派遣社員として働いている会社から「来月一杯で契約が終了です」と言われたら、「新しい勤務先が1ヶ月以内に見つからなかったらどうしよう!」と焦るのも無理はありません。万が一このような事態に直面した際、焦ることの無いように予備知識を身につけておきましょう。
転職活動での求人の探し方とポイント
急に契約が終了になってしまった場合、少しでも早く次の転職先を見つけるには、現在お世話になっている人材派遣会社から求人紹介してもらうことが1つ目の手段です。その次に、他の求人サイトで気に入った仕事を見つけて新しい派遣会社に登録というパターンがあります。
現在雇用契約を結んでいる派遣会社からの求人紹介
あなたのことを一番よく知っている派遣会社からの求人紹介が、最も確度が高いと言えるでしょう。派遣会社の担当者との信頼関係を築けていると、希望も言いやすくあなたに合った求人を紹介してもらえる確率が高いです。もしそれほど関係が築けていないのであれば、これを機にいろいろ相談して本音で話せる関係になれると希望の転職先を見つける近道になります。
現在契約している派遣会社以外からの求人紹介
もし現在お世話になっている派遣会社以外の持っている求人に興味があれば他の派遣会社を使ってみましょう。
一般社団法人・日本人材派遣協会の報告によると平成26年時点で約80,000以上もの派遣会社があり、非常に多いのが現状です。そのため派遣会社はそれぞれ特徴を持っています。例えば、幅広く業種・職種を扱う、専門的な業種・職種を扱う、特定の業界に強い、などです。
新しい派遣会社に登録するのであればメリットをより感じられる方がいいですよね。派遣会社に登録している期間が長い程その派遣会社と長い関係を築くことができ、賃金がアップする傾向があります。
新しく派遣会社を探す場合のポイント
所属する派遣会社はできればコロコロ変えない方がよいでしょう。そのため、長く付き合える派遣会社を選ぶために下記のポイントをしっかり押さえましょう。
経営基盤のしっかりしている派遣会社であるか
派遣会社の規模、求人数、提供される仕事内容が自分の期待するものか、サポート力、アフターフォロー体制、福利厚生、研修などがあるか、を比較しましょう。ただ求人を紹介するだけでなく、あなたのキャリア形成を踏まえた支援をしてくれるかどうかも意識することをおすすめします。
担当者との相性は良いか
大手の派遣会社は担当者が短期間で替わることもしばし見受けられます。一方小さな派遣会社は担当者がじっくり悩み相談に乗ってくれ、ケアが細かいという点がメリットです。担当者との相性の良し悪しは会社の規模に関係ありませんが、小さな会社ほどヒアリングをしっかりしてカウンセリングに時間を割いてくれる傾向があるので、相互の理解が生まれやすくなると言えるでしょう。大手の派遣会社は担当者が替わりやすいことから、自分のことを長期で知ってもらうということが、小さい派遣会社に比べて難しい傾向にあります。
ですが、担当者との相性だけに着目し過ぎることなく求人の量、自分に合った求人をきちんと紹介してくれるかなど担当者のスキルも重要ですので総合的に見ることをおすすめします。
登録時来社不要の派遣会社は便利
一般的に派遣会社に登録する時は、Webサイト上で仮登録や本登録の予約画面から派遣登録会に予約して会場に出向く必要があります。しかし、来社不要の派遣会社もありWebサイトで登録まで完了できる派遣会社もあります。通常は仮登録から本登録まで1日以上かかるので、来社不要であれば短時間で済みそのためにわざわざ会社を休んだりする必要がないのが便利でしょう。
複数登録がお勧め
派遣の契約終了は、会社の都合上回避できない場合もあります。そのような事態に備えてこれを機に複数の派遣会社に登録しておくのも良いでしょう。もしもの時に登録の手間が省けスムーズに求人紹介をしてもらえるかもしれません。
焦った転職活動で失敗した例
派遣契約終了時に大変だったこととして「焦って仕事を探したのでミスマッチに後から気付いた」という声がかなりあるそうです。あなたにとって最も重要なのは仕事内容、勤務地、給与などさまざまな条件の中で何ですか? 何が外せないポイントなのかを抑えずに短期間で焦って新しい仕事を決めてしまうと、また転職活動をする羽目になってしまいます。
それではどのような失敗例があるのか具体的に見てみましょう。
事例①:転職先がなかなか決まらずに無職になるのを回避しなければと思い急いで決めてしまった例
<Aさん>無職になるのが怖くてとりあえず採用してくれたところに決めましたが、焦って決めたためミスマッチが起こり、その後すぐまた転職活動を始める羽目になりました。
<Bさん>急いで決めてしまったためスキルが合いませんでした。勤務地が遠くなって次第に通うのがきつくなりました。
事例②:自分が外せない希望は叶えられたが職場の雰囲気までじっくり確認せずに後悔した例
<Cさん>数ヶ月の短期の仕事でしたが、スキルシートのみの採用でした。実際その会社に出社すると、私は40代なのですが、20代の若い社員ばかりでした。なかなか馴染めずストレスを感じました。
今一度確認!いつまでに転職したい?次の職場の優先順位は?
焦ってはいけないとは分かりつつも早く良い転職先を見つけるためにどのような対策が必要なのでしょうか。下記の項目を取り入れてみてください。
改めて自己分析をする
早く良い転職先を見つけたくて焦っているとは思いますが、じっくり自分と向き合う時間も確保してください。今働いている職場はどのような点が良かったですか? 次の転職先で改善したいことは何ですか? これらを洗い出してみて優先順位を付けていきましょう。1人でクリアにするのが難しければ友人や派遣会社の担当者に相談に乗ってもらいましょう。
転職活動のスケジュールを立てる
派遣ですでに働いている方はイメージできるかもしれませんが、書類選考のスケジュールは一般的に大体3日~1週間かかります。遅い場合は2週間かかることもあると考えておきましょう。早く決めるために有効な策の1つは、短期間で複数社の面接を受けることです。転職活動のために、今の職場のお休みがきちんと取れるように職場に上手に交渉しましょう。
契約終了と会社側から告げられた場合は、あなたが次の転職先を見つけるために面接でお休みをすることに対して基本的に理解がある職場が多いです。しかし、そのような好意に甘んじ過ぎることなくマナーを持って対応しましょう。
派遣会社の担当者とのコミュニケーションを密にする
短期間で良い求人を紹介してもらうには担当者に「いつまでに必ず転職したい」「こういう職場がいい」「こういう職種がいい」などの希望をきちんと伝えることです。迷ったりすることなどがあれば、積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。
まとめ
派遣の契約終了はショックかもしれませんが、ご自身の将来を改めて考え直す機会となるでしょう。派遣会社の担当者や友人、家族に話を聞いてもらい、改めて自分のキャリアを見つめなおしましょう。
焦って転職先を見つけてそのまま決めてしまうことはミスマッチを引き起こしやすく、その後また転職することになれば職歴が増えてしまいます。派遣社員として働く場合は契約終了のリスクもあると頭の隅に入れておき事前に幅広く情報収集して備えることも重要です。
そのような備えがある場合とない場合では、契約終了の際のご自身の対応が変わってくるのではないでしょうか。求人の動向は景気に左右されることも大きいですが、ご自身で納得のいく転職先を見つけられる対策をしていきましょう。
参考サイト: