人材派遣会社に登録し、派遣スタッフとして働き始める前に気になるのが資格のこと。今後働き続けていくためには、資格がないと働けないのではと心配される人もいるでしょう。今より自分の価値を高めて安定的に勤務できる状況を作るためにも、資格取得を目指すのはとても大切なことです。今回は未経験の募集も多い販売・事務・コールセンターの職種別に役立つ資格をご紹介していきます。ぜひ参考にして、自分のやりたい仕事に役立つ資格取得を目指してみてください。
目次
資格があれば派遣スタッフとして働きやすくなる可能性も
最近ではグローバル化、AIに置き換えられる仕事など、雇用の不安を煽るさまざまなニュースを耳にする機会も増えました。そういったことから派遣スタッフとして働く際には、資格がなければ企業を紹介してもらえないと思っている人も多いのではないでしょうか。
たしかに、産業革命で機械に人間の仕事が奪われたように、これから起きるAIによる産業革命でも、一部の仕事がAIに置き換えられることもあるでしょうし、グローバル化はさらに加速していくでしょう。そんな変化の激しい世の中ではありますが、資格がないと絶対に仕事を紹介してもらえないわけではありません。
しかし、資格があればたとえ未経験であったとしても知識を持っていることが評価され、雇ってもらえる可能性が高まりますし、無資格者に比べて時給アップなど待遇が上がることも考えられます。資格の勉強や経験でスキルアップをし、安定的なキャリアを目指すためにもぜひ資格取得を考えてみてください。
販売職で役立つ資格とは?
販売職は顧客との対応がメインとなる仕事のため、資格が必要ないといわれることもあります。しかし、販売力などは目に見えないスキルでもあるため、その人を面接しただけでどのくらいの販売能力があるかは判断できません。実績を伝えればある程度の素養を見ることはできるでしょうが、販売員の能力以外にも売れる要因はたくさんあるため、実績を見ただけではその販売員の能力をはかることは難しいのです。
目に見えない能力の場合は特にそうですが、資格を持っていると「一定の水準に達している人」という基準値を設定することができます。企業側に安心感を持ってもらえ、採用される可能性を高められるというメリットがあるといえるでしょう。販売職で役立つ資格としては、下記の2つがあります。
販売士
販売士試験は商工会議所が主催している民間の検定試験で、年齢や学歴などに関係なく受験できる資格です。主に小売業や流通業を志望している人が取得を目指すことが多いです。販売士は1~3級までがあり、2級がマネージャーなどの管理職を目指す人、1級は部長や経営者などを目指す人、というように幅広い段階が用意されています。
資格勉強を通じて小売業全体に詳しくなれるため、食料品を扱うスーパー、さまざまなアイテムが揃うホームセンター、家電量販店、アパレルなどあらゆる業界で使える実践的な販売の基礎を身につけられるのが特徴です。売り場をどうしたら売れるようになるのか、適切な数や価格はどの程度か、仕入れはどうすべきかなど販売に関わるマーケティング、マーチャンダイジング、仕入れ・在庫管理方法などに加えて、2級以上は従業員のマネジメント、1級は経営計画の立案や財務管理なども学べます。企業によっては時給アップ・手当を付与するなどの待遇がある場合もあるため、先に挙げた業界へ派遣スタッフとして働く場合はぜひ初心者の3級からチャレンジしてみてください。
ファッション販売能力検定
ファッション販売能力検定は一般財団法人日本ファッション教育振興協会が主催する民間資格です。販売士資格と同じように、どういった売り場作りが売上につながるのか、在庫管理の方法、マーケティングの基礎などについて、ファッションに特化した形で学ぶことができます。
こちらも1~3級までの段階があり、3級はマーケティング・販売業務・売場作り・店舗演出などの基礎、2級はさらに高度な店舗演出・VP展開・販売技術など。1級は2~3級の内容のレベルを高くしたものと管理職としての仕事、情報・人事・ショップのマネジメント、本部業務やプロモーション・店舗開発の知識、コンサルティングセールスやクレーム対応など、店舗責任者としての知識をつけることができる検定となっています。
どちらについても受験資格はありませんので、実務経験を補填するための資格として取得を目指してみるのもよいでしょう。
事務職で役立つ資格とは?
事務職の場合はコミュニケーション能力などの目に見えない能力の他に、事務処理能力や語学力、そして簿記などの数字に関する知識が必要な場合もあります。事務職で役立つ資格として、下記の3つをご紹介しましょう。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOSは事務職であれば必ず使うOS(オペレーションシステム)であるWindowsを作っているマイクロソフト社が提供するパソコンスキル証明の資格です。マイクロソフト社が提供するWord、Excel、PowerPointをどの程度使えるのかを明確にしてくれるため、資格を持っていれば即戦力になってくれることがわかります。
試験形式も実技なので、企業側にとっては本当に即戦力となるかが分かる資格であるといえるでしょう。また、世界で通用する国際的な資格であるため、外資系に勤めた場合でも同じようにアピールが可能です。実務も効率的にこなせるようになるので、取得しておくとよいでしょう。
語学の検定(TOEIC・英検・中国語検定など)
TOEICや語学検定、中国語検定など、語学習熟度がどの程度あるのかを明確に示すことができる資格も持っておくと役立つでしょう。英文メールでのやりとりが発生する業界もグローバル化によって増えていますから、英語や中国語などができる派遣スタッフが欲しいと思っている企業は多いはずです。
日商簿記1級~2級
事務処理能力以外にも、簿記を持っていれば経理業務についても担当できる可能性があるため、非常に重宝されるはずです。経理の知識を身につけられれば、さらにキャリアにも広がりが出てきます。幅広いキャリア形成を目指したいなら、ぜひ取得してみてください。
コールセンター職で役立つ資格とは?
コールセンターは的確な電話応対とパソコンスキルが必要となります。特にタイピングに関しては早ければ処理能力が上がるため、重宝されるはず。タイピングは資格まで取らなくても、1分に何文字打てるかということを伝えればおおよそのイメージを持ってもらえますので測っておくとよいでしょう。コールセンターで役立つ資格としては、下記の2つがあります。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
事務職のときと同じように、コールセンター業務でもExcelで状況をまとめるなどの作業が発生することも考えられます。対応力があったとしても、事務処理能力がなければ業務に差し支えがあるということもありますので、取得しておくとよいでしょう。
語学検定(中国語検定・英検など各種語学資格)
日本にも海外から移住してきている方が増えており、コールセンターでも今後対応する可能性が高まることが予想されます。また、ホテルなど宿泊施設のコールセンターであれば、英語を使うことが当たり前です。さらに中国語も使える派遣スタッフであれば、長く勤務し続けられる可能性も高まるでしょう。語学については時給が大幅に上がる可能性も高いため、取得を目指せば年収のベースアップも夢ではありません。
役立つ資格を知ってキャリアを育てる
派遣スタッフとして働く場合、時間数や勤務日数が正社員などに比べて少なくなる傾向にあります。派遣スタッフとして価値ある人材であり続けるためには、資格取得などで自分の能力をわかりやすくし、相手に伝えられる状態にすることがとても重要になってきます。派遣として働くのであれば、今回ご紹介した資格を取得することで自分のキャリアを磨いていってはいかがでしょうか。