見理由などないように思えても必ずきっかけとなる出来事が自分の過去に隠されているはずです。
それを記憶の中から見つけ出して志望動機に記述しましょう。インフラエンジニアを選んだことに対する説得力が生まれます。
入社後の目指す姿
入社後にどのようなインフラエンジニアになりたいと思い、どのような仕事をしたいと考えているのか、しっかりと将来設計を持っていることを示しましょう。
そうすることで、インフラエンジニアとして働きたいという意欲や熱意を伝えることができるはずです。特に同業他社からの転職の場合は、即戦力として期待されているため、ここがしっかりしていないと印象が悪くなってしまうので注意しましょう。
インフラエンジニアの志望動機作成の基本構成

この章では、説得力のあるインフラエンジニアの志望動機を作成するための基本的な文章構成について紹介します。効果的な志望動機の構成には主に以下の内容があります。
- インフラエンジニアになりたい理由を明確に示す結論部分
- その結論に至った背景や経緯を説明する理由部分
- 自分の経験やスキルを示す具体的なエピソード部分
- 入社後のビジョンと熱意を伝えるまとめ部分
結論:なぜインフラエンジニアになりたいのか
志望動機の冒頭で「なぜインフラエンジニアになりたいのか」を明確に述べることは、読み手の関心を引きつけ、志望動機全体の方向性を示す重要な要素です。
採用担当者は多くの志望動機を読むため、最初の数行で興味を持てなければ残りの内容も流し読みされてしまう可能性があります。
結論を最初に示すことで、その後の理由や具体例が結論を裏付ける構造となり、論理的で理解しやすい文章になります。
具体的には「システムの土台を支え、企業活動を安定させるインフラエンジニアになりたいと考えています」や「技術革新の基盤となるITインフラの構築・運用に携わりたいと思い、インフラエンジニアを志望いたします」といった表現が効果的です。
結論は1-2文で簡潔に表現し、自分の価値観や目指す方向性が伝わる内容にしましょう。
抽象的な表現ではなく、インフラエンジニアの具体的な魅力や役割に言及することで、職種への理解度をアピールできます。
理由:結論に至った背景と経緯
結論に至った背景と経緯を詳しく説明することで、志望動機の説得力を高め、採用担当者に納得感を与えることができます。
単に「インフラエンジニアになりたい」と述べるだけでは、その動機の深さや本気度が伝わりません。
どのような体験や気づきがきっかけとなったのか、どんな価値観や考え方の変化があったのかを具体的に説明することで、志望動機に深みと信憑性を持たせることができます。
例えば、学生時代のシステム障害体験からインフラの重要性を実感した経緯や、前職での業務システム利用経験から安定したシステム基盤への関心が高まった過程などが挙げられます。
IT関連の学習を通じてインフラ技術の奥深さや社会的意義を理解した体験や、身近なサービス停止の体験からインフラエンジニアの社会的責任を感じた経緯も効果的です。
時系列で経緯を整理し、感情の変化や気づきのポイントを具体的に表現することで、ストーリーとしての魅力を高められます。
具体例:経験やスキルのエピソード
自分の経験やスキルを具体的なエピソードで示すことで、インフラエンジニアとしてのポテンシャルや適性を効果的にアピールできます。
抽象的なスキルの羅列では採用担当者に印象を残すことができないため、具体的なエピソードを通じて、どのような状況でどんな行動を取り、どのような結果を出したのかを示すことが重要です。
学習プロジェクトでのサーバー構築体験と、そこで学んだ技術的知識や、前職でのシステムトラブル対応経験と問題解決への取り組み姿勢などが具体例として挙げられます。
チームプロジェクトでのリーダーシップ発揮やコミュニケーション能力の実証、資格取得への継続的な取り組みと自己成長への意欲の表れも効果的です。
また、前職での品質管理経験と細かい作業への集中力や責任感の実例なども活用できます。
まとめ:入社後のビジョンと熱意
志望動機の最後に入社後のビジョンと熱意を示すことで、将来への展望と企業への貢献意識を伝え、採用担当者に強い印象を残すことができます。
採用担当者は「この人を採用したら、どのような価値を企業にもたらしてくれるか」「長期的に活躍してくれるか」を評価するため、入社後の具体的なビジョンと熱意を示すことが重要です。
短期的な技術習得目標とそれを通じた企業への貢献計画や、中長期的なキャリアビジョンと企業での成長への期待を具体的に示しましょう。
学び続ける姿勢と技術の進歩に対応していく決意、チームへの貢献意識と組織の一員としての責任感も重要な要素です。
企業の事業成長への貢献意欲と社会的使命への共感、技術を通じた価値創造への意欲とプロフェッショナルとしての成長目標も効果的に盛り込めます。
企業の事業内容や技術方向性を踏まえた現実的なビジョンを示し、期限や数値目標を含めることで具体性を高め、最後に熱意を込めた決意表明で締めくくることが大切です。
評価されやすいインフラエンジニアの志望動機

インフラエンジニアの志望動機を書く上でぜひ押さえておきたい「評価されやすいポイント」について解説します。評価される志望動機には主に以下の内容があります。
- 具体的なスキルや経験を効果的にアピールする自己PR要素
- 企業への強い入社意欲と本気度が伝わる熱意の表現
- 継続的な学習姿勢と責任感を示す勤勉性のアピール
- 企業の事業や技術領域との明確な関連性と理解度の表示
自己アピールがある
分かりやすく目をひく自己アピールは大きな評価ポイントとなります。
新卒の方はアルバイトやサークル活動、ボランティア活動などで取り組んだ経験を基に、自分の長所などをアピールしましょう。異業種からの転職の方の場合は、前職における実績や経験がインフラエンジニアとして役立つことを示してアピールしてください。
フリーターの方も同様です。また、新卒・異業種未経験の方どちらにもいえることですが、インフラエンジニアになるために現状行っている努力について書いてあると評価が高まる傾向にあります。
例えばCCNAやネットワークスペシャリストなどの資格の勉強を行っていることを記載するとよいでしょう。
インフラエンジニアとして実務経験がある方は過去の実績などを例に挙げて、即戦力であることをアピールするのがおすすめです。
また、取得している資格があればそのことをアピールするのもよいでしょう。例えば、CCNAの上位資格であるCCNPやCCIEを保有していれば大きなアドバンテージとなるはずです。
ITというと、理系のイメージが強いですが文系もインフラエンジニアになれます。文系であればコミュニケーション能力や文章力、英語力があることを強調するとよいでしょう。大切なのは、自分の強みをしっかり理解して、それを明確に言語化することです。
入社への熱意を感じる
志望動機に熱意を込めるのは当たり前のことだからこそ、しっかりと押さえておかないと損をしてしまうでしょう。
特に新卒の方や異業種からの転職の方は即戦力として期待はされておらず、将来性を見込まれての採用となります。そのため、熱意はこれでもかと込めるぐらいでちょうどよいでしょう。
どうしてインフラエンジニアとして働きたいのか、その会社に入社したらどのようなプロジェクトに参画したいのか、将来的にはどのようなインフラエンジニアになりたいのか、そういった部分まで言及することをおすすめします。
加えて、貴社独自のプロジェクト・分野に興味がある等、「こちらの会社にぜひ入社したい」という強い気持ちをアピールすることも大切です。そのためにも先に述べた企業研究をしっかり行いましょう。
勤勉性が伝わる
IT業界はハードウェアの面でもソフトウェアの面でも非常に成長が早い業界です。
インフラエンジニアとして最前線で活躍するには、常に新しい技術を学ぶ勤勉性が求められます。
継続的な学習姿勢と責任感を示す勤勉性のアピールは、インフラエンジニアとしての適性と長期的な成長可能性を効果的に示すことができますよ。
インフラエンジニアとして仕事をする上でどのような勉強をしているのか、そして、どのような資格に挑戦しているのかを記載しましょう。
具体的には、「基本情報技術者試験に合格後、現在はLPICレベル1の取得に向けて計画的に学習しています」といった資格取得への取り組みや、「技術ブログを毎日読み、新しいクラウドサービスについて週末に検証環境で実際に試しています」といった自主学習の継続を示すことが効果的です。
日常的な学習習慣、資格取得計画、自己改善の取り組みなど、継続性を示すエピソードを具体的に記載し、期間や頻度、成果を数値で示すことで、勤勉性をより説得力のある形でアピールできます。
企業の事業内容との関連性が明確
企業の事業内容や技術領域との明確な関連性を示した志望動機は、企業研究の深さと入社後の具体的な貢献をアピールし、採用担当者に強い印象を与えます。
「どの企業にも使える汎用的な志望動機」では本気度が疑われ、他の企業が第一志望なのではないかという印象を与えてしまいます。
企業の具体的な事業内容、技術的特徴、市場での位置づけを理解し、それと自分の経験や目標を関連付けることで、その企業を選んだ明確な理由を示すことが重要です。
例えば、「御社が得意とするクラウドマイグレーション事業において、私の仮想化技術の知識を活かしたいです」といった技術領域との関連や、「金融業界向けシステムの堅牢性と可用性の要求に、私の品質管理経験を活かして貢献したいと考えています」といった事業分野への興味を示すことが効果的です。
企業のWebサイト、IR資料、技術ブログ、ニュースリリースなどを詳しく調査し、その企業独自の特徴を複数見つけ、その中から自分の経験、スキル、興味と最も関連の深いものを選び、具体的にどう貢献できるかを明確に表現することが大切です。
【未経験者向け】アピールできるポイント

この章では、インフラエンジニア未経験者が志望動機で効果的にアピールできるポイントについて紹介します。未経験者がアピールできるポイントには主に以下の内容があります。
- 継続的な学習への取り組みと資格取得に向けた具体的な行動
- 日常生活や前職で培った論理的思考力の実例とその活用方法
- チームワークや顧客対応で発揮したコミュニケーション能力
- 技術やコンピュータに対する自然な興味と学習への積極性
学習意欲と資格取得への取り組み
未経験者にとって学習意欲と資格取得への具体的な取り組みは、インフラエンジニアとしてのポテンシャルと本気度を最も効果的にアピールできる要素です。
未経験者は実務経験がないため、技術スキルではなく「将来の成長可能性」で評価されるため、継続的な学習姿勢と資格取得への取り組みが重要になります。
これらは自己投資への意欲と目標達成能力を具体的に示すことができ、採用後の技術習得速度や長期的な成長への期待を高めることができます。
具体的には、「基本情報技術者試験に合格し、現在はLPICレベル1の取得に向けて毎日2時間の学習を継続しています」といった資格取得の計画と実績や、「Udemyでネットワーク基礎講座を受講し、3か月で修了証を取得しました」といったオンライン学習の活用を示すことなど効果的です。
学習計画を具体的な期限と目標を含めて示し、すでに取り組んでいる内容があれば必ず記載することで、継続的な成長意欲をアピールできますよ。
論理的思考力の具体例
前職や日常生活で発揮した論理的思考力の具体例は、インフラエンジニアの核となる問題解決能力を効果的にアピールできる重要な要素です。
インフラエンジニアの業務では、システム設計、障害対応、性能最適化など、複雑な問題を論理的に分析し、段階的に解決していく能力が必須となります。
未経験者でも、前職や日常生活での問題解決経験を通じて、この能力を証明することが可能です。
例えば、「前職で売上データを分析し、原因を特定して改善策を立案、実行した結果、売上が向上しました」といった業務改善での論理的アプローチや、「接客業で顧客のクレーム原因を論理的に分析し、根本解決策を提案して再発を防止しました」といったトラブル対応での段階的解決を示すことが効果的です。
具体的なエピソードを示すことで、技術知識がなくても基礎的な思考能力があることをアピールでき、問題→分析→解決→結果の流れを明確に示すことで説得力を高められます。
コミュニケーション能力の活用方法
多様なステークホルダーとの連携が必要なインフラエンジニアにとって、コミュニケーション能力とその活用方法の具体例は、技術力と同じくらい重要なアピールポイントです。
インフラエンジニアは技術者でありながら、開発チーム、運用チーム、顧客、ベンダーなど様々な立場の人々と連携する必要があるため、技術的な内容を分かりやすく説明したり、要件を正確にヒアリングしたり、チーム内での情報共有を円滑に行ったりする能力が求められます。
「営業として技術的な商品説明を顧客にわかりやすく伝え、成約率を向上させました」といった顧客対応でのわかりやすい説明や、「プロジェクトリーダーとして5名のチームをまとめ、定期的な進捗共有で全員の認識を統一しました」といったチーム調整での情報共有の経験をアピールできます。
具体的な場面と相手、使用した手法、得られた結果を明確に示し、特に「技術的な内容を非技術者に説明した経験」や「異なる立場の人々との調整経験」があれば重点的にアピールすることが効果的です。
機械やコンピュータへの興味・関心
機械やコンピュータに対する自然な興味・関心とその具体的な表れは、インフラエンジニアとしての適性と継続的な学習意欲を示す基盤となる重要なアピールポイントです。
インフラエンジニアは日常的に物理的な機器やシステムと向き合うため、技術に対する自然な興味があることは業務の効率性と満足度に直結します。
また、技術の進歩に対する好奇心は、新しい知識を積極的に習得する原動力となり、長期的な成長可能性を示すことができます。
「学生時代からパソコンの自作を趣味とし、最新パーツの性能比較や組み立て技術を独学で習得しました」といった趣味での技術的取り組みや、「プログラミングの独学でWebアプリケーションを作成し、サーバー環境の構築も自分で行いました」といった学習での技術体験を示すとよいでしょう。
単なる「好き」ではなく、具体的にどのような行動を取ってきたかを示し、技術的な内容を理解しようとする姿勢や、実際に手を動かして学ぶ積極性があれば重点的にアピールすることで、継続性と実行力を証明できます。
インフラエンジニアの志望動機の例文
続いては志望動機の例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
未経験者の転職の場合
未経験者の志望動機は、学習意欲・適性・転職理由の3要素を効果的に組み合わせ、将来の成長可能性を具体的に示すことが重要です。
未経験者は実務経験で差別化できないため、ポテンシャルと熱意で勝負する必要があり、採用担当者は「この人は本当にインフラエンジニアとして成長できるか」「すぐに辞めないか」「基礎的な適性があるか」を重点的に評価します。
例文
貴社の充実した社員教育プログラムに惹かれ志望しました。
私はこれまで総務で働いていましたが、ある時知人からインフラエンジニア職についての話を聞く機会がありました。
そのお話の中で、自分が普段意識していないだけで、実は私たちの快適な生活はインフラエンジニアの方々の活躍の上に成り立っているのだと気づかされ、感銘を受けました。
次第に自分もインフラエンジニアの一員となりたいと願うようになり、今ではCCNAの資格取得を目指して独学で勉強を行っています。
ITインフラに関わる仕事は未経験ですが、前職で培ったコミュニケーションスキルやスケジュール管理能力などを活かし、一刻も早く会社に貢献できることを目指したいと思っています。
経験者の転職の場合
経験者の志望動機は、これまでの技術経験と実績を具体的に示し、転職理由とキャリアアップの方向性を明確にして、応募企業でしか実現できない成長ビジョンを提示することが重要です。
経験者は実務経験があるため、未経験者とは異なり「即戦力性」と「さらなる成長可能性」の両方が評価され、採用担当者は「どのような技術スキルがあるか」「なぜ転職するのか」「この企業でどのような価値を提供できるか」を重点的に評価します。
これまでの経験を整理し、応募企業の事業内容や技術方向性と照らし合わせて、最も関連性の高いスキルと経験を重点的にアピールし、転職理由は前向きで具体的な成長意欲として表現することが大切です。
例文
私が貴社を志望した理由は上流工程の実績が魅力的だったからです。
前職では3年間にわたりLinux系のハードウェアやミドルウェアなどの構築業務に携わってきました。しかし、今後は構築業務だけでなく設計業務にも携わることのできるインフラエンジニアへステップアップしたいと考えています。
前職で経験してきた構築ノウハウを活かし、即戦力として貴社に貢献できることを望んでいます。
企業形態別の志望動機のポイント

この章では、企業形態別にインフラエンジニアの志望動機を作成する際の重要なポイントについて紹介します。企業形態別の志望動機のポイントには主に以下の内容があります。
- 大手SIer企業の特徴と求める人材像に応じた志望動機の作成方法
- 中小SIer企業の強みと働き方に合わせた効果的なアピール戦略
- SES企業のビジネスモデルと成長機会を活かした志望動機の構成
大手SIer向けの志望動機
大手SIer向けの志望動機は、大規模プロジェクトへの参画意欲、安定性と成長性のバランス、社会貢献への意識を重視し、長期的なキャリアビジョンと企業の事業方向性との合致を明確に示すことが重要です。
大手SIerは大規模なシステム開発プロジェクトを手掛け、社会インフラに関わる重要なシステムを構築するため、責任感と安定性を重視する傾向があります。
また、長期的な人材育成に投資するため、将来のリーダー候補として成長できる人材を求めています。
「数千台のサーバーを管理する大規模インフラの構築・運用に携わりたい」といった大規模プロジェクトへの憧れや、「金融システムや公共インフラなど、社会の基盤となるシステムを支えたい」といった社会貢献への意識を示すことが効果的です。
志望動機では、企業の代表的なプロジェクトや技術領域を具体的に調べ、自分のキャリアビジョンとの関連性を明確に示し、安定性を求めるだけでなく、その環境で何を学び、どう成長したいかを具体的に表現することが大切です。
中小SIer向けの志望動機
中小SIer向けの志望動機は、幅広い業務経験への期待、意思決定の速さと柔軟性への魅力、お客様との距離の近さを活かした成長意欲、そして企業の特色や強みへの共感を具体的に示すことが効果的です。
中小SIerは大手企業と比較して、一人ひとりが担当する業務範囲が広く、お客様との距離も近いため、多様な経験を積める環境があります。
また、組織がコンパクトで意思決定が早く、新しい技術やアイデアを実現しやすい特徴があるため、主体性と積極性を持って幅広く成長したい人材を求める傾向があります。
「設計から構築、運用まで一貫して携わることで、総合的なスキルを身につけたい」といった幅広い経験への期待や、「お客様と直接コミュニケーションを取り、ニーズに応じたソリューションを提供したい」といった顧客との近い距離感への魅力を示すことが重要です。
志望動機では、その企業独自の強みや特色を詳しく調べ、なぜその企業を選んだのかを明確にし、主体性と成長意欲を前面に出して幅広い業務に挑戦したい姿勢を具体的に示すことが効果的です。
SES企業向けの志望動機
SES企業向けの志望動機は、多様なプロジェクトでの経験積み重ねへの意欲、様々な技術領域への関心、適応力とコミュニケーション能力のアピール、そして将来的なキャリア形成への明確なビジョンを示すことが重要です。
SES企業は様々なクライアント企業のプロジェクトに技術者を派遣するビジネスモデルのため、多様な環境や技術に対応できる柔軟性と適応力が求められます。
また、異なる企業文化やチームに迅速に溶け込めるコミュニケーション能力も重要で、幅広い経験を通じて技術力を向上させたい人材にとって魅力的な環境を提供できます。
「様々な業界のシステムに携わることで、幅広い技術経験と業務知識を身につけたい」といった多様な経験への期待や、「新しい環境やチームに素早く適応し、即戦力として貢献できる自信があります」といった適応力のアピールが効果的です。
志望動機では、変化を恐れず新しい環境に挑戦する積極性と、様々な技術を学び続ける意欲を強調し、将来的にどのような技術者になりたいかの明確なビジョンを示すことが大切です。
よくある志望動機の失敗例

この章では、インフラエンジニアの志望動機でよく見られる失敗例について紹介します。志望動機の失敗例には主に以下の内容があります。
- どの企業でも使える汎用的なテンプレート志望動機の問題点
- 前職や現職への不満を前面に出した後ろ向きな表現の危険性
- 具体性に欠け学習意欲や成長意識が感じられない曖昧な内容
テンプレート感の強い志望動機
テンプレート感の強い志望動機は、採用担当者に「本気度が低い」「企業研究が不足している」という印象を与え、選考で不利になる最も避けるべき失敗例です。
採用担当者は多数の志望動機を読むため、どの企業でも使い回せる内容はすぐに見抜かれてしまいます。
テンプレート的な志望動機は、その企業への特別な思い入れや具体的な志望理由が感じられないため、「他の企業が第一志望で、ここは滑り止め」という印象を与えてしまう危険性があります。
具体的な失敗例としては、「ITの発展に貢献したい」「技術力を向上させたい」「成長したい」といった抽象的な表現の多用や、「御社の理念に共感しました」「御社で成長したいです」といった企業名を入れ替えるだけの内容が挙げられます。
テンプレート感を避けるためには、企業の具体的な事業内容、技術領域、企業文化を詳しく調べ、その企業ならではの特徴と自分の経験や目標との関連性を明確に示すことが重要です。
企業のWebサイト、ニュースリリース、社員インタビューなどから独自の情報を収集し、オリジナリティのある志望動機を作成することが成功の鍵となります。
前職への不満を強調する内容
前職への不満を強調する志望動機は、採用担当者にネガティブな印象を与え、「同じ理由で当社も辞めるのではないか」という懸念を抱かせる危険な失敗パターンです。
転職理由として前職への不満を述べることは理解できますが、それを志望動機の中心に据えることは逆効果になります。
採用担当者は「問題解決能力の欠如」「協調性の欠如」「責任転嫁の傾向」を疑う可能性があり、ネガティブな内容が多い人材は職場の雰囲気を悪化させるリスクがあると判断され、採用を避けられる傾向があります。
具体的な失敗例としては、「前の会社は給料が安く、残業も多かったので転職を決意しました」といった待遇への不満や、「職場の人間関係が悪く、上司とも合わなかったため」といった人間関係の問題を前面に出す表現が挙げられます。
前職への不満は転職理由として面接で聞かれた際に簡潔に述べるに留め、志望動機では前向きな理由を中心に構成することが重要です。
「新しい技術への挑戦」「より大きな責任を担いたい」「専門性を深めたい」など、成長志向の表現に置き換えることで、ポジティブな印象を与えることができます。
学習意欲が伝わらない志望動機
学習意欲が伝わらない志望動機は、技術の進歩が早いIT業界において「継続的な成長が期待できない」という判断を下され、特に未経験者にとって致命的な失敗要因となります。
インフラエンジニアは技術の進歩に常に対応し続ける必要があるため、学習意欲と自己成長への姿勢は最も重要な評価ポイントの一つです。
学習意欲が感じられない志望動機は、「入社後に新しい技術についていけない」「成長が停滞する」「長期的な活躍が期待できない」という懸念を抱かせます。
具体的な失敗例としては、「御社で技術を教えていただきたい」「研修制度が充実しているので安心です」といった受け身な表現や、「安定した環境で働きたい」「これまでの経験を活かしたい」といった現状維持志向の内容が挙げられます。
学習意欲を示すためには、現在取り組んでいる学習内容、取得済みまたは取得予定の資格、読んでいる技術書籍、参加している勉強会などを具体的に記載することが重要です。
また、入社後の学習計画や目指したい技術領域も明確に示すことで、継続的な成長意欲をアピールでき、数値や期限を含めた具体的な目標設定も効果的です。
面接での志望動機の伝え方

この章では、面接において志望動機を効果的に伝えるための重要なポイントについて紹介します。面接での志望動機の伝え方には主に以下の内容があります。
- 面接官からの深掘り質問に対する事前準備と回答戦略
- 説得力を高める具体的なエピソードの選定と構成方法
- その企業を選んだ明確な理由の整理と効果的な伝え方
深掘り質問への準備
面接での深掘り質問への準備は、志望動機の真の理解度と本気度を示すために不可欠であり、表面的な回答では通過できない選考の重要な関門です。
面接官は志望動機を聞いた後、必ずと言っていいほど深掘り質問を行います。
これは応募者の本気度、論理的思考力、企業理解度を測るためで、表面的な準備しかしていない場合、深掘り質問で矛盾が生じたり、答えられなかったりして、志望動機全体の信憑性が疑われます。
「なぜインフラエンジニアなのか?」に対して「なぜ開発エンジニアではダメなのか?」といったより詳細な質問や、「技術に興味がある」に対して「具体的にどの技術領域に興味があるのか?」「その技術を学ぶために何をしているか?」といった実行力を問う質問が予想されます。
志望動機の各要素について「なぜ?」を5回繰り返し、根本的な理由まで掘り下げて準備することが重要で、想定される質問をリストアップし、それぞれに対する具体的で一貫性のある回答を用意し、矛盾のない論理的なストーリーを構築することが大切です。
具体的なエピソードの準備
具体的なエピソードの準備は、志望動機に説得力と信憑性を与える最も効果的な手法であり、面接官の記憶に残る印象的な回答を作り出すために必要不可欠です。
抽象的な説明だけでは面接官に強い印象を与えることができないため、具体的なエピソードは応募者の人柄、価値観、行動パターンを示すとともに、志望動機の根拠を裏付ける証拠としての役割を果たします。
ストーリー形式で語ることで面接官の関心を引きつけ、記憶に残りやすくなる効果もあります。
例えば、「大学時代にサーバーがダウンしてゼミの発表ができなかった経験から、インフラの重要性を実感しました」といった技術への興味のきっかけや、「資格取得のために毎朝1時間早起きして3ヶ月間継続し、合格を達成しました」といった学習への取り組みなど、具体的な状況と行動を示すエピソードが効果的ですね。
STAR法を使ってエピソードを構成し、状況→課題→行動→結果の流れで整理し、数値や具体的な成果があれば必ず含め、そのエピソードから何を学んだか、どう成長したかも明確に説明することが重要です。
企業志望理由の明確化
企業志望理由の明確化は、数ある選択肢の中からその企業を選んだ特別な理由を示し、採用担当者に「この人は本気で当社に入りたがっている」という確信を与えるために最も重要な要素です。
面接官が最も知りたいのは「なぜ他社ではなく当社なのか」という点で、曖昧な企業志望理由は「どこでもいいのではないか」「第一志望ではないのではないか」という疑念を抱かせてしまいます。
明確で具体的な企業志望理由は、企業研究の深さと入社への本気度を示し、採用後の定着率や活躍への期待を高める効果があります。
「御社の医療システム事業において、人命に関わるシステムの安定稼働を支えたい」といった事業内容への共感や、「御社が先進的に取り組んでいるクラウドネイティブ技術を学び、実践したい」といった技術領域への関心を示すことが効果的です。
企業の公式情報だけでなく、技術ブログ、社員インタビュー、業界ニュースなどから独自の情報を収集し、その企業ならではの特徴を複数見つけ、競合他社との違いも明確にして、なぜその企業でなければならないのかを論理的に説明できるよう準備することが重要です。
インフラエンジニアの志望動機を作るときの注意点
最後に、インフラエンジニアの志望動機を作成する際に注意しておくべきことをご紹介します。志望動機作成の注意点には主に以下の内容があります。
- 給与や福利厚生などの待遇面を前面に出すことの危険性
- 競合他社との明確な差別化を図ることの重要性
- 主体的な姿勢を示し受け身な表現を避けることの必要性
- 具体性と独自性を重視した内容構成の重要性
- 教育制度への過度な依存を避けた自立的な学習姿勢の表現
待遇を理由にしない
待遇面は企業側にとってのアピール部分でもあるので、必ずしも理由にしてはいけないというわけではありません。
しかし、待遇面ばかりを全面に押し出すと、企業側からすれば「ウチより待遇がよければすぐにやめてしまうのだろうか」と不安に思われてしまいます。待遇を志望動機にすることはなるべく避けましょう。
競合他社と差別化する
漠然とした志望動機を書いてしまうと、「他の会社でもよいのでは?」と突っ込まれてしまいます。
その企業だからこそ入りたいと思っているのだと、しっかりと伝えることが大切です。
前述したように企業研究・業界研究をしっかりと行い、志望先の特徴や魅力を基に志望動機を作成しましょう。
受け身の姿勢はさける
よく「学ばせていただく」という表現を使う方がいますが、実はこれはマイナス評価です。
一見勤勉性を示せるのでプラス評価になるように思えるかもしれませんが、志望動機としては適切とはいえません。会社は学ばせていただく場所ではなく、「企業の利益に貢献する」場所だからです。
こういった受け身の姿勢を見せるのはやめ、自ら学び成長して会社に貢献する姿勢を見せるようにしましょう。
具体性に欠ける内容は避ける
具体性に欠ける抽象的な志望動機は、深い思考と真剣な検討を経ていない印象を与え、採用担当者の記憶に残らない平凡な内容として評価を下げる重大な問題となります。
抽象的な志望動機は「テンプレートの使い回し」「本気度の低さ」「企業研究不足」を疑われる原因となり、採用担当者は多数の志望動機を読むため、具体性のない内容は印象に残らず、他の候補者との差別化もできません。
また、具体性の欠如は論理的思考力や表現力への疑問も生み出し、実際の業務での報告書作成や提案資料作成能力への不安にもつながります。
「IT業界で成長したい」「技術力を向上させたい」「やりがいのある仕事をしたい」といった抽象的な表現を避け、「クラウドインフラの自動化技術を習得し、運用効率を向上させたい」「AWSのソリューションアーキテクト資格を取得し、設計業務に携わりたい」といった具体的な技術名や数値目標を含めた表現を心がけましょう。
数値、期限、具体的な技術名、資格名、プロジェクト規模などを含めて志望動機を構成し、読み手が具体的にイメージできる内容に仕上げることが重要です。
教育制度への依存は控える
教育制度への過度な依存を示す志望動機は、自立的な学習能力の欠如と受け身の姿勢を印象づけ、技術者として求められる自己成長力への疑問を抱かせる問題のある表現です。
IT業界では技術の進歩が早く、企業の研修制度だけでは最新技術に対応できないため、自主的な学習能力が必須となります。
教育制度への依存は「自分で学習する意欲がない」「会社任せの姿勢」という印象を与え、特に技術者としての成長可能性に疑問を持たれます。
また、教育制度を志望理由の中心に据えることは、仕事内容や企業理念への関心の薄さも示唆し、ミスマッチのリスクも高めます。
「充実した研修制度があるので安心して入社できます」「新人教育プログラムが整っているため御社を志望しました」といった表現を避け、「御社の技術環境で自主的に学習し、実践的なスキルを身につけたい」「先輩方と協働しながら、自らも積極的に技術習得に取り組みたい」といった主体的な学習姿勢を示す表現に置き換えることが重要です。
教育制度への言及は最小限に留め、自主的な学習計画や既に取り組んでいる勉強内容を中心にアピールしましょう。
まとめ
今回はインフラエンジニアの志望動機に関するお役立ち情報をご紹介しました。
インフラエンジニアはITインフラの設計や構築、運用、保守などを担うエンジニアです。専門的な職種なので、志望動機にも専門性が求められます。勉強している内容や、取得を目指している資格名などを交えて記述するとよいでしょう。
また、なぜインフラエンジニアという職種を選んだのか、そしてなぜその企業で働きたいのかについて、明確な理由を考えておくことが大切です。
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よくある質問
インフラエンジニアの志望動機を作るときのポイントはありますか?
はい、志望動機の作成のポイントとして、「企業を選んだ理由」「インフラエンジニアになりたい理由」「入社後どのように貢献するか」などがあげられます。自身で作成するのが難しい場合はエージェントを活用し相談しながら作成することもおすすめです。詳細は「インフラエンジニアの志望動機を作るときのポイント」で説明しているので確認ください。
志望動機で企業から印象がよくなるポイントはありますか?
はい、印象がよくなるポイントとして「自己アピールがある」「入社への熱意を感じる」「勤勉性が伝わる」などがあげられます。自身で対策が難しい場合はエージェントを活用し相談しながら作成することもおすすめです。詳細は「評価されやすいインフラエンジニアの志望動機」で説明しているので確認ください。
未経験者が志望動機でアピールできることはありますか?
未経験者は学習意欲と具体的な取り組み、他業界での関連経験、インフラエンジニアに必要な適性、そして強い転職理由を効果的にアピールすることで、経験不足を補うことができます。
未経験者は実務経験で差別化できないため、「将来の成長可能性」と「基礎的な適性」で勝負する必要があり、採用担当者は「この人は本当に成長できるか」「すぐに辞めないか」「基本的な能力があるか」を重点的に評価されます。
現在取り組んでいる学習内容、取得済みまたは取得予定の資格、前職で培ったスキル、技術への興味を示すエピソードを具体的に整理し、継続的な努力を示すエピソードと、数値や期限を含めた将来の学習計画を明確に示すことで、成長への期待感を高めることができます。