履歴書には、本人希望欄があります。いったいどんな希望を書けばよいのか、迷ったことのある人はいませんか。
希望を伝えることは、働く本人にとっても雇う側にとっても大切ですが、書いていいことと書くべきではないことがありますから、注意しましょう。
目次
履歴書の本人希望欄は何を書く項目?
履歴書の本人希望欄は、条件面で譲れないことがあるとき、会社側にそれを伝えるためのものです。
例えばどうしても出勤できない曜日や時間帯があるなら、採用されてから申し出るよりは、面接時にきちんと事情を話し、受け入れてもらっておいた方がのちのち働きやすいでしょう。
ただし、あまりにも長々と希望を書くと「こんなに要望が多いのか」とうんざりされてしまうかもしれませんし、書き方によっては採用の可否に関わることがあります。書いていいことと、書いてはいけないことをわきまえておくことが大事です。
履歴書の本人希望欄に書いていいこと
勤務日数や時間についての希望
家庭の事情などで勤務日数を制限しなければならなかったり、働けない時間帯があったりすることもあるでしょう。
「夫の扶養に入っておりますので、年収を103万円までに抑えたいと考えており、ひと月10日の範囲で働きたいです」「子どもの幼稚園のお迎えがあるため、午後4時以降は働けません」など、具体的な理由を添えるのがマナーです。
通勤手段の希望
「家から最寄り駅が遠いため、できれば自動車通勤をしたいのですが、可能でしょうか」など、駐車場や駐輪場を使いたいなら、通勤手段の希望を書きます。駐車場に空きがないこともあるので、必ず確認が必要です。
勤務開始日の希望
すぐに働ける状態にないなら、勤務開始日の希望を書きましょう。
「今の職場を○月○日に退職予定のため、○月○日からの採用を希望します」「今年の4月に娘が保育園に入園しますので、入園式の翌日である4月○日から働きたいです」など、具体的な日程を明示します。
勤務地の希望
勤務地が複数ある会社の場合、転勤の可能性があります。家庭の事情などで遠くへ転勤したくない場合は、「両親の介護があるため、○○市内の店舗での勤務を希望します」などとしましょう。
給与の希望
正社員の募集などでは、「月給20万円~40万円」など、本人の経験などによってスタート時の給与を決めるケースが多々あります。「前職の年収が450万円でしたので、同程度の報酬を希望しています」など、自分の希望をはっきり書きましょう。
連絡のつく時間帯
採用結果についての連絡は電話で行うのが一般的です。一日のうち、連絡のつかない時間帯があるなら、初めに申告しておけばスムーズですね。「平日のご連絡は○時以降、○時までにいただけますとありがたいです」など、具体的な時間帯を書きます。
履歴書の本人希望欄に書くべきではないこと
具体的ではないこと
「夕方までには帰りたい」「扶養の範囲で働きたい」など、具体的な時間帯や勤務日数を入れない希望を書くのはマナー違反です。
面接官の立場に立って考えてみれば、会社側が「どうしてあげればいいんだろう」と迷ってしまうことは明白ではないでしょうか。
可能な限り、今現状で自分ができること、できないことを明確に書くようにしましょう。そうすることで、会社側も融通しやすいですし、会社側のできること、できないことも明確に教えてもらえる絵でしょう。
また、あまりにも非常識な勤務体系の希望を書くのはやめましょう。
週末や祝日にお客様の増えるような職場(飲食店・量販店など)に就職を希望しているにもかかわらず、「土日や祝日、連休は基本的に出勤できません」などといった記載は、勤労意識の低い人などではないかと非常にネガティブなイメージに繋がります。
「なるべく」「できれば」といったあいまいな希望
希望欄には、絶対に譲れない条件を書くのが基本的なマナーです。
「なるべく6時ごろまでには帰りたい」「できれば親の介護を優先したい」などといったあいまいな表現は避けましょう。「6時までの勤務を希望します」「親の介護を大事にしたいので、一日4時間までの勤務を希望します」など、はっきり書きます。
理由のない希望
希望に理由を添え、やむを得ない事情があるからこその希望であることを伝えるのがマナーです。理由がないと、「ただ、自分がそうしたいだけ」という印象を持たれてしまいます。
理由も、必ず万人が考えてリーズナブルであると思うことだけに留めましょう。
親の通院付き添いや自分の通院などであれば当然会社側も協力してくれるケースがありますが、「○曜日は趣味の○○がしたいため○時には退社したい」というような記載はやめましょう。
「とくにありません」
とくに希望がない場合でも、「とくにありません」と書くのはNGです。「貴社の規定に従います」と書きましょう。
どうしても譲れない条件がある場合は本人希望欄に書いておこう
希望欄への書き込みは、「それが叶えられないと、私はここで働けない」という強いメッセージです。遠慮して何も書かずにいると、採用されてから働きづらさを感じる要因になってしまいます。譲れない条件は、きちんと最初に提示しましょう。
その履歴書をもって面接をしたい際に、面接の担当者から本人希望欄に記載した内容について何も質問がなかった場合には、自分からその話題を出してみるといいでしょう。
採用担当が読み飛ばしている可能性もありますし、その希望がかなわないまま就業が決まってしまうのも困りものです。
おわりに
「こんな希望を書いてしまって、そのせいで不採用になったりしないだろうか」と不安になる必要はありません。もともと、希望が叶えられなければ働くことができないのですから、不採用でも縁がなかっただけなのです。
どこかにきっと、あなたにぴったりな仕事があります。焦らず、のびのびと働ける環境を見つけましょうね!