派遣社員として働くにあたり、気になるのはボーナスの有無。正社員でもボーナス支給がない会社もある中、派遣社員のボーナス事情は一体どのようになっているのでしょうか。実は基本的に派遣社員にはボーナスは支給されません。派遣社員はボーナスがないから損だなと感じている人にぜひとも知ってもらいたいボーナスの考え方についてお伝えします。
目次
派遣社員のボーナスは基本給に含まれている
冒頭でもお伝えしましたが、派遣社員にはボーナスの支給がありません。仕事内容はほとんど変わらないのに何でボーナスが出ないの?と感じる方も多いかと思います。
実は派遣社員に支払われる給料は、企業から派遣会社へ支払う予算として組み込まれていることが多いのです。多少の変動はあっても、予算の中でボーナスや交通費などが含まれたもので時給が計算されています。そのため、ボーナスとしての支給がないのです。
正社員はボーナスがあるからうらやましいなと思うかもしれませんが、実際に正社員のボーナスは、毎月の給与から自動で積み立てられた積立金を半年に一度払っているだけなのです。派遣社員は毎月分割して給与として支給されています。支給方法は違っても、結果的には同じようなものなのです。
また、派遣社員のボーナスはあらかじめ給与に組み込まれているので一定ですが、正社員は会社の業績や個々の査定により多少のアップダウンがあります。個人で成績を残していたとしても会社の業績が思わしくなければボーナス支給額は下がってしまうこともあるのです。
しかし、派遣社員は支給金額が一定であるだけでなく、契約時間を超過して業務をおこなった場合きっちりと残業代が支給されます。一方で正社員は、一定条件をクリアしないと残業代が支給されません。
トータルの支給金額を見ると、残業代がきっちり支給される派遣社員はボーナスをもらっている正社員より稼いでいるということも多々あります。
ボーナスが欲しいなら正社員への直接雇用が必要
先ほどお伝えしたようにあらかじめ時給に含まれているものの、派遣社員という雇用形態だとボーナス名義での支給はありません。どうしてもボーナスを受け取りたいという場合は、派遣社員をしながら直接雇用を目指すことをオススメします。
また派遣会社の正社員として働くことでボーナスを受け取るという方法もあります。ここでは直接雇用を目指す方法やメリットを詳しく説明していきます。
※平成27年に労働者派遣法が改正されるまでは、派遣会社に正社員として雇用されてから派遣先企業で働く特定派遣を目指すことができましたが、この制度も平成30年9月29日で終わりとなります。
紹介予定派遣で直接雇用されることを目指す
派遣社員は残業代が支給されるとはいえ、やはりボーナスは嬉しいものですよね。そんなときにオススメなのが、紹介予定派遣という形で働くことです。紹介予定派遣という言葉はご存知でしょうか。
派遣先企業に直接雇用してもらうことを前提に、一定の期間だけ派遣社員として勤務する方法です。基本的に派遣期間は約3か月~6か月で、試用期間後は派遣先と本人の意思確認をします。お互いが合意すれば直接雇用となります。直接雇用になることで正式にボーナスを受け取ることができます。
紹介予定派遣のメリットは、正社員として直接雇用になる前に派遣社員として働くので、実際の職場の雰囲気や業務内容を把握しやすいことです。このワンステップがあるだけで、入社後の職場環境や業務内容のミスマッチによる退職を防ぐことができます。
また、派遣社員として働いているときは派遣会社の担当者がサポートしてくれるので聞きにくいことなども事前に確認することができます。
特定派遣として働くことを目指す
※平成27年に労働者派遣法が改正されるまでは、派遣会社に正社員として雇用されてから派遣先企業で働く特定派遣を目指すことができましたが、この制度も平成30年9月29日で終わりとなるため、以下の方法でボーナス受給を目指すことは現状厳しくなっています。
実は派遣には【一般派遣】と【特定派遣】の二種類があります。
- 一般派遣・・・派遣会社に登録後、派遣社員として雇用され、派遣先企業に派遣される
- 特定派遣・・・派遣会社に正社員として雇用され、派遣先企業に派遣される
みなさんがイメージしている派遣社員は一般派遣ではないでしょうか。
あらかじめ設定された契約期間を提示して契約を結ぶ一般派遣に対し、特定派遣は派遣先との契約期間満了で業務が終了しても、派遣元である派遣会社の正社員であるため雇用契約はなくなりません。人材派遣会社の正社員なのでボーナスだけでなく退職金も支給されることもあります。
正社員として契約期間なしで常時雇用されているので、万が一何かの都合で派遣されていない期間(働いていない期間)があったとしても賃金が発生します。そのため、時給で働く派遣社員とは違い安定しているというメリットもあります。
派遣社員で働きながらスキルを身につけて正社員として転職する
派遣社員は業種によっては経験が浅くても業務に就くことが可能です。経験が浅く正社員としてはスキルが足りないといった方が、スキルや経験値を身につけるには最高の環境とも言えます。また、正社員として入社するには狭き門となる大手の会社ではたらくこともできます。
派遣社員として働きながら転職活動も併行して行うことで、正社員として働く際に必要なスキルも備えることができます。また、ギリギリまで派遣社員として働くことができるので金銭的な不安もなく転職活動を行えることができるのもメリットです。
まとめ
今回は派遣社員とボーナスについて説明しました。派遣社員は一般的にボーナスが支給されませんが、時給の中にボーナスや交通費が含まれている上、残業代もきっちり出るので実際は正社員よりもトータルの支給額が多いこともあります。
また、通常の派遣社員でも無遅刻・無欠席だった場合は皆勤手当が支給されたり、契約が更新されたり勤続○年など区切りのタイミングでちょっとしたプチボーナスが出る会社もあります。派遣社員のボーナスはないと思っていた方にとってはこのような手当は嬉しいですよね。
ボーナス気分を味わうには、毎月支払われた給与から一定額をボーナス用に自分で積み立てておくという方法があります。毎月会社に積み立ててもらうか、自分で積み立てるかの違いと考えると損した気持ちにもならないのではないでしょうか。
派遣は自分の都合やライフスタイルに合わせて働くことができたり、残業手当もつき時給が高く設定されていたりというメリットもあります。ボーナスの時期は思わず「正社員だったらボーナスがもらえたのになぁ。」などと考えてしまいがちですが、派遣社員は自分の都合に合わせて働き方を選択できたり、先ほどもお伝えしたように時間外の仕事になると残業代として手当が付いたり、超過勤務手当もきっちり出ます。
正社員、契約社員などの直接雇用や派遣社員など働き方は様々です。自分にはどのような働き方があっているか、今後どうしていきたいかを一度考えてみてくださいね!
参考サイト: