働き始める前に知っておきたい派遣会社の仕組みについて

派遣社員として働いてみよう! と思ったときに「人材派遣の会社は、どんなことをしているの?と思ったことはありませんか? ここでは派遣会社の役割と、ビジネスの仕組みについてご紹介します。 

求職者に対して派遣会社が行うこと 

派遣会社に登録をすると、履歴書や職務経歴書を準備してからその派遣会社の担当との面談があります。面談では、あなたの職探しの希望をヒアリングします。 

その後、求人紹介、企業との面談、採用、入社日までのフォロー、入社後のフォローなどをするのが派遣会社のサービス内容です。

 派遣社員に対して派遣会社が行うこと 

採用が決まれば、派遣社員は勤務先企業と直接雇用契約を結ぶのではなく、派遣会社と雇用契約を結びます。その中で、派遣会社が派遣社員に対して行うことには下記のようなものがあります。 

給与、福利厚生の提供 

給与は派遣会社から支給され、福利厚生は派遣会社のものが適応されます。 

勤務先でのトラブルのフォロー 

派遣社員は勤務先企業の社員ではなく、派遣会社の社員です。そのため、勤務先で人間関係や業務上のトラブルが起こった場合は、派遣会社の担当者に相談しましょう。状況を理解した担当者が、勤務先企業との間に入ってトラブルのフォローを行ってくれます。 

給与アップや仕事内容の交渉 

派遣の仕事を始めたあとに、当初聞いていた条件との違いを感じたり、自身の希望が変化したりすることもあるでしょう。また、仕事内容が高度でついていけない、仕事量が多すぎて自身の能力に合っていない、などのミスマッチが発生する可能性もあります。このようなケースで頼りになるのが派遣会社の担当者です。担当者に相談をすれば、内容によって担当者があなたの勤務企業の担当者と交渉を行ってくれます。 

契約終了後の求人紹介 

契約期間の満了や勤務先企業から見てあなたの能力が足りなかった場合、勤務先との契約が終了します。その後、あなたのことをよく知っている担当者があなたの話を聞いた上で、引き続き就業を希望していれば次の就職先が見つかるように面接の手配などを進めます。 

派遣会社が収益を得る仕組み 

派遣会社はどのようにして利益を得ているのか、疑問に思ったことはないでしょうか。派遣会社は人材を企業に紹介し、実際に派遣が決まると利益が得られるビジネスモデルです。派遣会社の取り分と派遣社員の取り分の対比は、派遣社員の取り分は契約料金の70%、派遣会社の取り分は派遣社員の契約料金の30%となります。例えばこのような計算をイメージされるとよいでしょう。時給2,000円の契約の場合、派遣社員の取り分は1,400円、残りの600円は派遣会社の取り分となります。 

※派遣社員の場合、正社員や契約社員のように直接雇用先から給与を振り込まれるのではなく、派遣会社から支給されます。 

派遣会社が抱える3種類の派遣スタッフ 

派遣社員の雇用には以下の3種類があります。それぞれの詳細と違いを見てみましょう。 

登録型派遣 

派遣会社と派遣社員が雇用契約を結びます。(契約は就業先が決まった時点で初めて発生します。) 

登録型派遣のメリットとしては、自身の要望にあった勤務地、勤務期間、勤務時間、仕事内容を自由に選べることでしょう。また、プライベートの時間も確保できます。仕事探しに困った際は派遣会社担当者からアドバイスをもらえますし、就職先が決まった後も様々なサポートを得られます。 

デメリットとしては、希望する仕事が常に発生するとは限らないこと、交通費支給や賞与がないこと、突然派遣終了になってしまう可能性があることなどが挙げられます。また、時給制のため、働く時間によって受け取る額が変わってきます。夏休みやゴールデンウィークなどで会社が長期休みの場合は、給与の変動があるのがネックと感じる人もいらっしゃるでしょう。 

紹介予定派遣 

紹介予定派遣は、正社員や契約社員である直接雇用につながることを前提として、一定期間(多いのは6ヶ月の派遣期間)派遣社員として勤務する方法です。派遣先企業と派遣社員双方の合意が取れれば、派遣期間終了後に正社員や契約社員などの直接雇用に切り替わるシステムです。 

仕事内容や職場環境が自分に合っているかを入社前に見極めることができるので、ミスマッチが発生しにくいといわれています。 

デメリットとしては、紹介予定派遣の求人数が非常に少ないことが挙げられます。(全国で2万5千件以上の派遣求人を持っている大手派遣会社の場合でも2,000件ほど) 

また、必ずしも直接雇用になれるわけではありません。試用期間が終わるころに面談や面接があり、そこをクリアしなければ直接雇用には至りません。明確なデータはありませんが、直接雇用となる確率はだいたい6割といわれており、派遣社員から断るケース、企業側から打ち切られるケースの両方あるようです。 

常用型派遣 

上述した登録型派遣は、その人に合った仕事がある時だけ派遣会社と雇用契約を結びます。一方、常用型派遣とは、派遣会社の正社員または契約社員となり常に雇用されるシステムです。派遣会社と長期の雇用契約を結び、企業に派遣されます。そのため、派遣期間が終わっても派遣会社との雇用関係は継続するため、安定した雇用形態であるのが特徴です。 

常用型派遣は、正社員では入社が厳しいような大企業や有名起業で職歴を増やすことなく派遣社員として経験を積めるのもメリットです。また、正社員と同じような福利厚生を派遣会社から受けることができます。 

デメリットとしては、派遣会社の指示により、長期でそこで働きたいと思っても定期的に派遣先が変わることでしょう。派遣会社のタイミングで職場を変わらざるを得ないことがありますので、新しい環境での適応力が必要です。 

まとめ 

人材派遣会社の仕組みや派遣社員に対して提供するサービス、派遣社員にも様々な形態があることをお分かりいただけましたでしょうか。 

たしかに、派遣社員は「契約が終了になってしまった」など不安定な雇用のイメージが強いかもしれませんが、ライフスタイルに合わせてストレスなく働いている方も多くいます。メリットを感じる方にとっては適した働き方となるでしょう。 

重宝される派遣社員の特徴として「専門スキルがある」ということが挙げられます。派遣社員として「どのようにスキルアップできるか?」について派遣会社の担当者に確認しながら自分の将来を見据えて転職先を決めていくことも重要です。 

自分が何を大切にしたいかに沿って自分に合った働き方を選択できるといいですね! 

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