工場での「検査」の仕事ってどんな事をするの？仕事内容ややりがいも紹介

製品は、製造して終わりではありません。

工場で製造されたものは必ず「検査」という工程を経てから出荷されます。

なぜなら、せっかく作った製品に不良品や基準に満たない品質のものが混ざっていては、クレームや重大な事故につながりかねないからです。

そんなことが起こってしまえば、企業のイメージや信頼は一気に損なわれかねません。

今回は、工場の中でも重要な「検査」の仕事について紹介していきます。

工場の検査の仕事とは？

代表的な検査といえば、ライン作業で作られた製品のチェックです。

製品に傷がついていないか、異物は混入していないか、など品質が基準を満たしているかをくまなくチェックしていきます。

検査の方法は？

検査の方法は、扱う製品によってさまざま。

例えば、自動車や機械を扱う工場では、細かな部品を扱うケースも多くあります。

検査には顕微鏡や特別な機器を使い、傷の有無だけでなく製品分析を行うこともあります。

また、食品工場ではベルトコンベアから流れてくる製品に異物が入っていないかをチェックしていきます。

このような目で見る検査のことを「目視点検」と呼びます。

さらにアレルギー検査、食品添加物検査、微生物検査なども行われています。

検査の仕事は、マニュアルに沿って行われることがほとんどです。

細かくチェック項目が記載されているので、それに沿って点検をしていきます。

検査は発送段階でも行われる

検査は製品の完成時だけでなく、発送の段階でも行われます。

例えば、製品の数があっているか、納期に間違いがないか、などお客様の手元にきちんと製品を届けるための最終チェックを行います。

検査の工程は、製品の品質やお客様との信頼関係を守るための、とても重要な仕事だといえるでしょう。

もし検査がきちんとできていなければ、不良品が販売されてしまったり、食中毒が起こる可能性もあります。

そんなことになれば企業全体の問題となり、築き上げてきた信頼や信用にかかわる問題になります。

お客様へより安全でよいものを届けたいという気持ちを持ち、丁寧に検査の作業をしましょう。

製造業における品質検査の役割とは？

製造現場における検査は、製品の品質が基準を満たしているかどうかチェックするために行うということは前述のとおりです。

ただし、品質検査の目的は、見た目と動作が正常であるかを確認するだけではありません。

製品の品質向上とコストの削減のためにも行われます。

見た目や動作に不備がないからといって何も企業努力をしないのであれば、品質向上にはつながりません。

重要なのは、検査によって判明した不備や改善点を各現場に共有して、原因を究明し、品質をさらに向上させることです。

低価格で高品質な製品をつくることで、顧客満足度、製品／企業価値のさらなる向上にもつながります。

近年では、品質検査（特に外観検査）を自動化する企業も増えてきました。

これにより、ヒューマンエラーの排除と検査コストの削減が実現し、製品の品質向上＆低価格化にもつなげているのです。

検査の種類と仕事内容は？

検査の方法には

などがあり、扱う製品や工場によって異なります。

求人の情報をよく読んで、工場ごとの検査方法を事前に調べてから働き始めるのが良いでしょう。

ここでは、上記の検査方法についてそれぞれご紹介していきます。

目視検査の仕事内容

実際に製品を目で見て、基準を満たしていないものを取り除いていくのが「目視検査」です。

ひとつでも不良品が混入してしまうと、クレームや時には事故になりかねません。

ベルトコンベアに乗って運ばれてくるすべての製品に目を通し、不良品がないかくまなくチェックしていきます。

この作業はひとりで全てを行うわけではなく、ローテーションを組んで交代で作業していきます。集中力が必要となる作業です。

外観検査の仕事内容

食品や部品をつくる工場でよく行われているのが「外観検査」です。

製品に変色や傷などがないかをチェックしていきます。

最近では、自動検査装置という機械で検査をする工場もありますが、目視検査と同時に行う工場もあるようです。

機械でも見つけられない細かい不具合などは、人がチェックをして見つけていきます。

モニターチェックの仕事内容

「モニターチェック」とは、モニター画面を使って作業の状況や、機械の動作状況を確認する検査です。

製造の過程での検査もあります。

製品が出来上がる前の段階で問題点を見つけ出すことができるため、不良品がでる確率を下げ、効率よく製造作業を進めることができます。

分析補助の仕事内容

主に医薬品や化粧品などの工場で行われているのが「分析補助」と呼ばれる検査です。

製品の成分を分析したり、データをまとめたりする検査です。

研究開発が必要となる工場で行われており、研究者をサポートするための仕事と言えます。

測定器を使用した検査の仕事内容

細かい製品や特殊な製品の検査には、特殊な機械を使用する場合があります。

そういった特殊な計測器などの機械を使った検査をする場合は資格が必要となります。

機械検査を行うためには「機械検査技能士」という資格を取得しなければいけません。

資格取得のためには実務経験が必要となるため、まずは実務経験を積むところからスタートします。

試験科目が多く、多岐にわたる科目を勉強しないといけません。

工場で検査の仕事をするメリット

工場で検査の仕事をするメリットは一般的には特別な資格は必要なく、性別や年齢の制限もないため、比較的初心者でも始めやすい点です。

具体的なメリットについて4つご紹介していきます。

早く仕事が覚えられる

はじめて検査の仕事をする人でも、比較的早く覚えられる簡単な仕事からスタートすることができるでしょう。

一度やり方を覚えてしまえば毎日繰り返すうちにコツがつかめるはずです。

徐々に難易度の高い検査を任されるようになり、やりがいも増していきます。

座りながら仕事ができる

工場や扱う製品にもよりますが、座りながら行う検査の仕事は多くあります。

立ち仕事よりも身体への負担は少なく、肉体的な疲れは感じにくいでしょう。

責任感を持って仕事ができる

検査の仕事は製造の最終段階です。

ここでミスがあれば品質管理全体の問題となってしまいます。

「この製品の最終責任者」という自覚と責任感を持って仕事をすることができるでしょう。

生産性をあげるための工夫ができる

工場の仕事は、決められた時間の中で、より多くの製品を作ることを求められます。

検査の業務も同様に、短時間でより多くのチェックがこなせるように評価があがります。

どうすれば早く、正確に検査ができるのかを考えながら作業をすることでやりがいにもつながるでしょう。

工場の検査の仕事で得られるやりがいとは？

検査の仕事は、企業の看板を背負うと言っても過言ではないほどの責任感を伴います。

そのため、初心者のうちは難易度が低い検査を担当することになりますが、慣れて要領と信頼を得てくると難易度が高い検査も任せてもらえることも。

周囲に評価されるとともに自分の成長を痛感できるため、大きなやりがいとなるでしょう。

また、人によっては不良品を発見することもやりがいのひとつとなります。

自分の不良品の発見が企業の役に立っていると自負できますし、企業によっては不良品発見につき○円支給、といった制度を設けていることもあります。

そうした企業で働けば、仕事のモチベーションがアップすること間違いありません。

そのほか検査の仕事を続けることで、責任感と集中力、根気強さが身につきます。

こうした素質は転職時にも有利に働くはずですよ。

検査の仕事は、人間としても成長できる

工場の仕事のうち、製品の品質に関わる最終的な工程である「検査」について紹介してきました。

お客様の手に届く製品に、不良や間違いがないようにきめ細やかな対応が求められるのが検査の仕事です。

製品の最終段階に責任を持つ責任感や、ひとつひとつの製品を丁寧に検査していく集中力が求められますが、その分、やりがいが大きい仕事といえそうです。

工場での検査の仕事に興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。