現在、販売スタッフとして活躍している先輩スタッフさんにインタビューを行いました。
仕事を始めたときはどんな気持ちだったか、この先どんな風に壁を乗り越えていったらいいか、周りの方と良好な関係を築くにはどうしたらいいか……。
そんな悩みを抱えている方へのヒントとなるよう、先輩スタッフさん自身が体験したことを話していただきました。
今回は、家電量販店で活躍している藤村さん(仮名)のお話です。
※仕事内容:大手家電量販店での携帯電話・スマホの販売、契約、登録業務
目次
藤村さんの仕事とは
――最初はどんなお仕事をされていましたか?
携帯キャリアから業務委託を受けた店舗常勤のフィールドサポーターとして勤務後、エリアの中で特に力を入れたい店舗を回る特販チームのメンバーとして勤務しました。特販チームは30名弱おり、基本的に2名1組で動いています。一緒に組むメンバーはその時々によって変わります。
――現在のお仕事は何ですか?
現在は特販チームのSV兼トレーナーとして複数店舗を回りながら、スタッフの教育や店舗状況の確認、改善指導を行っています。
はじめは「いらっしゃいませ」も言えないほどだった
――お仕事を始める前はどんなお気持ちでしたか?
店舗に立つ前に研修は受けましたが、サービス内容や契約事項など覚えることが非常に多く、専門用語が何を指しているのかわからない状態で不安でした。
ですが、通信やシステムに関することには元々興味があったので、覚えること自体に抵抗感はありませんでした。ただ、携帯キャリアの場合サービス内容が変わっていくのでついていくのが大変そうだなと思いましたね。
――研修を受けた後、初めて店舗に立ったときはどうでしたか?
接客業自体が初めてだったので、最初はお客さんがきて通り過ぎていくのを見ているだけでした。いらっしゃいませも言えず、オロオロしているうちに1日が終わってしまいました。
店舗に立つ前に3、4日の研修はありましたが、知識を詰め込んだ感じだったので、いざ店舗に立ってみてちゃんと覚えなきゃ、と焦りました。
――お客様の前で分からないことがあった時の対処法はありましたか?
最初の頃は慌ててしまったと思いますが、なるべく戸惑っていることは表には出さずに「確認しますね」とお伝えして、先輩やサポートセンターに問い合わせをしました。
始めのうちはお客様からの簡単なご質問さえも答えられませんでしたが、よく聞かれることがわかってきたり、パターンを覚えたりしていくうちに、冷静に対応できるようになりました。
――お仕事に慣れてきたと実感したのはいつぐらいですか?
店舗に立つことや環境に慣れてきたのは1ヶ月経ったくらいですが、自分一人で業務が完結できるようになったな、と思えるようになるまでは半年くらいかかりました。
仕事環境が変わるときは不安がつきもの
――勤務店舗が変わることについて、どう思いましたか?
店舗移動をするとなったときは、正直いやだなと思いました。
働いていた店舗では、他のスタッフさんと良い関係が築けていましたし、何かあったときに相談しやすかったので。また、他のキャリアの方との連携もできていたため、慣れている店舗の方が仕事のやりやすさを感じました。
ですが、仕事内容自体は同じだし、どの店舗でも良い人ばかりだったので、コミュニケーションをきちんと取れれば信頼関係を築けると思います。
――仕事環境が変わる際、何か気を付けたことはありますか?
これは、私の特販という仕事自体があまり知られていない店舗があったことも要因の一つですが……私の業務上のポジションがどういった役割を持っているかを説明し、なんでもやりますと一緒に働く方に売り込んでいました。
――新しい職場でも他キャリアの方や店舗の方との連携は必要になる場面があったと思います。そんなとき、良い関係を築くために何か意識されていたことはありますか?
他のキャリアの方などとの連携が必要となるのは、やはりお客様の対応をするときですね。
お客様の対応をしていると、中には他社の方がサービス内容が合っていることがあります。そういったときは、他のキャリアの方に見積もりを出してもらったり、お客様を紹介しています。もちろん、逆のパターンもあります。
他社の方は、ライバルであると同時に、大切な協力関係なのです。
当然、他のキャリアも扱う仕事なので、各キャリアについてある程度知っておく必要があります。
そのために、仕事で関わる方たちと積極的にコミュニケーションをとり、互いの疑問点をクリアしていくのです。
そんな交流を続けていければ、良い関係性を築けると思います。
店舗側の雰囲気が良いと、仕事もスムーズにでき、お客様の要望により良く対応することができるようになるのです。
お客様対応で大変なことは伝えること
――いろいろなサービスやお客様への対応など、臨機応変な対応が求められる仕事かと思います。その中で一番大変だったのはどんな時ですか?
やはり、接客で細かい質問をされる方や、横柄な態度をとられる方への対応には苦慮することもありましたね。
ただ、細かい質問をされてしまうのは自分の説明不足が原因のこともありました。そんなときは、丁寧に対応をしたり、知識を蓄えてどんな質問がきても答えられるようにしておくことで乗り切れるようになっていきました。
横柄な方や無理な要求をされる方には、「できること」「できないこと」を明確にお伝えすることで、それ以上のことを言われてもはっきりと線引きをするようにしています。
こうしたお客様は、自分がどれだけ経験を重ねても遭遇する時はあるでしょう。ですが、そこで得た経験が自分の力となり、キャパシティーが広がって対応できる範囲が広がっていくと思っています。
――確かに困難な状況を切り抜けるスキルは、経験や知識の積み重ねである程度得られるかもしれませんね。ですが、気持ちの面の切り替えは難しいのでは?
そんなときは、周りのスタッフの方とちょっと話したりしてガス抜きをしたりはします。
本当にいろいろな方がいらっしゃるので何かあっても重く捉えすぎず、気分を引きずらないようにするのが一番だと思います。
仕事のやりがいとは
――藤村さんが仕事をしていてやりがいを感じるのはどんな時ですか?
契約手続き後にお客様に任意でご記入いただくアンケートがあるのですが、高い評価点を入れていただいたり、「丁寧に対応してもらいました」「また藤村さんに対応してもらいたい」と書いていただけると、とても嬉しいです。
また、以前契約手続きをしたお客様に、たまたま数年後にまたご契約を担当する機会があったのですが、数年前にも自分が担当したことを覚えていてくださったときは感動しました。
――数年前に1度担当されただけなのに覚えていてくださるとは、よっぽどその時のご対応が印象に残っていらっしゃったのでしょうね。
まとめ
――この仕事を始めてから身についたことはありますか?
携帯キャリアについての知識や接客スキルが身についたのはもちろんですが、自分の場合は社会人経験自体が初めてだったので、店舗スタッフや他社の方との連携で、コミュニケーション能力は養われたと思います。
――これから接客のお仕事をされる方、始められたばかりの方にアドバイスはありますか?
やはり基本的なことですが報告・連絡・相談をしっかりすることが大事ですね。
大変な時期はあると思いますが、周りをしっかり見るようにすれば視野が広がって、お仕事を楽しめるようになると思います。
――何事も基本は大事ですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
インタビューを終えての感想
覚えることがたくさんで、日々サービスの内容も変わっていく携帯キャリアのお仕事。
お仕事を覚えるだけでも大変なのに、あらゆるお客様への対応もしなければならない藤村さんのお仕事は、商品知識も接客スキルも高く求められます。
そんな中でも、周りの方とのコミュニケーションをとりながら、お客様にとってより良いご提案ができるように日々心掛けていらっしゃいました。
藤村さんのお仕事への向き合い方は、たとえ違う業種や商材だったとしても、新しくお仕事を始められたみなさんにも参考になるポイントがあったのではないでしょうか?
まずは、今自分自身がどんなことに不安を持っていて、これからどんな風になりたいのかをイメージしてみましょう。
もちろん、一人で悩む必要はありません。
誰かと共有して自分の状況を理解してもらうだけでも、気持ちが落ち着くこともあります。些細なことでも、ぜひ担当コーディネーターに相談をしてみてください。
きっと、みなさんが自分らしく活躍できるヒントがどこかにあるはずです。それを一緒に探していきましょう。